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アパレル小売企業(上場)の実力  (8)既存店月別売上高前年比

■アパレル小売企業の実力■

****  (8)既存店月別売上高前年比  ****

動向を注目しているアパレル小売企業(上場)15社の2010年10月度の「既存店・月別売上高前年比」は以下のとおり。

2010年10月度 既存店月別売上高前年比実績

アパレル小売企業名   2010年10月  09年10月

ユニクロ(国内)---------98.9%-----135.7%

しまむら(単体)---------94.0%------99.1%

株式会社良品計画-----101.8%-----94.9%

青山商事(スーツ事業)--106.3%-----95.6%

AOKI(ファッション事業)-112.3-------95.8%

西松屋チェーン----------95.6%-----87.8%

ゼビオ----------------113.0%-----94.5%

ユナイテッドアローズ(小売既存店)107.3%---96.5%

(株)ライトオン-----------85.9%-----81.2%

株式会社ポイント---------99.4%-----93.8%

(株)ハニーズ------------99.5%-----85.7%

(株)タカキュー----------107.5%-----92.5%

(株)パル、はるやま商事、藤久(株)のデータは不明

一般的傾向として、前年同月の既存店月別売上高前年比実績が100%超の企業の本年同月・既存店月別売上高は「前年割れ」が多く見られます。上記、2010年10月の既存店月別売上高前年比実績と前年同月(2009年10月)の実績数字を比較すれば、この傾向がはっきり見えてくると思います。

例えば、(株)ファーストリテイリングの核事業体、「ユニクロ(国内)」の2010年10月の既存店売上高前年比は98.9%と「前年割れ」でしたが、それは、前年同月(2009年10月)の既存店売上高前年比が135.7%と極めて高かったからです。(もちろん、それだけが「前年割れ」の唯一の理由だとは断言できませんが、最大の要因であることは言えると思います)。

ユニクロ(国内)は、2009年10月、新機能素材のインナーウェア「ヒートテック」が爆発的に売れたわけですが、それが、10月度の既存店売上高前年比を大きく引っ張り上げたという背景があります。それも、2009年10下の既存店売上高前年比は135.7%という極めて高い伸び(前年比)でしたから、本年同月、2010年10月の既存店売上高前年比が「前年割れ」だったのも、やむを得ないというのもなんですが、納得できます。

これと同じような傾向が、2009年10月の既存店月別売上高実績が「前年割れ」だった店の、本年同月(2010年10月)の既存店月別売上高実績「前年比100%超」という数字にも見られます。ここ数年の消費動向を考えますと、既存店月別売上高前年比が「2年続けて前年比100%超」を達成しているアパレル小売企業は極めて少ないものと思われます。

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アパレル小売企業(上場)の実力  (7)純利益額

■アパレル小売企業の実力■

   ********  (7)純利益額  ********

動向を注目しているアパレル小売企業(上場)15社の純利益額(平成22年)は以下の通り。

   平成22年度・純利益額(単位・百万円)

(株)ファーストリテイリング---616億81(H22.8連結)

株式会社しまむら----------217億34(H22.2連結)

株式会社ポイント------------95億16(H22.2連結)

株式会社良品計画-----------75億06(H22.2連結)

ゼビオ(株)-----------------63億55(H22.3連結)

青山商事(株)---------------55億99(H22.3連結)

西松屋チェーン--------------53億53(H22.2単決)

AOKI HD------------------36億18(H22.3連結)

(株)パル-------------------23億20(H22.2連結)

(株)ハニーズ----------------17億58(H22.5連結)

(株)ユナイテッドアローズ------14億03(H22.3連結)

はるやま商事-----------------4億99(H22.3連結)

(株)タカキュー----------------4億27(H22.2単決)

藤久(株)--------------------2億77(H22.6単決)

(株)ライトオン----------------▲▲

(株)ファーストリテイリングの当期純利益額が約616億円と、ぶっちぎりで、同業他社を引き離しています。第2位の株式会社しまむらの当期純利益額約217億の2.8倍という高さです。(株)ファーストリテイリングは、アパレル小売業界におけるリーディングカンパニーとしてかなり長期間にわたって君臨するかもしれません。第2位ですが、株式会社しまむらも、(株)ファーストリテイリングと並んで、アパレル小売業界におけるリーディングカンパニーとして業界をリードしていくものと思われます。この2社の圧倒的強さが目立ちます。

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アパレル小売企業(上場)の実力  (6)純利益率

■アパレル小売企業の実力■

    ********  (6)純利益率  ********

動向を注目しているアパレル小売企業(上場)15社の純利益率(平成22年度)。

株式会社ポイント-------------9.7%(H22.2連結)

(株)ファーストリテイリング-----7.6%(H22.8連結)

株式会社しまむら------------5.1%(H22.2連結)

株式会社良品計画-----------4.6%(H22.2連結)

西松屋チェーン--------------4.5%(H22.2単決)

ゼビオ(株)------------------3.9%(H22.3連結)

(株)パル--------------------3.3%(H22.2連結)

(株)ハニーズ----------------3.0%(H22.5連結)

青山商事(株)----------------2.9%(H22.3連結)

AOKI HD-------------------2.8%(H22.3連結)

(株)タカキュー----------------1.9%(H22.2単決)

(株)ユナイテッドアローズ-------1.7%(H22.3連結)

藤久(株)--------------------1.3%(H22.6単決)

はるやま商事-----------------1.0%(H22.3連結)

(株)ライトオン----------------▲▲

日本国内の小売企業で、純利益率が5%を超えているアパレル小売企業は優良企業と評価されると思います。なかでも、株式会社ポイント9.7%、(株)ファーストリテイリング7.6%、この2社の純利益率は注目すべき高さです。高い売上総利益率に加え、販管費率抑制、コストコントロール力も優れているという証です。

純利益率が4%以上のアパレル小売企業、株式会社ポイント、(株)ファーストリテイリング、株式会社しまむら、株式会社良品計画、西松屋チェーン、この5社の損益収支構造を詳しく分析し、高い純利益率を確保できる仕組みを学び、自店の経営に取り込む努力をしたいものです。

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アパレル小売企業(上場)の実力  (5)経常利益率

■アパレル小売企業の実力■

    ********  (5)経常利益率 ********

動向を注目しているアパレル小売企業(上場)15社の経常利益率(平成22年度決算)は以下のとおり。

株式会社ポイント---------------17.5%(H22.2連結)

株式会社ファーストリテイリング---15.2%(H22.8連結)

株式会社しまむら---------------8.9%(H22.2連結)

株式会社良品計画--------------8.9%(H22.2連結)

AOKI HD---------------------8.2%(H22.3連結)

西松屋チェーン-----------------8.0%(H22.2単決)

(株)パル----------------------7.5%(H22.2連結)

ゼビオ(株)--------------------7.4%(H22.3連結)

(株)ハニーズ------------------7.1%(H22.5連結)

青山商事(株)------------------6.9%(H22.3連結)

(株)ユナイテッドアローズ---------6.0%(H22.3連結)

藤久(株)----------------------5.1%(H22.6単決)

(株)タカキュー------------------4.3%(H22.2単決)

はるやま商事-------------------3.0%(H22.3連結)

(株)ライトオン------------------1.4%(H22.5単決)

ディリーファッションストア大手の経営トップの方が、「世界的に見ると、優良小売企業とされるのは経常利益率が10%以上」と言っています。上記15社のなかで、経常利益率10%を超えているのは、株式会社ポイント17.5%と、株式会社ファーストリテイリング15.2%、この2社だけです。株式会社しまむらと、株式会社良品計画が、あと一歩というところにいます。徹底したローコスト経営で評価の高い「株式会社しまむら」でも、経常利益率10%の確保にはもう一段の経営努力が必要とされるようです。

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サミット衣料館コルモピア八王子並木町店 2010年11月13日オープン

001 2010年11月13日、株式会社サミットコルモは「サミット衣料館コルモピア八王子並木町店」を出店しました。概要は以下のとおり。

所在地--東京都八王子市並木町35-1(「ザ・マーケットプレイス八王子」SCの2階)。売場面積-----257.1坪。初年度売上目標2.6億円。商圏人口→半径1㎞内の人口数--13218世帯。

サミット衣料館コルモピア八王子並木町店が出店した「ザ・マーケットプレイス八王子」SCの概要は次の通り。

開店日-平成22年11月11日(SC全体・店舗面積6176㎡≒1872坪  鉄骨造2階建)

核店舗-食品スーパマーケット「ヤオコー八王子並木町店」--売場面積2174㎡≒657坪

ヤオコー八王子並木町店の初年度売上高目標-25億円

テナント数12店--テナントサンドラッグ、ザ・ダイソー、衣料館コルモピア、ノジマ電気など

商圏人口--1㎞圏内→13800世帯(約29400人) 2㎞圏内→19700世帯 5㎞圏内→36800世帯

006 「ザ・マーケットプレイス八王子」SCの店舗配置図

駐車場収容台数397台

核店舗は食品スーパーマーケットチェーン「ヤオコー」

主要テナントは、衣料館コルモピア(総合衣料・ディリーファッション)、ザ・ダイソー(100円ショップ・生活雑貨)、ノジマ電気(大型家電専門店)の3店で2階に出店。

003 「サミット衣料館コルモピア八王子並木町店」は、サミットコルモの2010年では初出店の店です。2009年度には、コルモピア川越藤間店、西永福店、深大寺店、の3店舗を出店していますが、2010年度はこの八王子並木町店1店舗になりそうです。2009年12月16日にコルモピア深大寺店を出店してから、実に約1年ぶり、久々の出店でした。サミットコルモは出店に極めて慎重ですが、別の見方、出店速度が遅すぎるという話も聞きます。

004 店の正面入口付近から撮った店内です。売場面積は257坪と発表されています。店の形は、比較的「使い勝手のいい長方形」で、売場ゾーニング・レイアウトもやりやすく、サミットコルモ衣料館コルモピアの標準店舗のレイアウトになっています。床・壁・天井・照明設備、陳列什器、壁面の仕掛けなども、サミットコルモ標準店舗仕様。

010_2 「衣料館コルモピア八王子並木町店」の出店で、サミットコルモの店舗数は40店舗に。ディリーファッションストア大手、ファッションセンターしまむら、ファッション市場サンキ、あかのれん(名古屋)、この3社と比べると、とても少ない店舗数です。しかし、サミットコルモは、ディリーファッションストアとしては、東京都エリアで最も多くの店舗数を持っています。人口密集地区、大きな需要額が見込める肥沃なマーケットに多数の店舗を持っていますので、サミットコルモは、やり方次第では、かなり有利な展開ができるという見方をする人もいます。

 

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アパレル小売企業(上場)の実力  (4)営業利益率

動向を注目しているアパレル小売企業(上場)15社の営業利益率は以下のとおり。

株式会社ポイント-------------17.3%(H22.2連結)

(株)ファーストリテイリング------16.2%(H22.8連結)

株式会社しまむら--------------8.6%(H22.2連結)

株式会社良品計画-------------8.6%(H22.2連結)

西松屋チェーン----------------7.8%(H22.2単決)

青山商事(株)-----------------7.6%(H22.3連結)

AOKI HD--------------------7.6%(H22.3連結)

(株)パル---------------------7.5%(H22.2連結)

(株)ハニーズ-----------------7.0%(H22.5連結)

ゼビオ(株)-------------------6.7%(H22.3連結)

(株)ユナイテッドアローズ-------5.9%(H22.3連結)

藤久(株)--------------------4.4%(H22.6単決)

(株)タカキュー----------------3.5%(H22.2単決)

はるやま商事-----------------2.8%(H22.3連結)

(株)ライトオン----------------1.5%(H22.5単決)

株式会社ポイント17.3%、(株)ファーストリテイリング16.2%、この2社の営業利益率の高さが、断然、際立っています。2社は、共に、SPA(製造小売業)ですが、第3位の株式会社しまむらの「ほぼ2倍」という高い営業利益率を出しています。

一般的にみて、SPA(製造小売業)型のアパレル小売企業の売上総利益率は「高い」ところが多いのですが、それに加えて、販管費率を低めに抑制できている小売企業は、当然のことですが、高い営業利益率をも確保しています。逆に、売上総利益率は高いのに、販管費率を低めにコントロールできなかった小売企業がありますが、危機意識の低さを感じます。

売上総利益率が高いから、多少、販管費率が高かったとしても、黒字の営業利益率を出しているから、まだ大丈夫と、気を緩め、油断していると、あっという間に「赤字転落」すること必至です。とりわけ、営業利益率が4%以下の小売企業は、ちょっと気を緩めれば「赤字転落」に陥ってしまうと考えた方がいいかもしれません。

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アパレル小売企業(上場)の実力 (3)販管費率

■アパレル小売企業の実力■

    ***** (3)販管費率  ******

動向を注目しているアパレル小売企業(上場)15社の販管費率(売上比・販売費及び一般管理費)は以下の通り。

株式会社しまむら------------23.6%(H22.2連結)

西松屋チェーン--------------27.9%(H22.2単決)

ゼビオ(株)-----------------31.3%(H22.3連結)

(株)ファーストリテイリング-----35.4%(H22.8連結)

株式会社良品計画-----------36.9%(H22.2連結)

AOKI HD------------------38.7%(H22.3連結)

株式会社ポイント-------------43.2%(H22.2連結)

(株)ユナイテッドアローズ------45.4%(H22.3連結)

(株)ライトオン---------------46.0%(H22.5単決)

青山商事(株)---------------47.4%(H22.3連結)

(株)パル-------------------48.8%(H22.2連結)

(株)ハニーズ---------------51.0%(H22.5連結)

はるやま商事---------------51.5%(H22.3連結)

(株)タカキュー--------------56.3%(H22.2単決)

藤久(株)------------------56.5%(H22.6単決)

「強力な低価格政策+徹底したローコスト経営」を進めている、株式会社しまむら、西松屋チェーン、この2社の販管費率の低さが際立っています。一方、(株)タカキューの販管費率は56.3%と、株式会社しまむらの約2.4倍の高さです。しかし、販管費率が高いから、利益が出せないというわけではありません。売上総利益率が販管費率を上回っていれば利益を出すことは可能だからです。とはいえ、低価格競争の激しさを考えますと、販管費率の高さは、競争面で不利をもたらすことは否定できません。競争に打ち勝てる低価格競争力と、しっかりした経営基盤を維持し続けるためには、販管費率をコントロールし、徹底したローコスト経営に取り組んでいく必要があることは言うまでもありません。

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アパレル小売企業の実力 (2)売上総利益率

■アパレル小売企業の実力■

 ****** (2)売上総利益率  ******

動向を注目しているアパレル小売企業(上場)15社の売上総利益率(平成22年度決算・連結決算、または、単体決算より作成)は以下のとおり。

藤久(株)--------------------60.9%

株式会社ポイント-------------60.5%

(株)タカキュー---------------59.8%

(株)ハニーズ----------------58.0%

(株)パル--------------------56.3%

青山商事(株)----------------55.0%

はるやま商事----------------54.3%

(株)ファーストリテイリング------51.7%

(株)ユナイテッドアローズ-------51.3%

(株)ライトオン----------------47.5%

AOKI HD-------------------46.2%

株式会社良品計画------------45.2%

ゼビオ(株)-------------------38.0%

西松屋チェーン---------------35.7%

株式会社しまむら-------------32.0%

商品調達形態は、(1)SPA(製造小売業)型、(2)SPA+仕入商品(卸問屋・メーカー卸より)型、(3)100%仕入型、大きくはこの3つに分けられます。

この3つの形態を簡略すれば、(1)SPA型は「自社開発・自社生産、100%自社PB商品」、(2)はSPA型と卸問屋・メーカー卸等から仕入をミックスした商品調達形態、(3)100%仕入型は、卸問屋・メーカー卸等からの商品調達が100%、となります。

動向を注目しているアパレル小売企業(上場)15社の売上総利益率を見ていきますと、商品調達形態と価格政策の違いで大きく変わってくることが分かります。

「良質良品+オリジナル商品」に加え、「強力な低価格政策推進」を商品政策として積極的に進めているアパレル小売企業、例えば、株式会社しまむら、西松屋チェーンなどの売上総利益率は相対的に低くなっています。しかし、同時に、それは、彼らの「競争の強力な武器」のひとつでもあります。したがって、売上総利益率が低いから、即、「弱い企業」と判断してしまうのは危険です。それは、この2社の経常利益率、税引き後純利益率、販売管理費率などを詳細に見れば分かると思います。

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アパレル小売企業(上場)の実力 (1)売上高規模 

東証1部、東証2部、ジャスダックに株式上場しているアパレル小売企業、及び、未上場のアパレル小売企業には以下の企業があります。

東証1部では・・・・・

ポイント、パル、ハニーズ、ライトオン、ジーンズメイト、良品計画、コナカ、

西松屋チェーン、ユナイテッドアローズ、タカキュー、鈴丹、AOKI HD、

青山商事、しまむら、ゼビオ、ファーストリテイリング

東証2部では・・・・・

藤久

ジャスダックでは・・

パレモ、ナイスクラップ、マックハウス、コックス

未上場企業では・・・

シップス、ジャパン・イマジネーション、タツミヤ、玉屋、マミーナ、三起商工(ミキハウス)、

三峰、レリアン、イトキン、ファイブフォクス、三喜(ファッション市場サンキ)、

パシオス(田原屋)、あかのれん(名古屋)

上記の中から、次のアパレル小売企業15社の企業経営動向を追います。

(株)ファーストリテイリング、株式会社しまむら、株式会社良品計画、

青山商事(株)、AOKI HD、西松屋チェーン、ゼビオ(株)、

(株)ユナイテッドアローズ、(株)ライトオン、株式会社ポイント、

(株)パル、(株)ハニーズ、はるやま商事、(株)タカキュー、藤久(株)

■アパレル小売企業(上場)の実力■

  ***** (1)売上高規模 *****

(株)ファーストリテイリング----8148億円(H22.8連結)

株式会社しまむら-----------4296億円(H22.2連結)

青山商事(株)--------------1946億円(H22.3連結)

株式会社良品計画----------1637億円(H22.2連結)

ゼビオ(株)----------------1636億円(H22.3連結)

AOKI HD-----------------1311億円(H22.3連結)

西松屋チェーン--------------1177億円(H22.2単決)

株式会社ポイント--------------976億円(H22.2連結)

(株)ライトオン----------------869億円(H22.5単決)

(株)ユナイテッドアローズ-------835億円(H22.3連結

(株)パル--------------------698億円(H22.2連結)

(株)ハニーズ----------------583億円(H22.5連結)

はるやま商事----------------510億円(H22.3連結)

(株)タカキュー---------------227億円(H22.2単決)

藤久(株)--------------------219億円(H22.6単決)

株式上場しているアパレル小売企業の売上高規模では、(株)ファーストリテイリングの8148億円(平成22年8月・連結決算)が第1位で、第2位の株式会社しまむら・4296億円に約3852億円と大差をつけ独走態勢。また、第2位しまむらと、第3位青山商事の差も大きく、その差は約2350億円。上記、売上高規模ランキングで見ていくと、(株)ファーストリテイリングと株式会社しまむら、この2社のアパレル小売企業におけるリーディングカンパニー時代が、当分の間、続きそうです。

 

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ファッションセンターしまむらの出店立地選定に見られる変化

ファッションセンターしまむらの出店立地選定がかなり変化してきています。従来、最も多かった「しまむらがひとり孤立した立地への出店」といいますか、単独路面店型出店でした。しかし、ここ数年の出店立地を見ますと、①単独路面店出店、②大規模複合型商業施設への出店、③大規模ホームセンター内への出店、④食品スーパーマーケットが核店舗の近隣型商業施設への出店と、拡大されています。とりわけ、東京都や、大都市部への出店では、②大規模複合型商業施設、③大規模ホームセンター内への出店が増えています。

008 直近の、しまむらのオープン予定店舗、及び、すでにオープンした店舗には以下の店があります。

●2010年10月7日開店の「しまむら仙川店」、同日にオープンした「しまむら港北東急SC店」。

●2010年10月14日開店の「しまむら染井野店(千葉県佐倉市染井野)」、2010年11月18日オープン予定の「しまむら流山店(千葉県流山市)」、同日オープン予定の「しまむらスマーク店(群馬県伊勢崎市)」。

009 図は、群馬県伊勢崎市にある大規模複合型商業施設「スマーク伊勢崎SC」に、2010年11月18日オープン予定の「ファッションセンターしまむら・スマーク店」の所在地です。しまむらは、この「スマーク伊勢崎SCの、2階に、しまむらとアベイルを、そして、3階にバースディをオープン予定としています。しまむらで最新の大規模複合型商業施設への出店です。

001 次の地図は、2010年10月14日にオープンした「しまむら染井野店(千葉県佐倉市)」の出店場所で、ホームセンター「ケーヨーディツー」と、ドラッグストア「カワチ薬品そめい野店」で構成された近隣型商業施設の向かい側です。商業集積力がすでに構築されている場所の至近距離での出店です。

004_2 「しまむら流山店(千葉県流山市)」が出た場所も、大規模商業施設「イトーヨーカドー流山店」と、ホームセンター「ビバホーム流山店」で構成された商業集積地の向かい側です。しまむらは、ここに、ファッションセンターしまむら流山店+アベイル流山店で構成した「流山ファッションモール」を、2010年11月18日にオープン予定。

このように、最近のしまむらの出店先(立地)は、大規模複合型商業施設への出店、ホームセンターや、食品スーパーマーケットが核店舗で構成された近隣型商業施設への出店、GMSや、ホームセンターで構成された大規模商業集積地への出店というように、かなり多チャンネル化しています。そうしないと、ファッションセンターしまむら業態で、1800店舗とか、2000店舗を達成するのは難しいという背景もあるのではないかと思います。また、単独路面店を出すとしても、そうそう「いい立地」、「いい場所」は簡単に見つけられないということも考えられます。いずれにしても、しまむらの出店立地、出店先(場所)の多チャンネル化は、かつて、1200店舗~1300店舗で「打ち止め」かといわれていたファッションセンターしまむら業態の更なる発展拡大を支えることになると思われます。

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ファッションセンターしまむらの重点出店地域を探る

003 (表-1)は、ファッションセンターしまむらの重点出店地域を探るために作成したものです。ファッションセンターしまむらのの2005年2月・期末と2010年8月末の都道府県別店舗数を比較し、6年間で増えた店舗数を棒グラフ化。表の中に、赤○で囲ってあるのは、10店舗以上増えた地域。このグラフを見れば、ファッションセンターしまむらがどの地域に多くの店を出しているかが見てとれると思います。とくに、二桁、10店舗以上、店舗が増えた都道府県を詳しく見てみたのが(表-2)。

0042005年2月・期末店舗数と2010年8月・月末店舗数を都道府県別に比較して、店数が二桁、10店以上増えているところは、北海道、青森県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、愛知県、大阪府、兵庫県、福岡県、この10ヶ所でした。これをみると、ファッションセンターしまむらが、大都市、政令都市などのある都道府県、そして、人口数の多い地域へ重点的に出店していることが分かります。ファッションセンターしまむらは、何年も前から、人口密集地域への出店、とりわけ、大都市部への出店を重点政策としていますが、その政策は確実に、着々と、進められているようです。

大都市部への出店では、とりわけ、首都圏エリアの、東京都、横浜市などのある神奈川県、さいたま市のある埼玉県への出店数が注目されますが、2005年2月期末~2010年8月末の約6年間で、東京都は14店舗増、神奈川県は18店舗増、埼玉県18店舗増となっています。大都市部への重点的出店政策は進んでいます。

北海道は19店舗増で、2010年8月・月末時点の店舗数が60店舗になっており、しまむらの北海道攻略作戦も確実に進んでいます。北海道地区100店舗体制を目標にしているように思うのですが、はたして、これから先、どんな展開を見せるでしようか。

福岡県の16店舗増も注目すべき数字です。ファッション市場サンキ(株式会社三喜)も九州地区での店舗展開を積極的に進めています。いまのところ、九州地区には、この2社、ファッショセンターしまむらと、ファッション市場サンキに対抗できる力を持ったディリーファッションストア、量販総合フルライン衣料品店チェーンは見当たりません。したがって、2社の「草刈り場」に近い状態にあると思います。10年先には、九州地域のディリーファッション、量販衣料品の分野を、ファッションセンターしまむらと、ファッション市場サンキ、この2社が制圧していることも考えられます。

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株式会社三喜  過去10カ年の営業実績の推移にみる実力

002 株式会社三喜は、①三喜グループと②北関東三喜、③三喜不動産、④ロレンツ三喜、⑤トゥエンテイで構成されています。①の三喜グループは、東葛三喜、埼京三喜、常磐三喜、常総三喜、新潟三喜、九州三喜、東北三喜、北海道三喜となっています。

株式会社三喜は、量販総合フルライン衣料品店チェーンであり、また、ディリーファッションストア業界の大手、ファッションセンターしまむらにつぐNo.2の小売企業。経営トップは、創業者にしてオーナー社長、発行株数の約45%を所有する大株主(三喜商事の所有する株数と合わせると約60%近い)

(表-1)は、株式会社三喜の過去10カ年の年間売上高の推移をグラフ化したものですが、平成13年2月期の年間売上高を100とすると、平成22年2月期の10年間で約1.7倍の売上高規模になっています。(注:平成19年2月期以降は「連結損益決算書」の数字)

004過去10カ年における売上総利益率の推移をみると、ほぼ30%~32.5%の間で推移しており、大きな上下動は無くかなり安定した数字です。GMSの衣料部門の粗利益率、約35%~38%と比べると、低い数字になっていますが、株式会社三喜はディリーファッションストアであり、低価格政策を柱としていることを考慮しなければなりません。一方、販売管理費率は上昇傾向にあり、売上総利益率との差が狭まってきています。平成22年2月期の時点では、売上総利益率31.5%、販売管理費率28.9%で、その差は2.6%、多少、気になるところです。

006 (表-3)は、株式会社三喜の、営業利益率、経常利益率、当期純利益率の推移をグラフ化したものです。営業利益率、経常利益率、ともに「低下傾向」が見られ、「先行きに、若干、不安感あり」と言いう見方もできます。しかし、平成22年2月期の当期純利益率2.3%という数字は、同業、小売企業他社と比べて、それほど低いという数字でもはありません。曖昧な言い方で恐縮ですが、量販総合フルライン衣料品店チェーンとしての実力は「中の上」というところでしょうか。株式会社三喜の、強力な商品力、品揃え力を考えれば、もう少し上のポジションかもしれません。

009(表-4)は、前述した、「年間売上高の推移」、「売上総利益率と販売管理費率の推移」、「営業利益率・経常利益率・当期純利益率の推移」のデータ表です。売上高等、各項目の数字は、率ベースでなく、絶対金額ベースで見る必要がありますので記載しています。例えば、当期純利益を見る場合、平成22年2月期の当期純利益率は2.3%と率ベースだけで見るよりも、当期純利益額約12億400万円と絶対金額ベースでとらえた方が、株式会社三喜の実力を、より実感できるのではないかと思います。ディリーファッションストア業界、第2位の実力が見えるでしょう。

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しまむらホームズ仙川店 2010年10月7日開店 

ファッションセンターしまむらは、2010年10月7日、島忠ホームズ仙川店(東京都調布市若葉町2-1-7)2Fに「しまむらホームズ仙川店(売場坪数・約300坪)」を出店しました。ファッションセンターしまむらは、最近、島忠ホームズ店の常連出店テナントになっており、すでに5店舗出店しています。「しまむらホームズ仙川店」は、島忠ホームズ店へ6店舗目の出店です。ちなみに、島忠ホームズに出店した「しまむら」の5店舗とは、①ホームズ葛西店、②ホームズ川崎大師店、③ホームズ新川崎店、④ホームズ新山下店、⑤ホームズ幕張店。

002 島忠ホームズ仙川店の概要所在地-東京都調布市若葉町2-1-7、2010年10月7日開店、店舗面積・16910㎡≒5124坪、駐車場収容台数665台、地上6階建て-1階~3階は売場、4階~6階は駐車場、店舗出店投資額・約56億9000万円(有価証券報告書より)。

島忠の企業概要

売上高-平成20年8月期・約1376億9000万円、平成21年8月期・約1378億5100万円。売場面積-平成20年8月期・447016㎡、平成21年8月期・461522㎡、1㎡当り年間売上高-平成20年8月期・約30万8千円、平成21年8月期・約29万8千円。

004_3 「しまむらホームズ仙川店」の半径約1㎞内の人口

しまむらホームズ仙川店が出店した地域は「人口密集地」で、半径約1㎞内の世帯数は23825世帯(半径1㎞内にある町、仙川1・2・3丁目、若葉町1・2・3丁目、緑が丘2丁目、東つづじが丘1・2・3丁目、入間町1・2丁目、世田谷区-給田1・2・3丁目、上祖師谷4・5・6・7丁目、三鷹市中原1丁目の居住人口・世帯数合計。内訳は調布市が13993世帯、三鷹市1972世帯、世田谷区が7860世帯)。以上から、1次商圏人口は約23800世帯と推定。

008しまむらホームズ仙川店の半径約1㎞の1次商圏人口推計値・約23800世帯を基に、1次商圏エリア内の衣料及び衣料品関連の年間需要額推計すると、「衣料及び衣料関連・1世帯当り年間消費支出額・約20万円」×「商圏人口世帯数・約23800世帯」→約47億6千万円となります。

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しまむらホームズ仙川店の初年度売上高推計

先に、1次商圏エリア内の衣料品及び衣料関連の年間需要額は約47億6千万円と推計しました。この数字を基に、「しまむらホームズ仙川店の初年度売上高」を推計すると、(A)(B)(C)、この3つの数字が考えられる。

(A)しまむらの実力であれば、半径約1㎞=1次商圏の売上シェアは、最低でも10%は確保できると考えますと、(年間需要額・約47億6千万円)×(1次商圏の売上シェア10%)≒初年度売上高・約4億8000万円。

(B)しまむらの東京都内店舗の売場坪当り平均年間売上高は、(①しまむら東京都内店舗の年間売上高合計・110億48百万円-平成22年2月期)÷②(しまむら東京都内店舗の売場面積合計・20763㎡-平成22年2月期)≒売場坪当り年間売上高・約176万円。

この数字を基に、しまむらホームズ仙川店の初年度売上高を計算すると、(しまむらホームズ仙川店の売場坪数・約300坪)×(しまむら東京都内店舗の売場坪当り平均年間売上高・≒176万円)≒初年度売上高・約5億2800万円。

(C)しまむらは、出店店舗の初年度売上シェアを15%と設定していると考えると、1次商圏エリア内の衣料品及び衣料関連の年間需要額・約47億6千万円)×(1次商圏の売上シェア15%)≒初年度売上高・約7億1400万円。

「しまむらホームズ仙川店」の初年度売上高は、(A)、(B)、(C)、どの推計値が当るでしょうか。答えはまったく分かりませんが、私的には、やや消極的な考えですが、5億円~5億3000万円あたりではないかと思っています。しかし、しまむらの商品力、品揃え力、そして、周辺に「しまむらと真正面でぶつかる競争店が無い」ことなどを考えると、もっと上の数字、7億円くらいは売上げるかもしれないとも考えています。仙川地区で、しまむらの独走態勢、独壇場が見られるような気もします。いずれも、「・・・・・と思う」論ばかりで恐縮ですが、1年後の「しまむらホームズ仙川店」の売上高がいくらになったかを、なんとか情報収集するつもりでいます。

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パシオス 2010年9月13日 ラーレ青梅新町店をオープン

003 2010年9月13日にオープンした「パシオス・ラーレ青梅新町店」の周辺図。パシオス・ラーレ青梅新町店は売場坪数約300坪で、出店場所は東京都青梅市新町9-2010-14(ラーレ青梅新町SC内。食品SM・オザム、衣料品・パシオス、ドラッグストア・ウェルシア他で構成された小商圏対応・近隣型NSC)。パシオス・ラーレ青梅新町店の半径約1㎞内には、ファッションセンターしまむら青梅新町店、しまむら青梅ファッションモール(バースディ+シャンブル+ディバロ)があります。

001 ご存じとは思いますが、現在、パシオス(株・田原屋)の大株主は「しまむら」です。しまむらは今、パシオスの発行株式の約28.11%を所有しており、パシオスは「しまむら」の関連子会社、しまむらグループの店と言えます。このことを前提にして考えないと、なぜ、パシオスが「しまむら」の店の至近距離に出店したか、そのワケが読めなくなります。パシオスがしまむらと全く資本関係の無い企業であれば、しまむらの競争相手となるわけで、そうなると、パシオスは強者「しまむら」との厳しい戦いを強いられることになります。リスクの高いそんな場所に出店はしないでしょう。

002 したがって、パシオス「ラーレ青梅新町店」の出店に際しては、事前に、しまむらとの話し合い、打ち合わせがあったものと思われます。これは推測ですが、パイオスの出店に際して、しまむらが考えたことは、「しまむらグループ」で、青梅市マーケットの売上シェアが更に上げられるという戦略的価値ではないでしょうか。というのも、現在、青梅市に「しまむらグーループ」の店舗は5店舗あり、それにパシオス・ラーレ青梅新町店を加えると6店舗になり、この6店舗合計売上高の青梅市における「しまむらグループのマーケット売上シェア」は圧倒的に高まるからです。

003_2その場合の、「しまむらグループ」の青梅市マーケットにおける売上シェア、売上高などを、青梅市にある「しまむらグループ」の店別・売場坪数と売上高推計をもと計算してみましょう。

①しまむら青梅野上店(売場坪数約262坪、年商推計約7.5億円~8億円)

②しまむら青梅市町店(売場坪数約368坪、年商推計約6.5億円~7億円)

③アベイル青梅店(売場坪数約290坪、年商推計約3.5億円~4億円)

④パシオス・ラーレ青梅新町店(売場坪数約300坪、年商推計約3億円~3.5億円)

(青梅市には、この4店に加え、生活ファッション雑貨専門店「シャンブル」と、靴専門店「ディバロ」の2店がありますが、この2店の売上は計算から除外)

上記、①~④、4店舗の売上高合計は、(a)約20.5億円~(b)約22.5億円です。次に、この、(a)、(b)の売上高をもとに、しまむらグループの青梅市におけるマーケット売上シェアを計算をすると以下のようになります。

■まず、2010年10月1日現在、青梅市の人口は139932人、世帯数59732世帯です。これをもとに、ディリーファッションストアが対象にできる青梅市の「衣料品及び衣料関連品」の年間需要額推計すると約119億円になります(計算式は以下に)

59732世帯×1世帯当衣料品及び衣料関連品の年間消費支出額・約20万円≒119億、

■この、年間需要額推計119億円をもとに、青梅市における「しまむらグループ」の店(前述、①~④の4店舗)の年間売上高合計からマーケット売上シェアを計算すると、

(イ)4店舗の年間売上高計-(a)約20.5億円÷年間需要額推計119億円≒売上シェア17.2%

(ロ)4店舗の年間売上高計-(b)約22.5億円÷年間需要額推計119億円≒売上シェア18.9%、

以上、(イ)、(ロ)の計算から、青梅市における「しまむらグループ」のマーケット売上シェアは、約17.2%~約18.9%のになることが推計されます。

青梅市における「しまむらグループ」の衣料品及び衣料品関連マーケットの売上シェアがここまで高くなると、同業他社、衣料品店は、青梅市への進出・出店を大変、躊躇すると思われます。そして、しまむらグループから見て、青梅市が「無競争・無店地帯」に近い状況になれば、しまむらグループの売上シェアは更に拡大すると思われます。青梅市は「しまむらグループの制圧地区」となり、しまむらの独走態勢となります。

以上、パシオス「ラーレ青梅新町店」の出店を見て考えたことを簡単にまとめてみました。

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