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業界動向:ファッションセンターしまむら、7月度・既存店売上高前年比103%

しまむら、既存店・月別売上高、4月~7月・4か月連続「前年比100%超!」

     ①ファッションセンターしまむら ②日本チェーンストア協会 ③日本スーパーマーケット協会

      既存店・月別売上高前年比   販売統計/衣料品     H21-マンスリーレポート

      2009年度  2008年度    (店舗調整後)       衣料品・既存店売上高

月 度   前年比%   前年比%     前年比%        前年比%-------

3月度-----95.0-----100.8-------88.6--------------87.9----------

4月度---103.3-------96.8-------88.3--------------90.7

5月度---106.9-------91.0-------89.3--------------91.0

6月度---103.2-------90.6-------87.7--------------88.9

7月度---103.0------101.9-------○○○-------------○○○

ファッションセンターしまむらの「既存店・月別売上高前年比(伸率)」は、2009年度4月から7月の4か月連続で「前年比100%超」でした。前年、2008年度の同期間の既存店・月別売上高前年比は、上表のとおり、4月から6月、3か月連続で「前年割れ」でした。このことを考えると、本年・2009年度4月から6月、この3ヶ月間の既存店・月別売上高前年比が「前年100%超」といっても、それほど驚くことではないと思う人もいるかもしれません。

しかし、先の表にあげています、②日本チェーンストア協会の販売統計・衣料品の月別売上高前年比実績の推移と、③日本スーパーマーケット協会のマンスリーレポート・衣料品・既存店月別売上高前年比の推移、この2者の実績数値と比較してみれば、ファッションセンターしまむらの4か月連続「前年比100%超」という実績は、相当、頑張った数字であることが分かります。しかも、この期間に、しまむらでは中興の祖とも言うべき2人の凄腕の経営トップが引退(一人は相談役で残り、もう一人は引退)するという大きな出来事がありました。彼らの去った後の次の時代を担う若い世代の経営トップにとっては、最初の「試練の時」、「力試しのスタート」だったかもしれません。失礼を承知で言わせてもらいますと、その「最初の試練の山」を、見事に「乗り越えた」というところでしょうか。

株式会社しまむらは、田原屋(パシオス)の発行済み株式保有割合を21.88%とし、田原屋を関連会社に組み入れる。

株式会社しまむらが、田原屋(パシオス)の株を保有した経緯は、彼らの発表によれば次の通りです。

(1)平成19年10月5日、株式会社田原屋(パシオス)の発行済み株式数の12.75%、 238688株を取得と発表。

(2)平成21年7月24日、株式会社田原屋の第三者割当増資に応じ、さらに、普通株式40万株を取得。その結果、田原屋の発行株式の保有割合は28.11%となる。これで、株式会社田原屋(パシオス)は、株式会社しまむらの関連会社に組み入れられる。

以上が、株式会社しまむらの田原屋の株取得の流れですが、これによって、首都圏、関東6県における「しまむらグループ」の勢力が一段と大きくなったと言えます。それを簡単にまとめれば以下のようになります。

  県 名   ①ファッションセンター  田原屋(パシオス)  

          しまむら-店舗数    店舗数    合計店数

茨城県--------51店--------------10店------61店

栃木県--------34店---------------4店------38店

群馬県--------38店--------------10店------48店

埼玉県--------91店--------------33店-----124店

千葉県--------57店--------------23店------80店

東京都--------20店---------------8店------28店

神奈川県------35店--------------35店------70店

  注①ファッションセンターしまむらの店舗数は2009年2月期期末、田原屋は2009年7月の時点

関東6県における「ファッションセンターしまむら+パシオス」の店舗数は以上のようになりますが、さらに、注目しておかねばならないことは、この2者連合グループの各県内における売上シェアです。

ファッショセンターしまむらは、各県別・衣料品購買高(需要予測高)を独自に計算し、それをもとに県別売上シェアを毎年算出していますが、その数字をもとに、これから先どう変化するかよく考えておく必要があります。例えば、パシオスの1店舗平均年間売上高を3.3億円(=パシオスの2008年度売上高約405億円÷期末店舗数126店舗)として、栃木県における2者結合時の売上シェアは以下のとおりです。

(イ)栃木県内の「ファッションセンターしまむら」の年間売上高実績・約97億89百万円

(ロ)栃木県内の衣料品購買高は949億49百万円

(ハ)ファッションセンターしまむらの売上シェアは、10.3%(2009年2月期)

(ニ)これに、栃木県内のパシオス店舗数4店の年間売上高が加算されます。

    パシオス4店舗×1店平均年商・約3億3000万円=13億2000万円

(ホ)2者結合時の栃木県内における合計売上高は、(イ)+(ニ)、

      97億8900万円+13億2000万円=111億900万円

      栃木県内における売上シェアは(111.09÷949.49=)11.69%

同じ計算の仕方で、群馬県内の売上シェアは15.18%となります。このように、2者が結合した「ファッションセンターしまむらグループ」の各県別店舗数だけでなく、その売上シェアも計算してみますと、「これは大変なことになる」と言うことが分かるのではないかと思います。とくに、彼らの競争相手と考えられるサンキ、サミットコルモ、そして、衣料品を扱っているGMS、食品スーパーマーケットチェーン(ライフコーポレーション、ヨークベニマルなど)にとって、間違いなく、大きな脅威となることでしょう。この脅威にどう対処していくか、戦略、戦術を練り直す必要がありそうです。

「ファッションセンターしまむら 7月度-既存店・月別売上高前年比103%!」  完

              

  

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業界動向:東京都地区におけるディリーファッションストア大手の勢力図

ファッションセンターしまむらの東京都地区制圧作戦はどこまで進んでいるか?

ファッションセンターしまむらが「東京都地区への積極的出店と侵攻作戦」を言いだしたのは、確か、4、5年前のことだったように思いますが、その後、どうなったか、ここで、一度、確認しておく必要がありそうです。まず、東京都地区における現在(2009年7月時点)のディリーファッションストア大手4社の店舗数は次のとおり。

ファッションセンターしまむら--------21店

サミット・コルモ(衣料館コルモピア)--21店

パシオス(田原屋)-----------------8店

サンキ(ファッション市場サンキ)------4店

東京都地区におけるファッションセンターしまむらの平成15年2月期末の店舗数は11店舗でした。したがって、その後の6年間で10店舗を増やしたことになります。これで、東京都地区に重点的な店舗展開と出店をしているサミット・コルモと同数の21店舗になったわけですが、ここが注目すべきところです。東京都地区における出店開発はコストも高く、ファッションセンターしまむらの厳しい出店条件にピタッとかなう物件がなかなか見つからないということもかなりあるようで、この地区における店舗数も、年単位で見ると「微増」しかできない、というのが現実の姿ではないかと思います。しかし、あと数年先には、東京都地区においては、「ファッションセンターしまむら」の店舗数が最も多くなると考えています。というのも、サミット・コルモの出店速度は、ファッションセンターしまむらと比べてかなり緩やかなものですし、東京都地区における年間出店数は多くても3店舗を超えないだろうと考えるからです。

これは推測ですが、おそらく平成25年頃には、東京都地区におけるディリーファッションストアでは、ファッションセンターしまむらが、店舗数、年間売上高、ともに、最大になっているのではないかと思います。東京都地区における「ファッションセンターしまむら」の過去5年間の推移を見れば、これは、それほど無理な話ではないと考えるのですが・・・・・・・。

東京都地区における「ファッションセンターしまむら」の売上シェアは、わずか1%

東京都地区における過去5年間の「ファッションセンターしまむら」の営業実績推移

 年 度    売場面積  年間売上高 期末店数 1店平均年間  売場坪当 売上シェア

          (㎡)    (百万円)   (店)     (万円)   売上・万円   (%)

平成17/2---11979㎡---60億64----13店----4億6646----167万円---0.64%

平成18/2---12859㎡---72億24----14店----5億1600----185万円---0.74%

平成19/2---15183㎡---78億90----16店----4億9313----171万円---0.84%

平成20/2---16480㎡---88億92----18店----4億9400----178万円---1.0%

平成21/2---18267㎡---94億42----20店----4億7210----170万円---1.0%

注①売上シェアは、しまむらが独自計算した東京都地区年間衣料品購買額をもとに算出。

このデータを見ると、東京都地区におけるファッションセンターしまむらの年間出店速度は、ほぼ2店舗のペースです。このペースでいくとすれば、あと4年後の平成25年2月末には28店舗になります。おそらく、多くても30店舗というところでしょう。その時点で、サミット・コルモはじめ、パシオスらの店舗数が、ここで推測計算したファッションセンターしまむらの店舗数・30店舗以上になっているということはないと考えられます。したがって、東京都地区で最大の店舗数を有するディリーファッションストアはファッションセンターしまむらということになるだろうと推測したわけです。

東京都地区におけるファッションセンターしまむらの「売場坪当り年間売上高」と「年間坪当り粗利益高」をもとに考えますと、以下のことが言えそうです。

(1)出店条件の一つとして、「月間坪当り家賃は売上比5%以内とする」ことにすれば、

  売場坪当り年間売上高170万円×5%÷12ヶ月≒7083円、

すなわち、月間売場坪当り支払い家賃は上限で7083円。これ以内であれば出店条件の一つはクリアーできまることになります。しかし、東京都地区で、売場坪当り月間家賃が7000以下の物件を見つけるのは至難のことでしょう。この点に関しては、しまむらもよく分かっていると思われますので、これは推測ですが、月坪支払家賃を15000円ぐらいまでは覚悟しているかもしれません。

(2)東京都地区における出店形態は「ビル・イン型」が多くなると考えられますが、その場合の売場坪当り出店投資額を、しまむらなら、ほぼ確実に確保するであろうと推測される年間坪当り粗利益額をもとに考えますと、

 売場坪当り年間売上高170万円×粗利益率32%≒年間坪当り粗利益額54.4万円、

となります。当方の経験則から言いますと、売場坪当り約54万円~55万円までの店舗設備投資額なら、投資リスクは低く、比較的安全な出店投資となります。「ビル・イン型」出店の場合、これは、比較的クリアーしやすい条件ではないでしょうか。とくに、誰かが撤退した跡への出店や、広すぎる売場面積を持て余したホームセンターなどが、ある売場スペースをテナントにリーシングするなどという場合は、売場坪当り投資額はこれ以下が多いと思われます。そういった物件が沢山出れば、東京都地区におけるファッションセンターしまむらの店舗数は、先に推測した、平成25年期末店舗数・30店舗をもっと超えたものになることが考えられます。

  「東京都地区におけるディリーファッションストア大手の勢力図」  完

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業界動向:ディリーファッションストア「三喜」の実力

■ディリーファッションストアの売上高ランキング

業界紙:日経MJ新聞(2009年7月8日)に、小売業の「業種別売上高ランキング」が掲載されています。そのデータをもとに、主要ディリーファッションストアの売上高ランキングを作成しますと以下のようになります。

小売企業名  売 上 高   経常利益   経  常   店舗数

          (百万円)   (百万円)    利益率      店

しまむら-----3693億13---326億76----8.8%---1299店 注①バースディ、シャンブル、デイバロ含

三  喜------526億82----12億71-----2.4%-----175店

あかのれん---180億84------2億74-----1.5%------48店

サミットコルモ-150億86------1億86-----1.2%------37店

オンセンド-----84億77------2億85-----3.4%------80店

パーティハウス-63億25

  注②ディリーファッションストア業界・第3位のパシオス・田原屋は決算発表ないため未掲載。

「しまむら」が、売上高、経常利益高、経常利益率、店舗数、いずれも、他社に圧倒的な差をつけて第1位。そして、第2位は「三喜」となっています。第1位・しまむらとの差はとても大きなものですが、業界・第2位である「三喜」の実力を知りたく思い、その営業実績数値を時系列にながめてみました。

519_001_5 数字で見る、三喜(ファッション市場サンキ)の実力

ディリーファッションストア大手のなかで、三喜(以下、サンキと略) は、しまむらや、パシオス、サミットコルモとはかなり異なった政策・戦略をとっています。とくに、大きく異なるところは、①しまむら、パシオス、サミットコルモらがその標準店舗規模を300坪~350坪としているのに対し、サンキは売場面積が500坪~1000坪の大型店舗を出店、売場面積規模の大きさを競争の武器の一つとしていること、②主要な商品調達先・仕入先が大西、丸光などの大手現金問屋であること、③「どの部門別売場も競争相手より広い売場面積を確保+低価格政策で、常に超低価格目玉商品も投入+多品種多アイテム型品揃え」、この3点です。あるディリーファッションストアの経営幹部から、「サンキは競争相手にしたくない店。うちの店の近くに出店しないでほしいものだ」という話を聞いたことがあります。また、「しまむらでも、サンキとの戦いでは苦戦している店がかなりあるようだ」という話も聞きます。したがって、ディリーファッション業界・No.2のサンキの実力、競争力、経営力を、あらためて、しっかり把握しておく必要があるのではないかと考えました。

サンキの営業実績の推移(各年度・各期・連結損益決算書より作成

              H21/2    H20/2    H19/2     H18/2     H17/2

売上高(百万円)---526億82---445億96---443億42---356億47---330億46

売上総利益率------31.1%----31.9%----32.2%----32.3%-----32.0%

販管費-----------29.8%----28.5%----27.7%----27.4%-----29.0%

営業利益率--------1.4%------3.5%-----4.5%-----4.9%------2.9%

経常利益率--------2.4%------4.7%-----5.3%-----4.9%------3.2%

税前利益率--------2.6%------4.6%-----5.0%-----4.9%------3.1%

当期純利益率------1.4%------2.6%-----2.7%-----2.7%------1.6%

これが、平成17年2月期から平成21年2月期、この過去5カ年のサンキの営業実績です。これらの営業実績数値を見ていきますと、サンキの企業力、競争力、そして、経営力は、安定性があり、かつ、しっかりしたものであると言うことができるのではないかと思います。業界通から、創業者でもあるサンキの経営トップは、「店歩きとラーメンが大好きなカリスマ商人だ」という話を聞きましたが、その話通りの実力経営者が引っ張っている優秀な小売企業であることが分かりました。やはり、サンキを競争相手とした戦いは、苦労が多く、苦しいものになると言えるかもしれません。

2009年7月下旬、茨城県結城市に、ヨークベニマルが核となる近隣型複合商業施設「ヨークタウン結城SC」が開店予定ですが、そのなかに「ファッション市場サンキ」も一つの核として大型店舗を出店します。サンキがヨークベニマルと組むのは初めてのような気がしますが、サンキのこの結城店がうまくいきますと、今後、出店されるヨークタウンSC内にサンキも積極的に参加していくケースが増えるのではないかと思われます。もうすぐですので、開店したら必ず見に行こうと、その日を心待ちにしています。

  ディリーファッションストア「三喜」の実力     完

  

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業界動向:GMS大手の低価格訴求型セールチラシ(3)

■GMS大手・イトーヨーカ堂が打ち込む強烈な低価格訴求型セールチラシ

イオン、イトーヨーカ堂、ユニー(アピタ・ビアゴ)などGMS大手が、低価格政策を強化しています。なかでも、イトーヨーカ堂の低価格訴求型セールチラシは、かなり強烈です。同じタイプのセールチラシを2回、連続して打ち込んでいますが、その強烈さには、ディリーファッションストアも脅威を感じるのではないでしようか。

74_002 これは、イトーヨーカ堂が打ち込んだセールチラシ・「空前の大破格」第2弾ですが、第1弾と同様、強烈なインパクトのあるチラシです。表面は文字だけ、裏面に超低価格の商品を掲載していますが、「一目でこれは安いぞ」と感じさせる表現になっています。GMSの衣料品部門は「売上高前年割れ」が続き、相変わらず苦戦していまが、まだまだ戦闘意欲は失ってはおらず、果敢に競争に立ち向かっていく力と「やる気」を十分、持っていると考えねばならないと思います。GMS大手が、その持てる力、資金力、組織力、商品力、品揃え力、商品調達力、これらを総動員すれば、今の「高品質・低価格競争」に対応することができるからです。

74_004 掲載された売価設定は、300円、500円、900円、1500円、この4本ですが、チラシを見れば分かるとおり、GMS大手もここまでやるかと思うほどの超低価格ではないかと思います。イオン、ユニーも、このイトーヨーカ堂のセールチラシほどの強烈さはありませんが、彼らの低価格訴求型セールチラシにも相当の「安さのアピール力」があります。ディリーファッションストア最大手・ファッションセンターしまむらは、3か月連続、既存店月別売上高前年比100%超、そして、SPA大型専門店チェーン・ユニクロはさらに既存店月別売上高前年比2ケタ増と、これも快調に飛ばしていますが、この2社といえども、これから先の、GMS大手も加わった大乱戦模様の低価格競争に、気を抜くことができない厳しい状況が続くのではないかと思われます。

008 ティリーファッションストア大手、ファッションセンターしまむら、パシオス、サミットコルモ・衣料館コルモピア、そして、GMS大手・イトーヨーカ堂が、この7月・第1週に打ち込んだセールチラシを横に並べて比較して見ますと、イトーヨーカ堂のセールチラシの方が、迫力も、パンチ力も、低価格訴求力も、ディリーフアッションストア大手のチラシよりも上回っているように感じます。「ディリーファッションストアの競争相手はディリーフアッションストアだけ」というのが当方の持論でしたが、今は、GMSの衣料品部門も競争相手として加える必要がありそうです。

012量販衣料品専門店チェーンの既存店月別売上高前年比

 年 月  FCしまむら 国内ユニクロ 株・ポイント  UNアローズ

09/3月---95.0%---107.9%---92.0%----

09/4月--103.3%---119.2%---97.0%----93.9%

09/5月--106.9%---118.3%--101.8%----93.1%

09/6月--103.2%---106.4%--100.7%----92.2%

74_005イトーヨーカ堂が7月・第1週に打ち込んだセールチラシ「空前の大破格」第2弾と比較するために、同じ第1週のパシオス、サミットコルモのチラシも掲載してみました。当方の見た目では、GMS大手・イトーヨーカ堂のチラシの方が、迫力も、パンチ力も勝っていると思うのですが、果たして、消費者はどう感じたのでしようか。とても、興味があります。ちなみに、この、イトーヨーカ堂のチラシが入った初日に見に行きましたが、かなりの「客の入り」でした。今後、GMS・衣料品のセールチラシもしっかりマークしていかなければと強く感じています。

 「GMS大手の低価格訴求型セールチラシ」(3)  完  

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業界動向:GMS大手の低価格訴求型セールチラシ(2)

■GMS大手・ユニーの低価格訴求型セールチラシ

大手GMS、イオン、イトーヨーカ堂だけでなく、同じGMSのユニー(株)も、かなり強烈な低価格訴求型チラシを打ち出しています。ユニーが打ち込む低価格訴求型セールチラシも、かなり強烈でインパクトのあるものです。6月に展開されたセールチラシを見ても、ユニーが低価格政策を積極的に押し進めていることが分かります。小売業界全体を巻き込んだ「低価格競争」は、ますます激化、激戦の模様を呈してきました。

002 50%off、30%offという「かなり大幅の割引」表現が目立ちますが、割引後の売価をよく見てみますと、ディリーファッションストアのプライスポジショニングに近いものもかなり掲載されています。「ユニーはGMSだから、そんなに安く売ることはしない、また、できないだろう。長続きもしない。われわれの競争相手でもない」等と油断していると、ディリーファッションストアは、あとで後悔することになるかもしれません。「GMSは時流不適応、もう、その社会的役割は終わった」などと言われていますが、まだまだ、その力は強く、侮りがたいものがあります。GMS大手の1社である「ユニー」の年間衣料品販売額を見れば、その力は、決して、弱いものでありません。、彼らは、本気で、低価格競争に全力投入していますし、安く売るためのローコスト経営にも取り組んでいます。

005 ユニー(株)の衣料品部門の力

年 度 衣料売上 衣料売上 粗利益率 ロス率 商品回転

     (百万円) 構成比%  (%)  (%)  (日数)

H19/2--1408億88--20.3%--36.8--17.9--64.6

H20/2--1352億10--19.9%--37.0--17.9--66.3

H21/2--1301億09--17.8%--36.6--17.8--71.9

007 過去3カ年(平成19年2月期~平成21年2月期)におけるユニーの衣料品売上高は、いずれの年も1300億円以上の販売額です。年々、衣料品部門の売上高構成比は低下していますし、商品回転日数は60日以上、ロス率(値下げ・ロス率)も17%と、その商品生産性は、決して、高いと思いませんが、年間1300億円以上を売る力を持っているGMSの衣料部門であることを頭に入れておく必要があるでしょう。GMS、大型衣料専門店チェーン、そして、ディリーフアッションストア、これらが3つどもえになって繰り広げる量販衣料品業界の、厳しい低価格競争は、これから先も、まだまだ長く続くものと考えられます。GMSが、この厳しい戦いに耐えうる体力を、はたして、どのくらい持続できるか、また、本当に、安く売るためのローコスト経営を構築できるか、この点について、不安が無いわけではありません。

003GMSの衣料品部門は、ディリーフアッションストア大手との競争に打ち勝てるだろうか?

GMSの衣料品部門の力を侮ってはならないことは、先に述べたとおりですが、しかし、ディリーファッションストア大手と戦って、その競争に打ち勝てるかどうかは分かりません。例えば、ここでとりあげた大手GMS・ユニーも、地元の大型量販総合衣料品店チェーン、そして、ディリーファッションストア大手小売企業でもある「あかのれん」と、多くの店が競争(バッティング)していますが、よく見てみますと、決して、楽な戦いではなさそうです。「あかのれん」の年間出店数、年間売上高の伸びを見ていますと、その積極的な「攻めの経営」が、ユニーとの戦いのため「足踏み」しているということはなさそうだからです。むしろ、GMSの衣料品部門の消極的な姿勢、その縮小均衡とも言える動きが、ディリーフアッションストアの「さらなる成長と自信」を確たるものにしているかのような印象さえあります。3年後、5年後に、どんな形になっているか分かりません。しかし、GMSの衣料品部門に「明るい明日ある」とは、どうしても考えることができないのですが、これは、当方の、独りよがり、間違った見方というものでしょうか・・・・・・。GMS大手、イオン、イトーヨーカ堂に続き、6月に展開された「ユニー」の低価格訴求型セールチラシを見て、以上のようなことを感じた次第です。

 GMS大手の低価格訴求型セールチラシ(2) ユニーのケース  完

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