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衣料部門の柱-「婦人衣料の売上高構成比」

(図-1)009 は、日本チェーンストア協会が発表している販売統計データ(会員企業の各種集計データ)をもとに作成した「チェーンストアの婦人衣料の売上高及び婦人衣料の売上構成比の推移」をグラフ化したものです。これを見ると以下のことが分かります。

チェーンストアの婦人衣料の売上高は1991年の約9686億円をピークに、以降、減り続け、2013年には約3968億円と、1991年を100とすると、その約41%にまで落ち込んでいます。

婦人衣料の売上高は減り続け、かなりの落ち込みをしているにもかかわらず、婦人衣料の売上高構成比にはそれほど大きな落ち込みはみられません。2009年~2011年、この3カ年は30%以下の数字になっていますが、おおむね、31%~32%の間で推移しているのが分かります。これを見ると、衣料部門の柱である「婦人衣料の売上構成比」は、一つの目安として、下限値でも30%、できれば32%超を確保する必要があると考えられます。

「ファッションセンターしまむら」の婦人衣料の売上高と売上構成比の推移

016(図-2) は、ファッションセンターしまむら(単体)のにおける「婦人衣料の売上高と売上構成比の推移グラフ」です。これを見ると次のことが言えます。

ファッションセンターしまむらの婦人衣料の売上高及び売上構成比の推移をみると、多少の凸凹はありますが、 増え続けています。婦人衣料の売上高は、各年における20店舗超という出店数の多さによって支えられ伸び続けています。しかし婦人衣料の売上構成比、2006年以降、約30%~31.5%の間で推移、それほど大きな変化をしていません。

ファッションセンターしまむらの売上高総額には寝具・インテリア等も含まれていますので、寝具・インテリアを衣料部門ではなく住関連に組み入れている「日本チェーンストア協会の販売統計」の数字と単純に比較することはできません。しかし、ここでも、婦人衣料の売上構成比は、下限値でも30%は確保する必要があると言えるのではないかと思います。

GMS・ユニー(個別)の婦人衣料の売上高と売上構成比の推移

019(図-3)は、GMS・ユニー(個別) における、婦人衣料の売上高と売上構成比の推移グラフです。これをみると、以下のことが言えます。

ユニー(個別)の、婦人衣料の売上高は、2006年の約377億円をピークに、以降、年々、減り続け、2013年には約304億円まで落ち込んでいます。、2006年を100とすると、2013年の数字は約2割も落ち込でいます。

一方、婦人衣料の売上構成比は、約26.4%~27.4%の間で推移おり、傾向としては「ゆるやかな上昇傾向」がみられますが、それほど大きく変化していません。しかし、先に述べた「チェーンストアの衣料部門における婦人衣料の売上高構成比」、そして、「ファッションセンターしまむらの婦人衣料の売上構成比」と比べると、4ポイント~5ポイント低い数字になっています。これは、ユニー衣料部門の弱点といいますか、「婦人衣料の弱さ」を物語っているのではないかと思います。総合衣料品店では「婦人衣料の強い店が勝つ」というのが経験則としてありますが、そう考えると、ユニーの衣料部門の重要課題は「より一層、婦人衣料の強化拡大に取り組むこと」にあるのではないかと考えられます。

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チェーンストアの売場1坪(3.3㎡)当り年間売上高の推移

チェーンストアの総販売額と売場面積の推移

日本チェーンストア協会(平成25年の会員企業数58社・店舗数8321店)が発表した「平成25年暦年のチェーンストアの販売概況について」によれば、平成25年の、①総販売額、②売場面積等の推移は、以下の(表-1)の通りです。

003(表-1)をみると、以下のことが分かります。

総販売額(=食料品+衣料品+住関連+サービス+その他)は、平成16年の約14兆2533億円をピークに、年々、減り続け、 平成25年度には、約12兆7224億円と、平成16年比でその約89%、約1兆5309億円も減少しています。

一方、売場面積は、平成16年・約2261万㎡が、平成25年には約2505万㎡と、平成16年比で約244万㎡増加しています。これは、総販売額の推移と関連して考えると、競争が激化していることを示しています。

チェーンストアの売場1坪(3.3㎡)当り年間売上高の推移

(表-1)のデータをもとに、チェーンストアの売場1坪当り年間売上高を計算し、その推移と、さらに、大手GMS・イオンリテール・イオンの売場1坪当り年間売上高の推移をグラフ化したものが(図-1)です。

(図-1)008 をみると次のことが分かります。

チェーンストア(日本チェーンストア協会・会員企業)の売場1坪当り年間売上高は、平成17年の約209万円をピークに、年々、低下し続け、平成25年には約168万円となり、平成17年を100とすると、その約80%にまで落下。

一方、大手GMS・イオンリテール・イオンの売場1坪当り年間売上高も、平成17年の約179万円をピークに、横ばい~減少が続き、平成25年には約158万円まで落ち込んでいます。(イオンの各期決算説明参考資料等をもとに作成)

大手GMS、イオンリテール・イオンの衣料部門の売場1坪当り年間売上高と商品効率は?

イオンリテールの2013年2月期における「衣料」の概況は以下の通り。

衣料売上高-約3864億円(直営合計売上高にしめる衣料売上構成比は約19.7%)

衣料・粗利益率は37.7%、ロス率は26.0%。

在庫回転率(回)は年4.4回転-(ただし、商品在庫高は期末在庫(原価ベース)、在庫回転率は平均在庫(原価ベース)で算出している)

上記、①の数字をもとに、イオンリテールの「衣料」の売場坪当り売価在庫高、売場坪当たり年間売上高等を、いくつかの前提条件をもとに推測してみました。

前提条件①-イオンリテールの売場1坪当たり年間売上高の数字は(表-1)にありますが、平成25年が約158万円。(ただし、この数字は、「衣料+食品+住関連+その他=直営合計売上高」をもとに計算した全商品計の売場1坪当り年間売上高)

前提条件②-一般的に、「衣料」の売場1坪当り年間売上高は、「食品」の売場1坪当り年間売上高よりもかなり低く、高くとも、「食品」の50%~60%掛けの数字の店が多い。

イオンリテールの2013年2月期の商品別売上高構成比は、「衣料」19.7%、「食品」55.4%、「住居余暇」21.8%、「その他」3%で、「食品」の売上高構成比が他の商品より圧倒的に高い。それゆえ、全商品計の売場1坪当り年間売上高は、「食品」の売場1坪当り年間売上高の高さによって押し上げられている、というか、支えられている部分が多い。このことを前提に考えると、「衣料」の売場1坪当り年間売上高は、高めに見ても、全商品計の売場1坪当り年間売上高の158万円を超えることはないだろうと考えられます。高めにみても、この数字、158万円の7掛け~8掛け、(158万円×0.7≒110.6万円)、(158万円×0.8≒126.4万円)、すなわち、110万円~126万円当たりではないかと思われます。

年間在庫回転率(=年間商品回転率)は、平均在庫を原価ベースで計算した時と、売価ベースで計算した時を比較すると、一般的に、売価ベース(すなわち、年間売上高÷平均売価在庫高=年間商品回転率)で計算した時のほうが、年間在庫回転率は低くなります。したがって、イオンリテールの2013年2月期における、「衣料」の年間在庫回転率は、平均在庫を原価ベースで計算した年間在庫回転率4.4回を上回ることはないのではないかと思われます。在庫を売価ベースで計算した年間在庫回転率を、高めに見て、仮に、4回とした場合、平均売価在庫高は、先に、③で推測計算した「衣料」の売場1坪当り年間売上高126万円÷4回転で約31~32万円、もしくは、110万円÷4回転で約27.5円、このあたりではないかと考えています。(随分、大雑把な数字の計算と推測で恐縮ですが、実際の数字はイオンの決算説明参考資料等ではつかめません。残念ながら、本当のところは分かりません)

 

 

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平成26年2月期・第3四半期決算にみる「大手GMSの衣料品部門の動向」

チェーンストアの衣料品の売上動向 

日本チェーンストア協会が発表している『チェーンストア販売統計』四半期別集計表 平成25年暦年(平成25年1月~12月期)によれば、平成25年暦年の衣料品売上高は、約1兆2794億円、前年比は94.4%(店舗調整後)、衣料品部門の売上構成比は約10.1%。

001(表-1) は、チェーンストア協会会員企業集計値の平成25年暦年における衣料品の四半期別・売上高、前年同期比、衣料品の売上高構成比の推移をまとめたものです。これをみると次のことがわかります。

衣四半期別衣料品の売上高前年同期比(前年比) は、第1四半期から第4四半期まで、全て「前年割れ」。また、第4四半期は前年同期比92.3%と、1~4・四半期では最も悪い数字でした。

日本チェーンストア協会。会員企業の総販売額(食料品、衣料品、住関連、サービス、その他)に占める衣料品の売上構成比は、四半期別にみると、第3四半期の約9.1%が最も低く、あとの3つの四半期は約10.1%~10.4%で推移。

上記、①、②の数字をみると、チェーンストアの衣料品売上高は、依然として、『前年割れ』が続いており、衣料品の売上高構成比も基調は下降傾向。この状態から脱出することは極めて難しく、絶望的と言っていいかもしれません。一方、GMSにおける食料品の売上高構成比は50%~60%超と、年々、拡大傾向にあり、GMSの食品スーパーマーケット化が進んでいる。(ちなみに、日本チェーストア協会が発表した『チェーンストア販売統計』・平成25年暦年(平成25年1月~12月期)のにおける食料品販売額の年間売上構成比は約62.5%)

GMS大手3社の衣料品部門の動向

005(表-2)は、GMS大手3社、イオンリテール、イトーヨーカ堂、ユニーの、平成26年2月期、第3四半期における衣料品部門の、売上高、衣料売上構成比、衣料粗利益率等をまとめたものです(各社の平成26年2月期・第3四半期「決算説明参考資料」等をもとに作成)。これを見ると以下のことが分かります。

平成26年2月期・第3四半期における衣料売上高は、3社、ともに、「売上減、前年割れ」。また、同様、衣料売上構成比も「前年割れ」。イオンリテール19.2%、イトーヨーカ堂16.3%、ユニー15.1%と、20%を切った数字になっている。衣料品の売上構成比が30%を超え「儲け頭」と言われた時代があったことを知る若手小売業界人は極めて少ない。

しかし、衣料品の粗利益率は、食料品、住関連の粗利益率と比べ約10ポイントは高い。全部門計粗利益額に占める衣料品粗利益高の割合は売上構成比よりも高く、粗利益貢献度は、まだ高く、衣料品の位置づけを軽く見ることはできない。

衣料の粗利益率は、イオンリテール38.0%、イトーヨーカ堂40.3%、ユニー38.9%と、高い数字を確保している。これは、3社、ともに、商品調達における「PB商品」のウエイト拡大していることが、粗利益率アップの数字となって表れたと考えられます。

ちなみに、イトーヨーカ堂は、「PB商品の開発強化」に取り組み、衣料品におけるPB商品の売上構成比と粗利額構成比が次のようになったことを公表しています。

                       2013年2月期  2013年11月期

衣料品におけるPB商品売上構成比   33%       45% 

衣料品におけるPB商品粗利額構成比  41%       52% 

衣料品の粗利益率              39.3%     40.3%

PB商品の売上構成比増→粗利益率アップ、という形が数字に出ています。GMSの衣料品の「SPA(製造小売業)化」、「PB商品開発強化」の流れは、とどまることなく、これから先も、より強化されていくと考えられます。

 

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