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新店舗情報:「ファッションセンターしまむら我孫子寿店(千葉県)」-09年10月29日開店

2009年10月29日、「ファッションセンターしまむら我孫子寿店」開店

ファッションセンターしまむら我孫子寿店(千葉県我孫子寿2-25-41)は、同月、10月23日に開店した食品スーパー「フードスクエア・カスミ我孫子寿店」の2階に出店。

003ファッションセンターしまむらは、我孫子市には、もう1店舗、「東我孫子店」を出していますから、この「我孫子寿店」は我孫子市で2店舗目の店になります。東我孫子店と我孫子寿店の店間距離は約3㎞ですので、両店の商圏エリアで重複する部分がかなりあり、自社・自店競合が起きていると思われます。しかし、ファッションセンターしまむらは、自社・自店競合で生ずるマイナスよりも、この2店体制で、「我孫子市商圏マーケットでの売上シェアが上がる」ことの方をより優先して考えていると考えられます。

007というのも、彼らは、「ディリーファッションストアでは、ひとつの商圏内で自社・自店競合が起きても、その地域に先に出した店(既存店)と後に出した店(新店舗)の店間距離が約3㎞くらいあれば、既存店の売上減は思ったより少なく、逆に、2店舗体制がもたらす、その商圏・マーケットにおける売上シェア増の方が戦略的価値が高い」という経験を多く持っているからではないかと思います。食品スーパー・カスミによれば、ファッションセンターしまむらが出店した「フードスクエアカスミ我孫子寿店」の商圏人口を、1次商圏(車・5分圏-7442世帯、19917人

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2次商圏(車10分圏-17126世帯、44235人)、1次、2次商圏人口合計24568世帯、と考えています。この数字をベースにして、ディリーファッションストアが対象にできる衣料品及び衣料関連品の年間需要額を推計しますと以下のようになります。(1世帯当り年間消費支出のうち、ディリーファッションストアが対象にできる衣料品及び衣料関連品の金額は約20万円とします)。まず、1次商圏では、7442世帯×20万円≒14億8840万円。1次商圏+2次商圏では、24568世帯×20

010万円≒49億1360万円、となります。ファッションセンターしまむら我孫子寿店の1次商圏人口は、食品スーパー・カスミがフードスクエアカスミ我孫子寿店で見込んでいる1次商圏人口と「ほぼ同じ」と考えていいでしよう。その考えに立って、1次商圏内における「ファッションセンターしまむら我孫子寿店」の初年度売上高を推計しますと、しまむらの力なら、1次商圏内・売上シェア 20%~25%は奪取することができると思われますので、下限値で、1次商圏内年間需要額推計14億8840万円×20%≒2億9770万円、同じ計算式で、上限値で約3億7000万円くらいになるのではないかと思われます。また、フードスクエアカスミ我孫子寿店の初年度売上高見込みは約21億円と発表されていますが、当方の経験則から言いますと、衣料品店は食品

006スーパー店の年間売上高の約15%くらいの売上高をあげることができますので、21億円×15%≒3億1500万円、すなわち、初年度で約3億円の売上高確保は難しくないと思われます。というわけで、ファッションセンターしまむら我孫子寿店の初年度売上高は、約3億円~約3億7000万円、このへんではないかと推計した次第です。ファッションセンターしまむら我孫子寿店が初年度に約3億円~3億7000万円を売上ても、この店から約3㎞のところにある既存店、「しまむら東我孫

002子店」の売上減は、1年目で、大目に見て約10%~15%、2年目以降の売上減は軽微に終わるのではないかと思われます。我孫子市における既存店「しまむら東我孫子店」(1989年開店、千葉県我孫子市岡発戸932、売場面積約252坪)の年間売上高推計は約3億5000万円前後ですが、これに新店舗「しまむら我孫子寿店」の初年度年間売上高推計約3億円を足した約6億5000万円、これは、店間距離約3㎞にある「しまむら」2店舗の対象商圏エリアにおいて、約13%~約15%の売上シェアになるものと思われます。この数字は決して高すぎるということはないように思います。

ファッションセンターしまむらは、有力食品スーパーマーケットの店舗に「ビルイン型」で出店した売場規模330坪~350坪の標準店舗では、初年度年間売場坪当り売上高を100万円は確保していると思われますので、当方の見方、ファッションセンターしまむら我孫子寿店の初年度売上高推計・下限値約3億円は、「どちらかと言えば、低め」の数字になるかもしれません。

フードスクエアカスミ我孫子寿店(売場面積2128㎡≒643坪、年商見込み約21億円、敷地面積8416㎡、駐車場収容台数147台)の出店で、この店から約1㎞以内にあった食品スーパー・ライフコーポレーション我孫子店(売場坪数約623坪、我孫子市で約21年間営業)が閉店しました。この店の2階にはライフ直営の衣料品売場約200坪がありましたが、これも閉店により無くなりましたので、ファッションセンターしまむらの競合店・競争相手の店は存在しない状況です。我孫子市には、このほかに、GMS・イトーヨーカ堂我孫子店、そして、同じグループの「エスパ我孫子店」がありますが、ディリーファッションストア・しまむらの競争相手ではありません。おそらく、この無店舗地帯、我孫子市において、ファッションセンターしまむらは、「東我孫子店」と「我孫子寿店」、この2店舗体制で独占的売上シェアを長期にわたって確保し続けるものと思われます。

「ファッションセンターしまむら我孫子寿店」-09年10月23日開店  完

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新店舗情報:「ファッションセンターしまむら白山店(茨城県取手市)」-09年10月15日開店

「ファッションセンターしまむら白山店(茨城県取手市)」の概要

ファッションセンターしまむら白山店が2009年10月15日・開店。茨城県における「ファッションセンターしまむら」の店舗数は白山店で53店舗目(2009年8月末時点・52店)。取手市には、すでに「取手東店」がありますから、「白山店」は取手市に2店舗目。

所在地--茨城県取手市白山3-9-27、売場面積1107㎡≒335坪、駐車場収容台数40台、建物--平屋1層。

004 ■「しまむら」ならではの店舗立地選定 ---「白山店」は、しまむらの最新標準店で単独路面店。店舗立地は国道294号線沿いですが、1000店舗以上の出店経験を持っている「しまむら」ならではの場所と言えるところです。同業他社、ディリーファッションストアの多くは、「ここに、たった一人(単独)で店を出して、はたして、どのくらい客を集めることができるだろう、売上はどうだろうと」と考え込むかもしれません。というのも、白山店の近間には、まったく、他の商業施設が無く、しまむらの店舗だけという環境だからです。

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別な見方をすれば、無店舗・無競合地帯でもあります。しかし、しまむらが、その想定商圏内・足元一次商圏で、少なくともこれだけは必要という商圏人口-5000世帯が見込まれる場所ではあるでしょうが、現場に立つと、当方には、「そうは言っても、ちよっと不安、自信が持てない」と思える場所です。しまむらが「白山店」で想定した商圏、商圏人口、そして、初年度売上高、一体、どのような数字的見込みなのか、とても興味のあるところです。したがって、「しまむらならではの店舗立地選定」だと言ってもいいのではないかと考えた次第です。

006■①歩きやすい、②見やすい、③買いやすい、④快適な買場環境(天井高、床、照明、対面レジ、ゆったり感のあるサービスカウンター、店舗前面を視野の広いガラス面等)を重視した店づくり、売場づくり

しまむらは「ゆったりと買物ができる店づくり、売場環境づくり」を目指すと発表していますが、最新店舗では、その考えが、相当程度、実現されているのではないでしょうか。例えば、そのう

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ちの一つ、「婦人衣料売場に、サブ通路を増やし、歩きやすく、見やすい売場づくり」は、うまくできているように思います。この「サブ通路を入れる」ことで、商品を置く「実売場」が減り、同時に商品も5%前後、減ったという話もありますが、結果は、一石二鳥といいますか、成功だったのではないでしょうか。1店舗で5%の在庫減、ということは、ファッションセンターしまむら全体では、その1000倍以上(しまむらの店舗数は1000店舗以上あるので)の在庫減ができることになります。

仮に、しまむらの標準店舗を、売場面積を330坪、売場坪当り平均売価在庫高を12万円、1店舗の平均売価在庫高→330坪×12万円=3960万円、と設定します。この場合、売場づくりの手直しで1店当り5%売価在庫減というのは、(1店舗平均売価在庫高3960万円×5%)=198万円の売価在庫減ということになります。ファッションセンターしまむらの店舗数を1000店舗としますと、全店計の売価在庫減は(198万円×1000店舗≒19億8000万円)、という大きな在庫減になります。これは経営的見地から見ても、また、資金繰りの面から考えても、とてもおおきな意味のある数字です。

ファッションセンターしまむらの1000店舗すべてが、売場面積330坪というわけではありません。したがって、この数字そのままの売価在庫減があると言えるわけではありませんが、売場づくりを「お客様が、より快適に買える売場づくり」という考え方で進めることで実現した「見逃すことのできない大きな成果の一つ」として注目すべきでしょう。これは、ファッションセンターしまむらの売場効率、商品在庫効率を、さらに、より一層、高める結果をもたらすだろうと考えています。ここは「大いに、学ぶべき」ところだと思います。

「ファッションセンターしまむら・白山店」-09年10月15日開店」を見て感じたこと  完

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資料室:大手GMS・直営衣料部門の「在庫回転と値下ロス率」

大手GMS・直営衣料部門の「在庫回転と値下ロス率」--(資料メモ

■企業名(イオン・イオンリテール)の直営衣料部門

 年 度   年在庫         値下げ  粗利益   3.3㎡当り

        回転数 (日 数)   ロス率   率%   年間売上高

2007------4.8回(76.0日)--18.6%--37.9%--1752千円

2008------4.7回(77.7日)--21.3%--37.5%--1729千円

2009------5.2回(70.2日)--22.4%--37.6%--1745千円

■企業名(ユニー)の直営衣料部門

2007------5.7回(64.6日)--17.9%--36.9%--1775千円

2008------5.5回(66.3日)--17.9%--37.0%--1709千円

2009------5.1回(71.9日)--18.0%--36.6%--1620千円

■企業名(イズミ)の直営衣料部門

2007------5.2回(70.6日)---9.9%--38.1%--1841千円

2008------4.9回(74.5日)--10.4%--37.8%--1750千円

2009------4.8回(76.7日)--12.7%--37.1%--1732千円

ファッションセンターしまむら

2007------9.5回(38.4日)--7.5%--30.3%--1071千円

2008------9.0回(40.5日)--7.5%--30.7%--1042千円

2009-----10.4回(35.1日)--6.0%--31.0%---990千円

二人の優れた実務研究家が「在庫」について言っていること。

在庫はアパレルにとって重要な指標である。それはオペレーションの結果が全て在庫にあらわれるからである。(岩島嗣吉氏:「衣料品業界におけるサプライチェーン・マネジメントクラフィケーションマーチャンダイジング」講演録より

彼ら(Wal-Mart)の最大の関心事は、店頭及びプロダクト・パイプライン上の「在庫効率」であり、それを取引先との協働戦略を展開することによって、どう最適化を図るかがSCMの狙いだった(岩島嗣吉氏:IBM-米国小売業の動向から学ぶ-第5回「米国小売業界とそのシステム戦略の動向」より)

在庫にはすべての経営能力・資源、もたらされる成果が凝縮されている。(邊見敏江氏著:「イトーヨーカ堂 顧客満足の設計図」より

経営の質は在庫回転率に反映される。(邊見敏江氏著:イトーヨーカ堂 顧客満足の設計図」より

それにしても、大手GMS・直営衣料部門の「商品回転率の遅さ」と「値下ロス率の高さ」には驚きます。GMS各社は、必死になって「衣料部門改革」に取り組んでいるようですが、はたして、どこまで改善・改革を進めることができるでしょうか。「改革の道のり」は長く、多くの困難をともなうものと思われます。GMS各社が、その困難を乗り越え、衣料品部門改革に必ずや、成功することを期待したいものです。

先にあげた大手GMS3社の、①3.3㎡当り年間売上高と、②年間在庫回転率(数)、そして、③売場坪当り平均在庫高、これらを、ファッションセンターしまむらと比較しますと、GMSと「しまむら」の差は歴然です。低価格+高速回転の商品経営、それを支える「徹底したローコスト経営」、はたして、大手GMSは、どこまで、この「しまむらの仕組み」に近づくことができるのでしょう。はたまた、「別の生きていく道」を求めていくのでしょうか・・・・。

 資料-大手GMS・直営衣料部門の「在庫回転と値下ロス率」を見て感じたこと 完

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業界動向:ファッションセンターしまむら&ユニクロ(国内)-都道府県別売上高比較から考える

ファッションセンターしまむら&ユニクロ(国内)の都道府県別売上高等比較

「ファッションセンターしまむら」と「ユニクロ(国内)」、この2者の「生き方」は異なりますが、衣料品小売業界においては、常にその動向が注目される有力小売企業です。また、超優良企業との高い評価もうけています。この2社、小商圏対応型店舗を展開するディリーファッションストア・「ファッションセンターしまむら」と、SPA(製造小売業)型・衣料専門店チェーンを展開する「ユニクロ(国内)」の「都道府県別売上高、店舗数」等を比較することで、それぞれの企業の「ある側面」、企業の特徴というものをと考えてみました。

001■(表-1)は、ファッションセンターしまむら(以下、しまむらと略)とユニクロ(国内)の都道府県別年間売上高比較グラフです。この2社の比較グラフから、大都市、都心部に重点的に店舗を展開する「ユニクロ」と、地方中都市郊外、小都市、町村に、ディリーファッションストアとして小商圏対応型店舗を展開している「しまむら」、この2社の「ちがい」がはっきりの見てとれます。その「ちがい」の大きさ、とくに、際立った特徴を数字で示せば以下のようになります。(2008年度の比較)

004しまむらとユニクロ-大都市における2社の比較

都道府県名 し ま む ら(S)  ユニクロ(U)  S-Uの差額

        年間売上高     年間売上高    (百万円)

東京都---9442(百万円)--66846(百万円)-▲57404

神奈川県--13511-------38714---------▲25203

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愛知県---17114(百万円)-25233(百万円)-▲ 8119

大阪府----5496---------35703-------▲32207

兵庫県----8619--------20440--------▲11821

神奈川県には「横浜市」、愛知県には「007名古屋市」、兵庫県には「神戸市」等の大都市があります。東京都、大阪府、及び、神奈川県、愛知県、兵庫県、これら1都1府3県における「しまむらとユニクロの年間売上高」を比較しますと、しまむらは売上高で、ユニクロに約1325億5400万円もの差をつけられています。これは2社の「生き方」のちがいを、とてもよく表している数字ではないかと思います。また、しまむらが、ここ数年、東京都と神奈川県、そして、他の大都市等への出店を重要な戦略として押し進めているのも分かるような気がします。さらに詳しい、全国、都道府県別の「しまむら&ユニクロ」の年間売上高、都道府県別売上高構成比、期末店舗数とその構成比、これらを(表-4)にまとめておきます。さらによく分かります。

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■(表-5)には、しまむら(単体)の、新規出店店舗の1店平均売場面積、全店(既存店+新店計)1店舗平均売場面積、平均年間売場坪当り売上高等をまとめています。そして、この表からは、全店計レベルでみた「しまむらの標準店舗」は、売場坪数約309坪、年間売場坪当り売上高約104.2万円、年間売上高約3億2200万円、という姿などがみえてきます。また、(表-6)に、ユニクロの出店戦略の考え方、店舗規模に関するものを簡略にまとめました。(表5)、(表6)をじっくり見

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みていただけば、なお一層、しまむら、ユニクロ、それぞの「ちがい」と特徴が読み取れることと思います。いままでに、(表1)~(表6)まで、あれこれ、しまむら、ユニクロ、この2社比較をしてきましたが、それは次の話のための前段としてどうしても必要だと考えたからです。次の話というのは、(表-7)にまとめた、「しまむらvsユニクロ-2社の売上比・賃借料・家賃比率比較」から、しまむらの今後の出店戦略、とくに、東京都や、他の大都市都心部への出店がどうなるのだろうという話です。

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ユニクロ(国内)の2008年度における、①全店平均年間売場坪当り売上高は約292万円、②売上比/家賃・賃借料比率は約7.9%。これをもとに計算すると、ユニクロの全店平均の月間売場坪当支払賃借料・家賃は、約19223円。ユニクロは大都市都心部に多数、店舗を展開していますので、全店平均でも、このように高い年間売場坪当り売上高をあげ、また、高い月間売場坪当り賃借料・家賃も支払っているわけです。もし、しまむらが、ユニクロと同じような大都市都心部という生産性の高い立地、すなわち、高い坪効率(年間売場坪当り売り下高)をあげられる、一方、売場坪当り支払い家賃も高いという場所への出店を考えるとすれば、すくなくとも、ユニクロレベルの売場坪当り賃借料・家賃は飲みこまなければならないのではないかと思います。

しかし、しまむらが、その「出店の掟」(・・のように見える)-「売上比支払家賃比率は5%以内、これを絶対に破ってはならない」-、この「掟」を厳守するとすれば、

①2008年度、ユニクロの全店計平均月間売場坪当り賃借料・家賃は約19223円、

②年間換算すると、19223円×12ヶ月≒23万676円(年間売場坪当り賃借料・家賃)

③しまむらが、これと同額の年間家賃を、売上比5%で支払うとすれば、

④しまむらの必要年間売場坪当り売上高は、

 23万676円÷0.05≒必要な年間売場坪当り売上高461.3万円、となります。

2008年における「しまむら」の全店平均年間売場坪当り売上高は約104万2千円ですから、これを460万円以上にするというのは、そう簡単なことではないように思われます。しまむらが、東京都・JR山手線・高田馬場駅前店では、年間売場坪当り売上高300万円超をあげているらしい、という業界通の話も聞きますが、それでも460万円にはとても届かない数字です。はたして、しまむらは、大都市都心部に店を出す場合、どんな条件設定をするのでしょうか、とても、興味のあるところです。

もしかしたら、売上比/賃借料・家賃比率5%以内ルールを、大都市都心部への出店に限り「緩和」するという考えをとるかもしれません。また、大都市都心部への出店は「全く、興味も、関心も無い」という考えをもつかもしれません。東京都、神奈川県への出店を積極的に押し進めるという出店戦略を重視するとしても、新宿、渋谷、池袋、原宿などへ店を出すとは考えない。都心部へ出店するとしても、その条件設定は、上限値でも、年間坪当り売上高300万円、売上比・家賃比率5%、月間売場坪当り家賃は12500円=(300万円×0.05)÷12ヶ月)、これくらいまでだと考えているかもしれません。一体、どのような考え方をとるのか、それを知る術も、伝手もありません。しかし、これは当方の勝手な想像ですが、大都市都心部出店に限っては、「家賃比率5%」ルールをすこし緩和し、出店することもあるのではないかという気がしないでもありません。ともかく、しまむらが、今後、大都市都心部に出店するかどうか、その場合、どのような条件設定をするのか、大いに注目しています。(しまむらユニクロの「ある側面を比較」しながら、こんなことを考えました)

ファッションセンターしまむら&ユニクロ(国内)-都道府県別売上高等比較から考える 完

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新店舗情報:「ベイシアスーパーセンター野田さくらの里店」-09年9月5日開店

■「ベイシアスーパーセンター野田さくらの里店(千葉県)-09年9月5日開店

ベイシアグループのスーパーセンター業態の34号店、「ベイシアスーパーセンター野田さくらの里店」が2009年9月5日オープンしました。この商業施設の概要は以下のとおりです。

所在地---千葉県野田市桜の里2-1、売場面積8500㎡≒2571坪、駐車場収容台数599台(隣接地のベイシア電器・さくらの里店-売場面積2500㎡の駐車場台数含む)、敷地面積35956㎡≒10876坪、建物--鉄骨造り1階建て(屋上駐車場あり)

001ベイシアの発表では、この「ベイシアスーパーセンター野田さくらの里店」は、全国では34号店、千葉県下では8号店とのことです。食・衣・住、総合フルライン構成のNSC型商業施設ですが、その隣接地には7月に先行開店したベイシアグループの「ベイシア電器店」があります。したがって、商業施設としての売場面積は、この2店合計、約11000㎡≒3327坪となります。近隣型商業施設としては商業集積力も高く、かなり強力な集客力を持ったSCと言えます。ベイシアが見込む商圏人口は、1次商圏で約34000人、2次商圏約56000人、想定商圏内計約15万人。

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「ベイシアスーパーセンター野田さくらの里店」の初年度売上高見込みは未発表ですので不明ですが、SCの売場坪数約2571坪から考えますと、売場坪当り年間売上高を200万円と見て、初年度売上高・約50億円くらいは考えているでしょう。しかし、もしかしたら、この見方は「あまい」見方かもしれません。というのも、このSCの半径約1㎞に、有力食品スーパーマーケット「ヤオコー」を核店舗とした商業施設、「ウニクス野田」SC(売場面積6029㎡≒1823坪)が存在しているからです。

005「ベイシアの食品スーパーマーケット」対「食品スーパーマーケットチェーン・ヤオコー」 、この2者の戦い如何が、二つのSCの命運を握っていることは間違いないと思いますが、さらに加えて、衣料品分野の戦い如何も大きな影響を持っているのではないかと考えています。「ベイシアスーパーセンター野田さくらの里店」の総売場面積のなかに占める衣料品売場が約3分の1とかなり大きく、この部分の売上が低迷すれば、SC全体に無視できない大きなマイナス影響を及ぼすからです。

009「ベイシアスーパーセンター野田さくらの里店」から半径約1㎞にある量販総合フルライン衣料品店は、しまむらグループの「つつみ野ファッションモール(売場面積2041㎡、ファッションセンターしまむら+アベイル+バースデイ)」の中にある「しまむら・つつみ野店(平成16年8月開店、売場面積1269㎡)」と、サミットコルモ・衣料館コルモピア・ウニクス野田SC(売場面積1222㎡、2004年8月開店)、この2店があります。ベイシアの直営衣料部門にとって、この2店は相当手強い競争相手です。おそらく、ベイシアの直営衣料部門は売上高確保にかなり苦労することが考えられます。その理由を以下のとおり。

「ベイシアスーパーセンターさくらの里店」が1次商圏で見込んでいる商圏人口は約34000人(千葉県野田市の1世帯当平均人員は約2.58人ですので、世帯数でみた商圏人口は約13178世帯)。

ディリーファッションストアが対象にできる1次商圏内の「衣料及び衣料関連品」の年間消費支出は約20万円、これをベースに1次商圏内の年間需要額を推計すると、商圏人口・約13178世帯×1世帯当り年間消費支出額20万円≒26億3560万円。

この1次商圏内で、ディリーファッションストアが対象にできる「衣料及び衣料関連品」の年間需要額推計・約26億3560万円に対して、(イ)ベイシアスーパーセンター桜の里店の直営衣料部門」、(ロ)ファッションセンターしまむら・つつみ野店、(ハ)サミットコルモ・衣料館コルモピア・ウニクス野田SC店、この3店で30%の売上シェアを奪うとしますと、その3店合計の年間売上高は、約7億9000万円。(イ)、(ロ)、(ハ)、3店の衣料品売場坪数合計は約1450。単純計算ですが、3店合計の平均年間売場坪当り売上高は、7億9000万円÷1450坪≒54万円となります。この売場効率では、3店の衣料品部門は全滅というか、経営的に成り立ちません。

もちろん、3店が全く同じような年間売場坪当り売上高だったというようなことはめったにありません。したがって、この3店の、どこかの店が54万円より高く、どこかの店が54万円以下の年間売場坪当り売上高になるわけですが、「ベイシアスーパーセンターさくらの里店の直営衣料部門」の年間売場坪当り売上高が、しまむらとサミットコルモ、二つのこの手強い店を競争相手にして、54万円をはるかに超えた年間売場坪当り売上高、たとえば、90万円とか、100万円を確保することは決して容易なことではないと思われます。

以上のようなことを考えまして、「ベイシアスーパーセンター野田さくらの里店」の成否のカギは、食品スーパーマーケット分野における勝敗だけでなく、衣料品分野での戦いの勝敗、この二つが大きな「カギ」になると言った次第です。「ベイシアスーパーセンター野田さくらの里店」の開店、1年後の売上高がどうなるか、とても、興味のあるところです。それはともかく、「ベイシアスーパーセンター野田さくらの里店」の半径約1㎞内における、ディリーファッションストアの生き残り競争は熾烈を極めることになるでしょう。その意味では、注目すべきクリニック視察対象地域のひとつです。国内最多のスーパーセンターを展開しているベイシアの衣料品部門と大手ディリーファッションストアの戦いをつぶさに見ることができるからです。是非、視察に行かれることをおすすめいたします。

「ベイシアスーパーセンター野田さくらの里店」-09年9月5日開店  完

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