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資料室:これだけはやっておきたい競争(競合)店調査

自店の想定商圏エリア内にある「競争(競合)店調査」を定期的に継続して行う

競争店調査の必要性は分かっていても、それを定期的に継続してやっているかとなると、案外、やっていない店が多いものです。競争店調査を定期的にやっていないのは、単に、「面倒くさい」という理由からなのでしょうか。それとも、「競争店の店内を15分も歩いてくれば、売場はどうなっているか、品揃えはどうなっているか手に取るようになんでも分かる。いちいち細かな調査をする必要など無い」という自信があるからなのでしょうか。もし、こんな理由で競争店調査をしていないなら、きっと、あとで後悔することになるでしよう。

これだけはやっておきたい競争店調査

002_10競争店調査で、やっておきたい調査項目は、商品カテゴリー別・陳列什器形態別使用台数→少なくとも年4回・春夏秋冬、季節の変わり目に。商品カテゴリー別・プライスライン別(または、レンジ別)品揃え在庫数量=商品力調査→季節ごと、主要商品カテゴリーに絞って、商品カテゴリー別・仕入先名→少なくとも年2回、この3項目です。この、①~③をいつも定期的にやっていれば、しっかりした、具体的な競争(競合)店対策を立てることができます。この3項目を調査のたびやることは難しいという場合でも、①の項目だけはサボらず必ずやっておくべきだと思います。なぜなら、季節の変化や、商品政策の変化に合わせて、売場レイアウトが変更されたり、商品カテゴリー別使用什器台数が変えられたりするからです。ファッションセンターしまむらが競争店の場合には、①の項目の調査は絶対に欠かせません。というのも、彼らは店舗を8つのタイプに分類しており、そのタイプ別に、売場づくりも、品揃えも変化させているからです。さらに、ティーンズ・ヤングに強い店と、ミセス・エルダーに強い店に分け、品揃えや、売場づくりをやっていることも頭に入れておく必要があります。調査にあたって忘れないことです。

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商品カテゴリー別・陳列形態別・使用什器台数を調べたら、それをもとに、商品部門別・陳列什器配置図をつくり、さらに、その店全体の什器配置図を1枚にまとめておけば、あとあとまで役立つ調査資料として活用することができます。競争(競合)店対策を立てるとき、この売場にはこう対応しよう、相手の品揃えに対して、自店の品揃えをどうするかなど、この什器配置図を見ながら、具体的に、目に見えるかたちで検討することができます。先に、ファッションセンターしまむらは、店舗を8つのタイプに分類

005し、品揃えと売場づくりを変えているといいましたが、業界紙「日経MJ」の調べでは次のように分類されています。()売上規模が大きく、寒い地区(北)にある店、()売上規模が大きく、暖かい地区(南)にある店、()売上規模は中くらいで、北にある店、()売上規模は中くらいで、南にある店、()売上規模が小さく、北にある店、()売上規模が小さく、南にある店、()都市部中心にある店、()都市部周辺にある店、この8分類です。ウォルマートでは、こういった店舗特性分類を「店舗トレイト」といっているそうですが、その店の客層に合わせた品揃え、店づくり、その店のある地域

005_2特性などに、細かいところまで対応し、画一的な品揃え、売場づくりにならないよう柔軟な対応策をとっているようです。ファッションセンターしまむらも、おそらく、同じような考えで先述した事柄をやっているものと考えられます。商品カテゴリー別・陳列形態別・使用什器台数調査表(&図)を作成したあと、やっておくべきことは、調査データに基づく商品部門別・商品カテゴリー別・競争(競合)店対策の立案です。当方が使っている対策案表、実用インナーウェア(肌着・靴下・ナイテイ・ランファン)の事例を載せておきます(このフォームがベストではありませんが、お役にたてばれ幸いです)。

008商品カテゴリー別に、できるだけ、具体的に、品揃えと売場づくりの競争(競合)店対策案、目指す方向を考え、それを一つの表にまとめます。ここまでは、なんとしてもやっておく必要があると考えています。これらのことは、自店の想定商圏エリア内にある主要な競争(競合)店調査を、定期的に、継続して、手を抜かず、しっかり、きちんとやっていないとできません。「敵を知り、己を知れば、百戦するといえども負けること無し」と言われますが、小売店の戦い・競争も同じです。余計なお世話かもしれませんが、くれぐれも、競争(競合)店調査をサボることのないよう、ご注意申し上げます。

  これだけはやっておきたい競争(競合)店調査   =完=

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チラシ販促:デイリーファッションストア-2010年1月 初売りセールチラシ

2010年1月・「初売り」の結果について、いくつかの新聞報道がありました。その記事の中から目に止まったものを二つ。ひとつは、「伊勢丹新宿店(東京) 2日初売り-来店客数約22万人、売上高約24億円、来店客数、売上ともに前年並み。他の大手都心百貨店の初売りも、ほぼ前年並み」、二つ目は、「イオンタウン(埼玉県越谷市) 初売り・1日~3日 来場客数約90万人、福袋販売個数約5万5000個(消化率約80%)」。これを見ますと、2010年の初売りは、各社とも頑張って、「なんとか前年並みを確保」したところが多かったのかもしれません。

ディリーファッションストアの2010年・1月初売り結果についての報道はありません。しかし、注目店の2009年12月の「既存店・月別売上高前年比」、①ファッションセンターしまむら-09/12 102.6%、②ユニクロ09/12 111.5%、③ポイント 09/12 103.5%という結果を考えますと、この「頑張りと勢い」が残っていれば、初売りも「前年並み」、いいところでは「数%アップ」といういい成果をあげているかもしれません。

2010年 ディリーファッションストア大手の「初売りセール」チラシ

20101_0072010年、ファッションセンターしまむらの初売りは、1月1日~5日(2009年は1月1日~4日) 、チラシサイズB3。表面は、1000円・2000円・3000円の福袋の打ち出し。前年の初売りセールのチラシは、「新春 大入福袋 1000円・2000円・3000円」でした。しまむらの「初売りセール」チラシは、これが定番のパータンと考えてもいいようです。福袋の売価単価は低いですが、おそらく、中身は「昨年より上」、お値打ちの大きい福袋を提供したことでしょう。「安いだけではダメ」を熟知していますから。

20101_005パシオスの「初売り」は、1月2日~4日(2009年は1月1日~4日)、チラシサイズB2、地域によってはB3。表面は、福袋と半額セール。裏面に、300円、500円、1000円の均一セール。福袋の売価の打ち出しで、しまむらと違う点は5000円があることでしょうか。前年の初売りセールチラシのタイトルは、「パシオス NEW YEAR SALE」(今年は、これを裏面に)でした。大きなところは、基本的に、それほど変わっていませんから、これがパシオスの初売りセールチラシの定番パターンだと思われます。

20101_004_2あかのれん(名古屋)の「初売り」は、1月2日~4日(2209年も1月2日~4日)、チラシサイズB2。100円均一、200円均一、300円均一の超目玉品を表面、裏面、両面に組み入れた、とても迫力のあるチラシです。前年の「初売りセールチラシ」にも、3日限り限定ご奉仕-100円均一、200円均一、300円均一は組み入れていますからこのパータンが「初売りセールチラシ」の定番と考えていいでしょう。ディリーファッションストア大手(しまむら、パシオス、サミットコルモ、あかのれん)のなかでは、最も迫力のある「初売りセールチラシ」ではないか思います。あかのれんは、量販総合フルライン衣料品店の「勝負どころ」を熟知しています。ここ一番という時、例えば「初売り」とか、開店セール、見切り処分セールなどの打ち出しは抜群です。

20101_009サミットコルモ・衣料館コルモピアの「初売り」は、1月1日~4日(2009年は1月1日~4日)。2009年の「初売りセール」のタイトルコピーは「2009 コルモピアの本気 最強初売り」で、表面に「日替わり目玉」、裏面に「絶対得する福袋」でした。前年と比べ、チラシの表現・打ち出し方、レイアウト、カラーと文字使いなどが変化しているように思います。サミットコルモは東京都、それも都心部に店舗を多く持っています。このエリアでは「普段着の低価格訴求型チラシ」の効果は大きいでしよう。

 「ディリーファッションストア 2010年1月 初売りセールチラシ」  完

 

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資料室:日本ショッピング協会のデータで見る「ショッピングセンターの概況」

日本ショッピングセンター協会が発表している「データ」-「我が国SCの現況」によれば、今の日本のショッピングセンターの姿は以下のとおりです。(データをもとに、グラフ化・図示)

(1)年次別・立地別オープンSC数 表-1

002_36「年次別・立地別オープンSC数」を見ると、1970年から2008年、この約38年間で、最も多くつくられたのは「郊外地域のSC」であることが分かります(日本ショッピングセンター協会ではSCの立地分類を、中心地域、周辺地域、郊外地域、の3つに分けている)。1970年~2008年における地域分類別SC数は、中心地域-583、周辺地域-651、郊外地域-1613となっており、「郊外立地のSC数」が圧倒的に多くなっています。とりわけ、2000年から2008年の9年間につくられたSC数を見ると、郊外地域のSC数は508・SCで、中心地域の100・SC、周辺地域の140・SCの約4倍~5倍の数です。圧倒的に「郊外地域のSC数が多い」わけですが、「SCは郊外地域立地が主流」と言っても過言ではありません。最近、大規模商業施設の中心地域への出店、郊外地域→中心地域へのユーターン現象が見られますが、とはいえ、「SCは郊外地域への出店が主流」、この傾向は、これから先も、まだ長くものと思われます。

(2)規模別・立地別SC数 (表-2) 

004_3  「規模別・立地別SC数」では、「10000㎡から20000㎡未満の規模で、郊外地域のSC数が543・SCと最も多いことが分かります(地域分類は3分類、規模分類は6分類→表-2左-を参照)。(表-1)と(表-2)で分かったことをまとめますと、「SCは、規模が10000㎡~20000㎡未満で、立地は郊外地域。これが主流」ということになります。また、10000㎡から20000㎡未満規模のSCは、周辺地域で201・SC、中心地域では194・SCですから、この規模が「今」のSCの主流と考えられます。

(3)キーテナント業態別SC数 (表-3)

005 「キーテナント業態別SC数」で分かったことは以下の点です。

2008年度における、核店舗が1つの「1核SC」では、GMSが核店舗となっているSC数が945と最も多い。しかし、2007年度と比較すると、GMS核のSC数は▲127と大幅減少。GMSの凋落ぶりが見てとれます。

食品スーパーマーケットが核店舗となっている「1核SC」数が+271と大幅に増加。これからは、食品スーパーマーケットが核店舗の「1核SC」が主流になる予感がします。

核店舗が2つの「2核SC」では、SS(衣料品中心の大型スーパー)+食品スーパーマーケットの組み合わせのSC数が▲17と減少。この組み合わせによる「2核SC」の先行きは厳しくなるものと思われます。

日本ショッピングセンター協会が発表している、「データ」-「我が国SCの現況」を見て、今の日本のSCの姿が少しだけ見えてきたように思います。これを第一歩として、さらに、SC研究を進めていこうと考えました。  完

  

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資料室:売上比販売管理費率でみるディリーファッションストアの競争力

ディリーファッションストア最大手の経営トップ(その卓抜した経営手腕で一大チェーンストアを築き上げた経営トップの方。現在は第一線から引退)の方が、業界新聞・業界誌等のインタビューや講演などで語り、話したことを、できる限り漏らさず「小売業・経営トップ語録」として継続的にメモしています。以下に述べることは、そのなかから、この経営トップの方が、小売業の競争力について語ったものです。

低粗利の企業が市場を制する。

一番安い経営コストで運営できるところが一番強いと考える。どちらのコストが強いかということに尽きる。

私たちが最も低い粗利益率で売れる体制を持っていれば、競争相手が逃げざるを得ない。それより安くしなければダメなわけですから。そうすると、経営的にはオペレーションコストが高い会社のほうが、低いところと同じ商品は避ける。

オペレーションコストをいかに組織として下げられるかというのが最終的な小売業界の競争力だと思う。オペレーションコストが低いほうが勝つ。これは小売業の鉄則だと思う。

安い価格で出せるかどうかは、流通の中で、自分のポジションが最もローコストになっているかどうかにかかっている。私たちだってもっとローコストの企業が出てくれば負けてしまう。

また、食品スーパーマーケットチェーン業界で、徹底したローコスト経営を誇る「オーケー株式会社」の経営トップは、そのホームページ・「オーケーの経営哲学」で、次のように語っています。

「Everyday Low Price」を実行するためには、「Everyday Low Cost」体制確立が不可欠。ウォルマート、カルフールに負けない収支構造の会社にしなければ勝負にならない。総経費率(売上に対する総経費の比率)を15%にすることだ。

長引く景気低迷、不況、消費低迷、そして、一層、激化の一途をたどる低価格競争、小売業経営は今、「厳しい冬の時代」にあります。この厳しい時代を生き抜いていくためには「徹底したローコスト経営」が絶対必要条件だということだと思います。以下に、当方が注目している小売業各社の売上比販売管理費率をまとめてみました。よく見れば、どの小売企業の競争力が強いか見えてくるのではないかと思います。

               売 上 高 比

小 売 企 業 名    販売管理費率(%)  決算期

し ま む ら         22.9%      2009/2

三喜(サンキ)        29.8%        09/2

西松屋チェーン       26.4%        09/2

ユニクロ(国内)       27.6%        09/8

GMS

イズミヤ(単体)       22.3%        09/2

ユニー(単体)        26.7%        09/2

ダイエー           29.9%        09/2

イオンリテール       32.7%        09/2

イトーヨーカ堂        26.7%        09/2

食品スーパー

オーケー           14.7%        09/3

ディスカウントストア 

トライアルカンパニー    16.3%        09/3

PLANT(非連結)      17.8%       09/9

ミスターマックス(連結)   24.8%       09/3

ドン・キホーテ         22.9%       09/6

こうやって、マークしている小売企業各社の売上高比販売管理費率を見てきますと、量販衣料品小売業界におけるファッションセンターしまむらの競争力は依然として強く、これから先、当分の間、「しまむらの独走が続く」ものと思われます。粗利益率が高ければ、販売管理費率は高くても利益を出すことはできるのだから、それでいいではないかという考え方は別にして、ディリーファッションストアにおいては、売上比販売管理費率を22%~25%の範囲にコントロールできるかどうかがポイントになるような気がします。

売上比販売管理費率が高い(例えば、32%以上)からと、仕入れコストはそれほど下げられていないのに、無理やり値入率を上げ、売価を高くし、高い値下率でも、粗利益率は35%確保する、ディリーファッションストアではこのような商品経営はやってはいけないと考えているからです。それでは、決して、強い競争力を持つことはできないでしょう。

「売上比販売管理費率でみるディリーファッションストアの競争力」  完

     

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資料室:「しまむらのPB商品比率の拡大」とSPAについて考える

2~3年後にはPB商品比率50%を目指す

業界紙の記事に、ファッションセンターしまむら(以下、しまむら、と略)の経営トップの方の、このような発言が掲載されたことがあったように思います。しまむらは、「2009年度の方針」の中で、重点課題として、PB商品の集約化と強化により売上の向上を目指す(PB商品比率30%以上)、PB商品、トレンド商品、低価格商品(新ハッピーアイテム・30アイテム)、を柱として売上向上を図る、この二つをあげていますから、これから先も、PB商品比率を年々拡大していくものと考えられます。

ちなみに、最近の、しまむらにおけるPB商品比率の推移は、2008年・18%、2009年上期・29.8%、2009年11月度は、単月ですがPB商品比率が40%となっています。さらに、2~3年後にはPB商品比率50%を目指すと発表しています。

また、別に発表している「2008年度の商品部門別PB商品比率」によりますと、次のようになっています。商品1部(婦人)・19.9%、商品2部(婦人)・14.9%、商品3部(紳士衣料)・17.4%、商品4部(子供ベビー)・9.7%、商品5部(インナー・肌着靴下)・28.0%、商品6部(服飾雑貨)・14.9%、商品7部(リビング・寝具)・11.5%、全部門合計・18%。

以上のように、しまむらはPB商品比率を積極的に拡充し、年々、確実に粗利益率のアップを図っています。2~3年後にはPB商品比率・50%を目指していることを前述しましたが、はたして、どこまでPB商品比率を上げていくのでしょうか? いままでの傾向を見ますと、しまむらのPB商品比率が50%、さらに60%をも超えていくことも考えられますが、そうなると、興味があるのは、SPA(Speciality store retailer of Private label Apparel・製造小売業)と、はたして、どこが、どう違うのかという点です。

そのへんのことについて、ファッションセンターしまむらの「中興の祖」とも言われる経営トップの方(現在は第一線から引退)の過去の発言録(業界紙のインタビュー、取材掲載記事、講演録などから抜粋)をまとめたものを--ちょっと長くなりますが--、できるだけ簡潔にして、以下に記載しておきます。しまむらが、これから先、どんな方向に進んでいくのか、何か分かることがあるかもしれません。

最近はSPA、SPAと言うけれども、過去のアメリカの例をみても浮き沈みが激しい。20年前のナンバーワンの店はいまはほとんど無い。企業というのはそれでは困る。ある程度ボリュームを目指すには、SPAではなかなか難しいんじゃないか。(Chain Store Age.98.01.01)

商品を開発すると、どうしても販売より商品開発にウェイトを置かなければならなくなる。それに、SPAにおいてはターゲットをうんと狭くしない限り成立しないと思う。アメリカのリミテッドは、20年前は仕入れ商品だけで、非常に商品のアイテム数が多かった。ところが、SPAしたときに、アイテムをうんと絞り込んで、価格を上げて、ブランド商品的に変えた。どちらがいいかは別だが、いずれにしても自分で商品を企画する限りは、そうならざるを得ない。これは、しまむらと明らかに違う業態だ。製造で重要なのは、商品企画で価値を追求して、製造管理で価格を下げる。ところが、しまむらのように「アソートメント型」の場合は、商品の品揃えで勝負をかけ、店舗のオペレーションでコストを下げなければならない。SPAと全然違う分野です。同じ人がこれをやるとしたら、神様みたいな人じゃないと難しいと思う。(激流 97.09号)

SPA志向になると商品の幅が狭くなり、リスクが大きくなる。当然、粗利は高くなるが、しまむらは、商品はできるだけ間口を広げて、小リスク、低粗利で走りたいと思う。衣料チェーンの歴史を見ますと、SPAをやると当然、粗利は大きく、売価は安くできる可能性は大きい。しかし、当り、外れも大きい。外れた時はものすごい在庫を抱えて、四苦八苦する。私たちは、SPAは長期的な安定企業には向かないのと思うのでSPA志向はとらないのです。(販売革新97.9月号)

SPAはリスクが高いのでその考えはありませんが、やり方が似通ってくる可能性はあります。当社が取引しているアパレルの中国の生産委託先には当社の専用ラインが多くあります。ただ、幅広い取引先から多くの商品を仕入れる当社と、少ない商品数のなかでボリュームを追求するユニクロとは、やはり路線が違う。(日経流通新聞01.11.13号)

問屋仕入れ方式のほうが、多くの問屋の優れた商品企画を買い取ることができ、ファッション性の高い品揃えになる。SPAはファッションの変化がそれほどではないユニクロさんのようなベーシックな商品でないと難しい。(流通戦国時代の風雲児たち・井本省吾氏著)

実際には、取引先が出した企画を全て買うわけですから、我々のオリジナル商品なのですが、ブランドという意識はありません。ブランドで売れる商品ではないですから。仕様書を自分でつくるわけではないのです。例えば、ワイシャツなら、年間の販売ストーリーを我々でつくり、メーカーに企画書を提案してもらい、それをセレクトする方法です。だから、ストアブランドという意識は無いが、他では扱っていない商品が殆どです(販売革新91.06号)

SAP志向をすれば、基本的に物流システム構築などは違ってきます。SPAだったら、自分で倉庫型物流センターを持つか、どこかに倉庫を借りて運用しなければならない。相当量の倉庫がいると思うし、商品は必ず年間で消化できないから、持ち越し在庫が急激に増える。しまむらは、「デザイン志向」の商売には向いていないし、私もそういうのは好きじゃないですね。・・・・・。SPAのひとつのモデルはリミテッドですが、そういう会社はリスクが大きいから、当然いろいろの顔を持つチェーンをいっぱいつくってリスクを分担しています。私たちはそれをやりたくない。(販売革新97.09月号)

最終的に商品は企画力で差をつけねばならない。その行き着くところはPBだ。PBにおいて差別化できなければならない。徹底的に差別化するなら、商品を企画し、商品で差別化することだ。一番儲かるのは商品の企画である。(講演・チェーンストアとしての「しまむらの経営より)

現在、ファッションセンターしまむらの経営陣は、新進気鋭、闘志に溢れた40歳代に代替わりしています。果たして、考え方、目指す方向が変わって、しまむらはSPA化するのでしょうか。それとも、しまむら独自の道を進んでいくのでしようか。2010年には、その姿・形が見えてくるかもしれません。大いに興味と関心のあるところです。

 「しまむらのPB商品比率の拡大とSPA」について考える   完

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資料室:「注目小売企業の2009年度・衣料品売上高」--来年・2010年度は激変するか?

今年・2009年、1年間を通して注視してきた小売企業の衣料品売上高Memo

  小 売 企 業 名    決算期   衣料品売上高概算(単位・百万円)

ユニクロ(国内)        09/8     5381億00百万円

しまむら(単体)      09/2     3455億09百万円

ワールド            09       3427億00百万円

イオン              09/2     3342億99百万円

イトーヨーカ堂         09/2     2656億82百万円

オンワードHD         09       2610億00百万円

ユ ニ -           09/2      1301億09百万円

西松屋チェーン        09/2      1163億84百万円

ダ イ エ ー         09/2      1090億79百万円

ライトオン            09       1042億00百万円

ホイント             09        867億00百万円

イズミ             09/2       729億10百万円

ハニーズ            09        621億00百万円

平 和 堂          09/2       550億74百万円

イズミヤ           09/2        538億90百万円

三   喜(サンキ)   09/2       526億82百万円

パシオス(田原屋)   09/3       430億00百万円

アベイル           09         419億00百万円

フ   ジ           09/2       397億10百万円

サンリブ           09/2       341億96百万円

ライフコーポレーション   09/2       325億37百万円

ベイシア           09/2       239億24百万円

ヨークベニマル       09/2       184億37百万円

あかのれん(名古屋)09/2       181億00百万円

天満屋ストア        09/2       150億33百万円

サミットコルモ      09/3       147億15百万円

東急ストア         09/2        123億91百万円

オークワ           09/2       105億15百万円

マルナカ           09/3        98億34百万円

オンセンド        09          84億77百万円

オ ギ ノ(甲府)      09/2        79億20百万円

さとう(福知山)       09/2        44億88百万円

キョーエイ(徳島)     09/2         32億90百万円

2009年は、上記、GMSの直営衣料部門、食品スーパーの直営衣料部門、衣料小売専門店チェーン、そして、ディリーファッションストア大手をマークし、その動向を追いかけてきました。百貨店、GMS、食品スーパーでは、依然として、衣料不振、衣料部門の苦戦が続いています。しかし、衣料専門店チェーン、ディリーファッションストアの売上動向は、百貨店、GMS、食品スーパーの衣料部門とは異なり、それほど悲観的なものではありません。もちろん、景気低迷、生活者の所得減などの影響で、売上は伸び悩み状態にありますが、ディリーファッションストアの出店意欲は旺盛で、まだまだ元気があるように思います。はたして、2010年度は、どんな年になるのでしょう・・・・・・・。

今年・2009年、1年間を通して注視してきた小売企業の衣料品売上高MEMO 完

  

 

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