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衣料専門店チェーンの2013年2月、3月期決算を読む②

衣料専門店チェーンの2013年2月、3月期決算を読む②

株式上場している衣料専門店チェーンの決算発表が続いています。「衣料専門店チェーン2013年2月期決算を読む-①」で、しまむら、良品計画、西松屋チェーン、ポイント、パル、5社の2013年2月~3月期・決算概要の簡単な分析をメモしましたが、これはその続編で、先の5社に加え、その動向をマークしている衣料専門店チェーン、ユナイテッドアローズ、TSIホールディングス(東京スタイル+サンエーインターナショナル)、青山商事、ゼビオ、AOKIホールディングス、この5社の2013年2月、3月期決算概要・分析メモです。

005(図-1)は、前述しましたが、その動向をマークしている衣料専門店チェーン10社の2013年2月、3月期決算における「売上総利益率と販管費率の比較グラフ」です。これを見ると次のことが言えます。

SPA(製造小売業)型の衣料専門店チェーンが増えていますが、それら各社に共通して見られる特徴は「売上総利益率の高さ」です。ここにあげた10社も、SPA型の商品調達方式をとるところが多く(もしくは、それに準じた商品調達方式)、売上総利益率が45%~59%という高い数字を確保しています。(しまむら、西松屋チェーンの2社の商品調達方式はアソートメント型+SPA型)

販管費率は、しまむらの23.6%が、断然低く、その徹底したローコスト経営力を見せています。次いで低いのが、しまむらと同じタイプの「低価格政策+ローコスト経営」を進めている西松屋チェーンの販管費率32%。この2社は、その政策上からも「売上総利益率を低く抑えて」いますので、当然のことながら、販管費率も低く抑え込んでいます。

しまむら、西松屋チェーン、2社以外の衣料専門店チェーン、とりわけ、ポイント、ユナイテッドアローズ、TSIホールディングス等、SPA型と言われている衣料専門店チェーンの販管費率は43%~50%と極めて高い数字になっています。しかし、売上総利益率が高いからといって、高い販管費率の低減化努力を忘れて、油断していると、それがネックとなって、小売店経営で苦しむことになるかもしれません。

009(図-2)は、先にあげた、衣料専門店チェーン10社のなかの9社、①しまむら、②良品計画、③西松屋チェーン、④ポイント、⑤パル、⑥ユナイテッドアローズ、⑦青山商事、⑧ゼビオ、⑨AOKIホールディングス、2013年2月、3月期決算における「経常利益率と当期純利益率の比較グラフ」です。これをみると、次のことが言えます。

良品計画、ユナイテッドアローズ、青山商事、AOKIホールデイングス、この4社は経常利益率が10%を超えている。この数字は全小売企業のなかでもトップクラスの高い数字です。しまむらも経常利益率9.7%とかなり高い数字を確保しています。世界で優秀と評価される小売企業の経常利益率は10%以上、当期純利益率5%以上と言われますが、その評価基準で言えば、しまむら、良品計画、ユナイテッドアローズ、青山商事、AOKIホールディングス、この4社は世界的水準の評価に耐えられる優秀な小売企業だと言ってもいいのかもしれません。

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衣料専門店チェーンの2013年2月期決算を読む①-2

しまむらと良品計画の補足資料

①ファッションセンターしまむらの商品部門別売上構成比の推移

015(図-1)は、ファッションセンターしまむら(単体)の、2004年2月期~2013年2月期、この10年間における商品部門別売上構成比の推移グラフです。これを見ると以下のことが分かります。

主力部門は、婦人衣料、肌着部門であることがわかります。しかし、もう一つ、注目しておきたいのは、寝装具部門+インテリア部門合計の売上構成比です。ちなみに、2013年2月期の、寝装具部門の売上構成比は10.8%、インテリア部門5.5%で、合計16.3%となり、商品部門別売上構成比は第三位。さらに、売上構成比と交叉比率(商品回転率×粗利益率)で計算される「ファッションセンターしまむら」の商品部門利益貢献度をみると、「寝装具部門+インテリア部門・合計」が第一位となることも付け足しておきたいと思います。ファッションセンターしまむらの「稼ぎ頭」は、「寝装具+インテリア・合計」と「肌着部門」であることも分かっています。

②ファッションセンターしまむらの売場坪当たり年間売上高(万円)の推移

018(図-2)は、ファッションセンターしまむらの、2004年2月期~2013年2月期、この10年間における「売場坪当たり年間売上高」の推移グラフです。

これを見ると、ファッションセンターしまむらの売場坪当たり年間売上高は、ここ数年、100万円前後であることが分かります。驚くべきことは、この、決して高いとは言えない100万円前後の売場坪当たり年間売上高で、営業利益率9.3%、経常利益率9.7%(2013/2月期)という高い数字をたたき出してしいることです。ファッションセンターしまむらのローコスト経営の凄さが感じられる数字ではないでしょうか。

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③良品計画の商品部門別売上高、売上総利益率等

022_2(表-2)は、良品計画の、2004年2月期~2013年2月期、この10年間における商品部門別売上高、売上構成比、売上総利益率の推移をまとめたものです。

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衣料専門店チェーンの2013年2月(H25/2)期・決算を読む①-1

衣料専門店チェーンの2013年2月期決算を読む①-1

株式上場小売企業各社の2013年2月期決算が発表されています。すでに発表されているなかから衣料専門チェーン、しまむら、良品計画、西松屋チェーン、ポイント、パル、この5社の決算内容を見て感じたことを以下にメモしておきます。

003(図-1)は、先に述べた衣料専門店5社の決算短信、決算説明資料、データブック等をもとに作成した、各社の売上総利益率、販管費率、経常利益率、当期純利益率の比較グラフです。これを見ると次のことが言えます。

しまむら、良品計画、西松屋チェーン、ポイント、パルの5社は衣料専門店チェーンのなかでも優良企業と評価の高い小売企業です。したがって、5社ともに、「売上総利益率>販管費率」となっているのは当然ですが、さらに、経常利益率、当期純利益率も他の同業他社と比べ、高い数字を確保しているのが分かります。とりわけ、当期純利益率が5%を超えている、しまむら(5.6%)と良品計画(5.8%)は、小売企業全体を見てもトップグループにランクされる数字です。食品スーパーチェーンの多くは、当期純利益率が2%以下であることを考えると、しまむら、良品計画2社の当期純利益率の数字がいかに高いかが分かると思います。

006(図-2)は、しまむらの2004年2月期~2013年2月期、この10年間における商品部門別粗利益率の推移グラフです。これを見ると、次のことが分かります。

しまむらの商品部門で最も粗利益率が高いのは肌着部門。次いで、(直近、3カ年の実績数値では)、靴部門、洋品小物部門、となっている。一方、婦人衣料部門は31%を超えておらず、直近の3カ年の数字は、30.6%~30.9%で、「足踏み」・「横ばい」状態、数字に伸び悩みが見られる。これは、「しまむら」と言えども、婦人衣料の値下げリスクの高さをなかなか押え切ることが難しいことを物語っているのかもしれない。

009(図-3)は、良品計画の、2004年2月期~2013年2月期の10年間における商品部門別粗利益率の推移グラフです。これを見ると以下のことが言えます。

良品計画は、いわゆる、SPA(製造小売業)型の小売企業ですので、商品調達がアソートメント型の小売企業に比べると、その粗利益率は、一般的に高い数字になります。しまむらの商品調達形態も、かなりSPA型に近いものがありますが、どちらかと言えば、アソートメント型であり、さらに、低価格・低粗利政策を基本としていますので、良品計画ほどの粗利益率は獲れないというか、「あえて、とらない」ものと考えられます。したがって、しまむらの粗利益率は、良品計画の粗利益率よりも低い数字になっているのではないかと思われます。

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