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株式会社ハニーズの収益構造を見る

レディスアパレル専門店・「株式会社ハニーズ」

株式会社ハニーズ(以下、ハニーズと略)は、年商・約598億円、店舗数合計1195店(2012年5月期)のヤングレディスアパレル大手専門店チェーン(注:2012年5月末の店舗数は、国内834店舗、中国415店舗 5月末合計店舗数1249店舗)

■ハニーズ 既存店売上高前年比の推移

002(図-1)は、ハニーズの総売上高(連結決算)と既存店売上高前年比の推移をグラフ化したものです。これを見ると以下のことが分かります。

総売上高は2009年5月期の・約621億円をピークに2010年は約583億円、2011年・約556億円と落ち込みが続きましたが、2012年5月期には約598億円に上昇、回復の気配が見られる。

既存店売上高前年比の推移を、2003年5月期~2012年5月期の10年間で見ると、前年超の年は4、残りの年6つは「前年割れ」。既存店売上高は伸び悩み。しかし、2012年5月期の既存店売上高前年比は103.6%と前年超、既存店活性化の取り組みの成果か、回復の兆しが見られる。

■ハニーズ 売上総利益率・販管費率・経常利益率の推移

006(図-2)は、ハニーズの売上総利益率・販管費率・経常利益率の推移をグラフ化したものです。これを見ると以下のことが分かります。

売上総利益率は2006年5月期以降、約57%~58%前後で推移、「横ばい」状況。しかし、SPA(製造小売業)型でもあり、売上総利益率は専門店チェーンとしては高い数字を確保・維持している。

売上総利益率が「横ばい」状況であるのに比し、販管費率は2009年5月期以降、約50%~51%前後で推移、上昇傾向にある。2012年5月期には49.1%と50%を割ったが、販管費のコントロール力には「やや不安あり」と言えるかもしれない。

経常利益率は、2006年5月期の約16%をピークに、以降、落ち続けている。とりわけ、2009年5月期には約6.9%と、ピーク時の16%から約9ポイントも落ち込み、その傾向が2011年5月期まで続く。しかし、衣料専門店チェーンの経常利益率としては高い方のグループに入る。2012年5月期の経常利益率は8.7%と上昇し、回復基調の兆しが見られる。

■ハニーズ 自社企画商品比率と売上総利益率の推移

008(図-3)は、ハニーズの自社企画商品比率と売上総利益率の比較推移グラフです。これを見ると次のことが分かります。

ハニーズの高い売上総利益率を支えている自社企画商品比率は、年々、上昇を続け、2012年5月期には91.4%と、100%にあと残り8.6ポイントという高い数字になった。しかし、売上総利益率は約57%~約58%前後と「横ばい」が続いており、このあたりの数字が限界なのかもしれない。売上総利益率60%超の数字にはならないのではないかと思われます。

010(表-1)は、ハニーズの営業業績実績推移表です。

とくに、注目する点は、当期純利益率に回復の兆しが見られる点と、もう一つは、中国における店舗展開を急ピッチで進めている点です。

中国における展開店舗数は、2007年期末店舗数21店舗と少数でしたが、2012年5月期末には361店舗と急上昇。中国での店舗展開を企業拡大の重点戦略としてるようです。

平成23年5月期の中国における売上高は約46億円で、ハニーズ総売上高(連結決算)約556億円に占める割合は約8.2%、平成24年5月期・売上高約73億円、総売上高約598億円に占める割合・約12.2%と、それほど高い比率ではありませんが、数字の増え方を見ると、今後、より一層、拡大していくものと思われます。

 

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イオンリテール(株)の衣料品・在庫コントロール力

GMS・イオンリテールの衣料品改革

イオン(株)は、グループ全体のITインフラを整備し、「IT物流ブロジェクト」を立ち上げ、イオングループ-GMS・イオンリテール株式会社の「衣料品改革」に取り組んでいると報道されています。報道によれば、「IT物流プロジェクト」の大きな目的は、衣料品の商品調達コストの削減をはかることであり、その目的達成のために、高精度の商品管理システムを構築したとのことです。世界最大の流通小売企業「ウォルマート」が構築している「リアルタイム・インベントリー」に負けない高精度の商品在庫管理システムの構築を目指しているとの話ですが、その積極的な取り組み姿勢からは、イオングループ-GMS・イオンリテール(株)における衣料品改革が大きく前進するものと思われます。

※「リアルタイム・インベントリー」

岩島嗣吉氏(RTI社長・経営システムコンサルタント)は、「リアルタイム・インベントリーとは、店舗SKU(絶対単品)別の売上・在庫情報を高精度で、即時(あるいは、即日に)把握できる仕組みのこと」と言われています。

イオンリテールの衣料品の既存店・在庫高伸率(前年比)の推移を見る

A1_004GMS・イオンリテールの衣料品改革の取り組みが開始されてから、すでに数年経っていますが、目的としている「在庫効率アップ」はどうなっているのかを見るため、衣料の年間商品回転率(数)と商品在庫高の伸び率(前年比)の推移を調べ(図-1)にグラフ化してみました。

注①イオン(株)の各期・決算説明資料から抜粋作成。

注②商品在庫は期末在庫(原価ベース)、在庫回転は平均在庫(原価ベース)で算出されています。

これを見ると次のことが分かります。

2005年2月期~2012年2月期、この8年間における衣料-既存店・在庫伸び率の推移を見ると、期末在庫が前年比100%超の年が、2007年2月期103.3%、2009年2月期101.5%、2012年2月期108.9%、この3年がありますが、あとの5年は「前年割れ」になっています。この推移を見ると、イオンリテールの衣料の在庫コントロール力は着実に強化されてきていると思われます。

①衣料の期末在庫の伸び率(前年比)の推移と、②衣料の年間商品回転率(数)の推移を見るため、(図-1)には、両者、①、②の推移グラフを作成。これを見ると、衣料の年間商品回転率は4.6回~4.8回の数字が多く見られ、「やや横ばい」状態と言えなくもありませんが、2012年は5.6回と上昇しています。まだ安定性には欠けるものの、在庫効率アップの取り組みの成果が確実に出てきていると言ってもいいような気がします。これから先、衣料品改革が一気に加速する兆しなのかもしれません。

イオンリテール、既存店衣料・食品・住関の在庫高伸率(前年比)の推移

A1_005(図-2)は、イオンリテールの既存店における衣料・食品・住関の在庫高伸び率(前年比)の2005年2月期~2012年2月期、この8年間における推移をグラフ化したものです。(注:在庫高は、前述していますが、原価ベースの期末在庫です)

これを見ると次のことが分かります。

2008年2月期以降、食品、衣料、住関の在庫コントロール力が強まってきているように思われます。2009年2月期~2011年2月期の3年間における在庫削減努力と、その成果、「期末在庫の前年割れ」という数字は注目に値します。イオンリテールにおける「在庫効率アップ』は確実に進んでいると思われます。イオンは、GMS・イオンリテールの衣料品改革で、①在庫回転日数の短縮、②値下げ削減、③プロパー商品の消化率改善をあげていましたが、まず、①の在庫回転日数の削減には「明るさが見えてきた」と言えるかもしれません。

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