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チェーンストアの「商品別販売額の推移&衣料品販売額動向」を見る

チェーンストアの商品別販売額の推移

Cs_002(図-1)は、日本チェーンストア協会(2015年12月時点 会員数58社、店舗数9384店)が発表している「チェーンストア長期統計(速報)年度販売額」をもとに作成した、1992年~2014年における商品別販売額推移グラフです。これを見ると次のことが分かります。

①食料品販売額は、多少の、ゆるやかな凸凹はあるものの拡大・上昇し続け、1992年・約6兆6565億円→2014年・約8兆2481億円と、1992年対比2014年では、約1兆5916億円増加。

②衣料品販売額は、減少・下降が続き、1992年・約3兆8727億円→2014年・約1兆1911億円と、この期間で販売額が約2兆6816億円減。

③住関品販売額は、1992年・約3兆3859億円→2014年・約2兆6593億円と、同期間で約7266億円の販売額減。

チェーンストアの商品別販売額構成比の推移

Cs_009(図-2)は、前述のチェーンストア協会・販売統計データをもとに作成した「チェーンストア-商品別販売額構成比の推移グラフ」です。これを見ると次のことが言えます。(注:全商品販売額合計=100として)

①食品の全商品販売額合計に占める販売額構成比は、1992年・約43.5%→2014年・約63.8%と、大幅拡大。

②住関品の販売額構成比は、1992年・約22.1%→2014年・約20.6%。同期間における販売額構成比は、それほど減っていない。

③衣料品の販売額構成比は、1992年・約25.3%→2014年・約9.2%。同期間における販売額減は約2兆6816億円と大きく、したがって、販売額構成比も大幅に落ち込んでいる。

④衣料品の大幅な販売額減、落ち込みは、食品や住関品に比べ衣料品の粗利益率が高いことを考えると、間違いなく、店舗損益には大きなマイナス(足を引っ張っている、足枷)となっていることが伺えます。衣料品部門の活性化、改革にどう取り組むか、これは大きな経営課題の一つと言えるかもしれません。

チェーンストアの衣料の弱点は、「婦人・紳士衣料の販売額大幅減・落ち込み」

Cs_012(図-3)は、先述の、チェーンストア協会・販売統計データをもとに作成した、1992年~2014年の期間における、「衣料部門の婦人衣料&紳士衣料の販売額及び販売額構成比の推移グラフ」です。(注:衣料販売額計を100とした場合の販売額構成比)。これを見ると次のことが言えます。

①婦人衣料、紳士衣料、ともに、1992年→2014年間の推移をみると、販売額の落ち込み・減少が続いている。

婦人衣料の販売額は、1992年・約1兆2583億円→2014年・約3655億円と、同期間で販売額は、約8927億円減。

紳士衣料の、同期間における販売額減は約6232億円。

②一方、婦人衣料、紳士衣料の衣料販売額合計に占める販売額構成比は、ともに、それほど大きな落ち込みは見られない。

紳士衣料販売額構成比-1992年・約22.4%→2014年・約20.5%

婦人衣料販売額構成比-1992年・約32.5%→2014年・約30.7%

(図-3)の、日本チェーンストア協会・会員小売企業-「チェーンストアの婦人衣料、紳士衣料の販売額及び販売額構成比の推移」を見ていますと、婦人・紳士衣料の販売額の落ち込みこそ大問題であることが見て取れます。量販総合衣料品店では、「婦人衣料の弱い店は儲からない、生きていけない」と、よく言われますが、「婦人衣料だけでなく、紳士衣料も弱い」となると、これはもう、衣料部門の存亡に関わる大問題です。この、婦人、紳士衣料の販売額の落ち込みに「歯止めがかけられない」となれば、衣料部門の先行きは「とても暗いものになる」と思われます。

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イオンリテール株式会社 商品部門別売上高&衣料部門売上高等の推移を見る

イオンリテール:商品部門別売上高の推移

流通大手・イオングループの決算補足資料に記載されている「イオンリテール株式会社-部門別売上高・荒利益率」、「GMS-在庫とロス率の状況」をもとに、イオンリテールの商品部門別売上高、部門別売上構成比、衣料部門の業績推移を、以下の、図、表、を作成。

001(図-1)は、イオンリテール株式会社の2011年2月期から2015年2月期の5年間における「商品部門別売上高の推移」グラフです。これを見ると、以下のことが言えます。

①食品部門の売上高が圧倒的に高い。2015年2月期の食品部門売上高は約1兆881億円で、衣料部門売上高・約3576億円の約3倍。

②食品部門売上高は、2012年2月期の約1兆1116億円をピークに、以降、「ゆるやかに下降」し、2015年2月期は約1兆881億円と、、2012年2月期売上高から約235億円減。

③衣料部門売上高は、2012年2月期の約3909億円をピークに減少が続き、2015年2月期の売上高は約3576億円、2012年2月期売上高から約333億円減、同期間比における、食品部門の売上減額を上回る減少額。

009(図-2)は、イオンリテール株式会社(以下、イオンリテールと略)の、2011年2月期~2015年2月期における「衣料部門の売上高及び衣料部門売上高構成比の推移」をグラフ化したものです。これを見ると次のことが分かります。

①衣料部門の売上高推移は(図-1)で見たとおりですが、一方、衣料部門の売上高構成比の推移を見ますと、2013年2月期の約19.7%をピークに、減少が続き、2015年2月期には約18.7%となっています。グラフ傾向から考えますと、「衣料部門の売上高構成比は、これから先も、減少が続きそう」な気配。

イオンリテール・衣料部門の在庫回転率とロス率の推移

012(図-3)は、イオンリテールの、2011年2月期~2015年2月期における、「衣料部門の在庫回転率とロス率」推移グラフです。これを見ると次のことが言えます。

①衣料部門の在庫回転率は、「極めて低く」、2012年2月期で約5.6回、2015年2月期は、さらに低く、約3.5回となっています。(※注:イオンリテールは、在庫回転率を、原価ベースの平均在庫高をもとに計算しています)。量販総合衣料では、年間売上高(売価)、平均売価在庫高をもとに計算した在庫回転率が年8回以下では「なかなか利益が出せない」と言われています。原価ベースの計算で、在庫回転率が4回以下という数字では、残念ながら、「衣料部門は、おそらく赤字」と思われます。

②また、衣料部門のロス率-(売価変更高+不明ロス高)÷商品売上高-の高さも気になります。2011年2月期の衣料部門のロス率は約21.8%。これでも、「かなり高い」と言っていい数字ですが、2015年2月期は約29.0%と、さらに悪化しています。衣料部門の商品戦略。政策、そして、品揃え総点検、売価政策の抜本的な見直し等、かなり大胆な改革が求められているような気がします。生意気な言い方で失礼かとは思いますが、「GMS衣料部門の存亡をかけた必死の戦い」を期待しています。

019(表-1)、(表-2)は、先述の「イオン株式会社・決算補足資料に記載されている、イオンリテール株式会社-「部門別売上高・荒利益率」、「GMS 在庫とロス率の状況」をもとに作成したものです。

(表-1)は、2011年2月期~2015年2月期、5年間における、「イオンリテール-商品部門別売上高&部門別売上構成比の推移」。(表-2)は、「商品部門別・売上高、粗利益率、在庫回転率、ロス率の推移」をまとめたものです。(各推移グラフ作成のデータです)。

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