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食品スーパーの人件費

食品スーパーの人件費

株式上場している食品スーパー各社の平成24年2月、3月期の連結・損益計算書をもとに、①売上比人件費率、②売上総利益比人件費率を調べてみました。売上比人件費率は低いに越したことはありませんが、しかし、低ければ低いほど良いというわけではありません。しかし、では、売上比人件費率は何%が適正かという数字があるわけでもありません。よく聞く話では、売上比人件費率は8%~10%にあればベターと評価されるようです。

003(図-1)は、株式上場している食品スーパー21社の平成24年2月、3月期の連結・損益計算書をもとに作成した「売上総利益率と売上比人件費率」の比較グラフです。これを見ると次のことが言えます。

株式上場している食品スーパーの売上総利益率は24%~28%のところに「かたまり」が見られる。売上総利益率の上限ゾーンは28%~30%、下限ゾーンには、ディスカウント食品スーパー等の売上総利益率で16%~20%。

売上比人件費率は10%以上の食品スーパーが多く、10%を切っている食品スーパーは、21社中、アークス8.8%、天満屋ストア8.5%、丸久9.8%、アオキスーパー8.6%、スーパーバリュー8.8%、この5社だけ。多くの食品スーパーの売上比人件費率は11%~12%。

005(図-2)は、株式上場している食品スーパー21社の売上総利益比人件費率の比較グラフです。

人件費率を見る指標の一つに労働分配率(粗利益額に占める人件費の割合)があるのはご存じの通りですが、ここでは、労働分配率にかえて、売上総利益比人件費率を計算してみました。

労働分配率は30%~33%が適正という話をよく聞きました。売上総利益率比人件費率にも、この30%~33%と言う数字が適正指標値として考えられるとすると、ここで取り上げた食品スーパー21社には1社も適正指標値を確保しているところはありません。

粗利益率26.5%、売上比人件費率10%のときの労働分配率は約38%ですが、仮に、この38%という数字を売上総利益比人件費率の「おさえるべきベターな数字、目安」と考えたとしても、33%~38%のなかに売上総利益比人件費率がおさまっている食品スーパーは21社中、4社しかありません。他の17社の売上総利益比人件費率は全て39%以上です。売上総利益比人件費率が45%超になると、経営的には「赤ランプ・警戒警報」がつくと言う人もいますが、ここで取り上げた食品スーパー21社の中の12社は売上総利益比45%以上です。この12社には、売上総利益をより拡大することと、もう一つ、徹底した人件費削減に取り組むことが求められるかもしれません。

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