資料室:「売れる!チラシ販促セールづくり」に取り組む

セールチラシは「必要経費」ではなく「投資」と考える。「投資なら、そのリターン、費用対効果=投資効率=が厳しく追及される」。

ディリーファッションストアの年間販促セールチラシの打ち込み本数は60本~70本。また、売上比広告宣伝費率は約2%前後です。例えば、年商500億円なら、(×2%)で、約10億円という巨大な額になります。しかし、その割には、「費用対効果」の追及はそれほど厳しくない店が多いように思われます。

セールチラシを打つために使った広告宣伝費は、「売上が増える、増えないに関係なく、やめてはならない必要経費なのだ」、または、「やめられない必要悪」と考えているからでしょうか。年間60本~70本も打ち込むチラシ販促セールで、「これは売れた!。ヒットした」というセールチラシは一体、何本あったか、真面目に振り返ってみれば、随分、無駄な金を使ってしまった(というより、捨ててしまった)ことが分かるはずです。「無駄金を使ってしまった」と、後悔することのないよう、真剣に、必死になって、「売れるチラシ販促セールづくり」に取り組むべきではないかと思います。

002_2チラシ販促セールの企画にあたって、まず、最初に必ず考えなければならないことは、そのセールチラシの「狙い・目的・目標」と、その「方向づけ」です。どんなセールチラシをつくるか、セールチラシには(図-1)の、A、B、C、Dの4つの象限があるとします。現在、見られるセールチラシの多くは、①A象限=(低価格訴求×ノンブランド品)のものです。次に多いのが、②A、B、C、この3つの象限を組み合わせたものです。しかし、「このチラシは効果大であった」というものは極めて少ないように思われます。何故、

004_2効き目がなかったのか、よくよく考えるねばなりません。セールチラシが効かなかった理由をひとことで言ってしまえば、「真剣さが足りなかった」ということに尽きるでしょうが、それは、セールチラシ企画にあたって、商品選定、売価設定、品揃えの中身、日々売上目標設定、売場づくり、売場担当者の意欲アップ等々、バイヤー、売場担当者、全員一丸になって、本気で「売れるセールチラシづくり」に取り組んだのかということです。「売れるセールチラシづくり」には、それらのこと(図-3)を、十二分に検討、打ち合わせす

005ることが絶対必要条件であるからです。ここを手抜きした「セールチラシ」には効き目などありません。このことは、ほとんどの店の人が、絶対、やらねばならないこと、とても重要なことだと分かっているにもかかわらず、それをやっていないところが多いのは不思議でなりません。冒頭で述べていますが、やはり、「セールチラシは、売れる、売れないにかかわらず、やめてはならない必要経費なのだ」という意識が強いからではないかと思うのです。繰り返しになりますが、「セールチラシづくり」に真剣さが足りないの

002_3 ではないでしょうか。「売れるセールチラシ」は、それに関係する人々、全員が、真剣になって取り組めば必ずつくることができます。いい企画も出てきます。そこのところを決して忘れないようにしたいものです。ところで、セールチラシ企画にあたって、少なくともこれくらいの調査分析はやっておかねばならないと考えるものを-当方の経験則で恐縮ですが-、(表-1)、(表-2)、(表-3)に まとめてみました。「こんなことは、とうの昔からやっているよ」と言われてしまえばそれまでですが、

004_3①自店の競争相手店の月別セールチラシ(チラシ散布日、チラシサイズ、企画内容詳細)、また、同じ項目で、②ファッションセンターしまむらの年度別・月別セールチラシ、そして、③しまむらの月別チラシ、商品品種別・売価ライン別 掲載頻度数(出現回数)、この3項目だけは、是非、手抜きせずやっておかれることをお奨めします。しまむらのセールチラシ現物を必ず入手し、それらを月別、日々別、時系列に整理しておくことも忘れてはなりません。そして、それらのチラシを徹底的に分析研究すれば必ず「売れ

007_2るセールチラシづくり」に役立つはずです。これぐらいのことは、ほとんどの店の人が既にやっていると思われるかもしれませんが、そうではありません。残念ながら、極めて少数だと言うしかありません。ディリーファッションストア各社のセールチラシを何年にもわたって、いろいろ分析研究し、多くの店の人の声も聞いてきましたが、「本当に、効き目のあったセールチラシ、著しい売上増をもたらしたセールチラシ」はわずかしかないことに驚きました。そんなわけで、老婆心というとなんですが、あれこれ考えたことを一文にした次第です。

  「売れる! チラシ販促セールづくり」に取り組む   = 完 =

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チラシ販促:デイリーファッションストア-2010年1月 初売りセールチラシ

2010年1月・「初売り」の結果について、いくつかの新聞報道がありました。その記事の中から目に止まったものを二つ。ひとつは、「伊勢丹新宿店(東京) 2日初売り-来店客数約22万人、売上高約24億円、来店客数、売上ともに前年並み。他の大手都心百貨店の初売りも、ほぼ前年並み」、二つ目は、「イオンタウン(埼玉県越谷市) 初売り・1日~3日 来場客数約90万人、福袋販売個数約5万5000個(消化率約80%)」。これを見ますと、2010年の初売りは、各社とも頑張って、「なんとか前年並みを確保」したところが多かったのかもしれません。

ディリーファッションストアの2010年・1月初売り結果についての報道はありません。しかし、注目店の2009年12月の「既存店・月別売上高前年比」、①ファッションセンターしまむら-09/12 102.6%、②ユニクロ09/12 111.5%、③ポイント 09/12 103.5%という結果を考えますと、この「頑張りと勢い」が残っていれば、初売りも「前年並み」、いいところでは「数%アップ」といういい成果をあげているかもしれません。

2010年 ディリーファッションストア大手の「初売りセール」チラシ

20101_0072010年、ファッションセンターしまむらの初売りは、1月1日~5日(2009年は1月1日~4日) 、チラシサイズB3。表面は、1000円・2000円・3000円の福袋の打ち出し。前年の初売りセールのチラシは、「新春 大入福袋 1000円・2000円・3000円」でした。しまむらの「初売りセール」チラシは、これが定番のパータンと考えてもいいようです。福袋の売価単価は低いですが、おそらく、中身は「昨年より上」、お値打ちの大きい福袋を提供したことでしょう。「安いだけではダメ」を熟知していますから。

20101_005パシオスの「初売り」は、1月2日~4日(2009年は1月1日~4日)、チラシサイズB2、地域によってはB3。表面は、福袋と半額セール。裏面に、300円、500円、1000円の均一セール。福袋の売価の打ち出しで、しまむらと違う点は5000円があることでしょうか。前年の初売りセールチラシのタイトルは、「パシオス NEW YEAR SALE」(今年は、これを裏面に)でした。大きなところは、基本的に、それほど変わっていませんから、これがパシオスの初売りセールチラシの定番パターンだと思われます。

20101_004_2あかのれん(名古屋)の「初売り」は、1月2日~4日(2209年も1月2日~4日)、チラシサイズB2。100円均一、200円均一、300円均一の超目玉品を表面、裏面、両面に組み入れた、とても迫力のあるチラシです。前年の「初売りセールチラシ」にも、3日限り限定ご奉仕-100円均一、200円均一、300円均一は組み入れていますからこのパータンが「初売りセールチラシ」の定番と考えていいでしょう。ディリーファッションストア大手(しまむら、パシオス、サミットコルモ、あかのれん)のなかでは、最も迫力のある「初売りセールチラシ」ではないか思います。あかのれんは、量販総合フルライン衣料品店の「勝負どころ」を熟知しています。ここ一番という時、例えば「初売り」とか、開店セール、見切り処分セールなどの打ち出しは抜群です。

20101_009サミットコルモ・衣料館コルモピアの「初売り」は、1月1日~4日(2009年は1月1日~4日)。2009年の「初売りセール」のタイトルコピーは「2009 コルモピアの本気 最強初売り」で、表面に「日替わり目玉」、裏面に「絶対得する福袋」でした。前年と比べ、チラシの表現・打ち出し方、レイアウト、カラーと文字使いなどが変化しているように思います。サミットコルモは東京都、それも都心部に店舗を多く持っています。このエリアでは「普段着の低価格訴求型チラシ」の効果は大きいでしよう。

 「ディリーファッションストア 2010年1月 初売りセールチラシ」  完

 

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ディリーファッションストア 09-4月のチラシ販促セール

■しまむら 09-4月 4月度既存店売上高前年比103.3%

ファッションセンターしまむらの4月度既存店売上高は前年同月比103.3%。前に、既存店・月度売上高が前年同月比100%を超えたのは2008年7月(前年同月比101.9%の伸長)ですから、実に、9ケ月ぶりということになります。しまむらは、①4月に入り気温が上昇し夏物が活発に動いたこと、②ティーンズのTシャツ、ベスト、デニムの好調、③肌着等のPB商品が堅調、それらが背景にあったと言っていますが、ともかく、久々の「既存店・月度売上高・前年同月比クリアー」で、ほっと一息というところでしょうか。しかし、2008年3月以降の既存店月度売上高前年比を見てみますと、圧倒的に「売上高前年割れ月」が多く、まだまだ先行き不安、「前年割れ」が基調になっているように思われます。

001_9 (表-1)は、ディリーファッションストア大手、しまむら、パシオス、サミットコルモ、あかのれん、4社の4月度チラシ販促セール実績表。4月度は、しまむら-7本、パシオス-6本、サミットコルモ-7本、あかのれん-5本でした。本数比較では、しまむら、サミットコルモ、この2社のチラシ打ち込み本数が多く、既存店・月度売上高「前年割れ」をなんとしても止めたいという”必死の思い”を感じます。また、4月度は、各社ともに、B2サイズの大型チラシを何本か打ち込んでいますが、多少、元気が出てきたということでしようか。「前年割れ」の月が続き、「なにをやってもダメ」と弱気になりすぎたようにも思います。

003_2しまむらは、1125店舗-大感謝祭、4月25日からは「創立57周年・大創業祭スタート」、29日にはB2サイズの大型チラシ「創立57周年・大創業祭-第二弾」の大型企画を打ち込んで、4月度の勢いに乗って、5月度も「既存店売上高・前年同月比100%超」を目指していることは間違いありません。ディリーファッションストアは「今」、①低価格+②高品質+③新素材・新機能+④ファッション性+⑤ブランド化、この5つを充足することを求められていますが、ファッションセンターしまむらの力をもってすれば、5点、すべてを満たせる可能性は大ですから、5月度も「既存店売上高・前年同月比100%超」を達成してほしいものです。これは、当方の勝手な思い込みですが、ディリーファッションストア最大・最強の小売企業である「しまむら」に元気がないと、なんとなく、業界全体も「しぼんでしまう」といいますか、「やる気」を無くしてしまような気がしてなりません。リーディングカンパニーとしての「しまむら」の積極果敢な攻めを期待したいものです。(言わずもがなのことかもしれませんが・・・・・・・)

006最近のパシオスのセールチラシは、このような表現、レイアウトのタイプが多く見られます。このチラシでは、99円、299円の超目玉品掲載に加え、450円、650円、950円の売価を打ち出し、しまむらがチラシでよく使う売価、470円、570円、670円、970円より20円下の売価を意識的に打ち出しているような気がします。おそらく、「しまむらよりパシオスのほうが安い」と訴求しているのでしょう。長く打ち続ければ、たとえ、20円とはいえ、お客にパシオスの安さというものが浸透し、案外、効き目が出てくるかもしれません。そこがどうなのか、注目していくことにします。

008

パシオスが4月29日に打ち込んだB2サイズの大型チラシ。売価設定、チラシのデザイン、レイアウトなどは、最近のパシオスのチラシ販促セールと基本的に同じタイプ。低価格訴求力のある、見やすい表現のチラシではないかと思います。前にも言いましたが、ディリーファッションストア大手4社のなかでは、「パシオスのチラシが一番いい」と思っているのですが、はたして、同業他社、そして、お客さんはどう評価しているのか(4社のチラシを一カ所にまとめて同時比較しながら見るということはできないでしょうが・・・)、とても興味のあるところです。

011あかのれん(名古屋)が4月1日に打ち込んだB2サイズの大型チラシ・「春市」。あかのれんも、見やすく、訴求力のあるチラシをつくるのがとても上手です。50円、100円の超目玉品掲載は、「しまむらを十二分に意識して」のことだと思いますが、なかなかインパクトのあるチラシです。あかのれんの近くに店のあることが多いGMS・ユニー、そして、「ファッションセンターしまむら」にとって、この、あかのれんのインパクトのある低価格訴求型チラシを打ち込まれると、その影響(売上減とか、客数減とかの影響)は決して小さくないと考えられます。中部・東海地区の量販衣料品業界では、「あかのれんが断然強く、一帯を席捲している」ように思います。最近、店舗数を50店舗としましたが、出店意欲も旺盛で、強力な集客力を持つ有力ローカルスーパーの小商圏対応型NSCに積極的な出店をすすめています。このエリアでは、しまむらもまだ店舗数も多くなく、地域売上シェアも決して高くないので、当分の間、あかのれんの優勢が続くのではと考えています。

  「ディリーファッションストア 09-4月のチラシ販促セール」  完

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チラシ販促:「ディリーファッションストア 09-3月のチラシ販促」

■しまむら-09年3月・既存店売上高の昨対95%、依然として「前年割れ」続く。

昨年が「閏年」で営業日数が前年より1日少なかったこと(注:しまむらの1ヶ月は20日〆なので、2月21日~3月20日が「3月」となる)を考慮なければなりませんが、3月度売上高・前年比5%減という実績数値を見せられますと、「今」の経済低迷・大不況、消費減退という厳しい状況下では、「しまむらの力」をもってしても、「月度売上高・前年割れ」をくい止めることはとても難しいのだということを強く感じさせます。ファッションセンターしまむらの3月・業績説明資料には、①PB商品の拡大(現在、商品の約30%。これを当面50%まで拡大していく)、②各種経費の見直しとその合理的削減、この二つを強く打ち出しているとの話を聞きましたが、「既存店月度売上高・前年割れ」を防ぐ手立てについては「秘策」として言及しなかったのでしょうか。大いに興味のあるところです。それはそれとして、ここでは、ディリーファッションストアの大手4社、ファッションセンターしまむら、パシオス、あかのれん(名古屋)、サミットコルモが、この3月に展開したチラシ販促セールを振り返ってみました。

011表は、4社が3月に展開したチラシ販促セールをまとめたものです。3月にもなりますと、季節も春ということで、「冬物処分」などの打ち出しはさすがに見られません。しかし、依然として厳しい消費低迷が続いていますので、かなり強烈な「低価格訴求型チラシ」が打ち込まれています。チラシ販促セールの本数は、しまむら、パシオス、2社が6本、サミットコルモ、あかのれんの2社は4本となっています。3月の年間売上高に占める構成比(月販売指数)は決して低くないのですが、各社のチラシ販促セールには、「息切れ」と「迷い」があるように思われます。どうもこれといった「決め手がない」ようにも見えます。

002

しかし、「注目すべきチラシ販促セール」がまったくないというわけではありません。セール企画内容、タイトルコピー、デザイン・レイアウト、低価格訴求のインパクト度などに視点を置いて、各社の3月度のチラシ販促セールから、「これはかなり効き目があったのでは・・・・」と思ったものをいくつかピックアップしてみました。まず、1番目には、あかのれんの「安さ爆発!!衝撃プライス!! 大爆発祭」。超目玉品、50円、100円、200円を強烈に打ち出した、とてもインパクトの強いチラシ販促セールです。かなり集客力もありそうです。

003

2番目は、パシオスの「限定割引セール」→「限割」です。このタイプは、パシオスが、「なんとしても売上がほしい」、「なんとしても売上を確保したい」という時に打ち込んでくるチラシ販促セールではないかと思いますが、その集客力と売上アップ力には実績があり相当の自信を持っているように思われます。短い期間で、あまり間をおかずに、乱発すると効き目も無くなるでしょうが、それさえ注意すれば、一度、打ち込んでみたいチラシ販促セールの一つではないでしょうか。これをそっくりそのままコピーしてというわけにはいきませんが、表現を多少、アレンジして、パンチのあるチラシ販促セールを作り上げることはできると思います。こんなことを言うと叱られるかもしれませんが、サミットコルモ・衣料館コルモピアが打つチラシは「このタイプのチラシのアレンジ版」と言ってもいいくらいの共通点が見られます。ぜひ、両者のチラシを収集し、それらを詳細に比較分析されることをおすすめします。きっと、「これは使える!」というものが沢山見つけられると思います。

0053番目もパシオスのチラシ、「春物早くもお買得!! 半額」です。当方なりの見方ですが、パシオスはチラシづくりがとても上手で、なにかと参考になるチラシモデルが数多くあるように思います。パシオスのセールチラシの3年間分を収集し、それらチラシの分析研究をやってみてはいかがでしようか。かなりの数のアイディア、ヒントを手に入れることができると思います。これは推測ですが、パシオスには「チラシづくりをあれこれ考えるのが好きな人、チラシづくりに研究熱心な人」がいるのではないかと思います。経験から言いますと、そういう人がいないと、「これは効きそうだ」というパンチのあるチラシ販促セールはなかなか生まれてこないものだからです。

008

4番目は、ファッションセンターしまむらのチラシ、「新ハッピーアイテム-生活応援 値下げしました」。しまむらはこのタイプのチラシを昨年から、かなりの数、打ち込んでいます。そのため、パンチのあるチラシではありますが、効き目が薄くなっているのではないかと考えています。しかし、その点-「あまり乱発しない」-ことさえ我慢すれば、「効果大の、使えるチラシモデル」の一つでしょう。以前にも述べていますが、「今」の時代のチラシ販促セールで効き目のある言葉・文字と数字は、①50円、100円の超目玉低価格品、②3割引~4割引、③半額、④値下げ、この4つではないかと思います。直接的で、なんの飾り気もない、率直・ストレートな表現ではありますが、単純明解、ひと目で訴求点=「安さ」=が読み取れる、とても分かりやすい表現のチラシになることは間違いありません。へんに「ひねった表現」をしたセールチラシよりも効き目は大きいだろうと思います。チラシの目的は、なにはともあれ、「まず集客」です。来店客数アップです。そこに視点をおいたセールチラシづくりをすることが肝要だと考えています。

 「ディリーファッションストア 09-3月チラシ販促セール」  完

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チラシ販促:ディリーファッションストア-09年2月のチラシ販促セール

■ディリーファッションストア大手4社-2009年2月のチラシ販促セール

ディリーファッションストア大手4社、①ファッションセンターしまむら、②パシオス、③あかのれん、④サミットコルモ、が2009年2月に展開したチラシ販促セールから「これは、効き目がありそう」と考えたものをいくつかピックアップしてみました。2月という月は、「まだ、春物がそれほど売れず、どちらかと言えば、冬物処分で売上をとっている」、いわゆる、端境期ですので、各社のチラシ販促セールは「冬物処分、冬物見切り・値下げ」をメインタイトルとした値下訴求・低価格訴求型チラシが多く見られました。

005 別表は、4社が2月に展開したチラシ販促セールをまとめたものです(拡大してご覧になって下さい)。4社の共通点として、2月は各社ともに5本のチラシ販促セールを打ち込んでいることです。また、しまむらとパシオスの2月のチラシサイズはすべてB4サイズでした。これは、最近の傾向の一つですが、各社に、「チラシ販促セールの回数は減らさず、同時に、経費削減をはかろう」という考えがみられ、それで、B4サイズに統一されていると思われます。チラシは「サイズが大きければ効く」というものでもありません。チラシ販促セール企画の効き目は、その中身如何ですから、チラシサイズがB4でも、チラシ効果が低下するということはないものと考えます。

009 これは「パシオス」の低価格訴求型のチラシですが、①何を知らせたいか一目で読み取れること、②レイアウトも、見やすくて、分かりやすいこと、③文字使い(字の大きさの強弱)、カラー使いがうまいこと、加えて、④迫力があること、この4つがあり、かなり効き目があるように思われます。しまむらの低価格訴求型チラシ「商品限定・レジにて40%OFF」タイプと似ていますが、これはこれで参考にしたいチラシモデルの一つです。この手のチラシは、頻繁にやったのではその効き目もなくなるでしょうが、年に数回とか、四半期に1回という打ち込み方であれば、そのチラシ効果は大きいのではないでしょうか。パシオスは、このチラシと似たようなタイプのものを、年間にかなりの数、打ち込んで込んでいるように思います。それは「大きな効き目があるチラシ」の一つだからでしょう。写真無し、文字と数字だけのチラシですので、つくるのは、そんなに難しいことはありません。一度、実戦で試してみたいタイプのチラシの一つです。

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これもパシオスのチラシです。ディリーファッションストアの売価政策で最も重要な売価ラインの一つ「690円」に焦点を絞った低価格訴求型チラシ。少なくとも、これから先、2~3年は激しい「安売り・低価格競争」が続くものと考えられます。おそらく、90円、190円、290円、390円、490円、690円、これらの売価ラインの出現頻度が多くなるのではないかと思います。しまむらは、これより20円下げた、470円、670円、970円の売価ラインを使い、同業他社より「安さ」を強調してきています。この考え方については注意深く見つめていく必要があります。20円ぐらいの差で「安さが強調されるのか」と軽く考えてはいけません。

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これは「あかのれん(名古屋)」の、決算前の売りつくし、冬物処分のチラシ販促セールです。独特の文字使い、カラー使いで、迫力もあり、お客は、一目で、「あかのれんのチラシだ」と分かるのではないでしょうか。文字と数字だけでつくられたチラシは、「見にくい、ごちゃごちゃしている、表現が激しすぎる、品が無い、えげつない」などと言われることがありますが、このチラシはそれらの欠点を感じさせません。とても上手にまとめられているように思います。文字と数字だけで構成されたチラシの一つの「良いモデル」ではないでしょうか。

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これは、サミットコルモ「衣料館・コルモピア」の低価格訴求型チラシです。掲載品目数は少ないのですが、①日替わり、②4割引、③超目玉品・90円、190円、この3つの組み合わせでパンチを効かせています。サミットコルモはこのタイプのチラシをよく打ち込みますが、東京都や、神奈川県の一部の地域では「激安衣料品店」として評判になっていることを考えると、これも「効き目のあるチラシ」の一つでしよう。しかし、レイアウト、文字の表現、カラー使いなどがワンパターンで、マンネリ化すると「効き目が低下してくる」のではないかと思います。その点は注意しなけれはなりませんが、「たまには、打ち込んでみたいタイプのチラシ」です。掲載品目数少ないのですがの、品目名のチョイスさえ間違えなければ、効き目のあるチラシになると思います。これも、実戦で試してみたいチラシ。以上、パシオス、あかのれん、サミットコルモ・コルモピアが2月に打ったチラシの中から、「これは効き目がありそうだ」と考えたものをピックアップしてみました。チラシ販促セールのヒントになれば幸いです。(ファッションセンターしまむらのチラシは収集分析しておられるでしょうから割愛しました)

「ディリーファッションストア-09年2月のチラシ販促セール」  完

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チラシ販促:ファッションセンターしまむら 09年1月度-端境期(冬→春)のチラシ販促セール

■チラシ販促セールは「低価格訴求強化型チラシ」が増える

2009年1月度は、衣料品商売でとりわけ難しい「冬~春への端境期」ということに加え、さらに、世界的大不況突入、著しい消費減退などの厳しい経済的環境変化もあり、小売店にとっては「暗雲垂れ込める年の始まりの月」となってしまいました。そのように厳しい環境下ですので、当然のことながら、ディリーファッションストアのチラシ販促セールも「かなり激しい表現の低価格訴求型」になってきています。ファッションセンターしまむらの1月度のチラシ販促セールも例外ではありません。相当強烈な表現の低価格訴求型チラシを多数、打ち込んでいます。第1弾からの流れを振り返ってみましょう。

006 ■1月度・第1弾チラシは「福袋」でした。このタイプのチラシは2007年1月、2008年1月にも「Happy Bag(福袋)」という形でやっている1月初頭の定番型とも言えるチラシ販促セールです。かわった点は、2008年、2007年はB3だったチラシサイズが、2009年1月度はB4サイズと小さくなったことです。これは2008年あたりから見られた傾向ですが、しまむらはほとんどのチラシサイズをB4サイズにしてきています。チラシサイズをB4サイズにし、かわりに、チラシ散布回数を増やすことを考えているようにも見えます。今年はこの傾向がはっきりしてきたように思います。

008

■2008年度の1月にはこれと似たタイトル名の「冬のラストセール」というチラシを打ち込んでいます。2009年度はその表現が一層、強烈になっているように思います。2008年度あたりから、このように激しい表現のチラシを打ち込むようになったのですが、既存店月別売上高の「前年割れ」が多発していることがその背景にあるのかもしれません。この傾向はこれから先もしばらく続くであろうと考えられます。ともかく、「集客最優先」の考え方でチラシ販促セール企画を進めていくということなのではないでしょうか。しまむらと至近距離で競争関係にあるお店は大いに注意・警戒していく必要があるかもしれません。

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■1月度・第3弾のチラシ販促セールですが、このあたりから、一段と激しい表現、強烈な色づかいのチラシが打ち込まれています。このタイプのチラシがかなり増えてきているところを見ますと、なんとしても、「集客アップ、売上アップ、売上前年割れ回避」をやるのだという「しまむらの強い意志」を感じます。表現には「やや単調化、ワンパータン化」が見られますが、そんなことにかまってはいられないということでしょうか。それとも、強い危機意識の表れなのでしょうか、これは、2007年度には見られなかった傾向です。このような「激しい低価格訴求型チラシ」を撃ち込まれると、競争相手は大きなダメージを受けるかもしれません。わが店は「しまむらのようなやり方はしない」などと考えて、迎え撃つ対抗策を取らないでいると、後で大いに後悔することになるかもしれません。「やられた、即、やり返す」という強い姿勢の「しまむら対策」を立てる必要があると思います。ディリーファッションストア最大手・最強の企業が、言い方は悪いですが、「なりふり構わず」と言っていもいくらい、激しく強烈なチラシ販促セールを展開していること、その「怖さ」を決して忘れてはならないと思います。

012

■1月度・第4弾目のチラシ販促セールです。先に打ち込んだ「追い込み型チラシ」・第3弾と同じタイプのチラシです。第3弾チラシに「中、1日」おいただけで打ち込んでいます。ファッションセンターしまむらの一か月は、当月21日~翌月20日・締めですので、1月度というのは、前年12月21日~1月20日ということになりますが、1月度の既存店売上高「前年割れ」をなんとしても食い止めようという気持ちの表れだったのかもしれません。それにもかかわらず、残念なことに、しまむらの1月度の既存店売上高は前年比92%という、極めて悪い結果に終わっています。それにしても、「強者・しまむら」がここまでのことをやるのですから、同業他社も、今年、2009年度は「しっかり、褌をしめて」、覚悟の商戦を進めていく必要がありそうです。余計なお世話かもしれませんが、しまむらの「低価格訴求強化型チラシ」を甘くみないようくれぐれも注意喚起しておきたいものです。「客と売上は、先に獲ったほうが勝ち」です。「手をこまねいて、ただ、見ているだけ」では駄目なのです。

014

■1月度・第5弾目のチラシ販促セールです。第2弾から続く一連の「低価格訴求強化型チラシ」です。このように、時系列で見ていくと、「しまむらの真剣さ」をより一層、強く感じるのではないかと思います。第2弾チラシからの「流れ」で、共通している表現は、「さらに値下げ」と「40%OFF」です。これは一貫しています。これは、端境期、大不況、大きな消費減退、そういう厳しい環境下における「しまむらのチラシ販促セールのキーワードと言えるかもしれません。2009年度は月を追うごとに「ますます厳しさが増す」ことは間違いありません。そういう厳しい時代認識を持った上で、これから先のチラシ販促セール企画を考えていかねばならないと思います。なんといっても、「集客に最も効果があるものはチラシ」なのです。わが店は「いつも安い。チラシをそんなに打つ必要もない。集客には自信がある。お客も分かっている」と言い切れる店はそう無いでしょう。(当方の知っているのは、食品スーパーチェーンの「オーケー」ぐらいです・・・・)

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■1月度・第6弾目のチラシ販促セールです。ここで初めて「春」を打ち出していますが、2008年度はこれより5日早い23日でしたから、今年は「1月の終わり、ぎりぎりまで冬物値下げ、見切り処分のタイトル」で打ち続けたということになります。もしかたら、「冬物在庫残が、思ったより多かった」こともあるかもしれません。しかし、これで「冬物値下げ」タイプのチラシ販促セールが終わったわけではありません。1月30日にもB4サイズで「冬物値下げ処分型チラシ」を打ち込んでいるからです。これには、競争相手の店も参ったことでしょう。「そこまでやるか」と思ったことでしよう。しまむらのこの「売上を獲りにいく執念」を大いに見習う必要がありそうです。どんな状況下にあっても「決してあきらめない。投げ出さない。全力でベストを尽くす」、商売にはそういう姿勢が求められるのではないかと思います。ちょっと「お説教じみて」きましたが、厳しい時代だからこそ、強い気持ち、前向きで積極的、攻撃的なチラシ販促セールを打ち込んでいくべきなのではないかと思っています。

020

■1月度・第7弾目のチラシ販促セールです。しまむらは「ここまでやるのです」。もう、あれこれ言う必要もないと思いますが、もう一度、2009年1月度に、「ファッションセンターしまむら」が展開したチラシ販促セールをじっくり分析・研究してみればと思います。きっと、得るものが沢山あるのではないでしょうか。また、もっと効き目のある「しまむら対策」を打ち出すヒントが見つけ出すことができることでしよう。競争相手のチラシ販促セールを徹底的、かつ、詳細に分析している店というのは、思ったより少ないものです。掲載品目名、価格、部門別・商品カテゴリー別掲載品目数、掲載商品別提供数量など、一度、しまむらのチラシの、徹底的な分析・研究をやってみてはと思います。大型家電専門店が継続的にやっている「競争相手のチラシ掲載品の徹底的調査・分析」に比べれば、苦労は少ないと思うのですが・・・・・・。

しまむら 09年1月度-端境期のチラシ販促セール 完

    

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チラシ販促:「ディリーファッションストア 09年1月のチラシ販促セール」

■1月度のチラシ販促セールの多くは「冬物見切り+低価格(値下げ)訴求」型」

2009年1月度におけるディリーファッションストアのチラシ販促セールは、前年に引き続き→「低価格訴求(安さ+値下げ)型」が多く見られました。ディリーファッションストア最大手・ファッションセンターしまむらをはじめ、多くの店では、依然として既存店月次売上高「前年割れ」が続いており、集客と売上確保には「低価格訴求(安さ+値下げ)型チラシ販促セール」が最も効き目があると考えているからだと思われます。

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図は、ファッションセンターしまむらの、過去3年間の月別売上高前年比を比較したものですが、今期が最も悪い数字になっています。(折線グラフで網掛けの山がたグラフが2008年度。黒実線グラフが2007年度、黒点線グラフが2006年度としています) 

2008年度は既存店月別売上高「前年割れ」の幅が前の2年度よりかなり大きくなってきています。他のディリーファッションストアも、しまむらと同様、既存店月別売上高「前年割れ」が多く、チラシ販促セールの打ち出し表現も、一層、激しいものになってきています。ディリーファッションストア大手、数社の1月度のチラシをいくつかピックアップしてみました。

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1月度は「冬物見切り」、「冬物値下処分」の時ですので、例年、このような激しいタイプのチラシが見られますが、2009年1月度はこのように「激しい表現のチラシ」が多かったのではないかと思います。文字と数字だけ、赤一色のチラシですがインパクトはありそうです。「決算前、底値、挑戦」などの言葉はいままでにもよく使われきましたが、依然として「効き目がある」ということでしょう。エゲつない表現だと嫌う人もいるかもしれませんが、「今」は、ともかく集客に効き目のあるものならどんどん使ってもいいのではないかと思います。

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このチラシも、「不況に挑戦、徹底値下、半額」などの言葉が躍っています。やはり、これらの言葉も、「安さの訴求」、「安さを表現する」には効き目があるからだと考えられます。大不況時代、モノが売れない、消費者がなかなかモノを買わない時代には、たとえ、チラシ表現に「品がない」とか、「洗練さに欠ける」など言われても、それを気にして無理にいいカッコなどせず、ストレートに訴えるチラシを打ったほうが効き目があるよのではないかと思います。大型家電専門店のチラシや、ディスカウントストアのチラシを見れば、ディリーファッションストアのチラシはまだまだ「やわらかなものだ」と思うのですが・・・・。

013「冬物一掃」、この言葉も1月度のチラシではよく使われる言葉ですが、それに、490円、690円の低価格品の打ち出しと、「半額」の 言葉も加え、「とにかく安い」ことをなんとしても集客→売上アップに結び付けようと考えているのがよくわかります。1月という時期に「冬物残が沢山あれば」、いやでも、激しい表現のチラシを打って、冬物処分をやらざるを得なくなります。しかし、逆に、かりに「冬物残が少なくとも」、このチラシくらいの表現は打ち出してもいいのではないでしょう。何度も言いますが、「まず、集客最優先」で、チラシ販促セールの組み立てを考えた方がベターだと考えています。この考え方に否定的な人もいるでしょうが、集客アップになんの効き目もないチラシは打つべきではないと思います。それは、はっきり言って「お金の無駄遣い」というものだからです。とくに、販促担当スタッフにこのことを分かってもらえればいいなと考えているのですが・・・。ともかく、一にも二にも三にも、「まず、集客!」です。お客に店に来てもらわなければ売れませんし、売ることもできないからです。

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表は、ディリーファッションストア大手4社、しまむら、パシオス、サミットコルモ、あかのれんの2009年1月度のチラシ販促セール実績をまとめたものです。一つの目立つ傾向としては、各社、「追い込み型チラシ」が増えていることです。例えば、B4・セールチラシを○月8日~12日で打ち、さらに、このセール期間後半の11日、12日に、もう1本のチラシを入れるというやり方です。ファッションセンターしまむらが、このタイプのチラシを2008年下期でかなり打ち込んでいます。研究する必要がありそうです。チラシの効き目は、第1日目が85%、第2日目が10%、3日目までは「もたない」と言われています。

◆◆◆ たまには、こんなタイプのチラシを打ち込んでも・・・・・ ◆◆◆

すこしエゲツなくて、すこし激しすぎる、写真も入れず文字だけで構成されている、そういうタイプのチラシを打つてみることも考えるべきではないかと思います。少なくともこれから先、2、3年は厳しい経済状況が続きそうですが、チラシ販促セールも「低価格訴求、激しい安さ訴求型チラシ」が増えてくることでしょう。同業他社と比べ、「品は良いが、しかし、効き目のないチラシ」を、いいカッコして無理に打つ必要はありません。

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例えば、このようなタイプのチラシです。表面はタイトルと文字だけ。裏面には、本数は少ないが、バイヤーが必死で集めてきた超目玉商品を掲載。そういうタイプの「超低価格訴求型チラシ」です。年に数回(3、4回)しか打つことができないチラシセールになるでしょうが、効き目は大きいと思います。お客に大受けするチラシ、「これを打てば、必ず売れる、大きな売り上げを獲得できる」というお店ならではの名物チラシ、名物セールをいくつかつくることを考える必要があります。ディリーファッションストアのなかには、そういった「名物チラシセール」を何本か持っている店もありますからそのチラシを手に入れ、そっくりコピーして打ってみるぐらいの柔軟な考えがあってもいいと思います。チラシ販促セールの「ネタ切れ」、「アイディア枯渇」に陥っている店は少なくありませんが、悩んでいる割には、こういった同業他社の「ヒットチラシ」の情報収集にかけている店が結構あるからです。

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既存店月別売上高の「前年割れ」が続いているこの大不況時代に、なんとか「元気を取り戻す」一つの手段として、強力なパンチとインパクトのあるチラシを打ち込むことを是非とも考えてもらいたいものです。「なにもせず、あれこれ悩み、手をこまぬいて、ただ、呆然と眺めているだけ」でなく、まず、アクション、行動する、やってみるという冒険心、挑戦する心を失うことのないよう、いつも、積極果敢な心を持ち続けたいものです。1月の各社のチラシ販促セールを見ながら、こんなことを考えた次第です。ぜひ、頑張ってほしいとエールを送るものです。

  ディリーファッションストア 09年1月度のチラシ 完

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業界動向:ディリーファッションストア 勝負月・12月 第3週のセールチラシ

■12月・第3週のセールチラシも「値下げ」と「割引き」で強烈な「安さ訴求」型

12_01412月・第3週のセールチラシも引き続き強烈な「安さ訴求型チラシ」が打ち込まれています。世界的大不況突入、景気回復の先行きも見えない暗く厳しい時代と言われている「今」ですが、それを反映するかのように、セールチラシも一段と激しい「低価格訴求、安さ訴求型」になってきています。おそらく、この傾向は当分の間、少なくとも、この先、2年間は続くのではないかと多くのエコノミストが予測しています。しかし、だからといって、縮こまっているだけではますます「縮小均衡」に陥るだけです。こんな時代だからこそ、攻撃的なセールチラシで集客アップ、売上アップをはかる、そういう積極果敢な攻めの経営が必要なのではと思います。

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■体験的「売れるセールチラシづくり」論

ディリーファッションストア大手、ファッションセンターしまむら、パシオス、あかのれん、サミットコルモ4社が、量販衣料品店の勝負月・12月に打ち込んだセールチラシには多くの共通点があるように思います。また、彼らがいかに真剣に「売れるセールチラシづくり」に取り組んでいるかも見えてきます。体験的にも共感するといいますか、よく分かる点が沢山あります。そのいくつかを「体験的・売れるチラシづくり論」として箇条書きにしてみました。なんかのヒントにでもなれば幸いです。

「必ず売れるチラシ販促セールにしてみせる」という強い意志を持って取り組めば「売れるチラシ」ができる。逆に言うと、いい加減な気持ちでつくったチラシ販促企画は「売れなくて当り前」。

十分な前準備(チラシ販促企画づくりに真剣に取り組み、じっくり練り上げた企画。そして、必死の「お値打ちセール商品探し」)をやったチラシ販促セールなら必ず売れる。「どうせ売れない、効き目が無い」と最初から思ってつくったならば「売れないチラシ」ができる。効き目の無いチラシは「お金を捨てている」のと同じ。コスト意識の無い商品担当者、販促担当者が「売れないチラシ」を乱発する。そのセールチラシの「効き目(→売れるかどうか)」は、それをつくった人々の真剣さと熱意の度合いで決まる。

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チラシ掲載商品設定とその売価設定を商品仕入担当者任せにしないこと。「いい加減な仕入担当者」は決して少なくない。「スペース割当てがあったから、とりあえずチラシ原稿を提出しておこう」というケースが案外多いもの。チラシ掲載商品が「本当にお値打ち品で、セールで完売できる」とは考えていない。仕入担当者にとって「商品集めにそれほど努力も苦労も必要ない、彼らにとって都合のよいものばかり」提出される危険がある。各仕入担当者から提出された「チラシ掲載商品とその売価」の評価判断、そして、掲載合格基準を厳しく。これをしないと「効き目抜群のセールチラシ」は絶対できない。

12_008チラシセール掲載商品決定に対する商品部長の「評価判断力、取捨選択眼」が最も大事。とくに、超目玉品の商品品質とその売価設定は、商品部長が決裁・指示すること。一番いいのは、経営トップがすべてのチラシ掲載商品に眼を通し、その品質、売価を評価判断し、チラシ掲載の合否を決めること。

チラシづくり(チラシタイトルコピー、チラシデザイン・レイアウト、商品の打ち出し方、スペース配分など)を印刷屋任せにしないこと。彼らは「商品の売り方、見せ方、商品の品質の良し悪し、売価の高い安いの判断基準」をそれほど分かっているわけではない。チラシに何をどう表現・訴求するかは、何を売りたいかがよく分かっている自店=小売店が決め、印刷屋に詳細に指示すること。

セールチラシのタイトル名の表現は、「分かりやすく、単純明快に、やや激しく」。響きのいい、きれいなタイトル名ほど効き目が無い。チラシのタイトルコピー表現は、「大きく、大胆に、目立つ」ことが大事。

ディリーファッションストア大手4社が12月・第1週~第3週に打ったチラシを見てきて、以上のようなことを感じました。12月は、あと、第4週と第5週が残っています。大手4社は、この2週にどんなセールチラシを打ち込んでくるのでしょうか、興味津々というところです。

  完

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チラシ販促:ディリーファッションストア 勝負月12月・第1週のセールチラシを見る

■「低価格-超目玉価格品+割引き」セールチラシで各社とも「安さを強調」

001_3 1年間で最も重要な勝負月である12月・第一週におけるディリーファッションストア大手4社のセールチラシを横に並べて見比べてみましょう。各社のチラシで共通している点は「安さを強調」しているところです。 「50円、100円などの超低価格・超目玉品」と「さらにレジにて○割引き」、この二つを組み合わせたタイプのセールチラシが多く、それで、集客力アップ、売上アップを狙っています。セールのメインタイトルコピーは、①しまむら→「今年最強の良質低価セール!!」、②パシオス→「60周年冬の祭典 6割引 4割引」、③サミッコルモ・コルモピア→「冬物処分大感謝セール」、④あかのれん→「創業90周年・冬本番」と、各社とも”総花型タイトル”ですが、チラシは、かなり強烈な低価格訴求型のセールタイトルコピー、デザイン・レイアウト、カラー使い、になっています。安さの競争、値下げ競争が一段と激しさを増してきているように思われます。この12月という勝負月で、しっかり売上を確保し、なんとしてもうまく乗り切っていこうという各社の強い意志を感じます。

005_2■ディリーファッションストア大手4社の12月・第1週におけるセール展開は、各社とも、まるで足並みを揃えたかのように、12月3日を初日とし、チラシサイズもB2サイズと大型のチラシを打ち込んでいます。水曜日立ち上げですが、12月は、月初めから強烈なセールチラシで「とばしていく」、「売上を獲りに行く」、という考え方も皆一緒のようです。今年は各社ともに既存店月別売上高「前年割れ」の月数が多く、年間売上高前年比(伸び率)も「前年割れ」になるところがほとんどだろうと推測されますが、この勝負月・12月では、低価格訴求を前面に打ち出し、必死の戦い、真剣勝負をしていることが見て取れます。「企業体力消耗戦」の様相も呈していますが、ここは、何とかその厳しさに耐え、それを乗り切っていくしか道は無いようにも思われます。景気低迷、迫りくる大不況の暗雲、著しい消費低迷、こういった時代には、低価格競争、より安く売る競争、この競争から逃げることはできません。ディリーファッションストアだけでなく、百貨店、食品スーパーマーケット、専門店、そして、国際的有名高級ブランド品までもが「値下げ」と低価格を打ち出している時代に突入しているからです。

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■ユニクロ、11月の既存店月別売上高前年比伸び率132.2%で「一人勝ち」!!

ユニクロの2008年11月の既存店666店の月別売上高前年比(伸び率)132.2%、客数前年比125.7%、客単価105.2%、この数字には、ほとんどの小売企業は驚いたというか、衝撃を受けたのではないでしょうか。前年同月の既存店610店の売上高前年比も103.2%ですから、なおさらのことです。「ユニクロ・一人勝ち」の背景にあるものは何かをよくよく考える必要がありそうです。

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ユニクロの強さは、①「高品質+低価格」、②「ベーシックカジュアル」、③「明確な”モノつくりコンセプト”」、この3点であると言われています。ディリーファッションストアも、これら3つのうちの少なくとも2つ、①と②は、その品揃えに組み込んでいかねばならなくなるだろうと考えられます。①、②どちらも、そう簡単にできることではありませんが、「ただ安いだけでは売れない時代」ですから、「それは出来ない。無理な相談だ」と言って逃げられることでもなさそうです。真摯な取り組みが求められます。それができないところの「先行きは決して明るくない」ように思われます。厳しい言い方ですが、「今」という時代は、そういう時代と考えたほうが正しい時代認識だと思うのですが・・・・・・・。

GMSも、負けじと「低価格訴求」、「安さを強調」

GMSもここにきて、かなり強烈な低価格訴求型セールチラシで「徹底して安さを強調」しています。「GMS不要論」、「GMSの社会的役目は終わった論」が小売業界の一部では囁かれていますが、そうはならじと、GMSも生死を賭けた必死の戦いを展開しているのが最近の彼らのセールチラシを見ただけでもよく分かります。

009 次にあげるチラシも、その「必死の戦い」の具体的事例の一つですが、GMSもここまでやるということです。先に、企業体力消耗戦と言いましたが、体力の弱い企業は、この体力消耗戦に耐えられず、否応無く、競争戦線から脱落し、衰滅の道を辿っていくことになるでしよう。年間で最も重要な月、勝負月でもあるこの12月に、GMSがどんな考えで商売に取り組んでいるのか、ここもよく見ていかねばなりません。今まで、当方は、「ディリーファッションストアの競争相手はディリーファッションストア」と言ってきました。しかし、現在、展開されている、業態、業種に関係なく全ての小売企業を巻き込んだ「低価格競争、安売り競争」の様相を見ていますと、「今は、全ての小売店が自店の競争相手だと」考えたほうがよい言ったほうがよさそうです。GMSだけでなく、ウォルマート傘下の「西友」も、極めて挑戦的なセールチラシを打ち出し、これからの戦いに挑む姿勢を見せています。この動きも見逃すことはできません。なんといっても、年商41兆円を超える世界最大・最強のウォルマートがその後ろに控えているからです。

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今日、現在は12月5日ですが、まだ、12月は始まったばかりです。12月31日まで、残り26日ありますが、ディリーファッションストア、GMS直営衣料部門、食品スーパー・直営衣料部門、そして、衣料専門店各社がどのようなセールを展開してくるのか、とても興味があります。年末に近づくほど、さらに強烈な低価格訴求型のチラシが打ち出されるような気がするからです。ディリーファッションストア大手4社が12月第1週に展開したセールチラシを見て、あれこれ考えたことを簡単にまとめてみましたが、小売業界にいる方々は、どう考えているのか、どんな政策を打ち出してくるのか、大いに関心を持ちながら、小売店各社のこの12月商戦をじっくり見つめていこうと考えています。

「ディリーファッションストア 勝負月・12月第1週のセールチラシを見る」   完

 

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チラシ販促:しまむら10月のチラシ販促セール。低価格路線の再強化策が奏功。

■しまむら10月の既存店月別売上前年比99.1%。もう一歩で「前年割れ」脱出!

ファッションセンターしまむらの既存店月別売上高前年比・上期計は95.5%と「前年割れ」でした。下期に入っても、第三四半期、9月(前年比98.7%)、10月(99.1%)と「前年割れ」が2ヶ月続いています。下期の既存店売上高前年比伸び率も、相当、厳しそうだと思わせるとても「重い足どり」です。しかし、10月の実績、既存店月別売上高前年比99.1%という数字は、「前年割れ」とはいえ、しまむらが10月にとった「低価格路線への原点回帰、再強化策」が奏功した結果と考えられます。したがって、下期も厳しい状況が続くという見方はまだまだ捨て切れませんが、一方では、それほど悲観的に考えることもないという見方もできるかもしれません。しまむらの「底力」は、並みの企業とちがい、ここぞという時には、もの凄いパワーを発揮するからです。

■10月のセールチラシに見る「超目玉品・超低価格品」→強烈な低価格訴求

1026_009 確か、昨年の前半であったと思うのですが、「来期は、①レジにて○○割引き、②超低価格目玉品、この①、②は、チラシ販促セールへの掲載を極力、抑えていく」という主旨の発表をしていたような記憶があります(うろ覚えで、ちょっと自信がないのですが・・・・・)。しかし、そういった考えとは別に、今期・上期は、既存店月別売上高の「前年割れ月」が多発しました。4月(96.8%)、5月(91.0%)、6月(90.6%)、8月(93.2%)と、ほぼ連続しておきたわけです。そして、10月26日付けの日経MJ新聞に、「しまむら-安売り徹底に回帰」の記事が載りました。そこには、しまむらが「低価格訴求路線を一段と強化」し、レジでの割り引き打ち出しも再開、チラシ販促セールも、その回数も含めて、より強化する旨のことが書かれていました。

そこで、しまむらの08年10月と9月のチラシを比較し、実際どうなっているのか調べてみました。調べたのは、①さらにレジにて40%OFFの掲載商品名と掲載本数、②売価単価50円、90円、150円、190円の超低価格品・目玉品の掲載商品名とその掲載本数、この2点です。結果は以下の通り。

              10月チラシ   9月チラシ

さらにレジにて40%OFF   12本       10本

50円             4本        1本

90円            10本        1本

100円           ・・・・         4本

150円            2本        ・・・・

190円           22本       18本

小計              50本       34本

見ての通り、10月は、9月よりも超低価格品・目玉品の掲載本数が多くなっています。「低価格訴求路線の一段の強化」、「超低価格品・超目玉品の掲載」、「さらにレジにて割引き」の再開、これらを、しまむらは宣言どおり実行しているわけです。そして、その作戦が奏功し、10月の既存店月別売上高前年比99.1%、もう一歩で「前年割れ」脱出というところまで追い上げてきたということになります。やはり、「しまむらの強さ、恐るべし」ということになるでしょうか・・・・・・。

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10月、9月のチラシに掲載された、①さらにレジにて40%OFFの商品名と、②超低価格目玉品50円・90円の商品名は、ここに書き綴ると長くなるので、残念ながら、書きとめられません。(是非、ご自身で詳細な調査されることをおすすめいたします)。それらの掲載品目名と、1店当り投入限定数量、お客1人当り限定買上点数など、しまむらが本当によく考え抜いた末に打ち出していることが分かるはずです。そして、じっくり考えれば、それらの商品のチラシ掲載は、「しまむらにしかできない」というものでもないことが見えてくると思います。そこのところをしっかり見抜いてほしいものです。

■10月のチラシセール回数は前年・2007年の10月と同本数だが、その中身と表現は、今年の方が「断然、激しい」

現時点は、27日ですので、10月はあと4日残っています。10月、しまむらが、いままでに打ったチラシセール本数は5本ですが、おそらく29日か、30日にもう1本チラシを入れると考えて、昨年10月と同本数と推測しています。

1026_002(表-1)は、しまむらの、2008年10月と、2007年10月のチラシセール打ち込み日、チラシサイズ、チラシのメインタイトルコピー等の比較表です。(これでは細かすぎて読み取れないかもしれません。クリックすれば拡大できます

しまむらの10月のセールチラシを調査分析してみて、「しまむらが本腰を入れてきているな」と強く感じました。おそらく、これから先、既存店月別売上高の「前年割れ月」が激減するような気がします。しまむらの「やる気」と「真剣な取り組み」をひしひしと感じるからです。ここは、彼らがどんな手を打ってくるか、じっくり見ながら、いただくものはいただくという考えで、分析・研究するのが賢い対応と言えるでしょう。

「しまむらの10月・チラシ販促セール。低価格路線の再強化策が奏功」  完

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