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株式会社ファーストリテイリング 「2016年8月期 第2四半期決算」を見る

株式会社ファーストリテイリング&国内ユニクロ事業の「2016年8月期・第2四半期決算」を見る

001(表-1)は、株式会社ファーストリテイリング-2016年4月7日付け発表の「ファーストリテイリング 2016年8月期 第2四半期決算サマリー」をもとに作成した、「2015年8月期 上半期と2016年8月期 上半期の決算比較表」です。これを見ると次のことが分かります。

①売上収益は前年同期比で106.5%と伸びている。

②売上総利益率は、50.5%→47.1%と、前年同期比で「前年割れ」、3.4ポイントのマイナス。

②営業利益は、1500億円→993億円と、前年同期比は「大きく前年割れ」し、マイナス507億円。営業利益率も15.8%→9.8%と、前年同期比はマイナス6.0ポイント。

③税引き前四半期利益も、「大きく前年割れ」し、前年同期比50.1%。金額ではマイナス816億円(1636億円→820億円)。

④当期利益率は、前年同期比42.7%で、前年11.0%が今期は4.7%と、6.3ポイントと大幅減。金額は、1047億円→470億円とマイナス577億円。

⑤国内ユニクロ事業は、売上収益は前年同期比99.8%と「落ち込みは少ない」。しかし、営業利益は、前年同期比71.7%で、金額ではマイナス253億円と大幅減。

006(図-1)は、国内ユニクロ事業の、2013年9月~2016年3月の期間における、「既存店の売上高&客数&客単価の月別前年比の推移グラフ」です。これを見ると次のことが分かります。

①月別客単価前年比と月別売上高前年比は「前年超」の月数が多い。とくに、月別客単価前年比は、2013年10月以降、30ヶ月連続「前年超」。

②月別売上高前年比も、同期間で「前年超」の月数は23ヶ月ある。

③月別客単価前年比の伸びと、月別売上高の伸びは、連動していると考えられる。

④一方、月別客数前年比は、同期間で「前年割れ」月数は22ヶ月。月別売上高前年比、月別客単価前年比と比べると「前年割れ月数が圧倒的に多い」

売上高の計算式の一つに、売上高=客数(買上客数)×客単価(買上客1人当たり平均買上金額)がありますが、これから考えると以下のことが推察されます。

■国内ユニクロ事業は、月別客単価前年比のアップ(前年超)によって、月別売上高前年比がアップ(前年超)てしいる。

■月別客数は「前年割れ月数」が多く、客数(買上客数)は伸びていない。

ここで、客単価の計算式、客単価(買上客1人当たり平均買上金額)=買上点数(買上客1人当たり平均買上点数)×1品売価単価(買上商品1品平均売価単価)をもとに考えると、次のことが言えます。

■買上点数(買上客1人当たり平均買上点数)を増やすのは、それほど簡単ではありません。買上点数を1(点)増やす、例えば、2点を3点にするのは、それほど容易にできるなことではないと考えます。

■したがって、国内ユニクロの月別客単価前年比のアップは、買上点数増によるものではなく、1品売価単価(買上品1品平均売価単価)のアップによるところが大きいと考えられます。別な言い方をすれば、価格政策の変更(例えば、ボリュームプライスラインを上げる)によるところが大きいのではないかと推察されます。そして、このボリュームプライスラインをアップするという価格政策が、結果的には「買上客数減」をもたらしたのではないかと思われます。この結果を「軽視、放置し、何も手を打たずにいる」と、思ったより大きなダメージを受けるかもしれません。早急に、価格政策、売価政策の見直し、手直しが必要になるのではないでしょうか・・・・・・。

014(チラシ-1)は、セブン& アイ・ホールデスングスの大規模商業施設「セブンパークアリオ柏」(千葉県柏市)に出店したユニクロのOPENチラシ。

(チラシ-2)は、ファッションセンターしまむらの「半期に一度の大創業祭 しまむら祭」のチラシです。国内ユニクロとファッションセンターしまむらの、チラシでの打ち出し価格を比較してみると、両者の違いが見えてくるかもしれません。

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ファッションセンターしまむら-客単価と1点単価の推移を見る

ファッションセンターしまむらの「客単価と1点単価」の推移

(図-1)は、しまむらグループの「各期2月期・決算概要-ファッションセンターしまむらの売上・客数・買上点数・客単価の推移」をもとに作成した、2000年2月期から2016年2月期、17年間における「客単価&1点単価の推移グラフ」です。これを見ると次のことが言えます。

001①客単価(買上客1人当たり平均買上金額)と、1点単価(買上商品1品平均売価単価)ともに、2011年2月期以降、上昇傾向にある。

1点単価は、2010年2月期・746円→2016年2月期・886円、この期間で140円アップ。

客単価は、2011年2月期・2345円→2016年2月期・2657円、この期間で312円アップ。

②客単価=買上点数(買上客1人当たり平均買上点数)×1点単価(買上商品1品平均売価単価)で計算されます。

したがって、客単価がアップするのは、(イ)買上点数、1点単価、ともにアップする、(ロ)買上点数、1点単価のどちらかの数字に「大きな変化がなく」、もうひとつの数字がアップする、この2つケースが考えられます。

ファッションセンターしまむらの「買上点数「(買上客1人当たり平均買上点数)」の、直近5ヵ年間の数字は3.0~3.1の間で推移しています。買上点数の数字に大きな変化(アップ)は見られません。

ということは、ファッションセンターしまむらの客単価がアップしているのは、「1品単価がアップしていることによる」と言えます。ファッションセンターしまむらの売価戦略が、「単なる、低価格戦略」→「良品、廉価」→「良質・良品・リーゾナブルプライス」へと変化しているように思われます。「品質は良いが、売価も、それなりの高さの売価設定(なんでもかんでも、とにかく安いというわけではない)」ということになるでしょうか。展開売価幅の上限設定を「無理やり、抑えこまない」とも言えるかもしれません。これから先の、ファッションセンターしまむらの売価設定(売価政策)を注意深く見ていく必要がありそうです。

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東京地区百貨店 2007年対2015年-商品別売上動向を見る

東京地区百貨店の「2007年対2015年比較 商品別売上動向」を見る

001(図-1)は、日本百貨店協会が出している「東京地区百貨店売上速報(暦年)」をもとに作成した、2007年から2015年における「東京地区百貨店の商品別売上動向の推移グラフ」です。これを見ると次のことが分かります。

①東京地区百貨店の2007年対2015年-商品別売上構成比の推移を見ると、「衣料品計の売上構成比」の落ち込みが目立ちます。

2007年の衣料品の売上構成比は約36.4%ありましたが、2015年には31.2%と、約5.2ポイントの減少。

②2007年対2015年比較で、売上構成比が伸びているのは、身の回り品計13.7%→14.6%、雑貨計16.3%→18.3%、食料品計22.4%→24.1%。

商品別売上構成比の推移グラフからは、食料品計、雑貨計の売上構成比が「ゆるやかながら上昇傾向にある」ことが見て取れます。

004(表-1)は、前述の(図-1)・東京地区百貨店の商品部門別売上高推移グラフ」のもとデータです。これを見ると、

①衣料品計の売上高が、2007年・約6905億円→2015年・約5091億円と、この9年間で約1814億円も大幅に減少しています。衣料品は都市百貨店の主要商品部門ですので、この「衣料品売上高の大幅な落ち込み」は百貨店の経営損益収支構造に大きなマイナスとなっていることと思われます。

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(表-2)は、東京地区百貨店の、2007年から2015年における「商品別売上構成比の推移」です。

衣料品計の売上構成比が「落ち続けている」ことが見て取れます。

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(表-3)は、2007年対2015年を比較した、「東京地区百貨店-衣料品内訳別売上高及び売上構成比」動向です。これを見ると、

①衣料品の中でも、とくに、「婦人服・洋品」の売上高の落ち込み、そして、売上構成比の落ち込みが目立ちます。東京地区百貨店では、「衣料品計の売上高及び売上構成比の落ち込み」が大きいと前述しましたが、なかでも、「衣料品の主要商品である婦人服・洋品の大幅な落ち込み」は、とても気になるところです。東京地区百貨店にとって、「婦人服・洋品の回復・強化」は商品経営の最優先課題と言ってもいいかもしれません。国内ユニクロ、アダストリア(ポイント等)、ユナイテッドアローズ等の国内有力専門店や、ザラ、ギャツプ、H&M、そして、有名高級デザイナーブランドショップ等の海外有力衣料専門店との競争に打ち勝ち、「都市百貨店の衣料品、とりわけ、婦人服・洋品が復活」することを期待したいものです。

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