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注目小売企業の「経常利益率・当期純利益率・自己資本利益率」を見る

注目小売企業の経常利益率と当期純利益率

014(図-1)は、その動向を注目している小売企業の「経常利益率と当期純利益率の比較グラフ」です。(各社・平成27年2月、3月期・有価証券報告書等をもとに作成)。これを見ると次のことが言えます。

①経常利益率のトップは、株式会社ファーストリテイリング11.3%、第二位が株式会社しまむらの7.5%。

②当期純利益率も、トップは株式会社ファーストリテイリングで5.65%、そして、第二位が、株式会社しまむらの4.55%。

名経営者と言われた株式会社しまむらの元経営トップの方が、小売企業の経常利益率について、次のようなことを言われています。(業界誌『商業界』-2004年10月号)

■「今、私たちは、粗利益率が29.5%で、経費率が19.5%で、経常利益率10%を出しましょうと言っている。・・・・・中略・・・・・。」

■私は、世界的に見て、小売業のあるべき形というものがあって、その中で経常利益率10%というのは今の基準だなと思っている。・・・・中略・・・・。昔は自分の基準で経常利益率8%くらいが優良企業なんて言われたこともあるけど、世界的に見て経常利益率10%っていうレベルが基準のような気がする。そうするとその基準に合わせて、自分たちの形を決めなきゃいけない。・・・・後略・・・・・」

018(図-2)は、先の(図-1)で取り上げた注目小売企業7社の「自己資本利益率の比較グラフ」です。これを見ると次のことが分かります。

①自己資本利益率のトップは、株式会社ファーストリテイリングの13.4%、第二位が、株式会社しまむら・8.4%、第三位が、株式会社セブン&アイ・ホールディングス7.9%。

株式会社ファーストリテイリング、株式会社しまむら、株式会社セブン&アイ・ホールディングス、この3社の優秀なことが見て取れます。

『自己資本利益率(ROE-Return On Eqity)』は、企業が株主から集めた資金をどれだけ効率的に使っているかを示す指標、株主資本を使ってどれだけ利益を上げたかを見る指標、企業経営力を見る一つの重要な指標と言われています。

また、自己資本利益率(ROE)は、言うまでもなく、高い方がいいわけですが、一つの目安の数字として15%~20%という数字があげられています。この、15%~20%という目安の数字から考えますと、小売企業の自己資本利益率は「まだまだ低い」と言うことができるかもしれません。

有力と評される小売企業の中で自己資本利益率が高い小売企業としては、先にあげた、ファーストリテイリングのほかに、ユナイテッドアローズ、ニトリ、ABCマート、ポイント、アークス等があります。しかし、年度によって変動しますので、各社の最新の有価証券報告書を見られることをお薦めします。

020(表-1)は、イオン、セブン&アイ・ホールイディングス、ファーストリテイリング、三越伊勢丹、高島屋、しまむら、7社の経常利益率、当期純利益率、自己資本利益率等を、各社の「有価証券報告書-連結経営指標等」をもとに作成したものです。(図-1)、(図-2)のグラフはこれらのデータをもとにつくったものです。

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国内ユニクロ&ファッションセンターしまむらの「客単価・客数の月別前年比」推移を見る

002(図-1)は、2013年9月から2016年4月の期間における、国内ユニクロとファッションセンターしまむらの「客単価・月別前年比の推移グラフ」です。(※株式会社ファーストリテイリング-年度別・国内ユニクロ事業・売上推移速報 及びファッションセンターしまむら-年度別・月次売上速報をもとに作成)。このグラフを見ると次のことが分かります。

①ファッションセンターしまむらの客単価・月別前年比は、「その多くが前年比100%~105%の間で動いている。

②一方、国内ユニクロの客単価・月別前年比は、2014年1月以降、前年比105%以上、最大前年比115%以上の間で動いています。これは、ファッションセンターしまむらの客単価・月別前年比の推移と比べると、かなり上の数字です。とりわけ、2014年8月~2015年5月の数字は、ファッションセンターしまむらの「はるか上をいく数字」になっています。

③両者の「客単価・月別前年比推移比較グラフ」から推察されることは、「国内ユニクロの売価政策に大きな変化、すなわち、ボリュームプライスレンジ・アップ、ワンランク上に持っていくことを図った」のではないかということです。

004(図-2)は、国内ユニクロの、2013年9月から2015年3月の期間における「客単価及び客数の月別前年比の推移」グラフです。これを見ると、以下のことが分かります。

①客単価月別前年比は2014年3月以降、105%以上~最大115%超と高いが、一方、「客数の月別前年比は、前年割れか、または、前年比105%以下」の数字です。「客単価・月別前年比は上がったが、客数・月別前年比は、それほど伸びいない、むしろ、前年割れ月が多い」ことが分かります。

②このことから推察されることは、「ボリュームプライス・レンジを上げる、もう一つ、上に持ち上げるという売価政策は、あまりうまくいかなかった」のではないかということです。

007(図-3)は、前述した期間における、ファッションセンターしまむらの「客単価及び客数の月別前年比の推移グラフ」です。これを見ると次のことが分かります。

①前述の、(図-2 国内ユニクロの客単価及び客数・月別前年比推移グラフ)と比べてみると、「ファッションセンターしまむらは、客単価・月別前年比の推移に比べ、客数・月別前年比の伸び、すなわち、前年超の月数が多い」ことが分かります。ファッションセンターしまむらは、「低価格政策の維持、良いものを安く」という売価政策を、しっかり堅持しています。(図-2)、(図-3)をよく比較して見れば、「国内ユニクロがとったと推察されるボリュームプライスレンジをワンランク上に持っていくという売価政策」と、ファッションセンターしまむらの売価政策の違いがはっきり見て取れるのではと思います。

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