イズミヤが衣料品新業態店「バラエティファッションストアfratto」1号店を出店

イズミヤの衣料品新業態店「fratto(フラット)」第1号店の概要

003 GMSのイズミヤは、衣料品新業態店バラエティファッションストアfraato(フラット)」の第1号店を、12月16日、全面リニューアルしたイズミヤ茨木店の2階に出店。

イズミヤのプレスリリースによれば、「fratto(フラット)」の概要は以下のとおり。

店舗名-「バラエティファッションストアfratto茨木店」

所在地-大阪府茨木市西駅前町4番104号(イズミヤ茨木店2階)

売場面積1035㎡≒314坪

初年度売上高目標-3億円

コンセプト-ファッショナブルな日常普段着を、他社に負けない圧倒的な低価格でお客様に提供する店。ファッション感度優先、スタイリング重視の商品コンセプトで売場づくり。

ターゲット-15歳~30歳感性の女性

取り扱い商品-レディス、メンズ、キッズ、靴・バッグ、服飾雑貨、靴下、ナイテイ、アクセサリー、小物

対象商圏人口→0-0.5㎞-4228世帯、1-3㎞-11997世帯、3-5㎞-38281世帯

プレスリリースされたイズミヤの衣料品新業態店「バラエティファッションストアfratto」の概要を読んで感じるのは、ストアコンセプト、品揃えコンセプト、商品政策(低価格)、メインターゲット、売場面積規模等が、ディリーファッションストア大手4社、「ファッションセンターしまむら」、「パシオス」、「ファッション市場サンキ、「サミットコルモ衣料館コルモピア」のそれと殆んど同じという点です。

4社と大きく異なる点は、取り扱い商品に「寝具・インテリア部門」が無いことです。したがって、15歳~30歳代の女性をメインターゲットとした婦人衣料及び服飾雑貨・靴・バッグなどの関連商品を重視した婦人衣料専門店的「匂い」の強い店と言うことができそうです。

ファッションセンターしまむら、パシオス、フアッション市場サンキ、サミトコルモ衣料館コルモピア等、この4社は小型量販衣料総合フルライン品揃え店ですから、取り扱い商品の中には寝具・インテリアが入っています。4社は、メインターゲットを20歳~30歳代の女性としてはいますが、そのファミリーも対象ターゲットにしていますので、寝具・インテリアを欠かすわけにはいきません。小型量販総合フルライン品揃え店でなければならないわけです。

ファッションセンターしまむらにおける「寝具・インテリア部門」の全商品部門合計売上高に占める売上高構成比は約16.4%(H22/2)と高いものです。それは、紳士衣料の売上高構成比8.4%のほぼ2倍です。また、寝具・インテリア部門の交叉比率、利益貢献度は全部門の中でも最上位にあります。これは、ファッションセンターしまむらの標準店舗、売場坪数300坪、年商3億円の店で考えた場合、「寝具・インテリア部門」の年間売上高は、3億円×16.4%≒4920万円という大きな数字になります。

イズミヤの衣料品新業態店「バラエティファッションストアfratto」は売場面積300坪、これは、ファッションセンターしまむらの標準店舗と同じ規模ですが、「寝具・インテリア部門」がありませんから、初年度売上高目標3億円を達成するためには、前述で一つの例として計算した「寝具・インテリア部門の売上高4920万円」をどこかの商品部門で埋めなければなりません。当然、その売上高は「婦人衣料部門でカバーする」ということになるでしょうけれど、経験論ですが、なかなか計算通りにはいかず、そう簡単にできることではありません。「寝具・インテリア部門の年間売上高」と、「寝具・インテリアが必要とする売場坪数」が無いわけですが、それらを「全て婦人衣料部門に振ればなんとかなる」ということにはなりません。ここが、イズミヤの衣料品新業態店「バラエティファッションストアfratto(フラット)」の初年度売上高目標3億円の組み立てで最も気になるところです。(余計なお世話言われるかもしれませんが・・)

しかし、イズミヤの衣料品MD力(衣料品年間売上高約474億2800万円-H22.2)と、イズミヤ茨木店の集客力、そしてなによりも、「バラエテイファッションストアfratto(フラット)茨木店の周辺2㎞以内に競争相手となる有力ディリーファッションストアが存在しないこと、この3点を考えると、初年度売上高目標3億円の達成可能性は高いかもしれません。イズミヤ茨木店を中心として半径約10㎞のところに、しまむらの「茨木ファッションモール(しまむらグループの、ファッションセンターしまむら、アベイル、シャンブルの3店で構成、茨木ショッピングプラザ内・大阪府茨木市藤の里1-7-41)」がありますが、この店間距離ですと、「バラエテイファッションストアfratto(フラット)茨木店の売上高に影響を及ぼすことほとんど無いと考えられます。

イズミヤは、彼らが展開しているスーパーセンターにおいても量販衣料品を取り扱っていますから、NSC(近隣型ショッピングセンター)における衣料品部門の経験も豊富でしょう。そこで得た小商圏対応型小型量販衣料品店の店舗経営、商品経営のノウハウを生かして、「ディリーファッションストアfratto茨木店」を初年度から成功軌道に乗せてくることは十分に考えられます。その自信も持っていることでしょう。過去にも、いくつかのGMSが小型量販総合衣料品店チェーンづくりに挑戦していますが、いずれも成功軌道に乗せることができず、挫折していることを考えまますと、多少の心配が無いでもありませんが・・・・・・。それはともかく、「バラエティファッションストアfratto茨木店」を成功させ、GMSの底力を見せてくれることを期待したいものです。

ちなみに、いずれ、「バラエティファッションストアfratto(フラット)」の最大・最強の競争相手になるだろうと考えられる「ファッションセンターしまむら」の大阪府における現在の勢力は以下のとおり。

●ファッションセンターしまむら in 大阪府(平成22年2月期時点)

①売場面積-16902㎡、②年間売上高-73億2200万円、③期末店舗数-16店舗、④しまむらが独自計算した大阪府の年間衣料品購買額5786億4200万円に占める「しまむらの売上シェア」は約1.3%。この売上シェアでは「店の存在感・知名度はゼロ」に近いと思われます。

GMSのイズミヤが衣料品新業態店「バラエティファッションストアfratto(フラット)」第1号店を全面リニューアルしたイズミヤ茨木店の2階に出店したとの情報について、あれこれ調べてみて、私なりに感じたことを書きまとめてみました。(残念ながら、まだ、現地訪問して店舗調査をしていませんので、今の時点で言えるのは以上です)。

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ファッションセンターしまむら-東京都への出店加速

しまむらの東京都地区における店舗数の推移

ファッションセンターしまむらが東京都エリアへの出店を加速しています。2010年12月には、①久が原店(12/22.open)、②加平店(12/16.open)、③蒲田店(12/22.open)の3店舗を出店しました。

ファッションセンターしまむらの、2010年2月・期末時点における東京都地区の店舗数は23店舗でした。それが、2010年8月末には27店舗に、さらに、2010年12月末は34店舗と増加しています。ファッションセンターしまむらは、東京都、神奈川県、他の大都市部への出店を戦略的な重点課題の一つとしていますが、その出店戦略の重点課題達成のために、東京都における出店速度を、さらに、スピードアップするものと思われます。

東京都など大都市部への出店で、ファッションセンターしまむらのネック(障害)となっていたのは、大都市部における「賃借料・家賃の高いこと」でした。というのも、しまむらは、出店条件の一つとして、「支払賃借料・家賃は売上比で5%以内」というのを、守るべき絶対原則(「掟」にちかい)としていたからです。しかし、東京都で、その条件(5%というしまむらの掟)に合う物件は、そう数あるものではありません。そのため、東京都への出店意欲は高いにもかかわらず、東京都への出店はなかなか進みませんでした。しかし、東京都都心部、高田馬場店(新宿区)や、三軒茶屋店などの出店が、その後、かなり順調な推移をたどっていることもあり、「支払賃借料・家賃5%以下ルール」にこだわらず、多少、条件緩和しても、経営的にやっていけるという自信と確信をもったと考えられます。それが背景にあっての、東京都への出店加速であるように思います。

東京都への出店が一段と加速される

ファッションセンターしまむらの、2010年3月から12月における全国出店総数は38店舗ですが、その内の7店舗は東京都への出店です。狭間店、LaLaテラス南千住店、中野上町店、仙川店、久が原店、加平店、蒲田店、この7店舗ですが、それは、この期間における出店総数38店の約18.4%という高い割合になります。ファッションセンターしまむらは、今後、一層、東京都への出店を加速させることが考えられます。

ファッションセンターしまむらは、東京都など大都市部における出店では、従来型の単独路面店という形の出店だけでなく、大規模複合型商業施設、地元の有力食品スーパーマーケットが核店舗で構成されたNSC(近隣型SC商業施設)、大規模ホームセンター内などへの出店形態を増やしています。このように出店形態が広がりますと、かつて、「ファッションセンターしまむらが全国レベルでみて展開できる店舗数の上限は1200店~1300店だろうと」と言われていたことを、大幅に修正する必要があるかもしれません。最近では、ファッションセンターしまむらの一部からも、1800店舗から2000店舗まで「いけるのではないか」という話が出てきていると聞いていますが、その実現可能性は高いように思われます。

ファッションセンターしまむらの、2010年12月における東京都への3店舗出店をみて、以上のことを考えました。これから先の動向にとても興味があります。ファッションセンターしまむらの東京都における動向を、こまめに、ウォッチしていくつもりです。

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ファッションセンターしまむら東我孫子店 リニューアルオープン(2010年9月9日)

002 ファッションセンターしまむらは2010年9月9日、東我孫子店をリニューアルオープンしました。しまむら東我孫子店(千葉県我孫子市岡発戸)は、売場坪数約252坪、1989年出店の、店舗年齢約21年というかなり古い店舗でした。店舗は全面的に改装され、全く新しい店舗に生まれ変わりました。店舗概観・ファッサード、店頭ショーウィインドー、床・壁・天井・照明、サービスカウンターなどを一新、しまむらの最新店舗仕様となっています。陳列什器形態、壁面陳列演出の仕掛けも、しまむらの最新店舗で、旧店舗のイメージは一片も残っていません。お客には、全く新しい店、新店舗と感じるでしょう。

004 ファッションセンターしまむらは、店舗年齢の旧い店舗の改装、または、移転・改装、新築を積極的に進めていますが、東我孫子店の全面改装も、その一連の流れのなかの一つ。ちなみに、ファッションセンターしまむらの年度別・出店数、既存店で店舗年齢の旧い店の改装、移転・改装した店舗数の過去5ヶ年の推移は以下の通り。

2005年2月期(出店数48店舗、移転・改装店舗数16店)、2006年2月期(出店数48店、改装14店、移転・改装12店)、2007年2月期(出店数56店、改装106店、移転・改装8店)、2008年2月期(出店数58店、改装98店、移転・改装10店)、2009年2月期(出店数48店、改装67店、移転・改装11店)。そして、2010年第3四半期では、出店数28店、改装27店、移転・改装7店となっています。2007年2月期~2009年2月期の3カ年における既存店・店舗年齢の旧い店の改装、移転・改装した店の数の多さを見ると、新店舗設備投資だけでなく、旧い店の改装設備投資にも積極的に取り組んでいることがよく分かります。

008 台風一過で、まだまだ、秋には程遠い、とても暑い日のリニューアルオープンでしたが、オープンセールチラシの掲載商品は、さすがに「秋物」でした。開店セールとはいえ、秋物で売上をとるのは難しかったかもしれません。とはいえ、店舗年齢約21年という店ですので、相当数の「しまむら東我孫子店ファン」がいることでしょうから、こちらが思っているより、はるかに高いオープン初日売上をあげていることも考えられます。はたして、初日の売上はいくらかだったのでしょう?・・・・。

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店舗改装・閉店売りつくし&完全閉店セールチラシ

001 ファッションセンターしまむらは店舗年齢の高い店舗を積極的に改装・リニューアルしています。外装、ファッサード、床、壁、天井、照明、他の店舗設備など、ほとんど新築に近いといっていいくらいの全面的店舗改装です。そして、店舗改装と同時に、リニューアル閉店売りつくしセールを単価いしています。チラシ-①)は、しまむら東我孫子店のリニューアル・閉店売りつくしセールのチラシ。しまむら東我孫子店(千葉県我孫子市岡発戸)は1989年に開店し、店舗年齢・約21年というかなり旧い店舗の一つ。売場坪数約252坪、年商推計約3億5000万円、売場坪当り年間売上高約141万円。店舗設備は旧いけれど、稼ぎの大きい利益(黒字)店舗と考えられます。

005 (チラシ-②)は、ファッション市場サンキ・柏店(千葉県柏市)の改装セールチラシ。数年前から、サンキは販促セールチラシの散布回数と散布枚数を大幅に減らし、販促費圧縮に取り組んでいるようです。しかし、新規開店セールや、店舗改装・売りつくしセールのようなペッグイベントにはチラシを打ってきます。この、ファッション市場サンキ・柏店の店舗改装・サヨナラ感謝セールチラシもその一つです。黄色1色のグランド地、黒文字だけのセールチラシですが、昔はこのタイプのセールチラシがサンキ・得意のチラシであったように思います。

008 (チラシ-③)は、あかのれんの店舗改装・閉店・売りつくしセールのチラシ。あかのれんも、ここ数年、既存店の改装・リニューアルをかなり積極的に進めてきています。そして、店舗改装と同時に、強力な閉店・売りつくしセールを展開しています。おそらく、大きな「売上の山づくり」ができたものと思われます。量販総合フルライン衣料品店として長い歴史を持つ「あかのれん」は経験豊富で、販促企画力もあり、彼らが打ちだす販促セールチラシは、とてもインパクトの強く、私的には、とても好きなセールチラシタイプのひとつです。赤色で大きな文字使いのセールタイトルコピー、チラシを一目見れば何をやっているかがすぐ分かる、強い訴求力のあるラチシではないかと思います。

009

(チラシ-4)は、ファッションセンターしまむら高麗川店の完全閉店・売りつくしセールチラシ。高麗川店(埼玉県日高市鹿山。食品スーパーヤオコーの2F)は、先述の、しまむら東我孫子店と同じ旧い店、1981年開店で店舗年齢は約29年。売場坪数約308坪、年商推計約3億3000万円、売場坪当り年間売上高約109万円。店舗年齢から考えて、「償却済み」の店で、これも利益(黒字)店舗だったでしょう。周辺に競争相手となる店は無いと思いますが、どこか近くの場所に移転・新築ということはないのでしょうか・・・・・。

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ファッション市場サンキ(株式会社三喜) 営業実績の推移を見る

ファッション市場サンキ(株式会社三喜)はディリーファッションストア大手No.1のファッションセンターしまむらに次ぐNo.2、売上高553億7200万円(2010/2)のディリーファッションストア、量販総合衣料品店チェーンです。No.1のファッションセンターしまむらの約7分の1の売上高ですが、その商品力、品揃え力、そして、競争力は、ファッションセンターしまむらと1対1の戦いならヒケをとらない強力なものです。その、ファッション市場サンキの過去5カ年の業績推移は以下の通り。

ファッション市場サンキ(株式会社三喜)の売上高及び純利益高の推移

          (各年度・連結損益計算書より作成)

          2006/2   2007/2   2008/2  2009/2   2010/2

売上高(百万円)--35647---44342---44596---52682---53372百万円

純利益(百万円)-----945-----1192----1176-----722-----1204百万円

店舗数165店舗(2010/5月時点)←2008時点・124店舗(子会社含む)

子会社→①北関東三喜、②有限会社トゥエンテイ、③東北三喜

都道府県別店舗数(2010/5月時点)

北海道38店舗、茨城県25店舗、栃木県13店舗、福島県3店舗、群馬県15店舗、

埼玉県11店舗、千葉県18店舗、東京都5店舗、神奈川県1店舗、

新潟県16店舗、長野県2店舗、福岡県9店舗、佐賀県2店舗、長崎県1店舗、

熊本県4店舗、大分県1店舗、宮崎県1店舗

ファッション市場サンキは千葉県柏市からスタートしていますが、その後、九州の寿屋、北海道のコープさっぽろ等と共同出資会社をつくり店舗展開をすすめました。その結果、本来のドミナントエリアである関東・東北・上信越からはかなり飛び離れた地域である九州、北海道にも店舗を展開することになりました。全国チェーンとは言えないと思いますが、ともかく、北は北海道、南は九州まで店舗網を広げています。

過去5カ年にみる各種利益率、経費率などの推移

         2006/2   2007/2   2008/2  2009/2   2010/2

販管費率---27.4%---27.7%---28.5%---29.8%---28.9%

営業利益率--4.8%----4.5%----3.5%-----1.4%----2.6%

経常利益率--4.9%----5.3%----4.7%-----2.4%----3.7%

税前利益率--4.9%----5.0%----4.6%-----2.6%----3.9%

期純利益率--2.6%----2.7%----2.6%-----1.4%----2.3%

●年間商品回転率(推計)2010/2→8~9回転

ファッション市場サンキの衣料品の年間売上高規模・約533億円は、大手GMS、イオン、イトーヨカー堂、ユニーなどの年間衣料品売上高と比べれば、その6分の1、7分の1の売上高規模です。しかし、GMSの中堅といいますか、イズミヤ・衣料品売上高・約474億円(2010/2)、イズミ・衣料品売上高・約700億円と比べると、ファッション市場サンキの量販衣料品分野における力は決して侮れません。

ファッション市場サンキは、売場面積規模1000坪の大型量販総合衣料品店(例えば、千葉ニュータウン店、多摩ニュータウン店など)を経営できる商品力、品揃え力、MD力、組織力、そして、資金力を持っています。したがって、大手GMSの衣料部門といえども、ファッション市場サンキが、その至近距離に店を出せば、相当大きな影響を間違いなく受けることになるでしょう。

ディリーファッションストア大手・No.1企業、ファッションセンターしまむら、そして、大手SPA・カジュアルファッションストア「ユニクロ」などの注目度の高さの陰に隠れて、あまり目立ちませんが、ファッション市場サンキは量販総合衣料品店チェーンの優良企業の一つです。業界紙、マスコミにはあまり取り上げられませんが、その動向をしっかりマークしておく必要があると思います。数年に1回ですが、ファッション市場サンキの動向を数字で、このブログに書き留めていますので、是非、ご一読ください。

ファッション市場サンキ(株式会社三喜) 営業実績の推移を見る  (完)

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ファッションセンターしまむらの「都心部(大都市部)への出店」はどこまで進んでいるか

しまむら・ある経営トップの方の「都心部への出店に関する発言録」メモ

ファッションセンターしまむらの「中興の祖」と言われている経営トップの方が「都心部(大都市部)への出店」について、次のような発言をしています。

■都心出店は興味があるが、初期投資の大きさや、チェーンオペレーション確立の難しさなど課題も多い。(繊研新聞2000/7.25号)

■(都心部への攻め込みは)話はいっぱいあるけど、まだ、コストが高い。無理なコストで出る必要はない。私たちは売上の5%しか不動産比率がない。それが都心部は15%くらい。利益構造が全然ちがう。それじゃ意味がありません。(販売革新2000/09号)

■首都圏への出店を進める上で、もう一つ問題なのが家賃の高さだ。都心部はほとんどが売上歩合方式。それが5%ならどこにでも出るが、10%だったらアホらしくて。しかし、今後、不動産やビルは余るだろう。当然、首都圏出店の条件も合ってくると期待している。(繊研新聞01.01.12

■当面、首都圏への出店がポイントになってくる。現在、本当にやりたいのは神奈川県。人口で計算して目いっぱいの86店舗が出店できたら笑いが止まらない。ただ、空いているところが少ないのと、規制が多いのがネックになっており、いずれも解決しなければならない。(繊研新聞2001/01.11号)

■今後は出店も都心回帰の動きに対応していこうと考えている。本当は商売を考えたら、首都圏に日本人の3分の1がいるんだから、そこに店を出せばいいに決まっている。ただ、なかなか現実は土地が狭くて必要な面積が確保できない。私たちは、東京、神奈川に最も店が少ない。出ればいいのは分かったいるが、現実に今までの手法で空いている土地に出店するのはなかなか難しい。(日経ビジネス2002/02.03号)

■出店政策でいえば、今後の鍵は都市部にどう拡げていくか。今やっているのは中核都市の外周部ですから東京都心への取り組みが課題でしょう。(販売革新2005/05号)

しまむらの、ある経営トップの方の「都心部出店に関する発言」をピックアップし、時系列にならべるとこんなふうになります。これが、今でも、「しまむらの都心部出店に対する基本的な考え方」ではないかと思っていますが、ファッションセンターしまむらの、①都心部、大都市部における店舗数、②都道府県別店舗数、この2点について5年前と「今」とを比較しながら、彼らの都心部出店がどこまで進んでいるか、数字で簡単にまとめてみました。

★★都道府県別店舗数比較で店舗数増が多かったところ★★

   (2006年期末対2010年期末の店舗数比較)

都道府県名 06/2店舗数 10/2店舗数 店舗増加数

北海道-------44店-------60店-------16店

埼玉県-------81店-------95店-------14店

千葉県-------52店-------61店--------9店

東京都-------14店-------23店--------9店

神奈川県-----23店-------36店--------13店

大阪府--------7店-------16店---------9店

福岡県-------22店-------35店--------13店

これで見る限り、東京都、大阪府などの都心部の店舗数及び出店数は「まだまだ少ない」と言いますか、なかなか、思うようには進んでいないように思われます。しかし、さいたま市、横浜市、福岡市などの大都市を抱えている埼玉県、神奈川県、福岡県などへの出店はかなりの数やっています。おそらく、このエリアへの出店が一段落した後に、都心部出店が加速されるのではないかと考えられますが、それでも、そう短期間で店舗数、出店数を増やすことは出来ないように思うのですが、はたして、5年後、2014年期末の店舗数はどうなっているでしょう。予測は難しそうですが、とても興味のあるところです。

 ファッションセンターしまむらの「都心部への出店」  (完)

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業界動向:繊研新聞(2010.2.5)の記事-「ファッション業界 職種別年収」を読んで調べてみたこと

この記事は、ファッション業界専門の人材紹介業のクリーデンス(CREDENCE)が行った調査-「アパレル業界の平均年収と転職動向」-”ファッション業界・25歳~39歳、職種別の平均年収10年版”としてまとめられたレポートからの抜粋したものですが、その中から興味を惹かれた一部のデータをピックアップし、以下にメモしておくことにしました。

ファッション業界-25歳~39歳、職種別の平均年収

職 種 名  25~29歳 30~34歳 35~39歳

M   D-----383-------457------632万円

バイヤー-----363-------460------524万円

店  長------316-------392------418万円

VMD--------308-------405------410万円

販 売-------281-------398------374万円

MD=マーチャンダイザー、VMD=ビジュアルマーチャンダイザー

小売業で「最もやりがいのある仕事、面白い仕事、自分の考え通りに仕事ができる職種は、マーチャンダイザー、そして、バイヤーだ」という話をよく聞きます。また、彼らの力量如何で、売れる、売れない、そして、「店の生き死にさえ決まる」という人もいます。「利は元にあり」とは昔から言われていますが、小売企業にとって、商品経営、すなわち、「品揃えと仕入れ」は最も大事なことです。彼らは、その重要な仕事を担っています。他の職種と比べ平均年収が高いのも納得できます(仕事の腕、上げた成果によって差fありますが・・・・)。

この記事を読んで、これに関連する「小売業で働く人々の平均年収」について、ついでと言っては何ですが、調べてみると、「30歳時年収で比較する”上場企業年収ランキング”」-(上場企業年収ランキングトップ-小売業界-yoikaisfa.com/contents/より抜粋)に以下のようなデータを見つけました。その中から小売企業・1~10位までを以下にピックアップ。

小売業界の年収ランキング(30歳時年収) 1位~10位

 企  業  名      30歳時年収

(1)ファーストリテイリング------729万円

(2)三越伊勢丹HD----------713万円

(3)イ オ ン---------------630万円

(4)エイチツーオーリテイリング-619万円

(5)DCM JAPAN HD-----592万円

(6)Jフロント リテイリング----587万円

(7)千趣会----------------587万円

(8)グローバルダイニング-----550万円

(9)リンク・セオリーHD-------549万円

(10)サイゼリア-------------542万円

HD=ホールディングス

さらに、もう一つのデータ、「ツカエル・転職サイト比較-”小売・流通・外食、平均年齢が若い企業ランキング”-(ts-hikaku.com)」というのも見つけました。そのデータをもとに作成した、アパレル小売企業 平均年齢が若い企業ランキング

企 業 名   平均年齢   社員平均年収

①ハニーズ-------25.5歳-------341.7万円

②ナイスクラップ---25.9歳-------373.2万円

③ポイント--------26.9歳-------430.7万円

④ライトオン-------27.9歳-------396.2万円

⑤ユナイテッドアローズ28.7歳-----436.0万円

⑥ナルミヤ・インター-29.6歳-------330.9万円

⑦はるやま商事----30.1歳-------371.9万円

⑧ブルーグラス-----30.3歳-------289.6万円

⑨西松屋チェーン---31.4歳-------502.2万円

⑩ジーンズメイト----31.7歳-------415.4万円

⑪青山商事-------32.3歳-------466.8万円

⑫しまむら--------38.8歳-------551.3万円

⑬コナカ----------32.2歳-------442.2万円

⑭良品計画-------32.6歳-------490.5万円

アパレル・衣料品小売企業を、以上のような(平均年齢、平均年収とかのデータから)側面から見てみるとなかなか興味深いものがあります。「やっぱり、この会社の平均年収は他社より高いな」とか、それが納得できるデータも背景に持っているからです。

繊研新聞の記事、「ファッション業界 職種別年収」を読んで調べてみたこと =完=

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業界動向:縮小傾向が目立つ「子供・ベビー部門」の今後の商品政策

縮小する子供・ベビー市場

ベビー・子供市場規模の縮小が続いています。矢野経済研究所の推計によれば、2003年には約1兆540億円あったベビー・子供服・洋品市場が2009年推計では約8480億円と、7年間で約2060億円も縮小するとしています。また、「こども市場総覧2009」(ボイス情報株式会社)のデータをもとに作成されたレポート・「ベビー・子供市場分野別市場規模の推計と予測」によると、2000年には約8400億円あった子供服・用品マーケットが、2015年には約6930億円に縮小すると予測しています。いずれにしても、人口減、低下する出生率、少子化などによる子供人口の減少で、子供・ベビー市場規模は縮小を余儀なくされています。

001 ディリーファッションストア大手、ファッションセンターしまむらの子供・ベビー部門の売上高、売上構成比の推移、粗利益率の推移を時系列で見ていきますと、以下のことが分かります。まず、①出店による売場面積増で売上高は伸びている。また、②仕入コスト低減努力により値入率アップ、粗利益率アップしている、しかし、③子供・ベビー部門の売上高構成比は2001年の10.1%→2009年には7.7%と、2.4ポイントも低下している。子供ベビー部門のポジションの低落傾向は明確。

005ユニクロ(国内)の「キッズ&ベビー部門」の売上高、及び売上高構成比の推移も、ファッションセンターしまむらと類似しています。キッズ&ベビー部門の売上高構成比は、H16/8-6.5%→H21/8-5.2%とに低下、全商品部門のなかにおけるこの部門のウェイトが年々、落下しています。ユニクロは、今後、婦人衣料部門の売上高構成比を50%~60%まで拡大する方針を打ち出していますが、そうなると、キッズ&ベビー部門の売上高構成比は、相対的に、より一層、低下するものと思われます。しかし、「子供服はユニクロで買う」という若い主婦層がかなり沢山存在することを考えますと、「キッズ&ベビー復活の道」がまったく無いと断言することはできないかもしれません。いずれにせよ、大きな流れは、「しまむら、ユニクロ、ともに、子供・ベビー部門のウェイトが低下している」ということではないでしょうか。

004ベビー・子供服店チェーンで最大・最大手の西松屋チェーンの「こども衣料部門」の売上高構成比の推移を時系列で見ますと、H15/2・35.1%→H21/2・37.6%と増加しています。これは、出店増による売場面積増、売上増ということでしょうが、ファッションセンターしまむらとは、まったく、逆のグラフになります。彼らは、最近、130㎝~160㎝のジュニア・ボーイズ、ガールズまで品揃え幅を積極的に拡大していますので、それもプラス影響になっているかもしれません。しかし、ベビー・子供市場縮小の流れには逆らえず、大いに苦しんでいる様が見えます。既存店の月別売上高前年比は「前年割れ月」が多く、伸び悩みがハッキリしています。とはいえ、「善戦」といっていい実績を上げていると言えるのではないでしょうか。

「今」の、ベビー・子供服市場を業界関係者はどう見ているか

デフレ傾向により価格が抑えられているため、商品単価にコストを反映させることが困難で、収益性が低下している。(全日本婦人子供服工業組合連合会・理事長談013

子供服及びベビー服市場は二極化が進行している。デザイン性を重視した高級商品を扱うメーカーと、スポーツウエアの発想でベーシックな低価格商品を展開するメーカーに大別され、かつて存在したバラエティ豊かな市場は姿を消しつつある(全日本婦人子供服工業組合連合会・理事長談)。

二極化のひとつの事例に、強力な低価格路線を展開し急成長してきたSPAベビー・子供型量販専門店・西松屋チェーンがあります。彼らのボリュームプライスゾーン、主力プライスラインを見ると、同業他社はとてもついていけない「安さ」、他の追随を許さない低価格政策であることが分かります。

2000年前後からアパレル各社が子供服市場に参入し、大手アパレルが参入した高価格ブランド帯ブランド服と、衣料品量販店が参入した低価格商品の二極化が進んでいる。今後、販売チャネルを含めて、子供服の市場は大きな変化が加速する(SPA-NARUMIYA

007_4 GMSのベビー・子供服部門、ベビー・子供服専門店の多くが、長引く売上不振、縮小均衡化で苦境にあるなか、急成長しているSPA型子供服専門店チェーンがあります。(株)F・O・インターナショナルがその一つです。そのコンセプトは「トレンドのレベルは高く、価格はお母さんの財布から買える程度」というものですが、その生き方、商品戦略・政策を深く分析研究しておく 必要がありそうです。ここの経営トップの方が、「雑貨も含む、親子で楽しんでもらえる売場の構築を切り口として、仕掛け的に面白い商品とか売場の提案をやっていきたい」と言っていますが、彼らが展開している店を視察し、品揃えや店づくりで、自店に取り入れることができる部分があるかどうかを調べておけば、今後の方向を考えるヒントが得られるのものと思います。

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(株)F・O・インターナショナルの商品カタログから、彼らの展開価格帯、ボリュームプライスゾーン、主力プライスラインの概要を調べてみますと、「GMSのベビー・子供服のボリュームプライスゾーンより下、ディリーファッションストアの上限プライスゾーンの上」あたりのプライスポジショニングと考えられます。先述しています彼らのコンセプト、「お母さんの財布から買える程度」という位置づけがよく分かります。「子供を核に親も楽しめるショップ」を展開するとしていますが必見の店でしょう。

全体的には子供服市場が縮小しているなか、210万人の団塊ジュニア世代のニーズが売上実績に大きく反映されてきている。その現象が、キャラクター離れの顕著化や「母から目線」(父親目線、大人目線もある)のヤングレディスブランドの子供服の好調となって表れている。(子供服SPA-NARUMIYA010

子供服・ベビー洋品の業界人の多くは、「今」のベビー・子供服市場を、以上のように考えているようです。これからのベビー・子供服店(&メーカー)は、(a)高価格・ブランド服路線か、(b)低価格商品路線、この(a)、(b)いずれかの道をとるしか「生き残れる道はない」ということでしょう。これは、極めて的確な見方・考え方ではないかと思います。とはいえ、どの道を選ぶにせよ、どちらの道も決して楽な道ではないでしょう。とりわけ、商品調達面で大いに苦労することが考えられます。SPA化と言っても、そう簡単に転換できません。また、有力メーカーからの商品調達も、メーカーの多くがOEMでやっている現状を考えますと、このルートの確立も容易ではないでしょう。あれやこれや考え、一つ一つ詰めていきますと、「子供・ベビー部門の、これから先は、茨の道」となる可能性が極めて高いように思います。この「茨の道」を乗り越えていくには、相当の覚悟と、真剣な取り組みが求められるでしょう。それくらい、厳しい状況下にあります。

 縮小傾向が目立つ「子供・ベビー部門」の今後の商品政策  完

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資料室:連結決算で見る「三喜グループ」の概要とその実力

019三喜(以下、サンキと略)グループの平成21年2月期の売上高推計は約526億8200万円(連結決算)。サンキグループの構成は(株)三喜グループ、①株式会社・常総三喜、②株式会社・東葛三喜、③株式会社・埼京三喜 、④株式会社・常磐三喜、⑤株式会社・九州三喜、⑥株式会社・新潟三喜の6社、そして、⑦株式会社・東北三喜、⑧北関東三、⑨株式会社・三喜と、北海道地区の三喜協同衣料(株)、この10社で構成されているようです。しかし、株を上場しておりませんのでその詳細をつかむことはできません。その全貌をなんとか掴もうと、様々のデータ・資料をかき集め、まとめてものが(表-1)です。三喜グループの全貌が少しは見えてくるかもしれませんので、じっくりご覧ください。

021(図-1)は、サンキのホームページにある、(株)三喜グループ6社と、(株)北関東三喜の 店舗一覧表から作成した、サンキの売場面積規模別店舗数グラフです。サンキグループの店舗をその売場面積規模別に見てみますと、最も店舗数が多いところは、551坪~650坪で26店舗。第二位が、351坪~450坪のところで24店舗。第三位が、451坪~550坪のところで20店舗となっています。サンキの店舗面積規模は、ファッションセンターしまむらの1店平均売場面積規模は約310坪前後、新規出店店舗で約340坪~370坪と比べると、その1.5倍~2倍、最大は約3倍まであります。サンキにとって、ファッションセンターしまむらは、最大・最強の競争相手といってもいいと思いますが、その競争相手の2倍から3倍の大きさの売場面積規模の店で対抗していると言うこともできます。

024(図-2)は、先と同じグループの、県別・売場面積規模別・店舗数一覧表です。(北海道地区のサンキグループの38店舗は除く)。最も店舗数が多いのは、茨城県の21店舗、第二位が千葉県で19店舗、第三位が、新潟県・15店舗となっています。東京都・4店舗、神奈川県・0店舗と、首都圏における店舗数が少ないところはファッションセンターしまむらと似ています。これは、しまむら同様、出店時における出店条件設定、とりわけ、「支払家賃の設定」が厳しいからかもしれません。ちなみに、ファッションセンターしまむらの基本的家賃設定は、売上比5%以内と言われています。また、サンキの出店交渉では、当初、提示される家賃が、月坪当り1000円~3000円ということもあるということです。また、月坪当共益費の提示も、相当、厳しい数字を出しているのではないかと推測されます。(表-1)、(図-1)、(図-2)で、サンキグループの現時点における全貌が、多少なりとも見えてくると思いますが、果たして、お役に立てたでしょうか・・・・・。

002次にあげる何枚かのチラシは、サンキグループの大型店舗のひとつ、ニューサンキ柏店のものです。サンキは、かつて、といっても、15年前、20年前の話ですが、セールチラシをバンバン打ち込んでいました。しかし、10年前あたりから、月間セールチラシ本数を極端に減らしました。同時に、チラシサイズも、ほとんどがB4サイズになりました。新規開店セールチラシでさえもB4サイズが多いように思います。効果の無い広告宣伝費の無駄を徹底的に排除したのかもしれません。それは、「別にセールチラシを撒くかなくても、”サンキの安さと品揃えの豊富さ”が分かっているお客さんは店に必ず来てくれる」という、絶対の自信を持っているからでしょうか・・・・・・。

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次の2枚目、3枚目のセールチラシも、ニューサンキ柏店のものです。7月の「夏物・緊急値下げセール」、そして、8月の「夏の処分セール」チラシ。

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3桁の売価が目立つ、「安さを前面に打ち出したセールチラシ」です。この3枚のセールチラシにサンキの特徴が、沢山、盛り込まれていると思いましたので載せました。サンキのセールチラシの一端が見えるのではと思った次第です。

ディリーファッションストア大手、しまむらに次ぐNO.2位、量販大型総合衣料品店チェーンの老舗、「サンキグループの概要とその実力」を、表と図にまとめて、なんとかつかもうとやってみた次第です。

 連結決算で見る「三喜グループ」の概要とその実力  = 完 =

しまむら、あかのれん、サンキ、サミットコルモなど、量販総合衣料品店の月別販促セールチラシを分析研究レたブログ。

チラシ情報源-衣料スーパー編

お手数ですが、グーグル・検索で!!    

 

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業界動向:ディリーファッションストア-「子供ベビー部門の売場圧縮(縮小)策」について考える

■子供人口の減少続き、子供関連「被服及び履物」の消費支出も減少

001子供人口(0歳~14歳)の人口が減少し続けています。2000年からは減少度合いが「やや緩やかに」なってはいますが、それでも減少に歯止めはかかっていません。1950年の子供人口数は約2943万でしたが、それが、2010年には約1707万人になると推計されています。1950年比で言いますと、実に、約1236万人も子供人口が減ってしまうことになります。これと平行して、総人口に占める子供人口の割合も、1950年には約35.4%あったものが、2010年には激減し、約13.4%になると推計され

ています。野村証券が調査・発表している「エンジェル係数」(家計支出を100とした場合の子育て費用の割合)も、1993年には約33.4%あったものが、2007年には約26.2%とこれも激減しています。子供関連の消費市場規模の縮小傾向が続いていることになります。

003子供関連消費支出のうちでは、とくに、「被服及び履物」、それに、「直接教育(学校教育に関わる費用)」、この二つの消費支出が縮小しています。子供一人当たり向け支出のうちの「被服及び履物」の消費支出が減少していることは、それらの消費市場規模の縮小を意味します。これにどう対応していくか、子供対象の衣料品及び衣料関連品を取り扱っている小売店は、その具体的対応策を考えねばなりません。子供ベビー部門の取り扱い商品の範囲をどうするか、売場規模をどうするか、商品政策、売価戦

006_2略をどうするか等についての「見直し」と「再構築」が必要ではないかと思います。衣料品取り扱い小売店における子供ベビー部門の売上高推移を見ても、早急に、手直し策、対応策を打たねば「ジリ貧」になってしまう危険も感じられます。百貨店の子供衣料部門と、専門店「西松屋チェーン」、この2者の月別売上高前年比の推移をグラフ化し(表-3)にまとめてみましたが、長期間にわたる百貨店の子供部門の月別売上高「前年割れ」とその実績数字のあまりの「ひどさ」には愕然とさせられます。

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また、(表-4)に、ディリーファッションストア最大手・ファッションセンターしまむらの「ベビー子供部門」の売上高と部門売上高構成比の推移をグラフ化してみました。これを見ると、ベビー子供部門の部門別売上高構成比が著しく低下していることが分かります。ベビー子供部門の売上高は、年間二桁に及ぶ出店に支えられて毎年伸び続けてきました。しかし、2009年2月期には「前年割れ」しています。一方、ベビー子供部門の部門売上高構成比は、年々、低下の一途をたどり、2001年2

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月期には約10.1%だったものが、2009年2月期では約7.7%と、2.4ポイントも下がっています。加えて、(表-5)・ファッションセンターしまむらグループのベビー・トドラー洋品専門店チェーン「バースデイ」の年間売上高、年間売場坪当り売上高の推移等を見てみますと、これも「大苦戦」の数字で、子供人口の減少、そして、子供対象衣料品品目等の消費支出の減少が少なからぬマイナス影響を及ぼしていることが感じられます。ファッションセンターしまむらの力をもってしても、①子供

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人口の著しい減少、②子供関連品目・衣料品等の消費支出の減少、この「二つの大波」には逆らえないと言うことができるかもしれません。このように、ディリーファッションストアの子供ベビー部門は、いつ終わるか分からない、長く厳しい「冬の時代」にあるわけですが、ここをどう「しのいでいくか」、それを考えた場合、一つの案として、「売場圧縮(縮小)策」が出てくるのではないかと思います。取り扱い商品の範囲を縮小、一部、商品のカット、売場面積の縮小等、この厳しい時代を生き延びていくための対応策を考えていかねばならないうことです。

例えば、①ベビー用品の取り扱いをやめる=ベビー用品売場をカットする(そこまでいかなくとも、新生児入衣料、育児用品雑貨はカットする)、②ベビーアウターは子供トドラーアウターの中に組み入れてしまう、③子供(男女児)洋品売場も縮小する、こういった策をとっていくということです。小商圏対応のディリーファッションストアにとって、ベビー子供部門は、やめることも、切ることもできない「重要な部門」ではありますが、著しい低効率、赤字続けば、経営的には、その部門の縮小と赤字削減等を考えざるを得ないのではないでしょうか。これは、経験的な目安の一つですが、ベビー子供部門の年間売場坪当り売上高が70万円以下で、粗利益率が25%以下という場合、売場圧縮(縮小)策は、効果的な対策の一つであろうと思います。

先にあげた(表-5)、「バースデイ」の、2009年2月期の数値、3.3㎡当り年間売上高約46万円、粗利益率約27.8%、この数字では、失礼な言い方で恐縮ですが、おそらく、「赤字」でしょう。経営的には、放っておけない数字でもあるように思います。また、ファッションセンターしまむらの、2009年2月期の全店計の年間平均売場坪当り売上高は約99万円ですが、ベビー子供部門がある店で、この数字を超えている店数は、案外少ないかもしれません。

ファッションセンターしまむらの、売場面積330坪の標準店舗におけるベビー子供部門の、売場坪数は中分類面積で約40坪前後(中分類面積=主通路部分、他の共有部分の面積配分負担を含む)。また、ベビー子供部門の売上高構成比は、2009年2月期、約7.74%。年間売上高は、売場坪数330坪×年間売場坪当り売上高約100万円=3億3000万円、ベビー子供部門の年間売上高は、売上高構成比7.74%×年間売上高3億3000万円≒2550万円、したがって、ベビー子供部門の年間坪当り売上高は、2550万円÷40坪≒64万円。2009年2月期の粗利益率は約26.8%。この①~⑥に近いか、それ以下の数字のベビー子供部門は、経営的には厳しい状況にあるかもしれません。したがって、ファッションセンターしまむらは、なんらかの対策をとっているものと思われます。そこをじっくり分析・研究したいものです。

ディリーファッションストア-「子供ベビー部門の売場圧縮(縮小)策」について  完

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