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新店舗情報:ファッションセンターしまむら安食店-全面改装・リニューアルオープン

■2009年6月28日、ファッションセンターしまむら安食店、改装リニューアルオープン

「ファッションセンターしまむら安食店」(所在地-千葉県印旛郡栄町安食田中2458-1)は、1993年7月開店、売場坪数・約258坪、年商推計約2億5000万円前後という、しまむらの店の中でもかなり高年齢(年数の経った古い)の店舗です。売場坪数も狭く、かなり古い店ではありますが、開店して16年も経っていますから、おそらく、利益(黒字)店舗のひとつであったろうと思われます。しかし、この安食店の商圏の狭さと対象商圏人口・世帯数を考えますと、収益店舗とは言え、なんの躊躇いもなく、この古い店に追加投資し、増床・全面改装リニューアルを淡々と進める「しまむらの自信」には、「さすが、しまむら」と思うと同時に、ある種の驚きすら感じます。

001 ■足元商圏人口は、安食台・1丁目~6丁目→2089世帯、酒直台・1丁目~2丁目→498世帯(H19.4.1)で、わずか、2587世帯しかありません。また、商圏を広げて、印旛郡栄町すべてを組み入れても、その世帯数は8518世帯、人口総数23409人という小いさな商圏です。そういう商圏にある、かなり古い店舗に、増床・全面改装、追加設備投資をして、果たして、「元がとれるのか」と、他人事ながら心配するのですが、しまむらから見ればそれは「当たり前の既存店活性化策」なのかもしれません。

001_2■安食店の店舗外装・ファッサード新装、売場も全面改装され、しまむらの最新型標準店舗に「生まれ変わって」います。「しまむらの既存店活性化策」は、移転、増床、新築、そして、売場の全面改装というやり方ですが、ここ、3、4年間で行ったこの活性化策はかなりの店数です。過去4年間の実績は、2006年2月期-(改装14店、改装・移転12店)、2007年2月期-(改装106店、改装・移転8店)、2008年2月期-(改装98店、改装・移転10店)、2009年2月期-(改装67店、改装・移転11店)となっています。この4年間で、改装した店は、なんと、285店舗です。

■ファッションセンターしまむらは、「既存店活性化」をそれだけ重要な経営課題としているわけですが、それには、言うまでもなく、大変な額の「お金」が必要です。しまむらは、その資金手当てが十二分にできる力を持っています。過去5年間における、しまむらの設備投資額の推移を調べてみても、しまむらが既存店活性化に使う資金の大きさ、そして、その資金的余裕がよく分かります。しまむらの過去5年間の年度別設備投資額(新店出店、既存店の移転・増床・新築、店舗改装などの設備投資→しまむら各年度別・決算概要より作成)の推移は以下の通りです。じっくり見れば、その「大きさ」が感じられるのでは・・・・・。

  年 度    設備投資額(百万円

 2005/2--------143億45百万円

 2006/2--------148億円

 2007/2--------194億98百万円

 2008/2--------157億3百万円

 2009/2--------131億38百万円

002 ■デリーファッションストア大手企業の年間設備投資額

業界紙・日経MJ・2009年6月24日の掲載記事、「2008年度設備投資額」によれば、ディリーファッションストア大手3社の設備投資額は以下のような数値になっています。①しまむらの設備投資額135億75百万円前年比▲17.9%)、②原屋パシオスの設備投資額31億68百万円前年比+59)、そして、③三喜の設備投資額8億8百万円前年比▲33.8%)。

ディリーファッションストア大手3社では、なんといっても「しまむらがトップ」で、他の2社を大きく引き離しています。2位の田原屋パシオスとの差額は104億円もあります。さらに、第3位の三喜とは、なんと、約128億円近くにもなります。この差は、当分の間、縮まることはないと思われます。出店数、既存店活性化店舗数、いずれの面でも、「しまむらの独走」が続くことは間違いないでしょう。

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「ファッションセンターしまむら-安食店」-全面改装・リニューアルオープン Memo 完

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業界動向:「GMSの低価格訴求型チラシ」を見て感じたこと

■イオン、イトーヨーカ堂など、大手GMSも低価格政策を展開

イオン、イトーヨーカ堂など、大手GMSが、何千品目もの「値下げ」をはじめています。先行き不透明な経済状況、不景気が続くなか、「財布の紐が固く、必要なモノしか買わなくなった、賢く、無駄遣いをしない消費者」がますます増えています。今は、「よほどのお値打ちがない限り、なかなか物が売れない時代」とも言われています。。かくして、商売が難しいこの時代の対応策として、GMSも、厳しい流通小売業界の競争に打ち勝ち、生き残っていくために、否応なく、低価格政策を取らざるを得ないほど追い込まれています。

002 この、大手GMSの激しく、衝撃的とも言える低価格政策の展開は、当然のことながら、ディリーファッションストアの売価政策に少なからぬ影響を及ぼすものと思われます。というのも、4、5年前までは、ディリーファッションストアにとって、大手GMSの売価政策、プライスポジショニングは、その高さゆえ(プライスポジシヨニングは、ディリーファッションストアよりかなり上だった)、それほど気にする必要はありませんでした。「競争相手として警戒する必要はなかった」わけです。しかし、GMSが激しい低価格政策を展開し始めたとなると、話は違ってきます。大手GMSが押し進める「低価格戦略」はどんなものか、その姿を、かれらが展開するセールチラシでしっかり分析・研究しておく必要があると思います。「GMS不振の時代」とは言え、彼らには、本気になれば、ディリーファッションストアに負けない低価格戦略を押し進めることができる力が残っているからです。そんなわけで、大手GMS、イトーヨーカ堂が、この6月に打ち込んだ、いくつかのセールチラシをピックアップし、かれらの低価格政策を覗いて見ることにしました。

003■イトーヨーカ堂も、「やると決めれば、ここまでやる」低価格戦略。要注意、要警戒!!

2009年6月に打ち込んだいくつかのセールチラシを、時系列に並べて見ていきますと、「大手GMSも、本気になると、ここまでやるんだ」という強い意志が見えてくるように思います。その、低価格政策の表現の激しさ、過激さには、冗談抜きで、やや「恐怖」さえ感じます。GMSが、かれらのPB商品、そして、最近では、取り扱っているNB品まで、20%、30%という、大幅なプライスダウンをやってきているのを見ても、その、本気度が、決して、一時的なもの、短期間でやめてしまうものではなく、長期的取り組みを考えた上でやっていると思われます。これは、脅しではありません。ディリーフアッションストアは、その動きを注視し、対応策を考える必要があるのではないかと考えています。

006■「下取りセール」でも先陣を切ったイトーヨーカ堂

いま、流通小売業界では、売上不振打開の一方策として、「下取りセール」があちこちで展開されています。この、「下取りセール」の先陣を切ったのはイトーヨーカ堂です。売上不振打開策としての「下取りセール」は、決して、新しい集客手法ではありませんが、結果は、大成功とも言っていいものではなかったかと思います。イトーヨーカ堂に続けと、多くの小売企業が後追いしたのも、その成果の大きさに驚いた故ではなかったでしょうか。

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■この調子でいくと、今年の夏の終わり(7月末~9月上旬)、そして、冬の終わり(12月中旬~2月末)、この二つの「端境期」に展開されるチラシ販促セールは相当、激しく、過激な展開になりそう?

大手GMS、イトーヨーカ堂の6月(まだ、夏季には入ったばかりの段階)のセールチラシで、この激しさ、過激さです。夏の終わり、端境期となる7月末~9月上旬には、さらに激しさを増すのでしょうか。その時点の低価格競争の状態、そして、気候にもよりますが、相当、厳しい打ち出しと展開になるかもしれません。

010イトーヨーカ堂が2009年6月に打ち込んだいくつかのセールチラシを見て感じたことを、いくつかあげてみました。これから先、イオン、イトーヨーカ堂、ユニー、ダイエーなどが、その低価格政策を強く訴求するのために、また、インパクトを持たせるために、どのようなセール展開を進めていくのかは分かりません。しかし、彼らが展開する「この夏のセールチラシ」には、十分、目を配って、よくよく分析・研究し、それへの対応策を考えていかないと、ディリーファッションストアといえども「足をすくわれる」ことになるかもしれません。そんなことのないよう、同業他社のセールチラシだけでなく、GMS、食品スーパーのチラシまで、細かにマークし、チェックされることを、是非、やっておかれることを、老婆心ながら、言っておきたいと思います。

 「GMSの低価格訴求型チラシ」を見て感じたこと  完

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業界動向:ファッションセンターしまむら-新店舗の売上効率

■しまむらの新店舗の初年度売上効率

株式会社しまむらの「各年度(期)別・決算概要」(新店月商の推移等)、及び、「決算短信」に記載されている数値データをもとに、しまむらの新店舗初年度売上効率を年度別にまとめると以下のようになります。

 年 度   新店平均   平均年商  出店  期末売場  売場面積   新店平均   新店平均

        月商(千円) ×12(千円) 店数  面積(㎡) 前年比増減  売場面積㎡ 年坪売(千円)

2000/2----22854-----274248---74---608720----97934---1323-----684

2001/2----24230-----291840---77---692631----83911---1090-----884

2002/2----24937-----299244---46---737620----44989----978----1010

2003/2----24824-----297888---49---798995----61375---1253-----785

2004/2----26793-----321516---51---861392----62397---1223-----867

2005/2----24421-----293052---48---916111----54719---1140-----848

2006/2----26660-----319920---48---971129----55018---1146-----921

2007/2----27519-----330228---56--1025764----54635----976----1117

2008/2----25303-----303636---58--1098554----72790---1255-----798

2009/2----25208-----302496---48--1151706----53152---1107-----901

しまむらの各年度別・出店新店舗の過去10年間(2000年2月期から2009年2月期)の、①平均月商、②平均年商推計(平均月商×12ヶ月)、③新店平均売場面積(売場面積前年比増減÷出店新店舗数)、④新店平均・年坪当売上高(平均年商推計÷新店平均売場面積×3.3)、この4項目を、各年度別・決算概要、決算短信の数値データをもとに計算すると上表のようになります。これらをもとに、しまむらの新店舗の売上効率等を時系列で見ていきますと、次のことが言えるのではないかと思います。

(1)ファッションセンターしまむらの新店舗は初年度平均月商2500万円を確保する。

(2)新店舗の初年度平均年商は、ほぼ確実に3億円を見込むことができる。

(3)新店舗の平均売場面積は1100㎡≒333坪。

(4)新店舗の初年度・売場坪当年間売上高は、ほぼ確実に85万円を確保できる。

以上、(1)から(4)をもとに、しまむらの新店舗の初年度の姿を数値的に推測すると、

新店舗・売場坪数333坪×売場坪当年間売上高85万円≒年間売上高2億8300万円、

となる。そして、これを、標準的新店舗の姿と見ても、それほど大きな間違いはないのではないかと思います。(これは、当方の「思い込み」ですが、果たして、しまむらの見方はどうなのでしょう。残念ながら、知る術を持っていません

■しまむらの新店舗は初年度の店舗段階・経常利益率8%~9%を出せる?

しまむらの過去5年間の、①売上総利益率、②販売管理費率、③経常利益率の推移を見ると、極めて単純な考えですが、新店舗の初年度・店舗段階・経常利益率8%~9%の確保は可能であると言うことができなくもありません。しまむらの新店舗が、初年度から、①売上総利益率30%、②販売管理費率22%、を確保できればという前提での話です。過去5年間の「しまむらの財務概要」データを見て、単純に考えればという話ですが・・・。

株式会社しまむらの財務概要(各年度別・決算概要より作成

       売上総利益率  販売管理費率  営業利益率  経常利益率

2009/2-----31.0--------22.9---------8.9--------8.9

2008/2-----30.7--------21.9---------9.5--------9.8

2007/2-----30.3--------21.5---------9.5--------9.7

2006/2-----30.0--------21.7---------9.0--------9.3

2005/2-----28.8--------21.5---------7.9--------8.0

しかし、新店舗の初年度の販売管理費率が21%から22%で収まること、まず、考えられないでしょう。というのも、新店舗の初年度には、(a)店舗建物設備等の減価償却費負担、②開発創業費償却負担、③開店・創業販促費負担、④各種税金負担(例えば、店舗建物設備を取得した場合に発生する、取得税、登録税、都市計画税、消費税など)、⑤支払利息負担、などの経費額が大きく、それを、初年度経費に算入しなければならないことがあるからです。これらの経費負担を初年度にきちんと計算し、算入するのは「当たり前」のことですが、そうすると、販売管理費率は、しまむらの財務概要の過去5年間に見られる数値、21%、22%という数値に収めることはとても難しいことです。必ず、それを、大きく上回ることは間違いありません。初年度の販売管理費率が、売上総利益率30%を超えれば店舗段階で「赤字」、それ以下であれば「黒字」、ということになるわけですが、おそらく、しまむらの多くの新店舗は「初年度・赤字」になっているように思います。

しかし、その「赤字幅」は、決して大きなものでなく、2年度には、店舗段階・黒字化できるほど「小さな赤字」なのではないかと思います。現在の「しまむらの出店初期投資額」は、昔に比べ、かなり大きくなっていますので、「新店舗・初年度から黒字」というのは、さすがに少なくなっていると思いますが、それでも、多くの店が「3年目で黒字化」、そして、「5年以内で初期投資回収」、しまむらの実力を考えると、そのような姿なのではないかと思います。また、それだけの実力があるからこそ、年に50店舗~60店舗の出店を続けられるのではないでしょうか。しまむらの優れた企業経営力から学ぶことは沢山ありそうです。

 
  「ファッションセンターしまむら-新店舗の売上効率」に関するメモ  完

    

  

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業界動向:「08年度小売業衣料品売上高ランキング」を読む

■GMSの衣料品部門の現状

2009年6月16日の繊研新聞に「08年度小売業衣料品売上高ランキング」が掲載されています。第1位はユニクロの売上高・4541億円、第2位は、しまむらの3663億円となっています。これが、今の量販衣料品業界の勢力図です。GMSと百貨店の衣料品売上高の著しい「落ち込み」を見ますと、これから先も、その「先細り傾向」は続くのだろうと思わざるをえません。それはともかく、ランキング・データの中から、①GMS、②食品スーパーチェーン、③ディリーファッションストア別に、各社の2008年度衣料品売上高を並べ、熟視しますと、いろいろのことが見えてくるように思います。

GMSグループ

 企 業 名    08年衣料品売上高   衣料売上構成比

               百万円            %        

①イオン----------3342億99---------18.0 

②イトーヨーカ堂----2656億82---------18.5

③マイカル--------1853億97---------31.3

④ユニー---------1301億09----------17.8

⑤ダイエー--------1090億79---------13.9

⑥イズミ-----------729億10----------16.7

⑦イオン九州-------625億97----------24.8

⑧平和堂----------550億74----------16.8

⑨イズミヤ---------538億90----------17.2

⑩イオン北海道-----401億57----------25.6

⑪フジ------------397億10----------13.5

大手GMSの衣料品売上高構成比は20%を切っている。イオン、イトーヨーカ堂、2社ともにその前身は総合量販衣料品店であり、かつては、衣料品売上高構成比が30%を超えていたことを思うと、20年前には全く考えられなかった「今」の衰退ぶりです。

食品スーパーチェーン

 企 業 名     08年衣料品売上高    衣料売上構成比

                百万円           %

①ライフコーポ-------325億37----------7.0

②ヨークベニマル-----184億37----------5.5

ディリーファッションストア

①しまむら(単体)---3455億09----------100

②三  喜----------526億82

③パシオス---------405億00(08/3)

④あかのれん-------181億00(09/2)

⑤サミットコルモ-----147億15(09/3)

GMSグループ、食品スーパーグループ、そして、デリーファッションストア大手の衣料部門の売上高と売上構成比を見ますと、①GMS、食品スーパーの衣料品部門は縮小・圧縮傾向にあり、一方、逆に、②ディリーファッションストアでは拡大傾向が続いている、ことが見えてくるように思います。衣料品部門の衰退、縮小、「先細り説」が、長年、言われていますが、それは、ディリーファッションストアには当てはまらないと言えるかもしれません。

■大手GMSの衣料品売上構成比の推移

もう少し詳しく、大手GMSの衣料品売上構成比の推移と年度別衣料品売上高の増減を見てみますと、その衰退ぶり、先細りぶりが、もっとよく見えてきます。

 企 業 名    衣料品売上高   衣料売上  売上高前年差

イオン株式会社   百万円      構成比%  増減(百万円)

2007/2----------3663億31------20.7-----

2008/2----------3677億63------20.3-----11億32百万円 増加

2009/2----------3342億99------19.0--334億64百万円 減少

イトーヨーカ堂

2007/2---------2905億60-------23.7-----

2008/2---------2781億68-------23.1---123億92百万円 減少

2009/2---------2656億82-------22.5---124億86百万円 減少

ダイエー

2007/2--------1338億27--------18.4---

2008/2--------1162億71--------16.8---175億56百万円 減少

2009/2--------1090億79--------15.9----71億92百万円 減少

大手GMS各社は、今、①店舗年齢の高い店、①旧商店街中心地にある多層階の店舗、③売場面積規模がGMSとしては狭く、業種構成数と商業集積力、競争力に欠ける店舗、これらの店を閉鎖・スクラップ、そして、ディスカウントストアなどへの業態転換を進めています。そして、同時に採算悪化してきている衣料品部門の縮小、閉鎖、売場圧縮・削減を重要な経営課題として、それを実行しています。おそらく、「この流れ」は、これが限界という段階まで、当分、続くものと思われます。したがって、たとえ、景気が回復したとしても、縮小均衡が続き、GMSが衣料品部門の積極的拡大策をはかることはないのではないと考えられます。もし仮に、この予測が当っているとすれば、量販衣料品業界では、「ディリーファッションストアの時代」、そして、「大型専門店の時代」が長く続くことになるかもしれません。

業界紙・繊研新聞の記事、「08年度小売業衣料品売上高ランキング」(2009年6月16日掲載)を見て感じたこと メモ    完

   

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新店舗情報:「西橋本ファッションモール」-09年6月18日 開店

■「西橋本ファッションモール」-2009年6月18日 開店

しまむらグループは、2009年6月18日、ロイヤルホームセンター橋本店(神奈川県相模原市3-9-8、売場面積18189㎡≒5502坪-屋内売場坪数約2692坪)の1階に、「西橋本ファッションモール」(売場坪数約1000坪、構成-①ファッションセンターしまむら・約360坪+②アベイル+③バースディ)を出店。

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「西橋本ファッションモール」が出店した「ロイヤルホームセンター橋本店」の半径約500m以内には、隣接地の地元の有力食品スーパーチェーン・スーパー三和をはじめ、コーナンホームセンター橋本店、東急ストア、コジマ電機などがあり、流通激戦地となっています。ロイヤルホームセンター橋本店は、HC+食品スーパー(肉市場)という構成だったのですが、その商業集積力と競争力は、周辺にある強力な競争店、商業施設と比較して「かなり脆弱」な点があったように思います。約400mのところにある「ホームセンター・コーナン」との戦い、すぐ隣にある地元の有力食品スーパー・三和との戦い、そして、約500mのところにある「東急ストア」との戦い、これらを考えますと商業施設としての「ロイヤルホームセンター橋本店」は、なんらかの強力な店舗強化策を打たなければならない状況下にあったとも言えます。そこで、高い知名度と強力な集客力を誇る「ファッションセンターしまむらグループ」を新たなテナントとして誘致し、商業施設としての店舗集積力と競争力の強化を図ったと考えられます。

018 ■西橋本ファッションモールの売場ゾーニングが面白い。

先述の通り、「西橋本ファッションモール」はロイヤルホームセンター橋本店の1階(旧・アウトレット店撤退跡)に売場坪数約1000坪で、しまむらグループの「ファッションセンターしまむら+アベイル+バースディ」の3店構成で出店していますが、この店で、いままでのファッションモールと比べ、とくに珍しいと思われるのは、その店舗配置、売場ゾーニングではないかと思います。その特徴を言葉でうまく表現できませんが(そこのところは別図をよく見ていただくことにして)、ほぼ正方形に近い形の売場1000坪のなかに3店を分散配置しているわけです。このような形の店舗配置をした「しまむらグループのファッションモール」を見るのは、当方は、初めてですが、店舗を「横並び・並列配置型」のファッションモールに比べ、「ゴチャゴチャ感」と「賑わい感」がとてもあって、なんか「いい感じ」に思いました。一見の価値があると思いますので、是非、店舗視察クリニックされることをお薦めいたします。

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■店づくりは「ローコストの割り切り型」

店舗建物設備がローコストでつくられたホームセンターのものということもあるでしようが、「西橋本ファッションモール」の店づくりは、これも、「ローコスト・割り切り型」と言っていいように思います。店頭にショーウインドーを設置したところは、最近のしまむらの「ビルイン型店舗」と同じですが、店看板・サイン、店外観などは、写真のとおり、極めて、シンプル、かつ、簡単なものです。しまむらの、この店の店舗出店開発投資額は相当低いと考えられますので、かなり「安上がり」でできた店だったのではないかと思われます。また、入居条件、入居保証金、家賃、共益費負担なども、しまむらにとって相当、有利な条件提示がされたものと考えられます。しまむらは、人口密集地で対象商圏人口も多く、周辺には、競争相手となる有力なディリーファッションストア見当たりませんから、「とても、おいしいマーケット」と考えているのではないかと思っています。売上高、店舗段階貢献利益、ともに、初年度から「いい数字」をあげるような気がするのですが、はたして、1年後の数字はどんな結果になっているでしょう。とても、興味があるところです。

005「ビルイン型店舗」の中では、初めてのタイプ?

「全面オープン型」の店ですので、入口部分に、防犯防止・万引きなど防止感知設備が設置されているところは、しまむらの他の「ビルイン型店舗」と同じです。しかし、床・壁・天井、照明設備、壁の商品陳列の仕掛けなどは、シンプル、かつ、ローコストな店づくり、売場づくりなところは前述のとおりです。しかし、空間の広さと解放感のある店づくりであると思います。

022 ■「開店セール・第一弾チラシ」

チラシサイズはB3・両面、4色で、しまむら定番型といいますか、定型化された開店セールチラシです。いまでは、しまむら開店セールチラシは、ほとんどこのタイプの「低価格訴求型チラシ」です。このチラシでは、表面に、300円の超目玉を掲載そして、裏面にも超目玉低価格品が載っています。しかし、それほど強いインパクトを感じませんが、この店の周辺には、これといった競争相手の店がありませんので、このチラシの効き目はかなり強力であったのではないかと思います。開店初日の客の入り具合を見てそう感じました。また、入店客の買上打率の高さと買上点数の多さにも「目を見はる」ものがありました。ファッションセンターしまむら、アベイル、バースディ、3店同時オープンということもあったでしょうが、その集客力は相当、強力なものだと実感させられた開店でした。ここ数年間で、しまむらはホームセンター内への出店店舗数を増やしています。ホームズ島忠、ロイヤルホームセンター、コーナンなどのホームセンター店舗内への出店ですが、これは、ホームセンター、しまむらに両者にとってプラスになる(ホームセンターにとっては、①広すぎる売場面積を有効活用できる、②商業集積力と店舗集客力強化ができる、そして、しまむらには、有利な条件で出店できる、店舗開発設備投資が低くてすむ等、両者にプラスメリットがある)ことが多々あります。おそらく、しまむらは、これから先も、出店先のひとつとして、ホームセンター店舗内への出店を積極的に進めていくのではないかと思われます。(ホームセンターならどこでも出店するというわけではありませんが・・・・・)

 しまむらグループの「西橋本ファッションセール」の開店を見て感じたことメモ 完

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新店舗情報:09年5月27日 「パシオス追浜店」開店

■「パシオス追浜店」-09年5月27日、サンビーチ追浜3階に開店

パシオス(株式会社田原屋)は、2009年5月27日、京浜急行・追浜駅前の商業ビル「サンビーチ追浜」の3階に「パシオス追浜店」を出店。この店の概要は以下のとおり。

①所在地--神奈川県横須賀市追浜本町1丁目(サンビーチ追浜・3階)、②売場面積1100㎡≒333坪、③神奈川県ではパシオスの34号店。パシオス全体では130店舗目の店。

001 ■パシオス追浜店が出店した京浜急行・追浜駅前の商業ビル「サンビーチ追浜」の概要

1985年11月開店、建物--地上11階、地下1階、地下1階~地上4階→商業施設、地上5階~11階→マンション、売場面積約12200㎡≒3700坪、核店舗--西友追浜店(2階~4階、売場面積約4600㎡≒1390坪)、食品スーパー・ヨコサン(地下1階)、駐車場収容台数--32台

2009年1月、核店舗の西友追浜店が撤退。食品部門が出店できない(地下1階に食品スーパー・ヨコサンがある)のが撤退の大きな理由と言われています。その西友追浜店が抜けた2階~4階・約1390坪のスペースを埋めるために新たなテナント誘致を進めていた。パシオス追浜店は新しいテナントとしてそのビルの3階に出店したわけです。また、他にテナントとしては、マツモトキヨシ、キャンドゥー、ポンパドール、ト゜トールコーヒー、ソフトバンクなどがある。

■パシオスは、なぜ、3階という不利なフロア立地に出店したのだろう?

その理由をいくつか考えますと以下のようなことではないかと思われます。

①パシオス追浜店の周辺1~2㎞以内に競争相手となる店→量販総合フルライン衣料品店、ディリーファッションストアが無い。しかも、ディリーファッションストアとしては「かなり大きな商圏人口と需要額」を見込める。

②パシオスはこのエリア(三浦半島地区)に、すでに、能見台店、横須賀店、北久里浜店、三浦店、浦賀店を出しており、追浜店は、「店舗展開上、おさえておくべき場所」であること。

③横須賀市は、緊急経済対策として、2009年3月から「空き店舗対策」を拡大・強化しており、新しい奨励金制度を打ち出していた。旧西友追浜店撤退跡にもその制度が適用されていること。(パシオス追浜店には出店支援策として約350万円の奨励金が予定されたと言われています)

④商業ビル「サンビーチ追浜」は、約24年前、1985年につくられたかなり古い商業ビルで、「使い勝手もあまりいいとは言えない」建物です。なおかつ、核店舗のひとつである「西友追浜店」の撤退もあったことから、新たなテナントの入居条件(家賃、共益費負担等)は、駅前立地とはいえ、相当のディスカウントがあったと思われます。パシオスはその条件を「よし」とし、店舗損益収支上からも「いける」と考えたこと。

⑤パシオスは高層階(3階以上)への出店は「絶対にしない」というルールはなく、自信がある場合は高層階への出店も辞さないと考えられます。また、川崎本店や、錦糸町店などを見ますと、「高層階への出店とその店舗運営に自信がある」ように思われること。

以上のようなことが背景にあっての出店ではないかと考えているのですが、はたして、この推測がどこまで当っているか、知るすべもなく、残念ながら、分かりません。

006定型化された開店販促・オープンチラシ

パシオスの最近の開店・オープンチラシは定型化が進んでおり、パターンが決まっています。この1、2年間にオープンした店の開店・オープンチラシ・第一弾は、ほとんどがこのパターンと言ってもいいでしょう。また、チラシにある「○○店-オープン」の部分を差し替えて、他の店舗で「○○店・開店協賛セール」を打つのもパターン化・定型化されてきました。この、パシオス追浜店の開店では、同時に、他の店のチラシで、追浜店・オープンの部分を「130店舗達成・大感謝セール」を展開しています。

■売場ゾーニング、売場づくりも「最新の標準店舗型売場レイアウト」

001_2「サンビーチ追浜」は1985年につくられた商業ビルですので、エスカレーター、床・壁・天井、天井高さ、照明設備などの店舗建物・設備は、「かなり古く、また、使い勝手が悪い」 と言っていいビルです。とくに、エスカレータの配置場所、天井の低さ(古いビルは3.3m以下というのが多い)、柱の本数と柱の位置、これらは売場レイアウトを考えるとき、大きなネックとなります。そういった設備上の障害はあるものの、パシオス追浜店は「よく、まとめられた売場ゾーニング、レイアウト」になっています。さすが、130店舗展開の豊富な経験を持つ店だけのことはあるとと言えます。

 2009年5月27日-「パシオス追浜店」開店 視察メモ  完

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