« 2012年4月 | トップページ | 2012年6月 »

小売業-業態別動向を見る

小売業の業態別動向

「商業統計-業態別統計編」(経済産業省)のデータから、小売業の業態別動向を時系列で見る図表を作成。小売業業態別の盛衰を、平成11年~平成19年、この9年間における、①年間販売額、②事業所数、③従業員数の推移で見てみましょう。

003(図-1)は、主要業態の、平成11年と平成19年の、①年間販売額の増減率と、②事業所数の増減率を対比散布図。(縦軸が事業所数の増減率、横軸は年間販売額の増減率)。これを見ると次のことが分かります。

年間販売額と事業所数ともに増加している業態は、ドラッグストア、衣料品スーパー、ホームセンター、コンビニエンスストア、住関連中心店、この6業態。なかでも、年間販売額と事業所数増加率が高い業態は、ドラッグストア、衣料品スーパー、ホームセンターの3業態。この3業態の年間販売額と事業所数増加率は以下の通り。

ドラッグストア→平成11年対平成19年の年間販売額の増加率は201.5%、事業所数の増加率は116.3%と、ともに高い増加率。

衣料品スーパー→平成11年対平成19年の年間販売増加率は132.3%、事業所数増加率149.6%。

ホームセンター→平成11年対平成19年の年間販売増加率は126.8%、事業所数増加率は139%。

以上の数字が示す通り、平成11年~平成19年、この9年間においては、ドラッグストア、衣料品スーパー、ホームセンターの3業態が成長していることが分かります。次いで、この3業態ほどの増加率はありませんが、コンビニエンスストアと住関連中心店が成長していることも見て取れます。これらの傾向は、平成24年の今も、まだ続いているように思います。

逆に、大型総合スーパー、中型総合スーパー、衣・食・住専門店、衣・食・住中心店は、年間販売額、事業所数ともに減少しており、成長鈍化~衰退の方向に向かっているようです。そして、食品スーパーは、事業所数微減、年間販売額も微減という数字で、業態としては「伸び悩んでいる」ように思われます。競争激化で、業態内での整理淘汰(強食弱肉・強者生存)が進んでいる結果かもしれません。

007(表-1)は、小売業・主要業態別の、年間販売額、事業所数、従業員数の平成11年対平成19年の増減率一覧表です。

平成11年を100として、平成19年の数字がそれを超えている業態は数字を「黒文字」で、100以下の場合は、それぞれ「赤文字」で表現。

経済産業省の小売業の業態分類の概略を右列に記載しています。(図-1)、(表Ⅰ~4)に記してある業態はこれからとっています。

011(表-2)は、平成11年~平成19年の主要業態別、年間販売額の推移表。

(表-3)は、同じく、主要業態別・事業所数の推移表。

(表-4)は、主要業態別・従業者数の推移表。

013

017

|

現金卸問屋(総合・繊維)の動向-プロルート丸光の業績推移を見る

衣料品店-店舗数、年間販売額の動向

現金卸問屋(総合・繊維)の主要販売先は、いうまでもありませんが、衣料品店です。したがって、現金卸問屋(総合・繊維)の経営(売上や利益等)は衣料品店の動向に大きな影響を受けます。そこで、現金卸問屋(総合・繊維)の経営状況、及び、その業績推移等を見る前に、彼らの主要販売先である衣料品店の動向について調べました。その結果を、以下の(図-1)~(図-4)にまとめ、メモ録。

003(図-1)は、経済産業省の「商業統計-業態別統計編(小売業)」のデータをもとに、衣料品店数推移をグラフ化したもの。経済産業省の業態分類表では、衣料品店をいくつかに分類しています。(図-1)は、その分類のなかの、衣料スーパー、衣料専門店、衣料中心店、この3つの衣料品店の店舗数推移比較グラフです。

経済産業省の衣料品店の分類と定義概要は以下の通り。

衣料スーパー→取扱商品は衣料品が70%以上で、売場面積250㎡以上、セルフ販売方式の衣料品店。

衣料専門店→取扱商品は、衣料品が90%以上。

衣料中心店→取扱商品は衣料品が50%以上。

(図-1)を見ると、次のことが分かります。

衣料スーパーの店舗数だけが伸びている。衣料専門店と衣料中心店の店舗数は減り続けている。(衣料スーパーの1991年の店舗数2237店→2007年の店舗数7153店、衣料専門店の1991年の店舗数156193店→2007年店舗数94954店、衣料中心店の1991年店舗数75537店→2007年の店舗数58866店)

経済産業所の衣料スーパーの定義から考えると、ディリーファッションストアの、ファッションセンターしまむら、ファッション市場サンキ、パシオス田原屋、あかのれん、サミットコルモ、パーティハウス等は、この分類(衣料スーパー)の中に入ると考えています。

005(図-2)は、同じデータをもとに、3分類した衣料品店の年間販売額推移の比較グラフです。これを見ると(図-1)と同じ傾向であるのが分かります。すなわち、衣料スーパーの年間販売額だけが伸びており、衣料専門店と衣料中心店の年間販売額は減少し続けている、という傾向です。現金卸問屋(総合・繊維)の主要販売先である衣料品店の店数と、年間販売額が、年々、減少しているわけです。このことは、当然のことながら、現金問屋(総合・繊維)の経営に大きな影響を及ぼします。

現金問屋(総合・繊維)・プロルート丸光の業績推移

009(図-3)は、現金卸問屋(総合・繊維)・プロルート丸光の、過去5年間(平成20年3月期~平成24年3月期)における、売上高(連結決算)と経常利益高(連結決算)の推移をグラフ化したものです。これを見ると次のことが分かります。

売上高は減少の一途。年々、減少を続け、平成24年3月期の売上高は、5年前、平成20年3月期の約56%、売上高にして約156億円も減少。

平成23年3月期には「経常損失」に落ち込む。平成24年3月期も経常損失が続く。先行きに不安、厳しい状況下にあると考えざるを得ない。

011(図-4)は、プロルート丸光の、売上総利益率と販管費率の推移比較グラフです。これを見ると次のことが分かります。

■販管費率は年々、上昇を続け、平成23年3月期には、ついに、売上総利益率を上回ってしまっている。販管費率>売上総利益率の状況は、簡単に言えば、「物販では利益が出ていない」ことを意味します。

年々、減少し続ける売上高、増え続ける販管費率、一方、低下する売上総利益率、プロルート丸光は、この経営損益構造からの脱出が急務のように思われます。

015現金問屋(総合・繊維)の販売先は、前述の、衣料スーパー、衣料専門店、衣料知中心店が主要販売先です。しかし、これら以外に、食品スーパーの衣料部門、生協の衣料部門等があります。しかし、売上と利益、そして、店舗数を増やしているのは、ほんの少数の衣料スーパーだけです。これら、伸びている衣料スーパーで現金問屋(総合・衣料)を主要仕入先としているところは数社だけと考えられます。したがって、現金問屋(総合・繊維)は、成長力のある優良販売先の開発に取り組み、主要販売先の組み替えを図らねばなりませんが、これを短期間で達成することは極めて難しいと思われます。このことは、プロルート丸光だけでなく、同じ現金卸問屋(総合・繊維)の、セルフ大西、八木兵、鶴岡、ホワード、イチオク等にも言えることではないかと思います。主要販売先である衣料中心店、衣料専門店、独立小規模衣料品店の減少が続き、マーケットの先細りに歯止めがきかないという状況下にある現金卸問屋(総合・繊維)の前途はかなり厳しそうです。この苦境から脱出する現金問屋(総合・繊維)はどこか、注意深くウオッチングしていこうと思います。

|

« 2012年4月 | トップページ | 2012年6月 »