競争激戦地:サンキ対しまむら-「竜ヶ崎市郊外の戦い」

■「サンキ(三喜)」対「しまむら」 営業実績数値でみた「企業規模比較」

(表-1)は、サンキ、しまむら、この2社の営業実績数値(2008年2月期)による「企業規模比較」をまとめたものです。計算結果から、しまむらは、売上高-サンキの約8倍、営業利益額-サンキの約22.5倍、経常利益額-サンキの約17倍、税前利益額-約17倍、当期純利益額ーサンキの約17.4倍であることが分かります。また、店舗数比較では、サンキグループが2008年9月で約153店舗、しまむらは08年2月期末で1077店舗ですので、しまむらは店舗数でサンキの約7倍になります。

005注① しまむらの数値は、ファッションセンターしまむら、バースディ、シャンブル、ディバロを含む合計数値です。また、サンキグループは、三喜、東北三喜、北関東三喜、(北海道三喜は店舗数以外は別計算)の合計数値です。

さらに、⑥営業利益率-しまむら9.51%:サンキ3.47%、経常利益率-しまむら9.77%:サンキ4.69%、当期純利益率-しまむら5.56%:ンキ2.64%、となっています。

サンキはディリーファッションストア大手・第2位の小売企業ですが、それでも、最大手・第1位の「しまむら」と比較すると、こんなにも大きな差があります。これだけ大きな企業規模格差があると、「サンキはしまむらと戦っても、まず、勝てないだろう」と考える人が多いのもやむを得ないことかもしれません。しかし、いつもその通りに話が運ぶとは限りません。というのも、サンキの店がしまむらの店と至近距離で競争し、戦いに打ち勝っているケースがあちこちにあるからです。これから述べる「茨城県竜ヶ崎市郊外におけるサンキ対しまむらの戦い」も、サンキがしまむらとの競争に打ち勝っているケースのひとつです。サンキがどんな戦い方をしているのか、興味を惹かれる人もいると思いますので、次にその概要を記しておきます。

■サンキ対しまむら - 竜ヶ崎市郊外の戦い

茨城県竜ヶ崎市には、しまむらグループでは、しまむら竜ヶ崎店、バースディ竜ヶ崎店、アベイル竜ヶ崎店、この3店があります。サンキグループには、サンキ竜ヶ崎店、サンキ竜ケこの2店があります。各店の概要は次のとおり。(竜ヶ崎市郊外で戦っているのは、「サンキ竜ケ岡」と「しまむら竜ヶ崎店」の2店ですので、この店の概要だけを時系列に記しておきたいと思います)

●1999年4月、「サンキ竜ケ岡店」出店(売場面積2684㎡≒812坪。2001年度年商推計約7億円、所在地・茨城県竜ヶ崎市貝原塚町457)

●2003年3月、「しまむら竜ヶ崎店」出店(売場面積1330㎡≒402坪、所在地・竜ヶ崎市藤ケ丘2丁目1-1)

●2005年3月、「サンキ竜ケ岡店」が増床(売場面積3718㎡≒1125坪に、駐車場収容台数174台へ)。この時点で、サンキ竜ケ岡店は「しまむら竜ヶ崎店」の約2.8倍の大きさの店舗規模になりました。(ここが大きなポイントです)

002地図は、「サンキ竜ケ岡」の周辺と、「しまむら竜ヶ崎店」の店間距離と位置関係を示したものです。円は500m区切りで書いていますが、2店の距離関係は約600m~700mです。そして、周辺には、食品スーパー・ランドローム、カワチ薬品、カスミの3店があり、買い物客が沢山、集まるエリアになっています。

このような場所で、サンキ、しまむら、2社の店が競争しているわけですが、当方の見る限り、「サンキがしまむらに打ち勝っている」と思われます。考えられる理由は以下のとおり。

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(1) 「サンキ竜ケ岡店」の売場面積1125坪は「しまむら竜ヶ崎店」の約2.8倍であること。サンキはこの広さの店を十分に使いこなせるだけの品揃え力、商品力、運営力を有していること。売場の広さを十二分に活かした品揃えアイテム数の多さ、売場ライン構成数の多さ、そして、低価格訴求力、これで競争に打ち勝っていると考えられます。なんといっても、最大のポイントは「競争相手の店の約2.8倍」という売場面積の広さです。

(2) 主力部門であり、競争の決め手となる部門でもある「婦人衣料売場」を別棟のファッション館に、婦人服飾雑貨・バッグ、婦人ランファン、婦人和装と組み合わせて、約400坪規模の売場としていること。これは、しまむら竜ヶ崎店の婦人衣料売場の約3倍~4倍の広さになるものと思われます。ディリーファッションストアは「婦人衣料の強い店が勝つ」というのが経験則ですが、しまむら竜ヶ崎店は、このサンキの婦人衣料の広さと、品揃えアイテム数の広さ、婦人関連売場構成ライン数の多さに最も大きな打撃を受けているのではないかと思います。

(3) 婦人衣料売場以外の他の部門はファッション館に隣接した店舗にありますが、どの部門の売場坪数も、「しまむら竜ヶ崎店」のそれと比べて大きく、加えて、婦人衣料同様、品揃えアイテム数、商品力、低価格訴求力がありますので、強力な集客力を誇ります。なかでも、肌着・靴下などインナーウエア部門、寝具・インテリア部門の売場面積の広さと、強力な品揃え力、商品力、これも「しまむら竜ヶ崎店」にとって大きな脅威となっていることでしよう。

大筋はこの3点ですが、ディリーファッションストアで、婦人衣料、肌着・靴下等インナーウェア、寝具インテリア、この3部門をおさえられたら、まず、勝ち目はありません。

■競争は「個店対個店」。企業規模が競争相手より小さいから勝てないということはない。

サンキが、ここ5~6年間に出した店の「しまむらとの戦い方」を見ていますと、「競争相手である”しまむら”の店の2.5倍~3倍の大きさの売場面積の店をつくる」というのが、基本的な戦略ではないかと考えられます。千葉県印西市につくった「サンキ千葉ニュータウン店・1000坪」、千葉県野田市:サンキ・ロックタウン七光台SC店」などを見ればそのことが良く分かることと思います。(ディリーファッションストア業界人なら、この2店は必見の店です)。競争は「個店対個店の戦い」です。その戦いに打ち勝っていけばいいわけです。企業規模の大小で競争の勝敗がすべて決まるというわけではありません。ここにあげた「サンキの1000坪タイプの大型店」をじっくり視察クリニックされることをお薦めします。きっと、大きなヒントと、勇気が得られるものと思います。

  サンキ対しまむら-「竜ヶ崎市郊外の戦い」を見てこんなことを感じました。 完

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業界動向:しまむら&パシオス連合軍、秩父市を制圧

しまむら&パシオス連合軍、3店舗で秩父市(埼玉県)を席巻 

埼玉県秩父市は、人口68,686人、25,647世帯(平成20年5月1日現在)の地方都市です。秩父市がある地形的特徴から考えると典型的な「閉鎖商圏」と考えられますが、周辺の町村人口を加えた「秩父市都市圏人口」は約11万5千人という推計値が出されています。また、旧秩父市商圏・吸引人口は約84,500人と推計されています。

現在、秩父市には、①キンカ堂ファッション館(売場面積約1000坪)、②パシオス田原屋秩父店、③ファッションセンターしまむら秩父店、④しまむら影森店、この4つの量販総合衣料品店があります。パシオス秩父店、しまむら影森店と秩父店の概要は以下の通り。

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■パシオス田原屋秩父店の外観。売場面積は756坪。平成10年6月19日開店。年商10億円超を売上げたこともある店です。今でも、売場坪当り年間売上高100万円はあげていると思われますので、年商は、推計値ですが、約7.5億円~8億円を維持しているだろうと考えられます。店舗年齢は古い店ですが、パシオスにはこの広さの店を十分に生かした運営力、商品力があるからです。

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■パシオス田原屋秩父店の売場レイアウト概略図。地上1階、ワンフロアの店ですが、量販総合衣料品店では、秩父市の一番店と考えられますす。キンカ堂ファッション館がありますが、その店との競争では、パシオスが打ち勝っています。パシオスには、婦人衣料、そして、肌着靴下等の実用衣料の強さがあるからです。

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■しまむら影森店。2007年開店。しまむらの秩父市における2号店で、秩父市では最も新しい量販総合衣料品店。売場面積約350坪。年商推計3億円~3億5000万円。

■しまむらの、秩父市における、もう1店舗は、「しまむら秩父店です。平成10年11月12日開店。売場面積約293坪。年商推計3億5000万円~3億8000万円。

しまむら&パシオス連合軍、秩父市を制圧  

(A)秩父市の商圏

秩父市の商圏人口は、先に二つの推計値(約84,500人、もう一つは約11万5千人)をあげていますが、ここでは、平成20年5月1日現在の秩父市の世帯数25647世帯≒26,000世帯を商圏人口とすることにします。(経験的に言うと、地方都市の商圏人口はその都市の行政人口に近いケースが多くなっている)

(B)商圏人口26,000世帯とした場合の、秩父市における「衣料品及び衣料関連品」の年間需要額推計

量販総合衣料品店が対象にできる1世帯当り衣料品及び衣料関連品年間消費支出額は約20万円(平成17年 総理府 家計調査年報 全世帯・勤労者世帯)であるので、

商圏人口26,000世帯×20万円≒秩父市の衣料品及び衣料関連年間需要額52億円

と計算される。

(C)しまむら&パシオス連合軍、3店舗の年商推計 

前述していますが、

パシオス田原屋→年商約7.5億円~8億円、②しまむら秩父店→年商約3.5億円~3.8億円、③しまむら影森店→年商約3億円~3.5億円、この①~③を足すと、下限値で約14億円、上限値では約15.3億円。

秩父市の衣料品及び衣料関連品の年間需要額推計は約52億円ですので、しまむら&パシオス連合軍・3店舗の年商合計、下限値、上限値、それぞれの売上シェアを計算すると、

下限値14億円の売上シェアは約26.9%、上限値15.3億円の売上シェアは29.4%となります。これは、下限値の売上シェアでも秩父市における独占的売上シェアです。秩父市を制圧したと言っていい売上シェアであるとも言えるわけです。

埼玉県秩父市における「しまむら&パシオス連合軍」3店舗を見てきて、こんなことを考えました。今後、この秩父市のようなケースが、とくに、関東地区で出てくることが考えられます。秩父市のケースは、しまむら、パシオス、両者が話し合ってつくられた戦略、政策ではなく、結果論ですが、これから先は、各地における、この2社の動きを用心深く見つめていく必要があるのではないでしょうか。

      「しまむら&パシオス連合軍、秩父市を制圧」   完

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競争激戦地:「サンキ郡山店」の戦い

■「サンキ郡山店」と「しまむら堤店」の店間距離は約300m 

「サンキ郡山店」が2007年10月28日に開店。①所在地は福島県郡山市大槻町字前畑15-1、②売場面積約783坪、③駐車場100台。競争相手は「しまむら堤店」で、両店の店間距離は約300m。

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■両店の所在地と店間距離略図。「サンキ郡山店」の競争相手「しまむら堤」は、1997年5月に出店した店で店舗年齢は11年になろうかという高年齢店舗です。売場面積は約302坪ですが、2004年度の年商推計は約4億1300万円で、年間坪当り売上高約137万円という高効率店舗でした。

その店から約300mという至近距離に「サンキ郡山店」が開店したわけです。これは、サンキが「しまむら」の店の近所に出店するときに、最近よく見受けられるパターンです。サンキが「強者しまむら」に戦いを仕掛けたとも言えますが、その戦い方には「見るべきもの」があります。

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■サンキがしまむらの店と戦う場合によく見られる戦略は、「しまむらの店の2倍~3倍の売場面積の店をぶつける」というやり方です。この「サンキ郡山店」の場合を見ても、競争相手「しまむら堤店」の約2.5倍の売場面積の店を出しています。売場面積が競争相手の2倍~3倍あることは、競争面でかなり有利な条件になります。問題は、その大ききな売場面積の店をまわせるか、商店経営、商品経営ができるかということですが、サンキにはその力がありますから、このような有利な手を使えるわけです。これは推測ですが、「サンキ郡山店」が至近距離に出店したことによって、「しまむら堤店」は大きな打撃を受けることでしょう。少なくとも、年間売上高20%のダウンは覚悟しなければならないかもしれません。ここで見られるような、サンキ、しまむら、両社の至近距離での戦いが、ここ数年、随分、増えてきています。「サンキの追撃」という見方をしていますが、「強者しまむら」に対するサンキの闘争心、挑戦意欲を見る思いです。

サンキ、しまむら、両社の店の戦いは、主に関東6県で行われていますが、福島県、新潟県、山形県にも及ぶ距離的広がりを見せています。今後、両社がどのような戦い方をしていくのか、それぞれの戦い方をじっくり見ていこうと思っています。

しまむらは、この5年間に、どの都道府県でその勢力を伸ばしたか。 

「ファッションセンターしまむら」が、平成16年~平成20年の5年間で、全国都道府県別に見て、どこで、どのくらいその勢力を拡大したのかを調べてみました。まず、北海道・東北地方における「しまむらの勢力拡大の推移」をみることにします。(別表参照)

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■別表は、「しまむらが過去5年間で最も勢力を伸ばしたエリア」を各項目別にその伸長率をだして調査数表化したものです。

①売場面積を最も伸ばした県は「青森県」で平成16と平成20年対比で174%、②年間売上高を最も伸ばしたのは「北海道」の172%、③店舗数を最も伸ばした県は「北海道」で15店舗増加、④売上シェアを最も伸ばした県は「福島県」の5.6ポイントアップ、という結果になっています。

今回取り上げた福島県を見ますと、売場面積は126%の伸び、年間売上高は121%の伸び、店舗数は6店舗像、売上シェアで5.6ポイントのアップ、となっています。しまむらは、北海道・東北地方エリアでは、まず、北海道、次いで青森県、そして福島県の順で力を注いできたことが見えてきます。

   「サンキ郡山店」の戦い  完

   

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競争激戦地:「しまむら 仙台市を攻略中」

■宮城県仙台市は東北地域最大の都市で、平成20年1月1日時点の推計人口は約102.9万人、世帯数・約44.9万世帯です。これは、秋田市33万人、青森市31万人、盛岡市30万人を大きく引き離しています。この、東北地域最大の都市、仙台市における「ファッションセンターしまむらの店舗展開」をよく分析・研究すれば、彼らの「都市制圧の進め方」が見えてくるのではないかと考えまして、ちょっと調べてみました。

■宮城県における「ファッションセンターしまむら(単体)」の2007年度2月期末における概況は、売場面積28531㎡(約8630坪)、年間売上高・約87億1700万円、期末店舗数29店舗(2008年2月3日時点では31店舗)、宮城県における「しまむらの売上シェア」約8.27%(しまむら独自計算)、となっています。

次に、現在、仙台市にある「ファッションセンターしまむら」の店舗は、愛子店、高砂店、岩切店、若林店、中田店、高森店、松森店、泉が丘店、この8店舗です(また、2008年4月に愛子ファッションモールを出店予定)。この8店舗の売場面積合計は約2600坪、そして、年商合計は推計・約31億円です。これは、宮城県における「ファッションセンターしまむら全体計」を100とすると、売場面積で約30%、売上高で約35.5%を占めることになります。この数値を見れば、しまむらが、宮城県では仙台市に重点を置いて店舗展開していること、そして、この大都市攻略を最優先ですすめていることが透けて見えるように思います。

仙台市攻略作戦を着々と進めている「しまむら」の競争相手は?

仙台市地域における「ファッションセンターしまむら」の競争相手として考えられる店は2社ではないかと思います(イオン、イトーヨーカドー等のGMSはディリーファッションストアの直接的な競争相手とは考えていませんので、これらの店は除きます)。一社は、食品スーパー「ヨークベニマル・直営衣料部門」、もう一社は、「みやぎ生協・直営衣料部門」、この2社の店々です。

001 ■まず、食品スーパー・「ヨークベニマルの直営衣料部門がある店」ですが、仙台市には1店舗のみあるだけで、衣料品の年商は、あっても3億円以内ではないかと考えられます。ヨークベニマルの直営衣料部門の年間売上高は、全店合計で約200億円あり、食品スーパーの直営衣料部門としては規模の大きいほうですが、仙台市ではこんな小さな売上規模です。この規模では、「しまむら」にとって、脅威となる競争相手とはなり得ません。それでも、「しまむら」は競争相手としてきちんとマークしていることでしょう。

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■みやぎ生協の直営衣料部門は、仙台市に11、12店、店舗展開しているようです(その年商、売場坪数等はいくらか分かりません)。しかし、「しまむら」にとって強敵と言えるほどの力、そして、しまむらの売上拡大を阻止する力や、店舗出店を躊躇させるような力はもっていないのではないかと考えられます。生協という組織の強みを持っているかもしれませんが、単純に、それが「しまむらとの競争」で大きな力になるとは言えないだろうと思います。ヨークベニマル・直営衣料部門と同様、しまむらにとって、脅威となる競争相手ではないと言っていいのではないかと思います。

005 ■結論として、仙台市には、「しまむら」が、売上拡大、店舗数拡大を進めるにあたって障害となるもの、すなわち、脅威となる競争相手は無いのではないかと考えられます。したがって、全国各地でもよく見られることですが、この地域、仙台市でも、「しまむらの一人勝ち、独走態勢」状態になるものと思われます。とても大雑把な見方ですが、仙台市約44.9万世帯、ここで、2万世帯に「しまむらの標準店舗・売場約350坪」を1店出していくと考えると、必要店舗数は、44.9÷2≒22店舗となります。しまむらの、仙台市における現在の店舗数は8店舗ですから、22店舗-8店舗で、あと14店舗は出せるという計算が成り立ちます。1年に2店舗づつ店を出していくとすると、しまむらは、7年後には、仙台市に22店舗の店を持つことになります。そうなるかどうかは知る由もありませんが、夢物語という数字でも無いように思われます。

今、しまむらは、「仙台市の辺縁部分」から攻めていますが、いずれ、都市中心部にも攻め込んでくることでしょう。そして、基本戦略である、しまむらドミナントエリア構築、すなわち、「仙台地区ドミナントエリア」をつくりあげるのものと思います。チェーンストアの王道を行く「しまむら」ですから、きっと、チェーンストア理論に忠実に、その戦略、政策をすすめていくことだろうと考えています。

  「しまむら 仙台市を攻略中」   完 

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競争激戦地:「塩釜市に2つのファッションモール」

しまむら、塩釜市(宮城県)に2つのファッションモールを出店

宮城県塩釜市は、人口58939人、21943世帯(平成19年12月現在)の小都市です。その町へ「ファッションセンターしまむら」は2つのファッションモールを出店し、「塩釜市制圧作戦」を展開しています。一つは「塩釜ファッションモール」、もうひとつは「塩釜北ファッションモール」ですが、この2つのモール間の距離は、約3kmと極めて近くにつくられています。これではもう、他のディリーファッションストアが入り込める余地はほとんど無いと言っていいでしょう。無理やり出店してきても、そこで生きていくことは難しいと考えられるからです。

006が「塩釜北ファッションモール」、そして、が「塩釜ファッションモール」です。円は半径1kmですが、2店間の距離は、道路を行くとして、約3kmというところです。図の右側は「海」になっています。しまむらでも、このような至近距離で2つのファッションモールを展開しているところはとても少ないのではないかと思います。

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■図は「塩釜ファッションモール」と「塩釜北ファッションモール」の概要、及び店舗所在地マップです。釜ファッションモールは、「ファッションセンターしまむら塩釜店+アベイル塩釜店の2店構成で、店舗面積は2243㎡。塩釜北ファッションモールは、「ファッションセンターしまむら塩釜北店+バースディ塩釜北店の2店構成で、店舗面積は2041㎡です。

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■写真は「塩釜北ファッションモール」の外観です。最近のしまむらの出店形態を見ていますと、このような形、すなわち、ファッションモールでの出店がかなり多くなったように思います。しまむらグループ、ファッションセンターしまむら、アベイル、バースディ、シャンブル、ディバロ、これらをいくつか組み合わせてモールを構成していますが、しまむらも、「1店より2店、2店より3店で構成。その方が商業施設として、集客力もあり、競争力もある」という考えを持つに至ったのかもしれません。複合型大規模商業施設の開発が増えていますが、しまむらグループも、全体の力を結集して、「しまむら流複合型NSC」をつくっていこうということでしょうか。それにしても、人口6万人にも満たない小都市、塩釜市に2つのファッションモールを出すとは思いませんでしたからちょっと驚いています。

■「塩釜ファッションモール・店舗面積2243㎡」と、「塩釜北ファッションモール・店舗面積2041㎡」を足した店舗面積合計は4284㎡です。塩釜市には、このような大きな売場面積を有するディリーファッションストアは他に見当たりません。したがって、おそらく、この2つのファッションモールは、塩釜市でかなり高い衣料品売上シェアを獲得することになることが考えられます。(注:塩釜市には、大型店舗の「イオン塩釜ショッピングセンター・店舗面積8637㎡」があります。しかし、ディリーファッションゾーンで「しまむらと競争して勝てる力は無い」と言っていいと思います。塩釜市では「しまむらの独走、独占、寡占」という状況になることが容易に想像できます)

■しまむらの宮城県における2007年2月期の営業実績、しまむらの年間坪当り売上高100.8万円と、アベイル70.3万円、バースディ51.5万円(②と③は全店計平均実績)、この3つの数値を基に、2つのファッションモールの初年度売上高を推計(単純計算)しますと次のようになります。

●塩釜ファッションモール

(a)しまむら塩釜店・376坪×年坪売100.8万円≒初年度売上高3億7900万円

(b)アベイル塩釜店・302坪×年坪売70.3万円≒初年度売上高2億1230万円

 2店合計初年度年間売上高5億9130万円

●塩釜北ファッションモール

同様の計算式で、塩釜北ファッションモールの初年度年間売上高推計を行いますと、それは4億8060万円となります。

2つのファッションモール合計の年間売上高推計10億7190万円となります。

単純計算での年間売上高推測値ですが、これは、塩釜市の衣料品及び衣料品関連年間需要額(43億8860万円)に占める売上シェア23.88%となります。おそらく、しまむらはこの2つのモールで23%から25%の売上シェアを奪取するものと考えられます。もしかしたら、この数値は「下限値」で、「上限値」はもっと上の数値になるかもしれません。しまむらはそれがやれる力を持っているからです。

■人口約22000世帯という小都市、塩釜市に2つのファッションモールを出してその「制圧作戦」を展開する、こういう戦略といいますか、攻め方をされると、相手が相手だけに(しまむらという強者が相手だけに)、地元勢はもちろん、塩釜市に進出を考えていた他のディリーファッションストアにも「打つ手」は無いでしょう。あえて、危険を冒してまで出店してくることはないと考えられます。この、塩釜市のようなケースが、これから先、もっと増えていくのではないかと思います。そして、全国各地で「しまむらの一人勝ち、独走態勢」が、まだまだ続くのではないかと考えています。

   「塩釜市に2つのファッションモール」  完

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競争激戦地:戸田市・戸田公園②

■「しまむら戸田南店」と競争するにあたって、「サミットコルモ・コルモピア」、「パシオス」はどんな対応策を考えているのだろう。どんな手を打ってくるのだろう。

「ファッションセンターしまむら」、「パシオス」、「サミットコルモ・コルモピア」、3社ともに共通している点は、基本コンセプトは「ディリーファッションストア」、商品政策は、低価格・良い品質、「多アイテム+1型少量投入型品揃え」、ファッショントレンド商品の早期積極的投入・品揃え、20歳代後半から30歳代の女性をメインターゲットとし、それに焦点を合わせた品揃え、強力なチラシ販促企画力とチラシ表現力、商品コーディネイト品揃え力とその提案力、ビジュアルプレゼンテーション技術、この8つではないかと思います。

この8項目の3社の力には、項目によってもちろん「差」があることは当然ですが、かといって、3社の力に、それほど大きな開きはないと考えてもいいのではないかと思います。でも、「一番上はしまむらだよね」という評価が多いことは言っておかねばなりません。そして、「パシオス」も、「サミットコルモ・コルモピア」も、「しまむらをモデルとして、それを追いかけてきた」ことも頭に入れておかねばなりません。「しまむらのやっていることを真似し、その後追いをしてきた」というわけです。その結果、「しまむら似」、「しまむらもどき」になってしまったことも否定できません。これは、「しまむらの店と真正面からぶつかる」時、大きな問題点となるといいますか、弱点になると考えられます。「しまむらには無いなにかを、こちらが持っていないと競争には絶対に勝てない」からです。とても難しい課題ではありますが、このことをよくよく考えて、「しまむら対策」を組み立てていく必要があると思います。

■「しまむら対策」を考えるときの、いくつかの「切り口」、「ヒント」。

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■「しまむらとの差異化」を真剣に考えていかねばならないのではないでしょうか。それを強力に押し進めなければならないのではないでしょうか。「しまむら似」、「しまむらもどき」では、しまむらには絶対勝てないと思います。

戸田市・戸田公園エリアにある、「ファッションセンターしまむら」、「パシオス」、「コルモピア」の店で、今年の12月末に打たれたチラシ販促

3社の特徴といいますか、考え方、スタイルがよく出ているのではないでしょうか。じっくり比較分析してみるといろいろ面白いことが分かるのではないかと思うのですが・・・・・・。

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■しまむら、12月27日のチラシ。今年は、この「FINAL SALE」を続けて追い込み・2度打ちしました。12月の既存店売上伸び率・前年比が96.5%と苦戦したことが背景にあって、「売上を獲りにきた」のかもしれません。「びっくりするほどの安さ」ではありませんが、このチラシセールとは別に、店現場では、「タイムサービス」もかなりやっていたように思います。1月のチラシ販促も、相当強力なものを打ち出してくることでしょう。

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■2007年のディリーファッションストア大手3社、しまむら、パシオス、コルモピア、のセールチラシを見てきて感じたことは、「パシオスのセールチラシが最も洗練されている」のではないかということです。「しまむら」のセールチラシが悪いというわけではないのですが、2社のセールチラシを並べて見て見ると、そう思うのです。色づかい、デザイン・レイアウト、盛り込まれている企画など、とてもいい感じのセールチラシが多かったのではないかと思います。(それらのチラシで、売上がどれだけ上がったか、裏づけデータはありません)

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■「コルモピア」のセールチラシは、先の2社とちがい、徹底して低価格訴求型です。色使い、デザイン・レイアウトも激しいものになっています。しかし、いかにも「コルモピアらしい」といいますか、一目で、「あっ! コルモピアのチラシだ」と分かります。チラシの役目は「集客アップと売上アップ」ですから、これくらい割り切ったやり方もいいのではないかと思います。「要は、そのセールチラシで売上が確実に上がったか、買上客数が一段と増えたか」です。見た目よりも、効き目があると思ったほうがいいですよ。

     競争激戦地*戸田市・戸田公園②  完

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競争激戦地:戸田市・戸田公園①

戸田市で、Fセンターしまむら、パシオス、サミットコルモが至近距離で激突

戸田市・戸田公園駅(埼玉県戸田市)を中心とした半径約1kmのエリアで、ディリーファッションストア大手3社の店、「ファッションセンターしまむら・戸田南店」、「サミットコルモ・コルモピア戸田公園駅店」、「パシオス戸田店」、が激烈な生存競争を展開しています。

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■3店の店舗位置は(地図写真)のとおりです。半径500mの円をそれぞれの店を中心に記していますので距離関係は見てとれると思います。赤丸②「しまむら戸田南店」と、緑丸③「コルモピア戸田公園駅店」の店間距離は約400m、そして、「コルモピア」と、赤丸①「パシオス戸田店」との距離が約700mというところです。戸田公園駅にある「コルモピア」を中心に見ると、半径約1kmのエリアに3店のディリーファッションストアがあることになります。

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■写真は戸田公園駅ビル1階にある「コルモピア戸田公園駅店」の店入口部分です。この向かい側に、サミットコルモ・コルモピアの親会社、食品スーパー・「サミット」があります。「コルモピア」から「食品スーパー・サミット」へ行くには、一度、外に出なければ行くことができない建物構造になっています。「あまり使い勝手の良くない構造」の駅ビルと言えるかもしれません。しかし、「コルモピア戸田公園駅店」は、駅ビル1階という有利な立地条件を確保しています。また、戸田公園駅周辺では一番最初に、「食品スーパー・サミット(約450坪)」と「サミットコルモ・コルモピア戸田公園駅店(売場坪数約300坪)」が出店しました。

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■「ファッションセンターしまむら・戸田南店(売場坪数約350坪)」は2007年7月に開店しました。敷地面積が狭かったためでしょうか、建物は2階建てで、1階部分に駐車場をつくり、店舗部分は2階という、しまむらで数少ない形の店舗建物形態になっています。そして、その分、初期設備投資額が大きくなり、損益面における投資コスト負担は確実に大きくなっているはずです。それらの負担を軽く吸収できる売上と利益を見込んでいるのかもしれません。

1227_043 ■「パシオス戸田店」は、旧ダイエー戸田店撤退跡の永芳ビル2階にあります。2000年2月に開店、売場坪数は約500坪。永芳ビルの1階には、食品スーパー・ベルクス、3階には「100円・ダイソー」などが出店しています。「パシオス戸田店」は2階という不利な立地ですが、売場坪数が約500坪と、「コルモピア戸田公園駅店」、「しまむら戸田南店」より大きいところが競争面で有利な条件と言えます。パシオスには「しまむら」が12.7%の株を譲り受け、資本参加していますから、「コルモピア戸田公園駅店」を「しまむら戸田南店」とともに「挟み撃ち」する形になっています。

■「しまむら戸田南店」は、出店初年度にいくら売上るだろう?

先述していますが、戸田公園駅を中心として半径約1kmの狭いエリアに、「しまむら戸田南店・売場坪数約350坪」、「コルモピア戸田公園駅店・売場坪数約300坪」、「パシオス戸田店・売場坪数約500坪」、この3店があります。これはとても厳しい競争状況にあると言えますが、果たして、「しまむら戸田南店」は、出店初年度にどのくらいの年間売上高を見込んでいるのでしょうか。1階に駐車場をつくり、店舗を2階とする「2階建・店舗建物」をつくったわけですから、初期建物設備投資額は平屋1層・路面店に比べて確実に増えるというか、大きなものになっているはずです。それでも、ここに出店してきたのは、「その投資コスト負担を、らくらく吸収できる大きな売上高、粗利益高を確保できるという自信がある」からだろうと推測されますが、一方で、「かなり強気な考えを持っているな」という気がしないでもありません。

対象商圏エリア想定、想定商圏エリア内年間需要額推計から考える

3店の真ん中にある「コルモピア戸田公園駅店」の対象商圏エリアを想定し、そこの商圏人口、年間需要額を推計してみますと、(a)店を中心に半径約500mのエリアの商圏人口は7077世帯、(b)501mから1kmのエリアの商圏人口は9645世帯(H19/12時点)、(a)、(b)合計、すなわち、「コルモピア戸田公園駅店」の半径約1km以内のエリアの対象商圏人口は16722世帯です。そして、「しまむら戸田南店」の商圏人口も、その店舗立地から見て、これとほぼ同じと考えてよいと思います。(「パシオス戸田店」の対象商圏人口は、この2店と立地条件が違いますので多少異なります)

仮説(1) 「しまむら戸田南店」の対象商圏人口を16722世帯とする。

仮説(2) 想定商圏エリア内の年間需要額推計は、

   (16722世帯)×(1世帯当り・衣料及び衣料関連・年間消費支出額20万円)

    ≒33億4440万円

仮説(3) 「しまむら」は、店から半径約1km以内のエリアに、「コルモピア」、「パシオス」の競合店があっても、想定商圏エリア内・売上シェア15%は確実に奪取できる力を持っている。この場合の「しまむら戸田南店」の年間売上高は、

     33億4440万円×奪取できる売上シェア15%≒売上高5億0166万円

     すなわち、開店初年度年間売上高5億円を確保できる

ちよっとあらっぽい計算ですが、埼玉県における「ファッションセンターしまむらの実力」から言えば、以上のような推測計算が出来るのですが、戸田南では、この初年度売上高5億円がそれほど簡単に奪取できるとは考えていません。というのは、「しまむら戸田南店」から約400mという至近距離にある「コルモピア戸田公園駅店」の力を考慮する必要があるからです。「ファッションセンターしまむら」はの実力は、「パシオス」、「コルモピア」よりも上であることは間違いありませんが、かといって、この2店の実力にも軽視できないものがあります。それを読み誤ると「大きな計算違い」をする羽目になるかもしれないからです。埼玉県戸田市・戸田公園駅周辺、半径約1kmという狭いエリアでの、「しまむら」、「パシオス」、「コルモピア」の激しい戦いを見て、こんなことを考えました。開店1年後の「しまむら戸田南店」の売上高がいくらになっているのか、「はやく見てみたいものだ」と思っています。    競争激戦地:戸田市・戸田公園① → ②に続く

 

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競争激戦地:海老名市かしわ台

■「ファッションセンターしまむら」と「衣料館コルモピア」の戦い

神奈川県海老名市柏ケ谷(かしわ台)で、「ファッションセンターしまむら」と「サミットコルモ・衣料館コルモピア」が大激戦を展開しています。それは「体力消耗戦」と言ってもいいような戦いです。この戦いはどんな進展を見せていくのでしょうか・・・・・。

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■図・左下に、①「ファッションセンターしまむら・かしわ台店」と②「衣料館コルモピア」の店舗が至近距離で(ま隣りに)あります。そして、この2店舗から約2kmのところに、③「パシオスさがみ野」と、④「パシオス座」があります。しまむら・パシオス強者連合軍3店対「衣料館コルモピア」1店の熾烈な戦いです。

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■4店の概要は図の通りです。「衣料館コルモピアかしわ台店」は2005年4月開店、売場坪数は約367坪、初年度売上目標は3.5億円でした。そして、それから、わずか約2年後、その真隣りに、 「ファッションセンターしまむら・かしわ台店(売場坪数約365坪)」が出店してきました。激戦のはじまりです。

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■「ファッションセンターしまむら・かしわ台店」の外観。店建物・左側に屋上駐車場のスロープがあります。敷地面積が狭かったためでしょう、屋上駐車場を設けています。その分、初期設備投資はコストアップになっています。そこまでして、「衣料館コルモピア・かしわ台店」の真隣りに出店したところに、「しまむらの競争相手叩き」の凄さというか、「執念」を感じますが、それはちょっと考えすぎでしょうか・・・・・・。

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■表は「ファッションセンターしまむら」の神奈川県における営業実績の推移をまとめたものです。平成19年2月期の時点で、県内に25店舗、そして、平均売場坪当り年間売上高140万円、1店平均年商約4億5200万円の実績をあげています。これをベースに、「しまむら・かしわ台店」の初年度年商を単純推計しますと、(売場坪数365坪×売場坪当り年間売上高140万円=)、5億1100万円となります。

44_005■しかし、その真隣りに(写真は、しまむらの屋上駐車場から見た衣料館コルモピア)、開店2年目の 「料館コルモピア・かしわ台店(売場坪数367坪、年商推計3.5億円)」があるわけですから、先に、単純推計した「しまむら・かしわ台店」の初年度売上5億円の確保はそう簡単ではないものと思われます。また、「衣料館コルモピア・かしわ台店」の年商も3.5億円の確保も難しいと考えられます。「両者、引き分け」と言うよりも、「両者、相打ち」と言ったほうがいいような戦いになっているのではないでしょうか。

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■開店時の、「しまむら・かしわ台店」の売場レイアウト。これは、しまむらの標準店舗の売場レイアウトです。対する、「衣料館コルモピアかしわ台店」の売場レイアウトも、これとほとんど同じ形ですが、「しまむら・かしわ台店」出店に先がけて売場変更し、一部に、100円ショップ・ミーツを約40坪を導入、そして、婦人衣料売場を拡大したレイアウトになっています。

神奈川県海老名市柏ケ谷(かしわ台)で繰り広げられている「ファッションセンターしまむら」対「サミットコルモ・衣料館コルモピア」の戦いは、以上、書いてきたましたとおり、極めて「苛烈・過酷な戦い」です。これはもう、単に、競争というよりも、「一大消耗戦」と言った方がいいのではないでしょうか。しかし、2社とも、資本はしっかりしていますから、そう簡単に「引き下がる」ことはしないでしょう。また、店を「撤退・閉鎖」することもなさそうです。「意地と面子」もあるでしょう。となると、この、実りなき「一大消耗戦」は、いつまでも続くことが考えられます。もちろん、両店とも赤字店舗になるものと思われますが、それぞれの店の店長さんには、それこそ、想像以上の大きなストレスがあることでしょう。とても気の毒に思いますが、それは余計な心配と言うものでしょうか。両店の店長さんに「頑張れ、頑張れ」と大エールを送りたいところです。そんな気持ちにさせる「苛烈・過酷な戦い」に思えます。 完

 

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競争激戦地:インターパーク宇都宮南エリア

しまむら、「宇都宮インターパークファッションモール」を出店

2007年10月24日、しまむらの「宇都宮インターパークファッションモール」が開店しました。その概要は、①所在地→栃木県宇都宮市砂田町238-2、②店舗面積2367㎡(≒716坪)、③駐車場106台、④モール構成→ファッションセンターしまむら・約360坪+アベイル・約350坪、⑤開店日→10月24日・アベイル、10月25日・ファッションセンターしまむら。

しまむら「宇都宮インターパークファッションモール」が出店した場所は、宇都宮市南部にある、宇都宮テクノポリス計画の一環として開発された新市街地で、多くの大規模商業施設が進出し、競争大激戦地の一つとなっているエリアです。

地元有力百貨店・福田屋百貨店・FKDショッピングモール、最強のホームセンターと言われる「ジョイフル本田」、大型ドラッグストア「カワチ薬品」、大型家電専門店「ケーズデンキ」、メンズ専門店「洋服の青山」、そして、カトレアガーデンSCの大型総合衣料品店「サンキ」、大型ベビー専門店「ベビーザらス」、100円ショップ「ザ・ダイソー」などがすでに出店しています。また、さらに、いくつかの大型店の進出が言われています。

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■右図は、しまむら「宇都宮インターパークファッションモール」(緑色の②③)の出店場所と競争相手である「サンキ宇都宮店」(赤色①)、そして、その他、周辺にある大規模商業施設の概略図です。(しまむら→サンキ間は約600m)

しまむらはこのエリアへの出店を以前から狙っていたものと思われます。しかし、手強い競争相手である「サンキ」の店があること、そして、多くの大規模商業施設が存在するこ1025_015

とを重々、承知の上で、出店場所探し、立地選定をしたと考えられます。そして、選んだのが、この立地、この店舗形態、すなわち、「ファッションモール」という形であったろうと思います。

■写真は、「宇都宮インターパークファッションモール」の外観です。左奥に、しまむらグループのヤングレディス&メンズ専門店「アベイル」、手前に、「ファッションセンターしまむら」という構成のファッションモールです。1024_006

■10月24日に開店した「アベイル」の開店セール第一弾チラシです。ファッションセンターしまむらと組んだ出店ですが、載っている商品と売価は、しまむらとあまり変わらない低価格、そして、超目玉品設定になっているようです。自社グループ競合とはなりますが、一方では、この商業施設の集客力を高める結果になっています。競争相手の店に与えるプレッシャーは大きいと思われます。

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■「ファッションセンターしまむら」の競争相手、「サンキ宇都宮店」です。店舗面積1000坪(売場坪数約900坪)の大型総合衣料品店です。しまむらの「宇都宮インターパークファッションモール」の売場坪数約716坪よりも広く、また、「ファッションセンターしまむらインターパーク店」約360坪の約2.5倍の広さの大型総合衣料品店です。これは、しまむらにとって、手強い競争相手、油断できない競争相手です。なおかつ、こ

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の「サンキ宇都宮店」は、複合型大規模商業施設である「カトレアガーデン」SC内にあります。このSCは、店舗面積12662㎡(≒3830坪)のオープンモールで、「サンキ」、「ベビーザらス」、「ザ・ダイソー」、「ハードオフハウス」、「ペットフォレスト」、そして、複数の飲食店で構成されたかなり高い商業集積力を持った強力な商業施設です。「宇都宮インターパークファッションモール」の売場面積、商業集積力より、はるかに大きく、この商業施設との戦いには苦労しそうです。逆に言うと、「サンキ宇都宮店」には有利になります。

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■「サンキ宇都宮店」の売場案内図です。店舗面積1000坪(約売場坪数900坪)の店ですので、主要部門、そして、サンキの強い得意部門は、かなり広い売場坪数が確保されています。婦人、紳士、子供などのアウターウェア部門をはじめ、寝具インテリア部門など、すべて、「しまむらより広い坪数」になっています。しまむらにとって「サンキの商品力、品揃え力」は侮れないものがあると思われます。

しまむら「宇都宮インターパークファッションモール」の初年度売上高は?

前述のとおり、しまむら「宇都宮インターパークファッションモール」は、競争激戦地に後発出店したわけですが、果たして、初年度売上高はどのくらいの数字を確保するのでしょうか。「しまむら+アベイル」の2店で構成したファッションモール、このかたちなら「サンキに負けることはない」、そして、他の競争相手である商業施設にもヒケをとることもない、自信を持って競争に立ち向かえると考えたのかもしれません。

しまむらの「高い知名度」、「品揃え力、商品力」、そして、「優れた商店経営力、商品経営力」、「しまむらの力の凄さ」は、誰もが認めるところです。しかし、この競争激戦地においては、「そうは言っても、インターパークファッションモールの売場面積規模、商業集積力で、サンキ宇都宮店や、カトレアガーデンSC、他の大規模商業施設との戦いに勝てるのか」という疑問を感じるのですが、これは「余計な心配」というものでしょうか・・・・・。

しまむらの過去実績データを調べますと、平成19年2月期の、①ファッションセンターしまむら・全店平均売場坪当り年間売上高は107.1万円、②アベイルは70.3万円、③栃木県における「ファッションセンターしまむら」・32店舗の全店舗計平均売場坪当り年間売上高は110.9万円、④栃木県におけるアベイル全店舗平均では105.7万円です。

この、①~④の営業実績数値データをもとに、「宇都宮インターパークファッションモール」の初年度売上高を推計してみたのが、以下の数値です。

(A)ここまでは獲得できる力は持っている

  店   名   売場坪数  年間坪当り売上高   年間売上高

           坪        万円              ・・・

しまむら     360坪    110.9万円      3億9920万円

アベイル     350坪    105.7万円      3億6990万円

Fモール計         710坪    108.3 万円    7億6910万円 

(B)下限値でもこれは確保するだろう

しまむら     360坪    107.1万円    3億8550万円 

アベイル     350坪     70.3万円     2億4600万円 

Fモール計   710坪     88.9万円     6億3150万円

以上、しまむら「宇都宮インターパークファッショモール」は、約6億3000万円~7億7000万円くらいの年間売上高を確保するのではないかと考えられます。どちらの数字がより近いだろうかを考えますと、以下の理由から、前者の数字、6億3000万円前後になるのではないだろうかと思います。(しまむらさんには怒られそうですが・・・・・・・。ご容赦!)

しまむらのファッションモールにいる「ファッションセンターしまむら」と複合型大規模商業施設内にある「サンキ」の店の競争・競合を見てみますと、「しまむらが常勝軍」になっているわけではありません。千葉県野田市にある複合型大規模商業施設「ロックタウン野田七光台SC」内にある「サンキ野田七光台店」対「しまむら川間店」の戦い、千葉県印西市・「サンキ千葉ニュータウン店」対「しまむら牧の原モール店」の戦い、これらを思い起こしますと、強力な専門店で構成され、高い商業集積力を持つ、複合型大規模商業施設の中にある競争相手の店、例えば、「サンキ宇都宮店」との競争は、「しまむら、強し」とは言えども、決して楽ではないと考えるからです。「そう簡単に打ち負かすことは出来ない」だろうと思っているわけです。この考えは間違っているでしょうか・・・・・・・。

ともかく、ここでの競争・競合も、「その後」を追い続けようと思います。  完

       

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競争激戦地:千葉県野田市での戦い

■千葉県野田市では、小型量販衣料品店チェーン大手、ファッションセンターしまむら対ファッション市場サンキ、「ファッションセンターしまむら+パシオス」連合軍対サミットコルモ・コルモピア、この4社の店がそれぞれ至近距離で激突しています。野田市も小型量販衣料品店チェーンの激戦地です。

005_2 ■千葉県野田市における小型量販衣料品店チェーン大手、しまむら(右図・赤丸)、サンキ(黄色丸)、サミットコルモ・コルモピア(黄緑丸)、パシオス(赤丸④)、各社の店の所在地を示した地図です。それぞれの店を中心に半径1kmの円を描いています。店と店の間の距離がおおよそ分かると思います。

しまむらがパシオスに資本参加しましたので、「ファッションセンターしまむら+パシオス」超巨大・強力連合軍4店対サンキ、サミットコルモ・コルモピアという競争構図になります。

各社の店舗の概要は以下にまとめています。競争関係データをよく読んでいただくと、この野田市の競争の厳しさがご理解いただけると思います。

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サンキ・ロックタウン野田店は、複合型大規模商業施設「ロックタウン野田・七光台SCに、総合衣料品店の核店として出店しています。

サンキ・ロックタウン野田店は、売場坪数1000坪、2004年4月23日開店。(ロックタウン野田SCは、商業施設面積23861㎡、駐車場1500台、核店は、食品スーパーがマックスバリュー、ホームセンターがロイヤルホームセンター)

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サミットコルモ・コルモピア野田店は、有力食品スーパー・ヤオコーを核店舗として構成されたNSCに出店しています。

コルモピア・ウニスク野田店は、平成16年8月26日開店、売場面積1222㎡、初年度売上目標3億7千万円。

コルモピア・ウニクス野田店の至近距離約250mのところに「しまむら・つつみ野店・1269㎡」とアベイル+バースデイの組み合わせで「つつみ野ファッションモール・3店計3310㎡」が出店しています。

■千葉県野田市における小型量販衣料品店チェーン・大手4社、ファッションセンターしまむら、パシオス(田原屋)、サンキ、サミットコルモ・コルモピア、の出店を時系列に並べると以下の順になります。

しまむら川間店(1980年10月開店、売場坪数約304坪、年商2004年度推計約4億2900万円前後)

しまむら梅郷店(1986年6月開店、売場坪数約412坪、年商2004年度推計約4億7400万円前後)

パシオス野田店(2002年開店、売場坪数約450坪、食品スーパー・いなげやが核店舗のNSCに出店)

サンキ・ロックタウン野田店(2004年4月、売場面積約1000坪、ロックタウン野田SC内に総合衣料品店の核店舗として出店)

サミットコルモ・コルモピア・ウニクス野田店(2004年8月開店、売場面積1222㎡、初年度年商目標3億7000万円)

ファッションセンターしまむら・つつみ野店(2005年11月開店、売場坪数982㎡、バースディ、アベイルの3店で「つつみ野ファッションモール」を構成している)

このように各社の店舗の出店を時系列に並べて見ますと、ファッションセンターしまむらは、その牙城といいますか、「一人勝ち」しているドミナントエリアに競争相手が攻めてきた(出店してきた)場合は、すかさず、反撃するということが分かります。⑥ファッションセンターしまむら、そして、「つつみ野ファッションモール」を2005年にコルモピア・ウニクス野田店の至近距離約250mに出店したのは「反撃開始の狼煙」であったでしょう。

パシオス(田原屋)は、しまむらの資本参加によって、これから先は「しまむらグループ」という見方をしてもよいのではないかと思います。この2社間で、今後、出店調整や、ストアポジショニング、商品ポジショニングなどの「すり合わせと調整」が行われるものと思いますが、この、千葉県野田市地区では、2社は、どのような調整をするのでしょうか。大変興味のあるところです。

また、「ファッションセンターしまむら+パシオス(田原屋)」超巨大・強者連合軍に、ファッション市場サンキ、サミットコルモ・コルモピア、この2店はどのような競争対策を考えているのでしょうか。そのことにも大いに関心があります。

この、千葉県野田市における小型量販衣料品店チェーン大手4社の戦い、今後、打ち出されるであろう競争対策をじっくり見ていけば、明日を生き抜く手立てと道が見えてくるかもしれません。是非、この、千葉県野田市地区の定点観測をやっていくことをおすすめいたします。

千葉県野田市における小型量販衣料品店チェーン大手・4社の競争を見て、以上のようなことを感じました。各社、各店、スタッフの皆さん、頑張ってください。

     完

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