広告宣伝費率

株式会社しまむら-広告宣伝費率の推移

株式会社しまむらの広告宣伝費

ディリーファッションストア最大手「株式会社しまむら」の広告宣伝費の年度別推移を(表-1)にまとめてみました。広告宣伝費は変動費といわれていますが、株式会社しまむらの広告宣伝費も売上高の増加とともに拡大しています。2001年2月期から2010年2月期の10年間の推移を見ると、株式会社しまむらの広告宣伝費は売上高の伸び(前年比)を上回る増え方です。販促セールチラシだけでなく、TV、ファッション雑誌、その他の媒体での広告宣伝やパブリシティを積極的に展開していることがその背景にあるのかもしれません。

004 (表-1)の右側のグラフは、しまむらの広告宣伝費の年度別伸び率(前年比)と売上高の伸び率(前年比)の推移をグラフ化したものです。広告宣伝費の伸び(前年比)は赤線のグラフ、売上高の伸びは棒グラフですが、広告宣伝費の伸びが、売上高の伸びを上回って増加していることが見てとれます。

また、左側・下図では、広告宣伝費の額が年々上昇の一途をたどっているのも分かります。しかし、同業他社と比べ、しまむらの広告宣伝費が多いかどうかはよく分かりません。そこで、株式会社しまむらと、ユニクロ等を抱えるファーストリテイリング(株)、2社の広告宣伝費率(売上比)を調べてみました。

株式会社しまむらの広告宣伝費率(売上比)の推移

2001/2-----1.83%

2002/2-----1.87%

2003/2-----1.96%

2004/2-----1.95%

2005/2-----2.01%

2006/2-----1.99%

2007/2-----2.04%

2008/2-----2.08%

2009/2-----2.17%

2010/2-----2.32%

注①各年度別・決算概要のデータをもとに算出

株式会社しまむらの、2001年~2010年、この10年間における広告宣伝費率の推移をみると、しまむらの広告宣伝費率は約2%と考えられます。しかし、2007年以降は上昇傾向にあり、まだ増加することも考えられます。しまむらが経営的な見地から考えて、広告宣伝費率を何%としているかは分かりません。しかし、広告宣伝費率の、これ以上の上昇には歯止めをかけることも考えられます。

ファーストリテイリング(株)の広告宣伝費率の推移

連結決算の「主な連結経費の明細」にあるデータをみると、過去5ヶ年のファーストリテイリングの年度別広告宣伝費率(売上比)は以下の通りです。

2006/8-----5.0%

2007/8-----5.0%

2008/8-----4.7%

2009/8-----4.5%

2010/8-----4.6%

過去5ヵ年の広告宣伝費率をみると、ファーストリテイリングの広告宣伝費率は約5%という数字が考えられます。しかし、ファーストリテイリングが、広告宣伝費率のこの数字を経営的見地から見て、適正値と考えているかどうか別です。

ファーストリテイリングの広告宣伝費率5%という数字は、しまむらの「ほぼ2倍」の数字です。ファーストリテイリングの、この5%という数字は、しまむらの家賃費率(売上比)に匹敵する数字です。しまむらが、広告宣伝費率を、ファーストリテイリングの広告宣伝費率と同レベルまで拡大することはとても考えられません。したがって、ファーストリテイリングと比べると「その半分」ですから、しまむらの広告宣伝費率は「低い」という見方もできます。

一般的にみると、量販衣料品店チェーンの広告宣伝費率は2%以内に抑え込むべきだという声が多いように思います。しかし、景気不振、消費低迷が続くと、売上の落ち込みを防がんとして、効果のほどは別にして、広告宣伝費を拡大させる傾向がみられます。「なにもしないで、じっと縮こまっているだけでは、縮小均衡に陥る危険がある」し、かといって、「多額の広告宣伝費を使ったにもかかわらず、さしたる効果もあげられなければそれは無駄な経費」となってしまいます。広告宣伝費を圧縮すべきか、はたまた、拡大すべきか、これは経営的決断を要するとても難しい問題のひとつであると思います。