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GMS衣料品部門の2013年上半期(2013/3-8月)実績を見る

大手GMS・6社の衣料品部門の2013年第2四半期(2013/3-8)実績 

003(図-1) は、大手GMS・6社-イオンリテール、イトーヨーカ堂、ユニー、イズミ、イズミヤ、平和堂の2013年第2四半期(2013/3-8月) の衣料品部門売上高 及び衣料品売上高構成比実績です。これを見ると以下のことが言えます。

●2013年第2四半期において衣料品部門の売上高が最も大きいのはイオンリテールの約1857億円。次が、イトーヨーカ堂の約1042億円。以下、ユニー約543億円、イズミ約346億円、イズミヤ約216億円、平和堂・約199億円の順となっています。

●各社の衣料品部門の売上高構成比(赤・折線グラフ)は、最大がイオンリテールの19.3%、次が、イトーヨーカ堂の16.4%。この数字を見ると、かつて、(と言っても、もう、一ひと昔も、ふた昔も前の話で、衣料品部門の黄金時代があったことを知る人も少なくなりましたが)GMSの衣料品部門の売上高構成比が30%超で「利益の稼ぎ頭」であったことが想像できない数字です。GMSの衣料品部門の売上高及び売上高構成比は、年々、落ち続けていますが、GMSの衣食住の売上高構成比の推移をみていると、食品の売上高構成比が大幅に増加し、「GMSの食品スーパーマーケット化」が進んでいるように思われます。

004(図-2) は、先にあげたGMS大手6社の衣料品部門の2013年第2四半期(2013/3-8月)における粗利益率実績です。これを見ると次のことが分かります。

●GMS大手6社の衣料品部門の粗利益率は35%超で、イズミヤを除き、37%~39%を確保しています。この衣料品部門の粗利益率は、各社ともに、食品部門より高く、この数字だけを見ると、まだまだ、衣料品部門が「利益の稼ぎ頭になれる可能性が残っている」ようにも考えられます。ただし、そのためには、衣料品部門の相当の強化が必要になりますが・・・・。

010(表-1) は、大手GMS6社の衣料品部門の2013年第2四半期(2013/3-8月)の売上高、売上構成比、粗利益率、ロス率、在庫回転等をまとめたものです。これを見ると、次のことが言えます。

●先に、大手GMS6社の衣料品部門の粗利益率の高さを言いましたが、それは良しとして、一方で、衣料品部門のロス率の高さと、在庫回転の低さが「衣料品部門の大弱点」であることが分かります。この、衣料品の在庫回転のあまりの低さ、在庫効率の悪さと、ロス率の高さが、大幅に改善されない限り、衣料品部門が、再び、「利益の稼ぎ頭」として復活することは無いと思われます。ちよっと厳しい言い方ですが、衣料品部門の年間商品在庫回転率8回以上(月平均商品回転日数45日以内)、粗利益率35%以上、ロス率8%以下、最低でも、この数字が確保維持できなければ、GMSの衣料品部門の「明日は暗い」と言えるかもしれません。

 

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ベイシアスーパーセンター、カインズホームの出店で全国有数の大激戦地となった千葉ニュータウンの概況

大激戦地区・千葉ニュータウンの概況

小売店競争激戦地の千葉ニュータウン(千葉県・印西市等)に、2013年10月31日・ベイシア千葉ニュータウン店、11月7日・カインズホーム千葉ニュータウン店の2大型店舗が出店(カインズモール千葉ニュータウン)し、さらに競争が激化、全国有数の激戦地区に。

016千葉県印西市の人口は、平成25年10月末現在・世帯数35023世帯、人口数93250人。このうち、千葉ニュータウンの人口は、①印西地区→16481世帯・44638人、②印旛地区→1632世帯・4841人、③本埜地区→1665世帯・5176人、①②③地区合計→19778世帯・54655人。

千葉ニュータウンの人口は、上記のとおりで、それほど居住人口は多くありません。しかし、道路網、交通ネットワーク、周辺都市の人口等を見ると、商圏と商圏人口は、印西市の人口の何倍もの規模が期待できます。株式会社カインズが発表した「カインズモール千葉ニュータウン オープン」には、「商圏として、印西市と白井市、八千代市を中心とした10㎞商圏70万人、27万世帯を見込んでいます」と記載しています。これは、印西市の人口のほぼ8倍の規模です。

千葉ニュータウン主要部を(A)(B)(C)の3ブロックに分けて、それぞれのブロックにある主要店舗は以下のとおり。3つのブロックを足した主要店舗・有力店舗の数の多さをみれば、千葉ニュータウンが大激戦地区であることが分かると思います。小売業関係者には必見の大激戦地区、千葉ニュータウン地区クリニックをおすすめします。

Aブロック

①牧の原モアSC→ホームセンター・ジョイフル本田、ヤマダ電機、食品SMヤオコー、マツモトキヨシ、アベイル、紳士服コナカ等

②BIGHOPガーデンモール→新鮮市場SMマルエイ、総合衣料パシオス等

③独立店舗→総合衣料サンキ、カワチ薬品、スポーツデポ、ゴルフ5、ユニクロ、ケーズデンキ、メガマックス、牧の原ファッションモール(しまむら、バースデイ)、タイヤ館、東京インテリア家具、オートバックス、業務スーパー等

Bブロック

ベイシアスーパーセンター、カインズホーム、コストコ(2013年7月26日オープン・売場面積9976㎡、駐車台数772台)等

Cブロック

イオン・ジャスコ、イオンモール、コジマ、ニトリ、アクロスプラザ(マツモトキヨシ、シュープラザ、ハードオフ、オフハウス)、洋服の青山、食品ディスカウントストア・トライアル等

004カインズモール千葉ニュータウンの核店舗は、①ベイシア千葉ニュータウン店と、②カインズホーム千葉ニュータウン店ですが、その概要は次の通り。

カインズモール千葉ニュータウン店-①所在地・千葉県印西市泉野1丁目、②敷地面積(全体)80520㎡、③モール総営業面積約24000㎡、③駐車台数(全体)1800台。

カインズホーム千葉ニュータウン店-①売場面積17251㎡

ベイシアスーパーセンター千葉ニュータウン店-①売場面積5155㎡

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ベイシアスーパーセンター千葉ニュータウン店の売場レイアウト案内図。この店の、すぐ右隣がカインズホーム千葉ニュータウン店。

007ベイシアスーパーセンター千葉ニュータウン店の開店セール第1弾チラシ(セール期間10月31日~11月4日)の裏面に掲載されている衣料品部門のセールアイテム。

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ファッションセンターしまむらの「商品経営の基本理念」は?

ファッションセンターしまむらの「商品経営の基本理念」考

このメモは、ディリーファッションストア最大手・ファッションセンターしまむらの「商品経営の基本的考え方、基本理念」について、しまむらの中興の祖と言われ、名経営者と評価の高い元経営トップの方が、小売業界紙・誌、経済誌等のインタビューや、講演等において話されたことをもとに、私なりに推察したものです。長年にわたり、「元経営トップの方のご発言」を「小売業の名経営者語録」という形で記録し続けていますが、そのなかから抜粋、考えたものをまとめたものです。ディリーファッションストア、衣料品小売企業の「商品経営のあるべき姿」を示唆しているのではないかと思っています。

※「理念」の意味-「理念とは、物事のあるべき状態についての基本的考え方」(大辞林)

「小売りがリスクを持つ」、「トレンド性を打ち出す」、これに尽きる。

「品揃えは最もトレンド性を高く、かつ、安価に」。とくに、婦人衣料で。

ファッションセンターしまむら業態の基本は「安くて、良いものを売る」

リスクは全てしまむらが持ち、企画メーカーと直取引。

企画力がポイント。今は相手ごとに企画して取り組む時代。

しまむらの取り扱い商品は実質的には「全てオリジナル商品」。しまむらの要望を伝え、サプライヤーが企画提案したもののなかからセレクトし、しまむら独占販売する。

しまむらは「売れるトレンドかどうかを追求している」

「売れるモノを売る」ことに徹する。

売れても追加生産はしない。常に新しい商品を提供していく。

トレンドが大きな流れになる前、小さな流れのうちに、短いスパンで商品企画し、微調整しながら、トレンドに外れた商品は売れる価格にして売り切る。

あくまでもデザインです。デザインがいいかどうかに尽きる。

しまむらは売価発想。原価を積み上げて小売価格を決めるのではなく、「この商品はいくらで売れるか」を見極めて売価を決める。これが売価政策を決めるときの基本的考え方。

これら上記の考え方が、ファッションセンターしまむらの「商品力の強さ」、「品揃え力の強さ」の背景にあり、また、土台となり、「しまむらの商品経営の基本理念」を構築しているのではないかと考えていますが、はたして、真髄をついているでしょうか・・・・・・・。

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ディリーファッションストアの店づくり・売場づくり-コーディネイト提案型VP②

ディリーファッションストアの売場づくり-コーディネイト提案型VP(ビジュアルプレゼンテーション)②

013いろいろの組み合わせパターンができ、変化に富んだビジュアルプレゼンテーションができるシステム陳列什器の導入が進んでいます。

そのひとつに、システム陳列什器エンド(什器の横サイド両脇)でコーディネイト提案型ビジュアルプレゼンテーションを展開できるものがあります。ディリーファッションストアのなかでも、ファッションセンターしまむらが、システム陳列什器エンドを使ったコーディネイト提案型ビジュアルプレゼンテーションを積極的に取り入れているように思いますが、「なかなか、見せる陳列・演出」をやっています。購買意欲を刺激する視覚的効果は大きく、また、お客の買上点数を増やしているようです。

5003●コーディネイト提案型ビジュアルプレゼンテーションができるためには、仕入れと品揃えが
コーディネイトを考えた構成になっていることが前提条件であることは前述しましたが、もう一つ重要なことがあります。それは、提案型ビジュアルプレゼンテーションのメンテナンスです。例えば、ファッションセンターしまむらがやっていると言われる、①売場計画書、②商品陳列・ディスプレイ提案書、③ディスプレイヤーの巡回、④ビジュアルプレゼンテーションしているディスプレイステージや、システム陳列什器エンドの陳列演出、商品を1週間サイクルで変えていく、等のことです。これらのことを、定期的に、継続して行わないと、せっかくのビジュアルプレゼンテーションも陳腐化し、お客から飽きられてしまうからです。

Cコーディネイト提案型ビジュアルプレゼンテーションを、1週間サイクルで変えていくには、なんといっても、売場担当者の「やる気、積極的な取り組み」が絶対に必要です。それが欠ければ、コーディネイト提案型ビジュアルプレゼンテーションは、「掛け声だけ」に終わり、短期間で瓦解すること必至です。

9003●この絵を見れば、コーディネイト提案型ビジュアルプレゼンテーションの展開に必要な仕掛けが見て取れます。

壁面照明、スポット照明、壁面パネル、トルソー、床(大理石)、天井高等です。これは、それらの仕掛けがある、一つの定型、定番型と言っていいコーディネイト提案型ビジュアルプレゼンテーションです。ディリーファッションストアのビジュアルプレゼンテーションのレベルはここまで来ているのです。

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ディリーファッションストアの店づくり・売場づくり-コーディネイト提案型VP①

ディリーファッションストアの売場づくり-コーディネイト提案型VP(ビジュアルプレゼンテーション)①

117_047ディリーフアッションストア大手が、今、その品揃えと売場づくりで、とくに焦点を当てていることは、①ファッショントレンド最先端の商品を積極的に投入・品揃えする、②視覚的効果の高い商品の陳列・演出、コーディネイト提案型のVP(ビジュアルプレゼンテーション)、この二つではないかと思われます。

ファッションセンターしまむらが先駆けて、この2点・①、②を、彼らの品揃えと売場づくりに取り入れました。今では、同業他社、サンキ、あかのれん、サミット・コルモ等も、しまむらが展開したビジュアルプレゼンテーションのやり方に追随、ファッショントレンド最先端商品の投入・品揃えと、コーディネイト提案型ビジュアルプレゼンテーションに取り組み、しまむらに劣らないレベルの展開をやっています。

120_036コーディネイト提案型VP(ビジュアルプレゼンテーション)をやっていくためには、品揃えがそのこと(商品コーディネイト)を考えて進められている必要があります。それぞれの商品分野のバイヤー達が、どんな品揃えと、どんなコーディネイト構成をするか、お互いに話し合い、検討し合った上で、仕入と品揃えに取り組んでいるかどうかということです。これが欠けていれば、コーディネイト提案型ビジュアルプレゼンテーションは、掛け声だけに終わり、絵に描いた餅になってしまいます。

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コーディネイト提案型ビジュアルプレゼンテーションを進めるには、それができる「仕掛け」が必要です。ファッションセンターしまむらは、その「仕掛け」として、コーディネイト提案型ビジュアルプレゼンテーションが展開できる新しい形態のシステム陳列什器を開発・導入しています。また、売場壁面にも、効果的なコーディネイト提案型ビジュアルプレゼンテーションができる「仕掛け」を設置し、衣服だけでなく、バッグ、靴、帽子、他の服飾雑貨などを組み合わせたコーディネイト提案型ビジュアルプレゼンテーションが展開できるようになっています。

118ディリーファッションストアの中でも、ファッションセンターしまむらとパシオス、この2社のコーディネイト提案型ビジュアルプレゼンテーションは「優れた参考モデル」になると思われます。この2社のコーディネイト提案型VPのレベルはかなり高いと評価できるからです。

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ディリーファッションストアの店づくり・売場づくり-売場壁面ディスプレイ

ディリーファッションストアの売場づくり-売場壁面VP

ディリーファッションストア大手4社、ファッションセンターしまむら、ファッション市場サンキ、あかのれん、サミット・コルモ(衣料館コルモピア)では、売場壁面におけるVP(ビジュアルプレゼンテーション)を強化しています。

15売場壁面における商品ディスプレイ(売場壁面VP)のやり方にはいくつかのパターンがありますが、大きく分けると3つのパターンに分けられそうです。

パターン(A)

トルソー、マネキン、その他の陳列備品・小道具を使った売場壁面におけるビジュアル・プレゼンテーション

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パターン(B)

写真スクリーン・パネル等を使った売場壁面におけるビジュアル・プレゼンテーション。売場壁面VPでは、商品陳列パネルや、陳列備品・小道具を使ったやり方が多くみられます。しかし、このやり方は人手も手間もかかり、お金もかかります。それに比べると、写真スクリーン・パネルを用いた壁面VPは、コストも安く、「一目もひく」ので、取り入れるのも「コストと手間を省く一つの手」ではないかと思います。

52パターン(C)

売場壁面を商品で埋め尽くす形の売場壁面VP。ファッション市場サンキは、この形が得意で、かなり迫力ある売場壁面ディスプレイを展開しています。このパターンがコスト的には最もコストが低い売場壁面VPかもしれません。しかし、売場担当者に「売場壁面における商品ディスプレイ、陳列・演出を積極的にやってやろう」という「やる気、強い意欲」が無ければ出来ないでしょうし、また、継続することも難しいと思われます。

125売場壁面における商品の陳列・演出、売場壁面のビジュアルプレゼンテーションを、より効果的にするために、商品陳列パネルや、陳列補助棚等の設置とは別に、もう一つ、忘れてはならない大事なものは「売場壁面照明」です。スポットの設置、蛍光灯等による壁面照明を強化する必要があります。お客の購買意欲を、視覚的効果を、よりアップするためです。

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