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米国で、今、急成長のファストファッション・アパレル専門店『ルー21』の概要

『ルー21』は、米国で、今、急成長しているファスト・ファッション・アパレル専門店チェーン

『ルー21』の公式サイト(http://www.rue21.com/)には、『ルー21』は、ヤング(女性girls&男性guys)を対象に、最新ファッションを低価格で提供する専門店(スペシャリテイ・リテーイラー)とありますが、ヤングレディス&メンに、最新のファッションを手頃な価格で提供する大手アパレル専門店チェーンです。

また、『rue』という言葉はフランス語の「ストリート・street」からきており『21』というのは、誰もが、いつまでもそうありたいと思い描く「21歳」という歳のこと、とあります。それが社名『ルー21』の由来であるようです。

「ファスト・ファッション」とは

週間ファッション情報(http://www.fashion-j.com/)のファッション用語解説によれば、「ファストファッションとは、ファーストフードのように素早くリーゾナブルなプライスで、そのシーズンのトレンドのファッションを販売することをいう」とあります。そして、ファストファッションの代表的な店としては、日本では、ユニクロ、ポイント、しまむら、外国勢では、H&M(スェーデン)、ZARA(スペイン)、forever21、GAP(ともに、アメリカ)等をあげています。

『ルー21』の概要

アパレル専門店チェーン『ルー21』の概要について、かれらの「2009年度・レポート」からいくつかピックアップし、以下に、「まとめ」てみました。

(1)店舗数(米国の43州に出店)

 年度    出店数  期末店舗数

2007年---74店---352店舗

2008年---99店---449店舗

2009年---88店---535店舗

2010年9月--------595店舗

出店マーケットは「小商圏(Small-and middle-market communities)」で、2009年・期末の出店店舗立地の内訳は、小規模SC(Strip Center)278店、広域型SC(Regional Malls)146店、アウトレットセンター(Outret Centers)111店、合計535店舗。

(2)売上高等の推移

       売 上 高  粗利率 販管費率 営業利益率 純益率

2008/Jan---296887----34.3%---25.6%----5.9%---3.1%

2009/Jan---391414----34.1%---25.5%----5.7%---3.2%

2010/Jan---525600----35.8%---25.5%----7.0%---4.2%

注①売上高はドル、単位・千ドル

注②粗利益(Gross profit)、営業利益(Income from operations)

 純益率(Net income)

年度別売上高を1ドル=80円で、円換算してみますと、2010年1月・期末の売上高は(525600千ドル×80円)≒420億円になります。

注目すべき年度別売上高の前年比伸率ですが、年度別前年比伸率は以下のとおり。

2008年--131.6%(前年2007の売上高は225559千ドル

2009年--131.8%

2010年--134.3%

(3)商品分類別・売上高構成比

2009年度の商品分類別・売上高構成比は以下のとおり。

Girls Apparel------56.7%

Girls Accessories--24.3%

Guys Apparel&Accessories--19.0%

『ルー21』の取り扱い商品カタログにある「アクセサリーAccessories」は、日本的分類の「服飾雑貨」に近いもので、ハンドバッグ、靴・サンダル、アクセサリー、貴金属、香水・コロンなどが含まれます。

(4)商品の販売価格帯

『ルー21』の最新の商品カタログから、いくつかの商品カテゴリー別展開価格帯をみますと、以下のようになっています。

女性Tops-ロング・スリーブ・トップス(長袖Tシャツ)

12.99ドル~19.99ドル(1ドル80円換算では、1039円~1599円)

婦人ハンドバッグ

16.99ドル~19.99ドル(1ドル80円換算では、1359円~1599円)

最新の商品カタログにある全商品の販売価格帯をみますと、日本最大手のディリーファッションストア「ファッションセンターしまむら」にとても類似しています。アメリカにはディリーファッションストアという言葉は無いでしょうが、『ルー21』が日本進出するとすれば、まちがいなく、ファスト・ファッションのディリーファッションストアと言われると思います。

(5)『ルー21』に関する参考文献

米国で、今、急成長しているファスト・ファッションのアパレル専門店チェーンの『ルー21』ですが、この注目すべき小売企業『ルー21』に関する資料はほんの少ししか見つけることができませんでした。とくに、参考となる文献として私的に推薦しますのは次の文献です。

(株)ダイナミックマーケティング社・代表-六車秀之氏が、そのサイトで書かれている「流通とSC・私の視点」-視点(1272)、視点(1282)。是非、サイトを訪れて、文献をご一読されることをお薦めいたします。

六車秀之氏は、「視点(1282)」で、『ルー21』について「要約」として以下のようにまとめられています。

『ルー21』は、ライバル企業が進出しない小商圏マーケットで、、基軸業態であるウォルマートやターゲットに対してトレンド性やファッション性で優位を保ち、ウォルマートやターゲットと同一価格で提供するエアポケットを確立しています。

六車秀之氏のこの『ルー21』の「要約」を読みますと、日本のディリーファッションストア最大手小売企業「ファッションセンターしまむら」が、即、思い浮かびます。というのも、「ファッションセンターしまむら」は、①小商圏、②対象は25歳~40歳の主婦、③低価格、④ファッション性、⑤トレンド最先端の商品積極的投入、⑥高品質、この6点を戦略の柱としているからです。『ルー21』の戦略・政策も、「ファッションセンターしまむら」と全く同じ考えではないかと思います。現在の売上高規模、店舗数などの比較では、「ファッションセンターしまむら」の方が『ルー21』よりはるかに大きいですが、アメリカでもディリーファッションストアが急成長していることに大いに注目すべきではないかと考えています。

      

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ディリーファッションストアの広告宣伝媒体

■ディリーファッションストアの広告宣伝媒体

量販総合フルライン衣料品店、ディリーファッションストアの広告宣伝媒体で、消費者が参考にするもの及びその利用率について「株式会社朝日オリコミ名古屋」がおこなった「消費者の意識調査アンケート3」という調査データがあります。食品、飲料、衣料品、化粧品、美容・エステ、医薬品、家電、AV機器、時計・カメラ、パソコン、携帯電話、貴金属、自動車、書籍・雑誌、レジャー、不動産、金融・保険、デパート・スーパーの18品目をあげて選択回答(複数回答可)形式の消費者アンケート調査です。

調査データ・「アンケート3-商品を購入したりサービスを利用したりする時、参考にする広告媒体は何ですか?」のなかから、食品、衣料品、デパート・スーパーに関する『女性』の回答結果を調べてみました。

003株式会社 朝日オリコミ名古屋調査結果を「まとめ」ていますが、以下は、その一部を抜粋したものです。

女性が買物時に参考にする広告媒体について見ると、「折込チラシ広告」は18品目中9品目と最も参考にしている品目が多い。次いで、「テレビ広告」が7品目、「新聞広告」は2品目となっている。

『衣料品』の調査結果では、折込チラシが48%で第一位、次いで、第二位・雑誌の36%、第三位・雑誌36%の順になっています。これを見ますと、その広告宣伝効果、利用度が低下していると言われている「折込チラシ」の利用率が最も高く、衣料品の広告宣伝媒体としては重要であることが分かります。同じように、食品、デパート・スーパーを見ても、「折込チラシ」の利用率が最も高くなっています。「折込チラシ」の重要性を再認識し、その作成にあたっては、「売れる折込チラシづくり」に真剣な取り組みをする必要があると思います。

■ディリーファッションストアは『折込チラシ』重視の広告宣伝がベスト

ディリーファッションストア最大手「ファッションセンターしまむら」の使っている広告宣伝媒体は、①折込チラシ、②ファッション雑誌、③テレビ、④インターネットの4つの柱で組み立てられていると思いますが、これは、巨額な広告宣伝費を持っている企業だからこそできることです(しまむらの売上比広告宣伝費率は約2%前後ですが、金額ベースにすると、売上高が大きいので広告宣伝費は巨額になります)。

一般的に、「しまむらのように巨額な広告宣伝費をとることができない小売店は、広告宣伝媒体として、折込チラシ一本でいくしかない」と言えるでしょう。とすれば、広告宣伝媒体を「折込チラシ」に絞って、そこに広告宣伝費を集中投入した方がベターなのではないかと考えます。「折込チラシ」広告が効かなくなったという話に惑わされて、深い分析もしないまま、簡単に、「折込チラシ広告」を軽視し、他の広告宣伝媒体に手を広げ、それを重点媒体としたりすると後で後悔することになるかもしれません。それよりも、いままでに展開した「折込チラシ広告」の中身を詳細に分析し、効き目のある『売れる折込チラシ』づくりに取り組まれることをお薦めしたいと思います。

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ファッションセンターしまむら-標準店舗の売場面積規模の推移

■しまむら 標準店舗の売場面積規模の推移を見る

ファッションセンターしまむらは、今、「東京都など大都市部への出店」を重点戦略課題としてしていますが、それにともなって出店店舗の売場面積規模も必然的に多様化。大都市部への出店では、小規模店330㎡~600㎡(高田馬場店など)も展開し、出店立地条件や、出店物件の制約等に合わせて柔軟な対応をしています。同時に、長い間、維持してきた売場面積規模300坪の標準店舗を、新規出店店舗では360坪~500坪(神奈川県横浜市、港北・東急SC店等)へと拡大もしています。

002 (表-1)は、過去10年間、2001年2月期~2010年2月期における年度別・新規出店店舗の平均売場面積規模をグラフ化したものです。これを見ると、標準店舗の売場面積規模を1100㎡から1200㎡へと拡大してきているのが分かります。業界誌や、業界新聞などでは、「ファッションセンターしまむらは新標準店舗の売場面積規模を1200㎡と拡大し、売上高も、従来の標準店1100㎡タイプの10%アップを目指している」と報道されています。今後は、売場面積規模1200㎡~1500㎡の標準店舗の出店が多くなるように思われます。

004 (表-2)は、年度別・出店新店の平均売場坪当り年間売上高を推測計算し、グラフ化したものです。これをみると、年度別・新規出店店舗の初年度の平均売場坪当り年間売上高は約90万円前後で、既存店平均の約106万円~107万円と比べると、約16万円前後、売場効率が低いことが分かります。しかし、これは、しまむらの「想定内の数字」ではないかと思われます。出店2年目以降の売上伸率の高さに自信をもっているからです。しまむらは、経営的には、売場坪当り年間売上高が90万円でも、店舗損益が黒字になれるコストコントロール力を持っています。

007 (表-3)は、ファッションセンターしまむらの各年度別・決算概要のデータを基に作成した「新店舗の売場面積規模及び売上高、売場効率等の推移表」です。(表-1)、(表-2)のグラフはこの計算数値をもとに作成したものです。

注目点としては、新規出店店舗の初年度年間売上高見込みが、多少のアップダウンは見られますが、約3億円~3億4000万円と、じわじわ上がってきていることです。仮に、初年度売上高を3.4億円として、それが、二年目に10%とアップするとしますと、約3.7億円になります。そうなると、しまむらの徹底したローコスト経営、コストコントロール力を考えると、出店2年目から店舗経営の黒字化が十分可能になるものと思われます。ファッションセンターしまむらは、「店を出せば出すほど利益も拡大していくという好循環経営」を、これから先も持続していくかもしれません。

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アパレル小売企業-2011年1月の既存店売上高前年比

マークしているアパレル小売企業各社の2011年1月の既存店売上高前年比実績

  企業名          既存店売上前年比

①ユニクロ(国内・単体)----110.7%

②しまむら---------------102.5%

③良品計画---------------93.0%

④西松屋チェーン----------93.6%

⑤ユナイテッドアローズ----106.2%

⑥ライトオン--------------96.5%

⑦ポイント----------------98.4%

⑧ハニーズ---------------92.8%

⑨タカキュー--------------99.5%

2011年1月の既存店月別売上高前年比では、ユニクロ(国内・単体)が110.7%と大きく伸ばしているのが目立ちます。2010年11月の既存店売上高前年比85.5%、12月84.5%と「大幅な前年割れ」が続きましたので、株式市場は失望感から「渋い」評価をしていましたが、今月、2011年1月は一転して「好評価」となっています。

相変わらず「堅調」なのがユナイテッドアローズです。既存店月別売上高前年比は、2010年10月107.3%、11月105.0%、12月107.4%、2011年1月106.2%と、4ヶ月連続「前年比100%超」です。しかし、前年の数字が90%前後と苦戦していた月もありますので、今年は伸びて当たり前という見方もできます。とはいえ、頑張っているなという気がします。

しまむらの既存店月別売上高前年比は、2010年10月94.0%、11月103.2%、12月93.7%、2011年1月102.5%と、「前年割れ」と「前年比100%超」を1ヶ月おきで繰り返していますが、1100を超える店舗数を考えますと、私的には、どちらかと言えば、「堅調組」と考えていいのではないかと思います。

東北と日本海側では大雪、九州では鳥インフルエンザ、新燃岳の大噴火など、そのエリアにある小売店は苦戦をしているものと思われます。マークしているアパレル小売企業各社のうちの何社が、春物商戦が本格化する2月の既存店月別売上高前年比を「前年100%超」とすることができるでしょうか。小売業界では、2011年1月の百貨店の売上高が「わずかな数字だが前年比100%超」を確保したので、先行きに「やや明るい兆しが見える」と希望的観測をしています。はたして、2月の数字はどんな結果になるのでしょう、大いに興味のあるところです。

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