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百貨店-衣料品の主力商品「婦人服・洋品」の月別売上高前年比の推移

百貨店の「衣料品計売上」&主力商品「婦人服・洋品」の月別売上高前年比の推移

002(図ー1)は、日本百貨店協会が毎月発表している「全国百貨店売上高速報-商品別月別売上前年比」をもとに作成した、「百貨店の衣料品計及び婦人服。洋品」の月別売上高前年比の推移グラフです。(期間-平成26年1月~平成27年7月)

(衣料品計売上の月別売上前年比は「縦棒グラフ」、婦人服・洋品は赤・折れ線グラフ)

この、「衣料品計及び婦人服・洋品の月別売上高前年比の推移グラフ」を見ると次のことが言えます。

①平成26年・4月に「消費税が5%から8%に増税」があったため、3月の「衣料品合計売上「及び「婦人服・洋品」の売上高前年比は「駆け込み・前倒し需要」で前年比は、ともに15%を超える伸びを示しました。

②しかし、消費税が8%となった4月には、衣料品合計売上及び婦人服・洋品の月別売上高前年比は約12%前後のマイナス(前年割れ)となっています。

③平成26年4月以降、「衣料品合計及び婦人服・洋品」月別売上高前年比は平成27年3月まで、ほぼ1年間にわたって「前年割れ」が続いています。(ただし、平成27年2月を除く)

④平成27年の4月以降の「衣料品売上高合計及び婦人服・洋品の月別売上高前年比」は、4月、5月、7月は「前年超」(ただし6月は「前年割れ」)と「やや回復の兆し」が見られます。その背景には、平成26年4月から平成27年3月までの期間における「月別売上高前年割れ」があったこともありますが、これ以上、すなわち、平成27年4月も月別売上高前年比の「前年割れが続いていたら、百貨店の衣料品の先行きは「回復がまったく期待できない」という状況に陥っていたかもしれません。ともかく、平成27年8月以降の、とりわけ、百貨店衣料品の主力商品である「婦人服・洋品」の月別売上高前年比の数字を注意深く見続けていく必要がありそうです。なんといっても、「婦人服・洋品」は、百貨店衣料品の核であり、主力商品であるからです。

007(表-1)は、平成26年1月から平成27年7月までの期間における「百貨店の衣料品内訳分類別(紳士服・洋品、婦人服・洋品、子供服・洋品の3分類)」の月別売上高前年比の推移です。

これを見ると、婦人服・洋品、子供服・洋品の月別売上高前年比の「前年割れ」が目立つ一方、紳士服・洋品は、前2者と比べると「落ち込みが低い」のが分かります。

004_2(表-2)は、日本チェーンストア協会の「チェーンストア販売統計-平成26年度」と、日本百貨店協会の「売上高速報-2014年1月~12月 年間計」をもとに作成したものです。これを見ると次のことが言えます。

①日本チェーンストア協会の「衣料品売上の内訳-商品分類別売上高とその構成比」を見ると、婦人衣料の衣料品売上高構成比は30.7%。

②一方、百貨店の「衣料品売上の内訳-7商品分類別売上高とその構成比」を見ると、婦人服・洋品が64.7%と断然高く、衣料品の核・主力商品であることが分かります。百貨店の衣料品は、婦人服・洋品の売上高如何、伸び率・成長率如何で大きく左右されるとも言えます。「婦人服・洋品」が伸びなければ(または、伸ばせなければ)、百貨店の衣料品に「明日は無い、ダメになる」と言うこともできるかもしれません。

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主要・GMS/SM/百貨店/衣料SSチェーンの衣料品売上高概況

主要・GMS/SM/百貨店/衣料SSチェーンの衣料品売上高概況(2015年2月、3月期等決算)

006(表-1)は、2015年度2月、3月期決算の決算説明資料、決算参考資料、決算補足資料等々をもとに作成した「業態別・主要小売企業別の衣料品売上高概況」をまとめたものです。これを見ると次のことがす言えそうです。

①衣料SSチェーン大手、ファーストリテイリンググループの「国内ユニクロ事業」、「ファッションセンターしまむら(単体)」、この2つの衣料専門店チェーンの衣料品販売額の大きさが目立ちます。さらに、ジーユー(ファーストリテイリング・グローバルブランド事業の1事業体)、ポイント、ユナイテッドアローズ、西松屋チェーン等の売上高規模、成長力等を見ると、「今、衣料品は衣料専門店チェーンの時代」と言えそうです。

②イオンリテール、イトーヨーカドー等、大手GMSの衣料品売上高と衣料品売上高構成比は、ともに、長期間にわたって減少傾向にあります。これからも、この傾向が続くと思われますので、「GMSの衣料品の復活の日」は、儚い夢というか、ますます遠のいているように思われます。

③大手百貨店の衣料品販売額、衣料品販売額売上構成比は依然として大きい。しかし、その伸び率、成長率は「横ばい~減少」傾向が多く見られ、先行き不透明の気がします。

2015年の業態別・主要・大手小売企業の衣料品売上高概況を見ると、これから先の衣料品小売業界をリードするのは、どの小売業態、どの小売企業かを示唆しているのかもしれません。

各種衣料品小売業の現状

009(表-2)は、政府統計「平成26年 商業統計速報(卸売業・小売業) 経済産業省大臣官房調査統計グループ」をもとに作成したものです。これを見ると次のことが分かります。

①業態分類の「百貨店・総合スーパー」を除く、のこり4つの各種衣料品小売業の年間販売額、事業所数、売場面積をみると、ともに、「婦人・子供服小売業」が断然大きい。

②年間売場坪当り売上高(以下、年坪売と略)をみると、「呉服・服地・寝具小売業-112万円」、「男子服小売業-122万円」、「婦人・子供服小売業-152万円」と、いずれも200万円以下で、衣料品小売業の坪効率(年坪売)の低さが分かります。例えば、売場坪当たり平均売価在庫高を25万円を持ったとしますと、「婦人・子供服小売業」の年間商品回転率(数)は、年坪売152万円÷坪当たり平均売価在庫高25万円≒6.08、すなわち、6回転しかできません。

③量販衣料品の年間商品回転率(数)は、「最低でも6回、利益を出すためには8回転以上」というのが、当方が考えている一つの基準値・指標です。この考えから言いますと、「婦人・子供服小売業」の年間商品回転率(数)は、「ぎりぎりセーフ」というところにあります。商品経営は、「高速回転、高粗利率」が理想ですが、その実現は決して容易なことではありません。しかし、衣料品で利益を出す(儲ける)ためには、「中速回転、低粗利率~中荒利益率」を確保する必要があります。

注):高速回転→年間商品回転率10回以上、高粗利益率→40%以上。

注):中速回転→8回転以上、低荒利益率~中荒利益率→30%~35%

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