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資料室:「ファッション市場サンキ猿島店」 09年11月27日開店

ファッション市場サンキ猿島店の概要

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①所在地-茨城県猿島郡境町937-1、②開店年月-2009年11月27日、③売場面積-約600坪。

出店場所は、閉鎖・移転した食品スーパーチェーン・カスミ境店の跡地。対象商圏人口推計は、車で10分、約5㎞圏で8400世帯。ディリーファッションストアとしてのサンキ猿島店が対象にできる衣料及び衣料関連品の年間需要額推計は、(1世帯当たり衣料及び衣料関連品年間消費支出額・約20万円×8400世帯)

001≒16億8000万円。5㎞圏内には、量販衣料品売場を持つ、ショッピングモールフィズ、T-PLACE・SCなどがあるが、それらの店の衣料品部門は、ディリーファッションストア・サンキ猿島店と商品ポジショニング、プライスポジショニングも異なるので、サンキ猿島店にとってそれほど脅威となる競争相手ではない。したがって、このマーケットでサンキ猿島店は、先に概算した対象商圏エリア内年間需要額推計・約16億8000万円の30%~35%の売上シェアを奪取するかもしれない。年商約5億円 ~6億円を

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目標としているものと考えられる。サンキの全店平均売場坪当り年間売上高は80万円前後と推計されるが、この数字が当っていれば、サンキ猿島店の売場坪数は約600坪であるので、80万円×600坪=4億8000万円、これを年商の下限値と考えても大きな違いと思われる。サンキの大型店舗、サンキ千葉ニュータウン店・売場坪数約1000坪の年間売上高推計・約15億円~16億円、サンキ玉ニュータウン店・売場坪数・約1000坪の年間売上高推計・約9億円~10億円、と言われているが、この売場効率を考えれば、サンキ猿島店の年間売上高はもう少し上、5億4000万円~6億円の達成も視野に入っているかもしれない。

平成21年2月期のサンキ全店合計売上高は約526億8200万円であり、ディリーファッションストアとして、また、量販フルライン総合衣料品店としても有力大手小企業である。その強力な商品力と競争力を考えると、サンキ猿島店は、このマーケットで、短期間で高い売上シェア、すなわち、先述した売上シェア30%~35%を奪取するであろうと考えた次第である。

果たして、開店1年後の売上高がいくらになっているか、残念ながら、その結果を知るすべはありませんが、とても興味のあるところです。

 ファッション市場サンキ猿島店-2009年11月27日開店  完

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新店舗情報:「ファッションセンターしまむら三軒茶屋店」 2009年12月10日開店

しまむらは、12月10日、売場面積500㎡(約150坪)の店を三軒茶屋に出店

ファッションセンターしまむらは、東京都及び東京都心部への出店に積極的な取り組みを見せています。現在(2009年8月時点)、しまむら業態の店は東京都に21店舗ありますが、JR山手線内を都心部とすれば、高田馬場店わずか1店舗だけです。したがって、12月10日に開店した「三軒茶屋店」は、都心部2号店と言ってもいいと思います。この2つの都心部店、高田馬場店の売場面積は約180坪、三軒茶屋店は約150坪です。

008 ファッションセンターしまむらが最近、出店している標準店舗の売場面積規模は約1100㎡から1300㎡ですから、高田馬場店、三軒茶屋店は、おおよそ、その半分の売場面積規模となります。ファッションセンターしまむらは、チェーンストアとして「標準化」をあらゆる面において徹底していますが、それからみると、この2店舗の店舗面積規模はイレギュラーになります。しかし、都心部への出店に関しては、好立地、好条件で、儲かる店になる見込みがある物件には、かなり柔軟な対応をしているようです。

001ファッションセンターしまむらには、出店ルール=「賃借料・家賃は売上比5%以内とする」という 厳しい出店基準があると言われています。しかし、東京都心部への出店では、この出店ルールに当てはまるような物件は、そう簡単には見つけられないことが考えられます。したがって、どんなに好物件であろうと、「賃借料・売上比5%ルール」は、妥協せず絶対的に守る、破らないということではなく、5%超でも出店することも考えているということです。都心部での出店に際しては、賃借料・家賃売上比7%程度までは

002飲み込む覚悟をしているとも言われています。業界通によれば、高田馬場店の坪当り月間家賃は9000円らしいという話を聞いたことがあります。それが本当の話かどうか裏付けはとっていませんが、仮に、坪当り月9000円としますと、1年間では、9000円×12ヶ月=108000円となります。そして、これを売上比5%としますと、しまむらは高田馬場店で、少なくとも、年間坪当り売上高(108000円÷5%の計算で)216万円を見込んでいたと言うことができます。または、216万円以

005上の売場坪当り年間売上高は確実に稼ぎ出せると考えていたことになります。噂では、高田馬場店の売場坪当り年間売上高は250万円以上、もしかしたら300万円を超えているのではないかということです。高田馬場店がそのような高効率をあげているとすれば、坪当り月間支払い家賃9000円は、それほど恐れる数字ではなくなります。これは当方の推測ですが、おそらく、しまむらは都心部なら売場坪当り年間売上高250万円は間違いなく確保できる、そして、300万円超も、それほど難しいことではないと考えているものと思われます。(ちなみに、2009年2月期の、東京都におけるファッションセンターしまむら20店舗の平均売場坪当り年間売上高は約170.5万円、2010年2月期は当方の推測値ですが約190万円です)

三軒茶屋店への出店を決めた背景には、高田馬場店での成功体験といいますか、そこで得た「確たる自信」というものがあったのではないかと考えられます。三軒茶屋地区は、人口密集地であり、商業集積度も高いところです。同時に、ファッションセンターしまむら業態の競争相手の店も多数あるところです。主なところでは、マルカワ、無印良品、ドン・キホーテ・ピカソ、西友三軒茶屋店、衣料ディスカウンター・三恵などがあります。しかし、「低価格+良質+ファッション性+トレンド商品+ヤング~ミセスがメインターゲット」という品揃え・商品戦略のファッションセンターしまむらに打ち勝つことができる店は、いまのところ無いと考えていいと思います。したがって、ファッションセンターしまむら三軒茶屋店は、売場坪数約150坪の店ですが、おそらく、売場坪当り年間売上高250万円以上、もしかしたら300万円超を獲得することも考えられます。ファッションセンターしまむらは、年間売上高約3億7500万円は確実、そして、4億5000万円も決して絵に描いた餅ではないと思っているかもしれません。その自信を持っての出店であったようにも見えます。

都心部店には、商品納品・物流面の問題、そして、店舗運営オペレーション上の問題が多々あると言われています。加えて、「高い家賃・賃借料」という問題もあります。これらの問題があっても、それを乗り越え、「投資回収の安全性」があり、かつ、確実に「儲かる店」にすることができるという自信があっての「三軒茶屋店」出店だったのではないでしょうか。おそらく、ファッションセンターしまむらは、高田馬場店、そして、三軒茶屋店でも成功を重ね、東京都心部への出店をより加速させるものと考えられます。しまむらの、今後の東京都心部攻略がどうなるか、注視していく必要があると思っています。

  「ファッションセンターしまむら三軒茶屋店」-12月10日開店 完

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新店舗情報:「サミット衣料館コルモピア深大寺店」-2009年12月16日開店

サミットコルモの39号店・衣料館コルモピア深大寺店、12月16日開店

009サミット衣料館コルモピア深大寺店(所在地・東京都調布市深大寺東町2-10 )は、売場面積約1000㎡、初年度年商目標3億円、店舗建物・平屋1層、共有駐車場106台でサミットコルモの39号店。店舗立地から考えられる、その対象商圏エリア及び商圏人口を、当方なりに大雑把ですが推計してみますと、第一次商圏・対象商圏人口約5700世帯、広域最大商圏・対象商圏人口約9700世帯となります。この数字を基に対象商圏エリア別ディリーファッションストア衣料館コルモピア深大寺

001店の衣料及び衣料関連品の年間需要額概算しますと以下のとおり。ディリーファッションストアが対象にできる衣料及び衣料品関連の1世帯当年間支出額は約20万円ですので第一次商圏の年間需要額推計は、対象商圏人口約5700世帯×1世帯当り年間支出額約20万円≒11億4000万円、同じ計算式で、広域最大商圏の年間需要額推計は19億4000万円。衣料館コルモピア深大寺店の初年度売上目標は3億円ですから、第一次商圏内・売上シェアは、3億円÷11億4000

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≒26.3%、広域最大商圏内・売上シェアは、3億円÷19.4億円≒15.5%となります。この、初年度売上目標から計算した対象商圏エリア別の売上シェアの奪取は、衣料館コルモピア深大寺店の半径約1㎞以内に同業・競争相手の店が全く無い「無競争地帯」(約1.5㎞以内にも競争相手の店は無い)ことを考えると、それほど難しいことではないように思われます。また、初年度売上高目標3億円を達成するためには、売場1坪当り年間売上高(3億円÷売場坪数約300坪≒)100万円の確保が必要になります。

007 しかし、サミットコルモの全店平均売場坪当り売上高は100万円を超えていますので、これもさほど達成が難しい数字ではないでしょう。結論的に言えば、サミット衣料館コルモピア深大寺店の初年度売上高3億円はほぼ間違いなく達成されるだろうと考えています。さらに、調布市の年齢別・男女別人口構成特性をみますと、最も多いのが、35歳~39歳の層、次いで、30歳~34歳、40歳~44歳、25歳~29歳と若く、これは、サミットコルモのメインターゲットとドンぴしゃり一致します。

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これも初年度売上目標3億円確保を背景で支えることになるものと思います。品揃えを、先に述べた年齢ターゲット層に焦点を合わせ、婦人衣料部門を柱とした展開をはかれば初年度売上目標3億円達成の可能性はさらに高まることでしょう。サミットコルモにとって、店舗建物平屋、売場面積約300坪、駐車場106台という店舗は、手なれた「標準店舗規模」です。先述したような好条件立地、なによりも、競争相手がいない無店舗地帯(とりわけ、サミットコルモのモデル店で、また、最強の

010_2競争相手でもあるファッションセンターしまむらの店も想定商圏エリア内には無い)こと等、サミット衣料館コルモピア深大寺店を取り囲む諸々の条件を考えますと、この店は「期待できる店」の一つになるのではないかと思われます。ともかく、「いい立地に店を出した」と言えそうです。12月16日という、年の暮れも押し迫った出店でしたが、来年、これから先、年間売上高をいくら確保するのかとても興味のあるところです。果たして、開店1年後の数字はどうなっているでしょう・・・。

 サミット衣料館コルモピア深大寺店-12月16日開店   完

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資料室:衣料品スーパーは、①立地は住宅地区で、②店舗売場面積規模は1000㎡以上1500㎡未満の店づくりを進める

経済産業省の商業統計にある「特性立地別各種調査統計」データをよく読むと、衣料品スーパーの今後の出店戦略と店づくりの方向が見えてきます。

001_2商業統計のなか、特性地区別 ・業態別年間販売額、特性地区別・業態別事業所数、業態別・売場面積規模別事業所数という調査統計データがあります。その中から、衣料品スーパーに関するものを抜き出していくつかの分析をした結果、衣料品スーパーの「これから先の姿」が浮かび上がってきました。(分析結果は、グラフ化して、図-1~図-4、及び、表-1にまとめてあります)。分析して分かったいくつかのことを、箇条書きしますと以下のとおり。

004(図-1)衣料品スーパー 特性立地別・年間販売額から

(イ)年間販売額の高い順から並べると、第1位が商業集積地区で最も高く、次いで、第2位・住宅地区、第3位・工業地区の順。

(ロ)さらに、商業集積地区を細分化したもので見ると、年間販売額が最も高いのは、第1位・住宅地区、第2位・商業集積地区の中の駅周辺型、第3位・ロードサイド型、そして第4位・工業地区

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(図-2)年間販売額・平成19年対平成16年伸率と伸長額

(ハ)特性立地別・年間販売額の平成16年対比平成19年の伸び率をみると、第1位が工業地区で最も伸び率が高く、次いで、第2位・商業集積地区のロードサイド型、第3位・商業集積地区・その他地区、第4位・住宅地区の順。しかし、伸び率でなく、年間販売額の多さでみてみると、額を最も伸ばしているのは、住宅地区、次が、商業集積地区のロードサイド型。

007(図-3)特性立地別・事業所数の増減(H16:H19対比)から

(ニ)平成19年対平成16年比で、事業所数が最も増加しているのは住宅地区で第1位、次いで、第2位がロードサイド型(商業集積地区)、第3位・工業地区の順。第1位・住宅地区の事業所の増加数が圧倒的に高く、2位、3位を大きく引き離している。そして、注目すべき点は、ロードサイド型の増加数に比べるとやや少ないが、工業地区における事業所数の増加。

009(図-4)衣料品スーパー 売場面積規模別事業所数から

(ホ)衣料品スーパーをその売場面積規模別にみると、事業所数が最も多いのは、500㎡以上1000㎡未満で第1位、第2位・250㎡以上500㎡未満、そして、第3位が1000㎡以上1500㎡未満。ここで注目すべき点は、第3位の1000㎡以上1500㎡未満のところである。というのは、最も事業所数が多いとされる500㎡以上1000㎡未満の売場面積規模の店が、さらなるラインロビング、品揃え幅の拡大、競合・競争対策などの再構築を進めていくと、この売場面積規模では小さすぎるというか、もう少し広げないとダメだとなること必至だからです。

(ヘ)また、ファッションセンターしまむらの年度別出店店舗の平均売場面積(各年度期末売場面積-前年度期末売場面積)÷各年度出店店舗数で単純計算した)を時系列で見てみますと、次のようになっています。2003/2月期(出店店舗の平均売場面積・1253㎡)、以下、04/2-1223㎡、05/2-1140㎡、06/2-1146㎡、07/2-976㎡、08/2-1255㎡、09/2-1107㎡。

以上、商業統計:特性立地別各種調査統計の分析から分かった、(イ)~(ホ)、そして、(ヘ)ファッションセンターしまむらの各年度別出店店舗の平均売場面積の推移から、衣料品スーパーは、これから先、①立地は住宅地区、②店舗売場面積規模は1000㎡以上1500㎡未満の店づくりを進めていくだろうと考えた次第です。

衣料品スーパー、そして、ディリーファッションストアの、これから先の出店戦略、店づくりは、一体、どのような方向に進んでいくのかを、商業統計の調査統計データを見ながら考えてみました。(当方の言いたいことを御理解いただくには、ちょっと説明不足、舌足らずの感がありますが、そこのところはあつかましい言い分ですが、御容赦ください) 

追記

いくつかの図表、そして、数表で使っています「特性立地」という言葉については、経済産業省が商業統計・「特性地区別・各種項目別調査統計」に付随させた、「立地環境特性の区分及び定義」というものを作成しておりますので、お手数ですがそちらをご覧いただければと思います。(立地特性区分の大きな区分けは、(図-1)~(図-4)、そして、(表-1)を見ていただければお分かりいただけると思います)

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資料室:衣料品スーパーの売場1坪当り年間販売額は100万円の時代

経済産業省の商業統計・「業態別統計編(小売業)」から、①業態別年間販売額の推移、②売場面積の推移、③1㎡当り年間販売額の推移、この3項目の調査データを時系列に並べて、どのように変化しているのかを分析してみました。(表-1)001_2

この中から、衣料品スーパー(経済産業省の業態分類では、衣料品の取り扱い70%以上、売場面積250㎡以上の衣料品店)の、①年間販売額、②売場面積、③売場1坪当り年間販売額(1㎡当り年間販売額から計算)の増減の推移を時系列に見てみると、以下のことが分かります。

(a)売場面積は平成9年を100とすると平成19年は1.86倍。

003(b)年間販売額はH9年を100とするとH19年は1.45倍。

(c)売場1坪当り年間販売額はH9年を100とするとH19年は0.78(すなわち、78%に下落)。

まず、売場面積の増加率より年間販売額の増加率の方が低いことから、衣料品スーパー業界における競争が激化している姿が見えてきます。同時平行で、売場1坪当り年間販売額(売場

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坪当り年間売上高)も下落しています。これは当たり前のことですが、その落ち込み具合を見ますと、衣料品スーパーは、売場1坪当り年間販売額(売上高)100万円の時代になってきたと言ってもいいのではないかと思われます。平成19年の売場坪当り年間売上高の数字は111万円~112万円ですが、平成21年では、推計ですが、おそらく、100万円くらいになっているのではないかと考えるからです。このことは、衣料品スーパーは、いままで以上に「徹底したローコスト経営」が求められることを意味してい

ます。これから先、衣料品スーパーは、売場1坪当り年間販売額100万円で利益をだせる仕組みが作れなければ、激しい競争に耐えられず、生き残ることはとても難しい時代になると言ってもいいかもしれません。例えば、売場坪当り年間売上高100万円、年間商品回転率9回~10回、粗利益率31~32%、販売管理費率(売上比)25%以下、というような商品経営と商店経営をやっていかねばならないということです。これは、決して容易なことではありません。おそらく、衣料品スーパーでこれを達成できる店はそんなに多くはないと考えられます。数社しか無いと言った方がいいかもしれません。ディリーファッションストアも衣料品スーパーの範疇に入るでしょうが、ファッションセンターしまむら、サンキ、サミットコルモ、あかのれん、オンセンド、あとあっても5~6社ではないかと考えています。

ディリーファッションストアに比べ、経営コストが高く、低い商品回転率と高い値下率という商品経営に陥り、依然として、そこから脱出できないでいるGMSの衣料部門は、相当の「改革」を成し遂げない限り、その「生存・存続」を脅かされることになるでしょう。しかし、豊富な資金力、経験、優秀な人材と強力な組織力、そして、優れた知恵もあるGMSの衣料品部門ですから、必ずや、今の窮地から抜け出すだろうと期待しているのですが・・・・。

経済産業省の商業統計-業態別統計編(小売業)の時系列分析をして感じたこと 完

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資料室:商業統計に見る、量販衣料品店の「3.3㎡当り年間売上高」と「年間商品回転率」

量販衣料品店の「3.3㎡当り年間売上高」と「年間商品回転率」の目安となる数字はいったい、どのくらいなのだろうと、各年度別「商業統計(経済産業省)」を調べ、その結果を(表-1)、(表-2)にまとめてみました。

002_2(表-1)にある、「織物・衣服・身の回り品小売業」の年間坪当り売上高は、平成11年-191万円、平成14年-175万円、平成16年-168万円、平成19年-155万円 。この数字は、量販衣料品店だけのものではありませんが、一つの目安となる数字であると思います。数字は、年々、低下傾向にありますが、155万円以上の年間坪当り売上高を上げているかどうかを量販衣料品店の一つの指標数字として頭に入れておく必要があります。年間坪当り売上高が155万円以下なら「並み以下の店」になります。

003(表-2)には、「衣料品スーパー」の3.3㎡当り年間売上高が載せてありますが、平成16年-122万円、平成19年-112万円となっています。前述と同様、衣料品スーパーとして、年間坪当り売上高が122万円以下なら、自店は「並み以下の店」と位置づけて、なぜ、122万円以下なのか、その原因を追及し、問題解決の手立てを考える必要があるかもしれません。また、自店の年間商品回転率-7.5回以下の場合にも同様のことが言えるでしょう。量販衣料品店の一つの目安となる数字として、(表-1)、(表-2)にある「年間坪当り売上高」と「年間商品回転率」をみてみましたが、量販衣料品店で、ここであげた商業統計の二つの数字(年間坪当り売上高と年間商品回転率)を上回っている店は、思ったより少ない数しかないと言ってもいいのではないかと思います。

しかし、商業統計にある「年間坪当り売上高と年間商品回転率」の数字よりも御店の数字が低いからといって、それではどうしょうもないということではありません。年間坪当り売上高が122万円以下、年間商品回転率が7.5回転以下であっても、要は、「黒字(利益を出している)の店」であれば、それはそれで「良し」と言うこともできるからです。ただ、そういう店は極めて少ないことでしよう。

何十年も前から、「量販衣料品店で利益を出すためには、交差主義比率240以上が必要」と言われてきました。単純明解に一つの計算を示しますと、(粗利益率30%×年間商品回転率8回=交差主義比率240)ということです。年間商品回転率が7回以下で、交差主義比率240以上をあげるためには、少なくとも、34.3%以上の粗利益率を確保しなければなりませんが、それをやっている量販衣料品店もあるにはあります。しかし、年間商品回転率の低さ(7回以下)は、いつ破裂するかもしれない大きなリスクを常に内在していると言うことができます。そしてそれは、常に破裂の危機にあります。

量販衣料品店の商品経営の決め手は「高速回転」です。したがって、交差主義比率でなんといっても重要なのは「商品回転率」であり、「粗利益率の高さ」ではありません。計算だけなら、年間商品回転率6回×粗利益率40%=交差主義比率240となりますが、衣料品の商売で、年間商品回転率が6回では、多大の値下げが発生し、よほど高い値入率を維持しない限り、粗利益率40%を確保することはとても難しいでしょう。それは、多くのGMSの衣料部門の数字をみればよく分かります。というのも、GMSの衣料部門の多くが、「低速回転」であり、そのため「高い値下率」が生じ、「高粗利益率」を確保するためには「高い値入率」にせざるを得ないという商品経営に陥っているからです。高いコスト、販売管理費の高さもあって、この図式からなかなか脱出できないでいるのが、「今の、GMSの衣料部門の商品経営のすがた」だと言ってもいいかもしれません。GMSの衣料部門は、販売管理費の大幅コストダウン、そして、売価政策の大転換が必要になると思われますが、はたして、それを成し遂げる店がいくつ出てくることでしょうか・・・・・・。

量販衣料品店の商品経営の目安となるいくつかの数字を探そうと考えて、経済産業省の商業統計を時系列で眺めながら、そこで気付いたことのMEMO。 完

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