売れる売場づくり

売場レイアウト&ゾーニングの経験則(2)

「売場レイアウト&ゾーニング」の注意点

(2)主通路設定及び売場内サブ通路設定

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例(Ⅱ) 主力部門がセンターゾーンに2つ

主通路設定の基本原則→主通路は「幅広く、まっすぐに」

主通路の位置は「衣料品売場全体の形(建物、フロア形状)」をよく見て考える。

売場内サブ通路設定は、それぞれの商品部門の売場坪数をよくみて、そのサブ通路位置設定を考える。売場内サブ通路設定は、①客動線と回遊性、②売場を生かす、この2点に大きな影響を与えるので、よく考えて設定する。

主通路の幅

売場総坪数が300坪~350坪の衣料品売場の場合、主通路の幅は、

①330㎝、②240㎝、③210㎝、④180㎝、経験的にはこの4つが考えられます。売場全体の形、フロアの形によって①~④、どれが最適かを考える必要があります。経験則でいうと、②240㎝が効率的でした。また、主通路大通りに、特価平台大通りをつくる場合には①330㎝がベター。

売場の奥行き(売場壁面から主通路までの距離)

売場壁面がある場合、売場の奥行き(売場壁面から主通路までの距離)設定は、経験則でいうと、次の(A)~(E)の5つが考えられます。最も使い勝手がよかったのは(A)680㎝でしたが、建物の形、フロアの形によってその設定が難しい場合もあります。その時は、(B)~(E)で売場の奥行きを設定していました。

(A)680㎝→売場の奥行き(売場壁面から主通路までの距離)

(イ)売場壁面の商品陳列スペース幅を50㎝、(ロ)売場内サブ通路幅を90㎝、(ハ)売場に設置する陳列什器の形態と台数を90㎝×設置台数とすると、売場の奥行き(A)680㎝では、以下のような形がベターです。

奥行きの計算例→

(イ)50㎝+(ロ)90㎝+(ハ)90㎝×3台=270㎝+(ロ)90㎝+(ハ)90㎝×2台=180㎝→合計・奥行き680㎝

(A)680㎝で「奥行き」の計算をしてみましたが、このような計算をして「売場の奥行き(売場壁面から主通路までの距離)」を設定します。そして、経験則では、売場の奥行き:(A)680㎝に加えて、以下の(B)~(E)が使い勝手のいい「売場の奥行き」でした。

(B)590㎝、(C)500㎝、(D)410㎝、(E)320㎝

(3)陳列什器の配置

陳列什器の配置は「直線(真っ直ぐに)」配置が基本原則。

主通路、売場内サブ通路に対して「斜め配置」、「曲線配置」は避ける。

アウターウェアと実用インナーウェア(肌着・靴下・ランファン等)では陳列什器配置の仕方が異なります。とくに、「連続陳列線の長さ」をよく考えて設定する必要があります。一般的に、インナーウェアの連続陳列線は長く(例えば、陳列什器の長さ90㎝×6台=540㎝)、アウターウェアは、それよりも短い(例えば、90㎝×4台=360㎝)。

「売場レイアウト&ゾーニング」の経験則を、(1)、(2)にまとめました。ちょっと粗っぽい説明で恐縮ですが、売場レイアウトを考える時のお役に立てば幸いです。

   「売場レイアウト&ゾーニング」の経験則   終わり

売場レイアウト&ゾーニングの経験則(その1)

「売場レイアウト&ゾーニング」の注意点

(1)主力部門の売場位置設定

主力部門、例えば、婦人衣料部門、インナーウェア(肌着・靴下・ランファン等)の売場位置をどこに設定するか、また、確保が必要とされる売場坪数をどのような形で充たすのかを、よく考えねばならない。

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   主力部門の位置が中央・センターゾーン(上図) 

建物の形、売場の形、坪数を良く考えてゾーニング・レイアウトする。

建物の形・売場の形・→縦×横 奥行き×横幅

売場づくりの観点から、「壁の有無」に拘りすぎない。

例えば、アウターウェア部門は「売場に壁がある方が売場をつくりやすい」等。

主力部門の位置づけを最優先で考える(最も良い場所・売れる場所に配置)

主力部門を生かすために、他の部門に「しわよせ」がいっても我慢する。

主通路設定をよく考える。

主通路設定と売場サブ通路設定をよく考えて主力部門の位置づけをする。

売場ゾーニング&レイアウトのおさえどころ

売場ゾーニング&レイアウトのポイントは、①主通路設定と、②売場内サブ通路設定。

→主通路の場所・位置、長さ、幅

→売場内サブ通路の場所・位置、長さ、幅

→売場内サブ通路は、それぞれの部門部門の売場を明確に区分けするためのものです。この設定を、いい加減にすると売場の区分けが不明瞭になり、歩きにくく、商品を探しにくい売場になってしまいます。ハッキリした売場区分けが無い、ごちゃ混ぜの売場レイアウトはしない。

陳列什器配置では、売場と売場の間に、お客の売場内移動、行き来を阻害する「壁」を作らないようにする。

→ここでいう「壁」とは陳列什器でつくられた壁のことです。この「壁」をつくると、お客の、売場から売場への移動、行き来がしにくくなり、回遊性が著しく阻害されます。バイヤー、売場担当者の「シマ意識、縄張り意識」を排除しなければなりません。

陳列什器形態を統一する。

→商品特性によって陳列什器形態が異なる場合もありますが、高さ・長さ・幅・奥行き・形態などをできる限り統一すること。

→円形什器、変形什器、メーカー提供什器などは使わない。単機能什器、一般市販の標準形態の什器をできるだけ使用すること。

商品部門別の売場坪数をみて、その売場の形(奥行き・長さ・幅)を考える。

→できる限り「バランスのよい長方形型」にし、変形した売場の形をつくらない。

→売場の形は、長すぎてもいけないし、奥行き・幅がありすぎてもいけない。

→「うなぎの寝床型」の売場は出来る限り避ける。

季節の変化に連動して、売場と売場の境界線・仕切り線を移動(売場の拡縮)を、あまりする必要の無い売場レイアウトを最初からつくる。

→売場と売場の境界線移動をやればやるほど売場レイアウトは乱れる。

  

 「売場レイアウト&ゾーニング」の注意点(2)に続く

  

 

 

量販衣料-冬物商戦(12月~1月)のおさえどころ(3)

(5)低価格訴求の目玉商品を切らすな!

低価格訴求の目玉商品とは「品種別・中心ボリュームプライスラインの0.2掛け~0.25掛けで売価設定された商品のことを言います。いわゆる、「超目玉商品」と呼ばれる商品で、販促セールチラシには目玉商品(お買得品)として掲載され、集客力アップのために強調訴求されます。普段は品揃えされていないことが多く、販促セールの時だけ商品投入されるというケースがほとんどです。これら商品は、「○日限り特別提供・数量限定」などの表現で、お客の購買意欲を刺激し、来店と、その商品の買上を促すために投入される商品なわけですが、12月初旬から1月下旬にかけては、これら低価格訴求の「超目玉商品」を、販促セールチラシの有無にかかわらず常時品揃え(商品投入)しておくことがベターです。

経験的には、12月初旬~1月下旬の期間に、これら低価格訴求の超目玉商品を、品揃え在庫構成比(売価在庫高構成比)で、常時、3%前後商品投入しておくとよいと考えていますが、それをやっている店は意外に少ないように思います。(例えば、ある商品品種の、12月の平均売価在庫高が1000万円なら、低価格訴求の超目玉商品を売価在庫高で30万円、常時投入しておくということです)。商品確保が難しい、そんなことをしたら粗利益率が低下してしまうなどの理由で、常時、低価格訴求の超目玉商品の継続的投入はしないという店が多いようですが、12月初旬~1月下旬間の品揃えに是非、組み入れたいものです。

こんなことを言うと、「12月という稼げる月に、そこまでやる必要があるのか。食品ならともかく、衣料品ではそんなことを考えなくてもよい。損するだけじゃないか」と反論する人が沢山いるかもしれません。また、「稼げるときに稼ぐ。儲けられる時に儲ける。それが商売ではないか」と言う人もいるでしょう。売価単価の高い商品、粗利益の高い商品が沢山売れる時である12月に、無理して、常時、低価格訴求の超目玉商品を品揃えするなど馬鹿みたいなもんだと考える人も少なくないでしょう。それらの考え方を否定するつもりは毛頭ありません。

しかし、1年間の中でも売上の山場となる12月には、集客アップ、売上アップのために使える手という手(手段)は全て使ったほうが、より一層高い成果を獲得することができると思っています。そして、12月という月は、その可能性が最も高い月だと考えていますので、繰り返し、低価格訴求の超目玉商品の常時投入・品揃えをすすめている次第です。販促セール期間ではなくとも、「あの店に行くと、何時も、びっくりするほど安い価格のお買得品、思わぬ掘り出し物ががある。」と、常にお客に訴え続けること、そういう品揃えを維持することが繁盛の決め手だと思います。これを巧みにやっている店の一つに「ファッション市場サンキ」があげられます。百聞は一見に如かず、是非、「ファッション市場サンキの普段の品揃え」を見に行かれ、どんな品揃えをやっているか、じっくり調査されることをお薦めします。

(6)梅春物の品揃え・商品投入は、あわてず、ゆっくり。

衣料品では、その商品の季節の実需、販売ピークの60日~70日も前から(仮需の段階から)先行品揃えを行うことが多々あります。いわゆる、梅春物、初夏物、初秋物などと呼ばれている商品のことです。12月であれば、遅くとも10日~15日前後には、一部の部門、例えば、婦人衣料、子供衣料等のアウターウェアで梅春物の商品投入が開始されることでしょう。しかし、この時期は、冬物商品の実需・実売・販売ピークの時であり、売れるものは圧倒的に冬物の量のほうが多く、それに比べて、春物商品の販売量はまだまだ少ないものです。だから、本来なら、もっともっと冬物を売ることを考えるべきではないかと思います。それにもかかわらず、春物商品の早期品揃えのために、限りある売場スペースを少なからず割くというのは、売場を効率的に活用しているとは言えません。業界で言うところの「ジャスト・イン・タイムの品揃え」から言っても、「あまりにも早すぎる季節先行・先取り型の品揃え」は考え直す必要があるのではないでしょうか。

というわけで、12月初旬から中旬における梅春物、春物の商品の品揃え・商品投入と売場展開は、少しずつ、ゆっくりやっていくことがベターであると考えているわけです。「そうはいっても、競争店が梅春物の品揃えと売場展開を始めたら、わが店もやらないわけにはいかない。出遅れて、春物の売上を先に奪われてしまう」などと心配したり、焦ったりすることは無いと思っています。冬物商品を、実売ピーク、まだまだ売れる時期に、値下げ処分して、早々と切上げ、春物商品の早期品揃え・商品投入を行うというやり方は、一見、理想的な展開、賢く、きれいなやり方です。また、そうすれば、冬物商品の値下げロス・見切り損も相当、低減できるはずだと考えるのもよく理解できます。それはそれで間違った考えではないのですが、しかし、その一方で、冬物商品の販売チャンスロスを引き起こすことも忘れてはなりません。そこで取り逃がすことになる冬物商品の売上は決して少なくないからです。

12月も中旬になると、「冬物早期処分切上げ・逃げ切り型」でいくか、「冬物をぎりぎりまで追っかけ型」でいくか、どちらの方向で進むべきか、大いに悩むのはよく分かります。冬物を深追いしすぎれば、結局、1月下旬から2月初旬にかけて、冬物商品残の処分のため、大幅値下げで傷つく(粗利益ダウン)のではないかという危惧もあることでしょう。それはそれでよく分かります。しかし、まだまだ冬物で大きな売上を稼げる12月初旬から中旬で、梅春物などの商品投入と売場展開のために少なからぬ売場スペースを割き、冬物での売上をみすみす見逃すことはないのでないかと思っていますので、「梅春物の品揃え・商品投入は、あわてず、ゆっくり」と、くどいと思われるのは覚悟で、繰り返し言わせていただいた次第です。

  「量販衣料-冬物商戦(12月~1月)のおさえどころ」  =

量販衣料-冬物商戦(12月~1月)のおさえどころ(2)

(3)販促セールチラシ企画は、「総花型+目玉企画・部門企画」の組み合わせで!

12月から1月の販促セールチラシの多くは「総花型」です。セールチラシの掲載商品、品種品目を見ても全部門総出演で、とにかく掲載本数が多いのが特徴と言えます。「あれもこれも、なんでも安い」、「歳末バーゲンセール」、「総力結集、全力投入、総出演」などのセールタイトルコピーが多く使われます。それらの販促セールチラシよく見ると、これと明確に打ち出されたテーマは無く、練りに練ったセール企画とも思えないものが沢山あります。そのような販促セール企画では、もう、効果を上げることも、売上アップもできない時代になってきているのですが、相変わらず、昔のままのやり方を続けている店がまだまだ数多くあります。

12月は冬物商戦・実売ピーク。歳末商戦。だから、「チラシに掲載すれば何でも売れるだろう」と思って、それぞれの商品部門仕入担当者も張り切って、販促セールチラシへの掲載商品をあれこれ提出するのでしょうが、それでは、ちょっと短絡的と言いますか、考え方が安易すぎるように思います。販促セールチラシの掲載本数をいくら数多くしても、販促セール企画自体がインパクトの弱い企画内容で、なおかつ、これは、というお値打ち品も無く、ただただ掲載本数が多いだけというのでは、「枯れ木も山の賑わい」に終わるだけで、集客アップも、売上アップもできないでしょう。

「本当にお値打ちのあるお買得商品、とびきり安値の超目玉品」、それなら買おうと、お客が駆け足で買いに来てくれるような商品を探し出すのはとても難しいことです。そういう商品を、仕入れ、商品確保できるチャンスは極めて稀にしかない時代になっています。だから、毎週毎週、「お買得品です。お値打ち品です」などと販促セールチラシで訴求しても、お客の方は醒めていて、そんなことは出来ない話だと分かっています。「12月という月だからこそ、どの部門だって売上をつくりたい。だから、全部門総出演の総花型販促セールチラシにならざるを得ないのだ」という気持ちは分からないでもありません。その考え方は、もう捨てた方がいいとまでは言いませんが、販促セールチラシ企画内容を、一味変えて、もっと、新鮮な驚きのある企画にしていくことが必要だと思います。

12月~1月における販促セールチラシ企画を、「総花型+目玉企画・部門企画の組み合わせで」という提案をしたのは、昔のままのスタイル、マンネリ化したスタイルの販促セールチラシが依然として多いからです。「総花型+目玉企画・部門企画」を組み合わせた販促セールチラシづくりが巧みな店、これは私見ですが、例えば、パシオス、あかのれん等の販促セールチラシをじっくり研究されることをお薦めします。

事例

パシオスの「特別割引」、「限割」(これは、あかのれんもやっています)、あかのれんの「春市・夏市・秋市・冬市」、「ブランド&キャラクター特集 3割引」、「ポイント10倍セール」

部門企画」というのは、対象と商品を絞り、圧倒的な品揃え展開(低価格・安さ+商品品種品目数・商品量)のダイナミックな販促セール企画のことです。例えば、冬場では、「あったか寝具特別企画セール」、「ブルゾン・ジャンパー特集」、「防寒実用インナーウェア、肌着・靴下特別企画セール」などのセールタイトルで展開されているものです。

(4)常備特価品の品揃えを強化しておく。

品揃えを売価ゾーン設定面からみますと、①上限ゾーン、②中心ボリュームゾーン、③下限ゾーンの3つに分けられます。(また、プロパー商品、常備特価品、目玉商品、この3つに分ける考え方もあります)。そして、それぞれのゾーンごとに、売価レンジ、プライスラインが設定され、最終的には5本~6本のプライスラインに絞り込まれていきますが、ここでいう「常備特価品」とは、(a)上限ゾーンの中の下限方向、および、(b)中心ボリュームゾーンの下限方向に、割安感のあるお値打ち品として品揃えされた商品のことです。わかりやすく言いますと、「商品の品質、お値打ちは、プロパー商品とほとんど同じだが、プロパー商品より価格が安い」という商品です。

12月には、「安くて品質も良い」という特性を持った「常備特価品」の品揃えを強化・充実しておくことが必要です。何故かと言えば、この「常備特価品」の品揃え如何が、売上アップと、粗利益額確保を大きく左右するからです。もちろん、上限ゾーン、中心ゾーンのプロパー商品を、より多く売るための仕掛けづりと努力が大事なことは言うまでもありません。しかし、残念ながら、それだけでは売上アップはなかなかできないものです。プロパー商品、常備特価品、目玉商品、この3つを効果的に組み合わせた品揃えをしないとダメです。そして、そのなかでも、ポイントとなるのが常備特価品の品揃えなのです。

12月10日以降であれば、常備特価品の品揃え構成比を、少なくとも45%、商品によっては55%前後まで増やした品揃えをしておくのがベターです(冬物衣料、防寒衣料品のなかの主要品種・品目に重点をおいて)。とくに、婦人・紳士・子供衣料の防寒衣料、実用インナーウエア(肌着靴下ナイテイ等)、寝具(羽毛ふとん、羊毛布団、こたつ布団、毛布など)、これら商品群における常備特価品の品揃えを強化しておくことをお薦めします。

12月中旬以降は、冬物値下げ、見切り処分セールが始まりますが、その時点の品揃えに、まだ当初品揃え売価のままで、値下げ等の価格変更をしていないプロパー商品が60%も、70%もあったとすれば、1月に入って、それら商品の「大幅・値下げで、多くの損が発生する」ことが避けられないでしょう。とても、逃げ切れないということです。また、それらの商品が下積み在庫となって、在庫過剰を引き起こし、在庫回転や、仕入可能額等を著しく圧迫するので、仕入れたいものも仕入れられなくなります。そうなったら最悪です。売上アップどころでなく、「損する計算ばかりするハメ」になります。何度も繰り返して恐縮ですが、くれぐれも、常備特価品の品揃え強化をしっかりやっておくことを忘れないよう、ご提案、そして、ご忠告申し上げます。

 →つぎに「続く

量販衣料-冬物商戦(12月~1月)のおさえどころ(1)

(1)重要な11月の在庫コントロール

12月初旬から1月初旬にかけての「冬物衣料商戦」は、冬物実需・販売ピークで始まり、冬物切上げで終わります。この期間に売上を確保するためには、その前準備として、11月中旬(11月15日~20日)における冬物商品の在庫コントロールを厳しくやっておかねばなりません。とくに、売行き不振品、死に筋品、値下げ・見切り処分が必要になると考えられる冬物在庫商品を、早期発見→早期処分しておくことです。いわゆる、「品揃え在庫内容のクリーニング」です。売行き不振品、死に筋品、これら売場のデッドストック商品を掃除しておかないと、それらの商品が下積み在庫となって、後々まで足を引っ張ることになるからです。12月中旬になってから、「冬物値下げ・冬物半額」等の販促セールで処分すればいいだろうなどと悠長に構えていると、あとで「泣きをみる」ことになるからです。

売場のゴミは「早期処分」、これは絶対原則です。11月中旬にこの作業(品揃えの中身の洗い直し)を徹底的にやっておかないと、冬物衣料の12月商戦は「みじめなもの」になります。売行き不振品、死に筋品の処理で手一杯になり、「値下げ、値下げで、ただただ損をするだけ」という結果に終わることが考えられるからです。衣料品の商品計画、販売計画、販促計画を立てる場合は、最低でも60日先から90日先のことを考えた計画を考える必要があります。したがって、12月~1月の冬物年末年始商戦を考えるなら、11月中旬の商品計画、とくに、在庫コントロールを厳しくし、冬物在庫商品の中身を整理し、クリーン、かつ、身軽にしておかねばなりません。これは「衣料品MDの常識」です。

売行き不振品、死に筋品の処分・処理をズルズル引き延ばし、一方では、メーカー・問屋が値下げ処分する冬物残処分品を、なんの計算もせず、やみくもに仕入れ、冬物在庫を増やしたりするのは絶対にやってはなりません。「手持ち在庫商品の値下げ処分だけでは、売上も上がらないし、粗利益額も確保できない」などと言って、ただただ冬物在庫をふくらますようなやり方は「やめる」べきです。そんなことをしていたら、ますます傷を深くするだけです。量販衣料の歳末商戦、年始商戦の成否は11月中旬の前準備、厳しい在庫コントロールをやったかどうか、それ如何で決まると言っても過言ではないからです。

(2)12月は、月次商品回転率2回転をめざした商品計画を!!

12月は月間商品回転日数15日~18日を基本にした商品計画を考える、これくらいの厳しさが必要です。「それは、とても無理だ。できっこない。厳しすぎる」という人も沢山いるでしょうが、これぐらい、厳しく徹底した考えでやらないと、量販冬物衣料の年末年始商戦で、より高い売上高、より高い粗利益額を確保することは難しいでしょう。12月は冬物実売ピークだから、そんなに厳しくしなくとも、そこそこ売れるだろうなどという甘い考えは捨てたほうが賢明だと思います。

12月の商品回転日数を厳しく設定すること、これが、12月~1月の冬物衣料の品揃えを良くするための「おさえどころ」です。これをしっかりやって、冬物在庫商品の「品揃え鮮度」を良くしておけば、結果として、売上アップにもつながり、「お値打ちのある」冬物衣料の販促セールチラシも打つことができるようになるからです。11月から持ち越した「手垢によごれ、売れ残りの冬物プロパー商品を、ただ単に、値下げしているだけのバーゲンセール」では、決して売上は上げらないでしょう。新たに仕入れた、生きのいい商品、鮮度もいい、お値打ちある商品の品揃えによる販促セールを展開できるようにしておくべきです。

衣料品商売では、売行き不振品、死に筋商品の早期発見、早期処理が大事と昔から言われています。しかし、それをするためには、季節別・月別商品品種品目別・商品回転日数設定を厳しく、冷徹に考えておく必要があります。とりわけ、量販衣料の冬物商戦における、12月の品揃えと商品効率・生産性を、「より良いもの」にし、かつ、売上アップをはかるためには、その考えをより徹底しなければなりません。中途半端な妥協はやめるべきと思います。

繰り返しますが、12月中旬(12月10日以降)の冬物衣料の品揃え在庫内容を見たら、11月から持ち越した「売れ残り品の在庫は極めて少なく、もしくは、一品も無く」、新たに仕入れた「鮮度のいい、顔のちがったお値打ち商品」の品揃え展開になっている、これがベストです。そのような品揃えができていれば、きっと、お客にも、あれこれ沢山、買ってもらえることでしょうし、買上打率も上がるというものです。これは決して簡単にできることではないかもしれません。しかし、年間で「最大の山場」である12月の歳末商戦、そして、1月の年始商戦で、高い売上高と、高い粗利益額を獲得しようと考えるなら、最大の努力と勇気ある挑戦をすべきではないかと思います。

 →つぎに「続く」

売れる売場づくりの基本的必要条件(その3)

(7)売場の主通路沿いの陳列什器エンドや、売場壁面などで、今「旬」のトレンド、季節感の打ち出しが、見やすく、分かりやすくディスプレイ(陳列・演出)されていること。

商品の陳列・演出が巧みな店には、

①売場担当者が、「自分は今日、この商品を売ろう」という強い意志を持ちながら、それぞれの担当商品のディスプレイ(陳列・演出)に積極的にやっている。

②今「旬」、トレンド・流行の商品、ヒットしている商品が、客に一目で分かる場所、目につくところに陳列・演出、打ち出されている。

③常に新しい商品が、週単位で入れ替えられ、ディスプレイ(陳列・演出)されている。

どんなに良い商品でも、乱雑に置かれていたのでは「その良さは分からない」。きちんとディスプレイされ、陳列・演出されてこそ、その「良さ」、「価値」が、目に見える形で客に理解され、購買意欲も刺激されることは言うまでもありません。そして、売ろう、売りたいと思った商品は、売場で「最もいい場所、売れる場所」に陳列・演出することを忘れてはなりません。

というのも、売場には「生き場所」と、「死に場所」があり、売りたい商品、売ろうと思っている商品を陳列・演出する場所の選定如何で、訴求力も売行きも著しく変わるからです。「どこに、その商品をディスプレイ(陳列・演出)したか、場所で売行きが変わる」、「陳列・演出のうまい・下手で売行きが変わる」のです。「良い商品なら放っておいても売れる」などと考えて、ディスプレイ(陳列・演出)をいい加減にするのは厳禁です。

繁盛店の売場が生き生きしている、商品が生きているのは、「商品の見せ方、生かし方」を熟知しているからです。商品を大事にする心、可愛いと思う心があるからこそ「生きしたい」と思うのです。その心があるから、商品のディスプレイ(陳列・演出)に熱心に取り組むのです。これは「繁盛哲学」の一つと言えるかもしれません。

(8)売場担当者が、自店の競争店の売場と品揃えを良く知っている。競争相手の店の売場づくり、品揃えを定期的に調査しており、競争店対策を考えた品揃え改善、売場づくり改善に取り組んでいること。

競争相手の店について、少なくとも次のことを良く知っている必要があります。

①競争相手の店は、何に力を入れているか、何に売場スペースを広くとっているか。

②競争相手の店は、品種別にどのような価格構成(売価政策)を展開しているか。下限価格レンジ・中心ボリューム価格レンジ・上限価格レンジは、いくらからいくらか。

③競争相手の店の商品部門別・品種別仕入先構成、ブランド構成はどうなっているか。

④競争相手の店の、商品部門別・品種別の商品陳列什器配置図が調査で分かっている。

競争相手の店の売場動向、品揃え動向を常に把握しておかねばなりません。店が競争店が無いという「無競争・無競合地帯」にあるなら別ですが(そんな場所はもうほとんど無くなりましたが)、競争店がある限り、その店のことを徹底的に調べ、その細かな動向まで把握しておく必要があります。競争相手の店に打ち勝つための「絶対必要条件」だからです。

競争相手の店は、「顔が知られているのでなかなか調べにくい」とか、「調査する時間が無い」などと言って、競合店調査をおろそかにしていると、あとで後悔することになります。競争店対策が後手後手になってしまい(または、ほったらかしにされていて)、「気がついたら負けていた。もう、巻き返しには遅すぎる」ということがあるからです。競争相手の店の、日々のこまかな変化、動向を常に掴んでおくことです。

(9)売場担当者が「仕入担当者の腕と人柄」を信頼している。その信頼があって、売場づくりや接客販売、品揃え改善提案などを積極的にやっている。

仕入担当者が、売場担当者に信頼されるには、次の4点は欠かせない。

①仕入担当者は、「仕入れ上手、販売上手、売場づくり上手」、この3つを持っていないと売場担当者からは信頼されない。

②「売場によく出ている。売場をよく見ている」仕入担当者でないと信頼されない。

③「売場担当者の意見、提案をじっくりよく聞き、それを仕入れと品揃えに生かしている」仕入担当者が信頼される。

④「売場にいって威張っている」仕入担当者は信頼も支持もされない。

優れた仕入担当者と言われる人は「売場から信頼されている」ものです。「あの人が仕入れてきたものは必ず良く売れる」と信じられている。売場担当者から、常に、謙虚に売場情報や顧客情報を吸い上げ、情報交換を緊密にやっている仕入担当者の部門は、たいてい「良い成果を上げている」ものです。

それほど実力も無いのに威張っている仕入担当者がいる店には、売場担当者の「やる気」も、「意気込み」もみられません。また、「こんな商品をまた仕入れてきた。この前も同じような商品を見切って売ったばかりなのに・・・」などという囁きの多い店に繁盛店はありません。売場担当者の信頼と支持、協力があってこそ「売れるのだ」ということが分かれば、仕入担当者として、はじめて一人前と言うことができます。

(10)売場担当者が「ファン、固定客」を持っている。売場担当者が、「この商品は、あのお客様にお薦めすればきっと売れる」という、当てになる固定客を持っている。

①固定客の多い店は強い。「あの店の、あの販売員から買う」といわれる売場担当者が沢山いる店が強い店になれる。

②売場担当者が「固定客づくり」の大切さをよく理解し、それに熱心に取り組んでいる。

③時間に余裕のある時、手の空いている時に、固定客づくりの努力をしている。

    →電話、お手紙、DM、訪問挨拶などに取り組んでいる。

よく売れている店、繁盛している店には、固定客、熱烈なファンが多い。お客から信頼され、支持されている店が「良く売れる店・繁盛店」なのです。常に、お客への細かい気配り、心配りを欠かさない店ほど、多くの固定客、ファンをつくっていることは言うまでもありません。固定客、ファンを数多くつくることは、それほど容易なことではありませんが、かといって、固定客づくりへの挑戦をあきめてしまってダメです。売場担当者1人30人、50人、できれば100人くらいを目標にした「固定客づくり」に取り組んでいきたいものです。

売れる売場づくりの基本的必要条件-(完)

売れる売場づくりの基本的必要条件(その2)

(4)売場担当者が、自分の担当売場・商品の在庫内容を熟知していること。

売場担当者は、少なくとも次の3点について良く分かっていなければなりません。また、リアルタイムで分かるような商品データ情報システムを構築しておく必要があります。

①どこに何(商品)が、何枚あるか。→売場、店倉庫、配送センター等

②何が品切れしているか、その商品は何時入荷するか。

③倉庫在庫の内容詳細、何処に何が置いてあるか(ストックされているか)

売場のことを熟知している売場担当者ほど「よく売る」ものです。販売チャンスを逃がしません。お客に売場と商品のことを聞かれて「ウロウロする」ようでダメです。あまり探しもせずに、「それはありません」とか、「もう売り切れました」と、お客を冷たくあしらうようなことは絶対に避けるべきです。「毎日棚卸し」これが売場担当者の基本。せっかく来店してくれたお客をガッカリさせないよう、売場担当者は常に最大の努力をすべです。きめ細かなサービス、お客に親切なこと、これを売場担当者は忘れてはなりません。その積み重ねが、店のファン、売場担当者のファンをつくっていくからです。

売場担当者は、自分の担当売場と商品(在庫数など)を熟知しているのが当たり前という意識付け、教育が大切なことは言うまでもありません。そういう売場担当者を育てるために、日々、教育、訓練を徹底することは言うまでもないことです。

(5)売場担当者が、自分の担当売場・部門の「今日の売上高目標」を知っていること。常に、日々の売上高数値目標を意識し、「達成意欲が高い」こと。

「今日の売上高目標はいくらか」を毎朝確認し、意識させる。日々の目標を明確に数値で設定し、知らせておくことが大切です。これをあいまいにしておかないことです。「とにかく、頑張りましょう。売れるだけ売ってください」では、何をいくら売ればいいのか分かりません。「○○部門の今日の売上高目標は××万円」とハッキリさせる。明確な数値目標があれば、その達成意欲も湧いてくるし、責任感も出てきます。「今日一日、頑張って、数値目標達成に取り組もう」、売場担当者がそうなることが大切です。

さらに、閉店後に、今日の売上高実績数値の反省と改善点、そして、明日の準備を考える売場ミーティングを20分~30分やっていけば、店は、一層、強くなります。売場担当者の仕事に励みがでることでしょう。「私の担当売場・商品部門の本日の売上高目標は○○万円」と、いつ聞いても、即座に答えられる、そして、「数値目標達成意欲が旺盛」な売場担当者を育成していく必要があります。

(6)売場担当者の人も、「欲しい、買いたい商品」が沢山品揃えされていること

そういう店、売場には以下のことが言えます。

①仕入担当者の腕がいい。

②売場情報、商品売行き情報がこまめにとられている。仕入れに生かされている。

③売場担当者の声、意見も活発に出され、それが仕入と品揃えに反映されている。

④売場担当者が、自信を持って売っている。

自分の店の品揃えには、あまり自信が無いという売場担当者は、思ったより沢山いるものです。「自分で買いたいと思うような商品は無い、この品揃えでは買う気もしない」と思っている売場担当者も決して少なくありません。そんな店では、当たり前のことですが、「売れるわけがありません」。売場担当者が、「自分でも欲しくない、買いたくない、着る気もしない」という商品を、お客に売れというのは間違っています。舌先三寸で、その場をなんとかゴマカしても、売ってしまえばいいのだというような店は永続きしません。店の人も欲しい、買いたい、そういう品揃えの店が繁盛することは言うまでもないことです。「売場担当者の声、意見、提案を無視した品揃えをする店」、「お客不在の品揃えをする店」は、早晩、廃れるものです。

売れる売場づくりの基本的必要条件10(その1)

(1)売場が商品ごとにきちんと整理・整頓されている。売場分類、商品分類も明確で、お客にも一目で分かる売場づくりになっている。

①商品品種別、対象別、品種別、サイズ別、ブランド別、テーマ別、カラー別。

②見やすい。分かりやすい。一目で分かる。管理しやすい。

③売場の商品整理・整頓を、開店前、閉店後に完全にやっている。

④とくに、特価台、棚段式陳列什器の商品がきちんと整理・整頓されている。

⑤開店10分前の売場は、まったく清潔で、整然としている。

売場と商品の整理・整頓は「売れる売場づくりに絶対的必要条件、基本原則」です。これができていない売場はダメです。経験的にいうと、売れている店、売れている売場は、売場と商品の整理・整頓が徹底されています。乱雑な売場を、いつまでもそのままに放っておくのは厳禁です。売れ筋品も、不振品、死に筋品も見つけにくくなります。商品管理もよくできませんし、さらに、お客には買いにくく、また、多くの値下げロスに結びつきます。売場が乱雑だと、「何がどうなっているのか分からなくなってしまう」からです。

常に、売場と商品の整理・整頓を徹底し、きれいで清潔な売場づくりをする、これは売れる売場づくりの第一歩です。お客の立場になって考えてみればよく分かることです。お客の立場から見れば、「乱雑で、汚れた、きたない売場に商品を置いてある店」よりも、「売場がきちんと整理・整頓されている、清潔でクリーンな売場に商品が陳列されている店」で買う方が気持ちがいいに決まっています。

(2)今(季節・時間など)必要なモノ(商品)、今・旬のもの(今のトレンド)、今・売りたいものにショーカード、POPカードがきちんとつけている。それらの商品が、必ず、目立つ形で、陳列演出、ディスプレイされている。

店として、「何を売るのか」、「何を売りたいのか」がハッキリと打ち出されていることが大切です。「見て、手にとって、触って、確かめてから買う」お客が多いものです。価格の安さを訴求するにしろ、自店の商品の良さ、流行・ファッション感覚の良さを売るにしろ、それを売るための売場づくり、売る仕掛けがしっかりできていないと、せっかくの「いい商品」も売れないでしょう。お店がお客に訴えたいこと、売りたいものを、明確、鮮明に打ち出さねばなりません。

(3)売場担当者、売場の人がキビキビと良く働いている。お客に「声」をかけている。売場に活気がある。

すくなくとも、次の3点ぐらいは徹底したいものです。

①お客が来店したら、必ず、「いらっしゃいませ」と声をかける。

②売場にお客が全くいない時、または、少ししかいない時、売場担当者が商品の整理・整頓、売れ筋品、売行き不振品、欠品の点検、追加発注、商品補充などの作業で一生懸命働いている、活発に動いている。

③商品の陳列変え、ディスプレイの手直しをこまめにやっている。

活気の無い店は、不思議なことに、お客も自然と遠のくものです。売れている店、繁盛店に「陰気で暗い店、活気の無い店」はありません。イキイキとした売場づくり、明るい雰囲気の売場づくりが必要です。お客が店に入ってきても、そっけなく、「声もかけない」ようでは、いずれ、お客は離れていきます。お客に、店は捨てられます。お客が売場にいるのに、売場担当者が、お客をそっちのけで、「井戸端会議、ムダ話、のんべんだらり」としている、そんな店の将来は決して明るくないでしょう。

「活気ある売場、イキイキとした売場」づくりに、常に気を配ることが大切です。売場担当者が、「売場でやらなければならない仕事」は沢山あります。それを、毎日、時間計画を立てて、きちんとやっていく、これを徹底的に行えば、売場は、必ず、「動きのある、イキイキした売場、元気な雰囲気のある売場」になるものです。お客から、「あの店の人たちは本当によく働く。よく動く。ボヤっとしている人が一人もいない。活気のある店だ」といわれるような売場づくり、店づくりをしたいものです。