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イトーヨーカ堂 各種営業実績の推移を見る

セブン&アイHLDSの各期・決算補足資料で見た、2006年2月期から2016年2月期、過去11カ年におけるイトーヨーカ堂のいくつかの各種営業実績の推移は以下の通り。

イトーヨーカ堂の「既存店売上高伸び率(前年比)と衣料売上高前年比の推移」

004_2(図-1)は、イトーヨーカ堂の、2006年2月期から2016年2月期、過去11カ年における年度別の「既存店売上高伸び率(前年比)と衣料売上前年比」の推移グラフです。これを見ると以下のことが分かります。

①2006年2月期~2016年2月期、この期間におけるイトーヨーカ堂の「既存店売上高伸び率(前年比)」は、10ヵ年連続で「前年割れ」(2016年2月期はプラス0.2%)。この数字の推移を見れば既存店活性化が重要な経営課題の一つであることが分かります。もちろん、イトーヨーカ堂はこの課題に全力で取り組んでいることと思います。しかし、既存店売上前年比「前年割れ」をストップするのは容易なことではなさそうです。

②同じ期間(2006年2月期~2016年2月期)における衣料売上高前年比も「前年割れ」が続いています。そして、それは、「前年割れが続いている既存店売上高伸び率(前年比)の数字」よりも、さらに低い(悪い)数字です。それが、既存店の売上高伸び率(前年比)の「足を引っ張っている」ことも推察されます。いずれにせよ、「衣料売上高の前年割れをストップさせる」、これを、最優先で解決せねばならない重要経営課題の一つとして、必死の取り組みをしていることと思われます。

イトーヨーカ堂の「客数前年比と客単価前年比の推移」

007(図-2)は、2006年2月期から2016年2月期における「イトーヨーカ堂の客数前年比と客単価前年比の推移」グラフです。これを見ると次のことが言えます。

①年度別・客単価前年比を見ると、前述の11ヵ年で、「前年割れした年」が4つほどある。最も悪かった数字は、2010年2月期の▲4.1%。残り3つの「前年割れ」の数字は▲2%以内。11年間のうち、7年間は「前年超」の数字となっている。

②客数前年比の数字は、客単価前年比の数字と比べると、「とても悪い数字で、11ヵ年連続、前年割れ」が続いている。「客数減は商店経営の赤信号」とも言われますが、数字の傾向を見る限り、「前年割れからの脱出」は容易なことではなさそうに思われます。

イトーヨーカ堂の「衣料売上高と衣料売上構成比の推移」

012(図-3)は、前述した、(図-1)、(図-2)と同期間におけるイトーヨーカ堂の「衣料売上高と衣料売上構成比の推移グラフ」です。これを見ると次のことが分かります。

①イトーヨーカ堂の商品売上計は(衣料+住居+食品)ですが、この3つのうちで「衣料が最も粗利益率が高く、約36%~38%」で動いている(11ヵ年の粗利益率の数字は、下限値32.3%、上限値39.2%→(別表-1参照)。この粗利益率の高い衣料の売上高、売上構成比の低下は、損益収支に重大なマイナス影響を与えているものと考えられます。「衣料品が損益収支面の足を引っ張っている」と言われる所以ではないかと思われます。

2006年2月期の衣料売上高は約3073億円→2016年衣料売上高・約1870億円、2006年比で約1203億円の減。

2007年の衣料売上構成比は25.8%→2016年衣料売上構成比・20.1%、2007年比で5.7%減。

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ファッションセンターしまむら 東京都地区における店舗展開の推移

ファッションセンターしまむら 東京都地区における店舗展開に関するメモ

ファッションセンターしまむらの元経営トップの方が、業界紙・誌等において、「東京都地区におけるファッションセンターしまむらの店舗展開」について、以下のような発言をされています。(インタビュー記事、しまむら特集記事等)

■都心出店は興味があるが、初期投資の大きさや、チェーンオペレーション確立の難しさなど課題も多い。当面は、標準店舗の面積を1300㎡とする店舗の大型化で品揃えを拡充したい。さらに、「しまむら」と「アベイル」など新業態を同一敷地内に出店する複合出店も進めていきたい。立地ごとに複数の業態を組み合わせ、相乗効果で集客力を高めたい。(繊研新聞:2000.0725)

■(都心部への攻め込み)話はいっぱいあるけど、まだ、コストが高い。無理なコストで出る必要はない。私たちは売上の5%しか不動産比率がない。それが都心部は15%くらい。それじゃ意味がありません。(販売革新:2000.09)

■首都圏へ出店を進める上で、もう一つ問題なのが家賃の高さだ。都心部はほとんどが売上歩合方式。それが5%ならどこにも出るが、10%だったらアホらしくて。・・・・・。今後、不動産やビルは余るだろう。当然、首都圏出店の条件も合ってくると期待している。(繊研新聞:2001.0112)

■今後は(出店も)都心回帰の動きに対応していこうと考えています。本当は商売を考えたら、首都圏に日本人の3分の1がいるんだから、そこに店を出せばいいに決まっています。ただ、なかなか現実は土地が狭くて必要な面積が確保できない。私たちは、東京、神奈川に最も店が少ないんです。出ればいいのは分かっていますが、現実にいままでの手法で空いている土地に出店するのはなかなか難しいです。(日経ビジネス:2002.0203)

■出店政策で言えば、今後の鍵は都市部にどう広げていくか。今やっているのは中核都市の外周部ですから東京都心への取り組みが課題でしょうね。(販売革新:2005.05)

■都市部は、今までのパターンからオペレーションが変わらざるを得ない。納品に問題のある場所には出店できない。投資回収からは、家賃が高額だと儲からないので契約には至らない。・・・・・。都市部だからといって投資回収のスケジュールが変わることはない。儲かる、儲からないで出店を決めている。品揃えは概ね同じだか、都市部では、価格が高くなるところがある。物流のパターンは納品頻度を含めて全部同じ。崩すとビジネスモデルとしてもうまく回っていかないと考えている。

ファッションセンターしまむら 東京都地区における年間売上高、期末店舗数、売上シェア、売場坪当り年間売上高等の推移

001(図-1)は、ファッションセンターしまむらの、2001年2月期から2016年2月期における年間売上高と店舗数の推移グラフです。

①2001年2月期の年間売上高は約49億4200万円→2016年2月期の売上高・約225億8600万円。

②2001年2月期末の店舗数は11店舗→2016年2月期末の店舗数・58店舗。

2010年2月期あたりから、「売上高、店舗数ともに、伸びが高くなっている」傾向が見られる。

004(図-2)は、ファッションセンターしまむらの、東京都地区における「年間売上高と、東京都における売上シェア」の推移グラフ。

しまむらは、しまむらが対象とすることが出来る取扱商品について家計調査年報をもとに各都道府県別年間需要額推計を出しています。その推計需要額計算値をもとに、ファッションセンターしまむらの都道府県別の売上シェアを出しています。

東京都地区におけるファッションセンターしまむらの売上シェアは、2016年2月期で約2.1%と極めて低い数字です。各都道府県別売上シェア10%占有を目指していると言われているファッションセンターしまむらにとって、東京都地区における売上シェア約2.1%という数字は「あまりに低すぎる」と考えているのではないでしょうか・・・・・。

010(図-3)は、ファッションセンターしまむらの、東京都地区における「各期末売上面積と各期・売場坪当り年間売上高推計値の推移グラフ」です。

2011年2月期あたりから売場坪当り年間売上高が低下しています。

2006年2月期・売場坪当り年間売上高・約185万円→2016年2月期の売場坪当り年間売上高は147万円。

しかし、ファッションセンターしまむらの全店平均売場坪当り年間売上高は約100万円と推計されますから、それに比べると、東京都地区における売上坪当り年間売上高・約147万円は「かなり高い数字」と言っていいのではないかと思われます。ファッションセンターしまむらの東京都地区における店舗が、この売場坪当り年間売上高・約147万円で損益分岐点を超えているかどうかは分かりませんが、東京都地区における出店政策推進は「大きな経営課題のひとつ」ではないかと思われます。

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