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衣料小売店の「商品情報&データ管理と活用」面における問題点

「商品情報&データ管理とその分析・活用」面での問題点

(1)5年(できれば10年)はもつ商品分類づくりがなかなかできない

 →どの分類の、何処に入れていいのか迷う新商品が出ることがある。

 →永遠不変、長期的に固定化できる商品分類の体系化は不可能。

   新商品、新品種、新機能、新デザインの出現、一方で、短命で消えていく多数の商品。

(2)大分類はかなり明確に分けられるが、中分類、小分類になるとあいまいになってしまう部分が多い。

 「感性」という言葉が、商品分類を科学的に考えてつくることを随分、阻害している。

(3)デザイン分類、カラー分類、サイズ分類、素材分類、客層分類等は厳密にすることができない

 人によって、また、店によって判断が異なり、分類・区分けがマチマチになる危険性が大。

(4)売れ筋品(売れていて、売れ筋になる商品、まだ、売れると考えられる商品)の追加補充、商品確保手当てが極めて難しい

→売れ筋品は、常に欠品、品切れ。しかし、メーカー・卸問屋の商品企画及び生産・供給体  制、商品フォロー体制がそうなっていないので追加補充ができない。

→メーカーの展示会先行予約発注制があり、売行き動向に合わせた柔軟な補充発注ができない商品がある。在庫コントロールにも柔軟性が欠けるところが出てくる。

(5)ファッショント性・レンド性の高い商品は、商品ライフサイクルも短かく、出ては消え、出ては消えという商品が多い

 →ある安定した条件下におけるデータの管理・分析とその活用はかなり難しい。

(6)その時代の流行、ファッション・トレンドというものがあり、季節があり、また、メーカーやデザイナーごとに商品・モノづくりに対する考え方、企画方針などが異なるので、固定的な商品分類がなかなかできないことがある

(7)明確に掴まえられるのは、その商品の売価、原価、仕入先(メーカー・卸問屋)、仕入数量、販売数量、在庫数量ぐらいである。

(8)同じ商品でも、店によって置かれている売場が違ったり、また、陳列演出・販売形態も異なったりする。さらに、店、売場ごとに商品投入量も違う。どの店の、どの売場のデータが正しいのか分からないことが多い。

(9)店、売場の販売員・売場担当者の接客能力の差と、販売意欲の差で、その商品の販売数量に大きな差が出ることがある。「人の力で売っている店・売場」のデータと、そうでない店・売場のデータが混在することになる

(10「何故」と「仮説」の無い商品仕入と品揃えが多い。どうしてその商品を品揃えしたのかという根拠、論理的裏付け、数値的計画が無い。それが、あっても極めて曖昧なものが多い。したがって、そのような品揃えから出たデータ・情報を収集・分析してもあまり活用できないと考えられる。

以上、少なくとも、(1)~(10)のことを明確に、また、ある程度まで厳密にしておかないと、せっかく収集した膨大な商品情報・データを有効に活かすことはできないと思われます。なかなか難しい問題です。商品分類をどこまで細かくするか、柔軟性をどう持たせるか、また、管理レベルをどこまでにするか等々、衣料小売店の商品情報・データ管理とその活用面には、まだまだ解決しなければならない問題点、取り組まねばならない課題があります。

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衣料品小売店の「店頭(売場)で、今、起きていること」と「必要になる取り組み」

今、小売店の店頭(売場)で起きていること

衣料小売店の商品情報・データ管理とその活用面において問題となると思われることが、今、衣料小売店の店頭(売場・販売現場)で起きています。これらの問題点を解決するには、知恵、金、時間がかなりかかるかもしれません。今、店頭で起きていることとは以下のようなものです。

衣料品で売れている商品の7割が新製品

 7割~8割は新しいモノが品揃えされていないと売れない。

 売れ筋は鮮度(ファッション鮮度・季節鮮度)の高い商品だけ。

 短期間で売れ筋、トレンドが変わる。

 売行きが遅い商品は値下げしても動かない。

 →商品の早期投入や、売る仕掛けのタイミングの見直し

 →商品別販売期間及び販売ピーク時の設定

 →値下げのタイミングの見直し(早期値下げ・早期切上げ処分)

 商品の投入時期、販売ピーク、切上げの意思決定にスピードが必要。

売れ筋は単品主体で、売価単価が低い

 →一品単価の低下、客単価の低下

 商品別展開価格帯の再構築と買上点数を増やすための対策が必要。

品揃えが、それぞれの地域の消費者ニーズに対応できず客離れが起きている

 →商品本部が全ての品揃えを決めるのでは地元ニーズに合った品揃えはできない。

 →地域の特性を配慮した品揃えが必要。

 買い手(消費者)の立場に立って品揃えを考えねばならない。

「売ってみて分かる時代」

 →実際に店頭(売場)で売ってみないと、売れるか売れないかが分からない。

 →「売場で売ってみて、売れるかどうか」が大事。

 その商品が売場で実際に売れているかどうかをベースに品揃えを調整、手直しする。

 川上(メーカー・卸問屋)の情報だけで商品手当てをするのは危険。

追加仕入、追加生産すると、それが全部値下げロスにつながる危険が大

 短サイクル・高頻度仕入れ、短サイクルで品揃え、売場づくりをする仕組みが必要。

今のお客は、「要らないものは要らない」、「安ければなんでも買うわけではない」

 売場に品揃えされている商品、一品一品の日々の売行きを細かくチェックする。

 POSデータ等の徹底的分析と日々の品揃えへの活用。 

 自店以外の店の「売れ筋探し」、情報収集が必要。

政策的に打ち出した「売価を抑えたプロパー商品」や、「PB商品」は売れている。

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ファッション市場サンキ(株式会社三喜) 神戸店を出店

ファッション市場サンキ(三喜) 神戸店の概要

006 株式会社三喜は、2011年4月23日、ファッション市場サンキ神戸店を複合型大規模商業施設・ブルメールHAT神戸SCの1階に出店しました(兵庫県初出店)。その概要は以下の通り。

所在地---兵庫県神戸市中央区脇浜海岸通2丁目2番2号(ブルメールHAT神戸SCの1階。スポーツオーソリテイ神戸店撤退跡)

開店日---2011年4月23日・プレオープン、4月26日・グランドオープン

複合型大規模商業施設「ブルメールHAT神戸」の概要

①所在地---兵庫県神戸市中央区脇浜海岸通2丁目2番2号

②開店年月--平成17年10月26日

③敷地面積---約5782坪

④店舗面積---約7289坪 専門店数43店舗

⑤店舗建物---鉄骨造り5階建て

 1F~2F→店舗  3F~5F→駐車場(駐車台数1024台)

⑥全テナント合計年間売上高予想----150億円

003 ファッション市場サンキ神戸店が出店した「ブルメールHAT神戸」・1階の概略図

1階の主要核店舗は、食品スーパー「関西スーパーHAT神戸店(売場面積約515坪、年商見込み・開店日より1年間・18億円)、ベビー専門店チェーン「ベビーザらス神戸店」(売場面積約763坪)、セガミ・ドラッグストア等。

ファッション市場サンキ神戸店の出店場所は、この図にある、専門店スポーツオーソリティ神戸店の撤退跡。

株式会社三喜は、「ブルメールHAT神戸」のような大都市部にある複合型大規模商業施設へ出店するケースはまだ少ないが、今後は積極的に出店していくのかもしれない。ちなみに、いままで、ファッション市場サンキが複合型大規模商業施設に出店した大型店舗には以下の店舗があります。

稲毛店(千葉県)----売場面積約918坪

千葉ニュータウン店(千葉県)---売場面積約1000坪、年商推計約15億円~16億円)

七光台店(千葉県)--売場面積約709坪

また、売場面積約700坪以上の大型店舗は次の通り。

茨城県では、

鹿嶋店---売場面積862坪

龍ケ岡店-売場面積1006坪

小絹ファッション館--売場面積699坪 

 小絹ファブリック館--売場面積556坪

鮎川店--売場面積940坪

栃木県では、

今市店----売場面積800坪

宇都宮店--売場面積862坪

さくら店(氏家)--売場面積1051坪

東京都では、

多摩ニュータウン店---売場面積1010坪(年商推計約10億円)

ファッション市場サンキ神戸店の年商推計

ファッション市場サンキ神戸店をサンキの大型店舗・売場面積1000坪タイプの店として考えた場合(残念ながら、まだ、店舗を見ていませんので、推測になりますが)、

初年度年商推計

ブルメールFAT神戸・1階のキーテナント、食品スーパー「関西スーパー神戸店」によれば、半径1㎞圏内の商圏人口・世帯数は17373世帯(平成17年時点)。この数値をもとに、ディリーファッションストアであるファッション市場サンキ神戸店が対象にできる、半径1㎞圏内の「衣料品及び衣料関連」の年間需要額推計は約35億円。

(A)年間需要額推計約35億円×サンキの売上シェア25%≒8億7500万円

(B)年間需要額推計約35億円×サンキの売上シェア20%≒7億円

(C)ファッション市場サンキの全店計平均売場坪当年間売上高推計を約80万円とすると、初年度年間売上高推計は、売場面積1000坪×年坪売上80万円≒8億円

(D)千葉ニュータウン店(売場面積1000坪、年商推計約15億円~16億円)の数字をベースに考えると、神戸店の初年度売上高推計は、売場面積1000坪×年坪売150万円≒15億円

経験的に言えば、以上、(A)~(D)、4通りの年商推計計算ができますが、最下限値で約7億円、大当たりすれば、上限値で約15億円(随分、幅の広い推計値で恐縮ですが)というところではないかと思われます。私的には、もう少し絞って、初年度年商推計は約10億円前後であろうと考えています。年商推計の上限値15億円が獲れるかどうかは、ファッション市場サンキのコンセプトと品揃えのセンスと感性が、神戸市の消費者にどこまで受け入れられるかにかかっています。例えば、「いろいろあるが、ただ、安いだけの店」と評価判断されれば、年商7億円も難しいかもしれません。はたして、ファッション市場サンキ神戸店は、初年度売上高をいくら獲得できるでしょうか、とても興味のあるところです。

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