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GMS・イズミヤの衣料品部門の業績推移を見る

イズミヤ・衣料品部門の売上高等の推移

002(図-1)は、2005年2月期から2013年2月期まで、この9年間におけるGMS-イズミヤの衣料品部門の年間売上高及び衣料品売上構成比の推移を比較グラフ化したものです。これを見ると次のことが言えます。(各期・決算参考資料より作成)

衣料品年間売上高は、2005年2月期の約598億2900万円をピークに、以降、年々、減り続け、2013年2月期には約440億9100万円まで落ち込んだ。これは2005年を100とすると、売上高では約157億円の減、2005年比・約73.4%。2011年以降の売上高推移は「横ばい」状態ですが、グラフの傾向を見ると、これから先、「衣料品部門の売上高が下がることはあっても、上昇に転ずることは難しい」のではないかと思われます。

衣料品部門の売上構成比も2005年2月期の19.4%をピークに、以降、年々、減り続け、2011年2月期には15.8%にまで落ち込んでいる。2012年以降は、「わずかながら上昇傾向が見られる」が、グラフの傾向を見ると、売上高の傾向と同様、衣料品の売上構成比が上昇していくとは考えられない。

004(図-2)は、2005年2月期から2013年3月期までにおける衣料品売上構成比と食品売上構成比の推移を比較グラフ化したものです。これをみると次のことが言えます。

衣料品の売上構成比を見ると、年々、下がり続けている。一方、食品の売上高は、衣料品の逆で、年々、上昇し続けている。食品の売上構成比は、2005年には58.9%でしたがが、2013年には63.6%にアップしている。売上構成比だけを見て言えば、食品の売上構成比63.4%という数字は、「GMSというより、もう、食品スーパーマーケット」と言ってもいい数字です。この傾向は、他のGMSにも共通して見られる傾向ですが、「GMSの衣料品部門の再生・復活」は、もう、とても難しいことなのでしょうか・・・・。

007(図-3)は、イズミヤの決算参考資料にある「年度別商品計売上高」と「各期末店舗面積(単位・㎡)」の数字をもとに作成した、売場坪当たり年間売上高(単位・万円)の推移をグラフ化したものです。(単純計算→計算式-(「各期商品計売上高」÷「各期末売場面積」)×3.3=売場坪当たり年間売上高)。この、売場坪当たり年間売上高の推移を見ると、以下のことが分かります。

イズミヤの売場坪当たり年間売上高は、2005年の約181万円をピークに、以降、年々、落ち続け、2012年には約152万円にまで落ち込んでいる。この数字は、前述した単純計算式によって計算した数字ではありますが、かなりの落ち込みです。商品計売上高(衣料+食品+住関連)の数字をもとにした商品部門売上総計の売場坪当たり年間売上高の数字ですので、衣料品部門の売場坪当たり年間売上高の数字はいくらなのか分かりません。しかし、2012年の衣料品の売場坪当たり年間売上高が、152万円を大きく超えているとは思われません。(あいまいな言い方ですが、衣料品の売場坪当たり年間売上高は、食品の売場坪当たり年間売上高よりも低く、住関連部門と同程度か、やや上の数字と推測しています)。

仮に、2012年2月期におけるイズミヤの衣料品部門の売場坪当たり年間売上高が150万円~170万円の間にあり、かつ、衣料品の売場坪当たり平均売価在庫高が30万円としますと、衣料品の年間商品回転率(数)は、5回~5.7回となります。イズミヤの衣料品部門の年間商品回転率は、この数字、年5回~5.7回を上回った回転をしているでしょうか(GMS、例えば、イオンリテール、ユニー等の2013年2月期における衣料品部門の年間商品回転率は6回以下であり、高い値下げロス率と低回転で苦しんでいますが・・・・・・)。イズミヤの各期決算参考資料には、直営商品部門別の年間商品回転率(または、年間商品回転日数)の実績数字が掲載されていません。したがって、これはまったくの当て推量ですが、衣料品部門の年間商品回転率は6回以下なのではないだろうかと考えています。はたして、本当のところは、どんな数字なのでしょう。大いに興味のあるところです。

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GMS 衣料品部門の動向(平成25年2月期決算より)

GMS 衣料品部門の動向(平成25年2月期)

イオンリテール、イトーヨーカ堂、ユニー、イズミ、平和堂、イズミヤ、以上GMS・6社の衣料品部門の動向を平成25年2月期(2013年2月期)決算をもとに見て、いくつか感じたことを以下にメモしておきます(実績数字の詳細は表1参照)。

GMS 衣料品&食料品の売上構成比

001(図-1)は、平成25年2月期(2013年2月期)の決算短信、決算説明資料等をもとに、イオンリテール、イトーヨーカ堂、ユニー、イズミ、平和堂、イズミヤ、6社(各社・単体)の衣料品部門と食料品部門の売上構成比を比較グラフ化したものです。これを見ると次のことが言えます。

6社の衣料品売上構成比は、いずこも30%を切っています。なかでも、ユニー15.6%、平和堂14.3%、イズミヤ16.3%、この3社の衣料品部門の売上構成比は20%以下。一方、3社の食料品部門の売上高構成比は60%を超えており、これはもうGMSというより食品スーパーと言ってもいいような数字です。そう遠くない時期に、GMSの衣料品部門の売上構成比が10%を切るようになるかもしれません。かつて、GMSの衣料部門は「稼ぎ頭・ドル箱部門」でしたが、ここまで衰退してしまいました。「目を覆うばかりの惨状」と言ったら言い過ぎでしょうか?

006(図-2)は、先にあげた6社の衣料品年間売上高と売上構成比比較グラフです。衣料品部門の年間売上高では、イオンリテール(単体)が約3864億円と2位のイトーヨーカ堂の約2308億円を大きく引き離して断然トップ。かつては、「衣料品のイトーヨーカ堂」と言われたものですが、それも昔の話になりました。衣料品売上構成比だけ見ると、ひとり、イズミヤが25.3%と頑張っていますが、これから先も、この数字を確保していけるかちょっと気になります。GMS各社に、衣料品部門の、これ以上の衰退をおしとどめようという「やる気と情熱」は、もしかしたら、もう残っていないのでしょうか。

010(表-1)は、平成25年2月期の決算短信、決算説明資料、データブック等から作成した、イオンリテール、イトーヨーカ堂、ユニー、イズミ、平和堂、イズミヤ、6社(単体)の決算数字比較表です。これを見ると次のとこが分かります。

衣料品部門の粗利益率は、イオンリテール37.7%、イトーヨーカ堂37.3%、ユニー38.2%、イズミ36.0%、平和堂37.6%、イズミヤ35.6%と高く、各社の食料品部門の粗利益率を10%~15%も上回っています。粗利益率だけを見れば、「依然として、衣料品部門はオイシイ部門」なのですが、今のGMSには、残念ながら、それを復活させるだけの力は無くなってしまったのかもしれません。

平成25年2月期におけるGMSの衣料品部門の実績で、とても気になるのは、「衣料品部門の「ロス率の高さ」と「年間商品回転率(回)の低さ」、この2点です。粗利益率が高いと言うだけではダメで、この2点が改善されない限り「衣料品部門の復活」は、まず、期待できないと思われます。

 会 社 名    ロス率  年在庫回転数  商品回転日数

イオンリテール----26.0%------4.4回--------83日

ユ ニ ー--------19.5%------4.4回--------83.5日

イ ズ ミ--------- 9.9%------6.0回--------60.8日

上記は、平成25年2月期決算におけるGMS・3社の衣料品部門のロス率と年在庫回転数(商品回転日数)実績ですが、この数字を見ると「GMSの衣料品の商品経営力」がいかに弱体化しているかが見て取れます。総合衣料品店チェーンで、ディリーファッションストアと呼ばれる「ファッションセンターしまむら」の値下げ・ロス率5%~6%、年在庫回転数9回~10回超という数字と比較すると、GMS・衣料品部門のロス率と年在庫回転数は、かなり見劣りのする数字です。「これでは、しまむらに、絶対、勝てない」ことが分かります。

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しまむら&良品計画の客単価と1点単価の推移

アパレル専門店の客単価と1点単価

ファッションセンターしまむらと良品計画、この2社の「客単価(買上客1人当たり平均客単価)」と「1点単価(買上商品1点平均売価単価)」の推移を調べてみました。結果を以下に。

ファッションセンターしまむらの「客単価と1点単価」の推移

001(図-1)は、1992年2月期から2013年2月期におけるファッションセンターしまむらの「客単価と1点単価」の推移を比較グラフ化したものです。これを見ると以下のことが分かります。


客単価は、1993年2月期の3479円をピークに、それ以降は下落し続け、2001年2月期には2522円にまで落ち込んでいる。しかし、2002年以降は「横ばい状態」が続いている。2013年2月期の客単価は2486円と、2001年の客単価2522円から36円下がっているだけである。

客単価は2005年2月期の2321円を底値とし、2006年以降は「わずかづつ上昇」しており、2013年2月期の客単価は2486円と、2005年の客単価から174円もアップしている。

1点単価は、1993年の1133円をピークに、以降、下落し続け、2005年には712円まで落ち込んでいる。しかし、2006年以降は「わずかではあるが上昇」が続き、2013年には791円までアップしている。2006年以降は上昇傾向にある。

以上、ファッションセンターしまむらの「客単価と1点単価」の推移と傾向を見ていくと、2005年あたりを「下げ止まり」として、2006年以降、「ゆるやかな上昇傾向」が続いている。傾向地から見ると、今後も、客単価と1点単価の「ゆるやかな上昇」が継続されるのではないかと思われます。

良品計画の客単価と1点単価の推移

005(図-2)は、2002年2月期から2011年2月期の期間における良品計画の「客単価と1点単価」の推移を比較グラフ化したものです。これを見ると以下のことが分かります。

客単価は、2002年の1789円以降、上昇し続け、2007年2月期には2174円にまでアップしている。しかし、2008年以降は「横ばい」状態で、2011年2月期は2096円と、2007年2月期の2174円との差は▲78円である。年間買上客数の多さから考えれば、78円の下落は、決して「小さな数字」とは言えませんが、それでも、「下げ止まり」が見られ、今後は、「ゆるやかな上昇」が続くのではないかと考えられます。

1点単価は、2002年の626円が、2007年には729円と、2002年比で103円も上昇しています。しかし、2008年以降は「ゆるやかな下落」が続いています。2011年には「わずかに上昇」していますが、傾向値から見ると、「しばらくは横ばい状態が続く」のではないかと思われます。

以上、ファッションセンターしまむらと良品計画の「客単価と1点単価」の推移を見ると以下のことが考えられます。

①大きな流れとして、2社の「客単価と1点単価」は「下げ止まり」から「横ばい状態」にある。

②アベノミクスで、円安、株高、景気回復の気配が見られますが、これで消費が活気づけば、これから先、「客単価と1点単価の上昇が期待できる」かもしれません。衣料品商売も、「とにかく安く」から「安さは当たり前、それになにかの付加価値をつけないと売れない時代」に入ってきていると思われます。これから先は、低価格一辺倒から脱却して、「ファッション性+最先端のトレンド商品+高品質+ブランド化」を目指していかないと衣料品店は生き残れないかもしれません。

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衣料品販売額と月間収入及び月間・被服履物支出の推移をみる

「織物・衣服・身の回り品小売業」の年間販売額の推

経済産業省が公表している統計データ-「商業動態調査-時系列データ-業態別商業販売額」をもとに、「織物・衣服・身の回り品小売業の年間販売額の推移」を調べ、衣料品の売行き動向を時系列に見てみました。

001_2(図-1)は、「織物・衣服・身の回り品小売業」の年間販売額の推移をグラフ化したものです。これを見ると以下のことが分かります。

「織物・衣服・身の回り品小売業の年間販売額」は、1991年の約15兆2810億円をピークに、以降、下落し続け、2010年には約10兆4790億円まで落ち込んでいます。1991年比2010年で「織物・衣服・身の回り品小売業の年間販売額」の推移を、1991年を100としてみると、販売額で約4兆8020億円の減、比率では▲31.4減で1991年比・約68.6にまで下落しています。2003年以降は「横ばい」状態ですが、グラフの傾向をみれば、この先も、まだ、落ち込みが続くことも予想されます。相変わらず、衣料品小売業の先行きは厳しいとみていた方がよさそうです。

003(図-2)は、「家計調査(家計収支編)-時系列データ(二人以上の世帯)」の長期時系列データをもとに作成した、1963年~2011年における「1ヶ月平均・勤め先収入」と「1ヶ月平均「被服・履物支出」の推移比較グラフです。これをみると、つぎのことが言えます。

1ヶ月平均・勤め先収入は、1964年から1997年までは上昇し続けました。しかし、1997年の55万8596円をピークに、以降、下落し続け、2012年には48万0122円になっています。1997年を100とすると、金額では▲約78474円、比率では1997年の約89.6%、▲10.4%減、となっています。

一方、「1ヶ月平均・被服&履物支出」は、1991年の23814円をピークに、以降、下落が続き、2012年には11498円となり、1991年対比では▲12316円減、比率では1991年の48.3%まで落ち込んでいます。先に述べた、1ヶ月平均・勤め先収入の落ち込み度と比べると、1ヶ月平均・被服&履物支出」の落ち込み度のほうが、はるかに大きいことが分かります。

また、1か月・平均勤め先収入に占める「1ヶ月・平均被服及び履物支出」の割合をみると、次のようになっています。1ヶ月・平均勤め先収入のピークは1997年の55万8596円ですが、この収入に対して「1ヶ月・平均・被服及び履物支出」の占める割合は(19336円÷558596円≒)3.46%でした。しかし、2011年では、この割合が(11498円÷480122円≒)2.39%にまで落ち込んでいます。

以上のことを見ていくと、「収入が落ち込むと、被服・履物支出は、収入の落ち込み度を上回った落ち込みをする」ということが分かります。

「連合総合生活開発研究所」の「勤労者の仕事と暮らしに関するアンケート調査(2012/6)」で、「この1年間にあなたやあなたの世帯では、以下の費目について支出を切り詰めていますか」との質問に対して、何を切り詰めるかの比率が出されています。高い比率のものは以下のとおりですが、衣料品が最も高い数字であることが分かります。(逆に、切り詰める比率が最も低いのは「子供の教育費」で9.8%)

外食費→切り詰めている-56.9%

衣料費→切り詰めている-60.9%

遊興交際費→切り詰めている-54.4%

耐久消費財→切り詰めている-51.3%

このアンケート調査の答えから見て取れるのは、「収入が減ると、まず、最初に切り詰められるのは衣料費」であることです。これを頭に入れておく必要がありそうです。

006(図-3)は、「消費者物価指数-長期時系列データ-衣料品の価格指数(前年比・全国・年度別平均)」の1971年~2011年における推移をグラフ化したものです。2004年以降、衣料品の価格指数は「ほぼ、横ばい」状態が続いています。これをみると、「衣料品の価格は”安いのが当たり前”、”もう、安いだけでは売れない」状況になっているのではないかと思われます。ファッションセンターしまむらが、「低価格+良質+ファッション性+トレンド最先端+ブランド化」を基本とした商品戦略を考えていると言われますが、その考えが納得できる気がします。

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