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大手食品スーパーの直営衣料部門の売上高の推移

減少続く大手食品スーパーの直営衣料部門の売上高

食品スーパーチェーン各社の短信決算、決算説明資料等を調べた結果、年商3000億円以上の食品スーパーは、①ライフコーポレンション、②ヨークベニマル、③バロー、④マルエツ、⑤アークスの5社でした。このうち、バローを除く他の大手食品スーパー4社の直営衣料品部門の売上高の推移は以下のとおり。

①ライフコーポレーション

2009/2-----約325億3700万円

2010/2-----約297億3100万円

2011/2-----約288億0000万円

2009年2月期より3年間、直営衣料部門の売上高は減少し続けている。

②ヨークベニマル

2009/2-----約184億3700万円

2010/2-----約172億3000万円

2011/2-----約165億8600万円

ヨークベニマルの直営衣料部門の売上高も減り続けている。

③マルエツ

2010/2-----約 56億1800万円

2011/2-----約 49億5200万円

④アークス

2011/2-----約 36億9100万円

食品スーパーの中でもライフコーポレーションとヨークベニマルは、直営衣料部門の売上高がトップクラスの大きさですが、年々、減少の一途をたどっています。売上全店計にしめる直営衣料部門の売上高構成比は2011年2月期には次のような低い数字です。

               直営衣料部門の売上高構成比

ライフコーポレーション---約6.2%

ヨークベニマル---------約4.9%

マルエツ--------------約1.5%

アークス--------------約1.2%

これら大手食品スーパー4社の直営衣料部門の売上高構成比をみていきますと、比較的、直営衣料部門の売上構成比が高かったライフコーポレーション、ヨークベニマルの数字も、マルエツや、アークスのように、いずれ、2%以下の数字になることが考えられます。肌着、靴下、タオル、サロン・前掛け等の限られた実用品衣料品のみの取り扱うことになるものと思われます。食品スーパーとしては、当たり前と言えば当たり前の話ですが、食品により特化していく姿が見えてきます。厳しい競争が展開されている食品スーパーにとって、衣料品にかまっている時間など無いというところでしょうか・・・・・。

014(表-6)は、年商3000億円以上の食品スーパーチェーンの概要です。食品売上高構成比と比べ、衣料品の売上高構成比が、いかに低いかが分かるものと思います。当然の話ではありますけれど・・・・・。

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ディリーフアッションストアの注目動向

■量販衣料品の売行き不振、「既存店売上高”前年割れ”」続く

日本チェーンストア協会が発表している「販売統計」にある「チェーンストア長期統計(速報・暦年前年・『衣料品の売上高前年比(店舗調整後)』の推移をみると以下のような厳しい数字になっています。2005年度~2011年上期にわたって、チェーンストアの量販衣料品の売上の「前年割れ」が続いています。量販衣料品の売行き不振が定着してしまったようです。

●チェーンストアの年度別(暦年)衣料売上高前年比の推移

2005年度-------98.3%

2006年度-------95.4%

2007年度-------95.4%

2008年度-------93.2%

2009年度-------89.2%

2010年度-------95.6%

2011年度(上期)-95.7%

●ディリーファッションストア最大手・「ファッションセンターしまむら」も既存店の売上高「前年割れ」が目立つ

優良小売企業と評価の高いディリーファッションストア最大手・「ファッションセンターしまむら」の年度別売上高前年比の推移は以下の通りです。

       既存店  全店計

年  度  売上前年比 売上前年比 年出店数

2005-----104.8%---109.4%---48店舗

2006-----101.8%---106.6%---56

2007------99.0%---104.2%---58

2008------95.4%----99.6%---48

2009-----100.8%---104.4%---39

2010------97.8%---101.4%---39

2011上期--98.3%---101.8%---20

ディリーファッションストア、とりわけ、ファッションセンターしまむらは、「一人勝ち」、「勝ち組」小売企業と言われています。しかし、、最近のディリーファッションストアの売上状況と営業実績の推移をみていきますと、かって味わった「良き時代」は終わり、厳しい経営環境の時代に入ってきているように思われます。

■イオンリテール(株)は展開している小型量販総合衣料品店・「IFQ/アイエフキュー」の4店舗を閉鎖・閉店

「IFQ/アイエフキュー」は、イオンリテール(株)が展開するディリーファッションストアと言ってもいい店です。開発当初の戦略構想は、急速多店舗をはかり、まず、100店体制をつくるというものだったように思います。しかし、その後の出店速度をみますと、それほど急速多店舗展開というものではありませんでした。ディリーファッションストアの一大チェーンストアづくりは、それほど容易なことではなく、意外に苦労が多く、そう簡単にはできるものではないということだったのでしょうか・・・・・。

イオンリテール(株)は、2009年4月に、IFQ事業部を衣料商品本部組織に移管しています。この時点で、「IFQ/アイエフキュー」は、独立事業体としての独自活動は無くなったように思います。一大チェーンストアづくり構想も大幅修正されたのかもしれません。

ともかく、イオンリテール(株)は、2011年度に、「IFQ/アイエフキュー」の、①IFQ太閤店(936㎡・4月12日閉鎖)、②徳川明倫店(929㎡・5月12日閉鎖)、③磐田店(1403㎡・6月14日閉鎖)、④大垣店(808㎡・8月15日閉鎖)、この4店舗の閉鎖をIR情報で発表しています。これを、「IFQ/アイエフキュー全面撤退の兆候」かと考えるのは短絡過ぎるかもしれません。というのも、「IFQ/アイエフキュー」には、まだ以下の店舗、静岡南店、蕨店、水戸南店、富士南店、上里店、西焼津店、静岡西脇店等があるからです。とはいえ、イオンリテール(株)は、ディリーファッションストアによる一大チェーンストアづくり構想を大きく方向転換し、その取り組みが、なんとなく消極的になったような気がしてなりません。これは私見ですが、ディリーファッションストアにも「冬の時代」に入ってきているようです。

■ディリーファッションストア大手・「(株)サミット・コルモ」も苦戦

(株)サミット・コルモは、「衣料館コルモピア」を40店舗(2011 年時点)展開しているディリーファッションストアチェーンで、業界4位の大手です。順調に伸びた過去もありますが、2006年以降の業績推移をみていきますと、ここにきて、大変、苦戦しているように思われます。ディリーファッション「冬の時代」をむかえ、苦闘が始まっているのかもしれません。(株)サミット・コルモの2006年3月期~2011年3月期、間の営業実績は以下の通り。

年 度  売上高(百万円) 経常利益率 当期純利益率

2006/3---14044-----------0.9%-------0.5%

2007/3---14150(100.8%)--1.0%--------0.5%

2008/3---14866(105.1%)--1.1%--------0.5%

2009/3---14715( 99.2%)--1.3%--------0.7%

2010/3---13769( 93.6%)--0.3%--------0.1%

2011/3---13151( 95.5%)--0.0%------▲0.7%

(株)サミット・コルモは、2010年に「八王子並木町店」の1店舗、2009年には、「深大寺店」、「西永福駅前店」、「川越藤間店」の3店舗を出店しています。しかし、出店による売上増もあまり見られません。これは、おそらく、既存店が大苦戦、売上の伸びの足を引っ張っている結果ではないかと思われます。ディリーファッションストア・業界4位の大手といえども、量販衣料の売行き大不振の流れには抵抗できないということでしょうか。これは私見ですけれど、(株)サミツト・コルモの、これから先が、ちょっと気になる業績推移のように思います。

■ディリーファッションストアの成長発展の鍵は、「既存店の活性化(とくに、不振店の活性化)」と、「多店舗出店(年間二桁の)」。

この二つを続けることができるか、その力を持続できるか、それが、ディリーファッションストアとして成長発展するための絶対必要条件と言ってもいいかもしれません。ディリーファッションストア大手、「ファッションセンターしまむら」、「パシオス田原屋」、「ファッション市場サンキ・株式会社三喜」、この3社は、まだ、その力を持っているように思うのですが、これは、ディリーフアッションストアの、さらなる成長発展を期待し、応援エールを送る者の、「ひいき目な見方」というものでしょうか・・・・・・。ディリーファッションストアの「これから先の動向」を、目を離さず、こまめに、ウォッチ継続していこうと思います。

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ファッションセンターしまむらの大都市・都心部攻略-標準店舗規模以下の新フォーマット小型店を開発展開

ファッションセンターしまむらは、今後の企業拡大のための重要戦略の一つに、東京都、大阪府、名古屋市等の大都市・都心部における多店舗出店考えています。「チャンスがあれば、東京都内に150店舗くらいは展開したい」とか、「都心部に400~500店舗の展開を目指す」とかいう考えを持っているとも言われています。

■ファッションセンターしまむらの新フォーマット小型店舗

2011年9月中旬、ファッションセンターしまむらは、売場面積660㎡の新フォーマット小型店舗を名古屋駅付近の商業ビル「栄ノバ(3階)」に出店することを発表。

現在のファッションセンターしまむらの標準店舗規模は約1100㎡~約1200㎡、最大店舗規模は1500㎡ですが、新フォーマット小型店舗はその約半分から3分の1程度の売場面積規模です。すでに、東京都・都心部で何店舗かの小型店舗を展開していますが、その売場面積規模と取り扱い商品範囲の概略は以下の通り。

高田馬場店----JR高田馬場駅から徒歩約1分にある食品スーパー・ピーコック高田馬場店2階。売場面積約180坪。取扱商品の範囲は、標準店舗にある寝具・インテリア部門をカット。

三軒茶屋店----三軒茶屋駅から徒歩約2分~3分のところにある商業ビルの1階。売場面積約150坪。取扱商品の範囲は、標準店舗にある寝具・インテリア・紳士洋品をカット。

茗荷谷駅前店--東京都地下鉄・茗荷谷駅前の商業ビル1階。取扱商品の範囲は、標準店舗にある寝具・インテリア・紳士子供洋品をカット。

ファッションセンターしまむらの東京都における現在の展開店舗概要

①東京都におけるしまむらの年間売上高・約122億4800万円(平成23年2月期)

②東京都における店舗合計のしまむらの売場面積・28166㎡

③期末店舗数・31店舗(平成23年2月期)

④東京都における店舗合計の平均年間売場坪当り売上高・約143.5万円

⑤東京都における店舗の1店平均売上高・約3.95億円

⑥東京都における1店平均売場面積約908㎡

新フォーマット小型店舗の急速多店舗出店でファッションセンターしまむらの大都市・都心部攻略が加速

以上のとおり、既存の標準店舗規模、また、現在、ファッションセンターしまむらが東京都で展開している店舗の平均売場面積約908㎡と比べて、新フォーマット小型店舗の売場面積規模がかなり小さいことが分かります。取扱商品の範囲を婦人衣料・雑貨雑貨・婦人インナーに絞り、さらに、もう一段、規模の小さい、売場面積300㎡~500㎡の店舗も新フォーマットに加え、大都市・都心部攻略を進めていくという話も聞かれます。このような店舗を、東京都、大阪府・名古屋市等、大都市の都心部に、年2桁の出店を目指しているとも言われていますが、そうなると、到達目標と言われているファッションセンターしまむらの1800店舗~2000店舗構築も一段とスピードアップされることになります。

ファッションセンターしまむらの、不動産比率・売上比家賃5%という出店基本原則、売場面積規模の小規模化による取扱商品範囲の縮小化、それにともなう店舗標準化の多様化、出店物件における店舗立地(常に1階というわけにはいかず、2階、3階ということもある)からくる商品納入等の物流システムにおける効率低下等、早期改善が求められる問題点もありますが、それでもなお、大都市・都心部への出店は重要戦略と位置付けて積極的推進を考えているようです。今後、ファッションセンターしまむらの大都市・都心部攻略作戦が積極的に展開されることは間違いないものと思われます。

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