イトーヨーカ堂の商品別売上高&売上構成比の推移を見る
GMS・イトーヨーカ堂の商品別売上高&売上構成比の推移
①株式会社セブン&アイホールデングスの各期『決算補足資料』をもとに作成。
この表は、イトーヨーカ堂の商品部門別売上高とその売上構成比の推移をまとめたものです。(期間は2012/2月期~2018/2月期の7年間)
これを見ると、以下のことが分かります。
(1)2012年2月期~2018年2月期、この7年間におけるイトーヨーカ堂の商品別売上高、商品合計売上高、ともに年ごとに減少、落ち込んでいる。
①2012年2月期・衣料売上高・約2221億8000万円→2018年2月期・約1625億8900万円、この7年間で約596億円の減。
②2012年2月期・食品売上高・約6485億600万円→2018年2月期・約5536億7000万円、この7年間で約948億円の減。
③この2部門の売上高の減少が続いている大きな要因の一つは、「イトーヨーカ堂の年ごとの閉店店舗数、すなわち、店舗数減→売場面積減」にあると考えられます。
③2012年2月期の期末自営売場面積1665268㎡→2018年2月期の期末自営売場面積1490522㎡、この7年間で約174746㎡(約53000坪)の減。単純に、「売場面積の減が、即、売上高減をひきおこす」とは言えませんが、しかし、これだけ大きな数字の売場面積減となりますと「話は違ってくる」と思います。(もちろん、消費者動向、時代の消費変化、品揃え力の劣化、等も売上減の要因にはなりますが・・・・・・)
(2)商品別売上高構成比の推移を見ると、「衣料の売上構成比が減少し、一方、食品の売上構成比は、凸みひっこみの山はあるが増加している」。
①2012年2月期の衣料売上構成比は約20.93%→2018年2月期には約18.44%。この7年間で約2.49ポイントの減。
②一方、食品は、2012年2月期・食品売上構成比・約61.08%→2018年2月期・約62.82%、この7年間で約1.74ポイントの増。
③この、①、②、2つの数字は、一見、小さな数字に見えますが、かつて、衣料のイトーヨーカ堂と言われたGMS・イトーヨーカ堂と言えども、「食品強化の道」に進まざるを得ない、というか、「その道しかない」のではないかと推察されます。最近のイトーヨーカ堂の売り場改装でも、食品売り場の改造・大幅な改革(売場レイアウトの大幅な手直し、陳列形態の変化、商品陳列線の高さの変化、陳列什器の変化、品揃え品目数の増等)が見られます。(例えば、千葉県我孫子市・エスパSCのイトーヨーカ堂・食品売り場大改装等)。
「日本では、GMSの時代は終わった」という話も聞きますが、これから先、日本の大手GMSは、どう変化していくのか」、とても興味のあるところです。その変化する姿を、継続的にウォッチしていこうと考えています。
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