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チラシ販促:「ディリーファッションストア 09-3月のチラシ販促」

■しまむら-09年3月・既存店売上高の昨対95%、依然として「前年割れ」続く。

昨年が「閏年」で営業日数が前年より1日少なかったこと(注:しまむらの1ヶ月は20日〆なので、2月21日~3月20日が「3月」となる)を考慮なければなりませんが、3月度売上高・前年比5%減という実績数値を見せられますと、「今」の経済低迷・大不況、消費減退という厳しい状況下では、「しまむらの力」をもってしても、「月度売上高・前年割れ」をくい止めることはとても難しいのだということを強く感じさせます。ファッションセンターしまむらの3月・業績説明資料には、①PB商品の拡大(現在、商品の約30%。これを当面50%まで拡大していく)、②各種経費の見直しとその合理的削減、この二つを強く打ち出しているとの話を聞きましたが、「既存店月度売上高・前年割れ」を防ぐ手立てについては「秘策」として言及しなかったのでしょうか。大いに興味のあるところです。それはそれとして、ここでは、ディリーファッションストアの大手4社、ファッションセンターしまむら、パシオス、あかのれん(名古屋)、サミットコルモが、この3月に展開したチラシ販促セールを振り返ってみました。

011表は、4社が3月に展開したチラシ販促セールをまとめたものです。3月にもなりますと、季節も春ということで、「冬物処分」などの打ち出しはさすがに見られません。しかし、依然として厳しい消費低迷が続いていますので、かなり強烈な「低価格訴求型チラシ」が打ち込まれています。チラシ販促セールの本数は、しまむら、パシオス、2社が6本、サミットコルモ、あかのれんの2社は4本となっています。3月の年間売上高に占める構成比(月販売指数)は決して低くないのですが、各社のチラシ販促セールには、「息切れ」と「迷い」があるように思われます。どうもこれといった「決め手がない」ようにも見えます。

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しかし、「注目すべきチラシ販促セール」がまったくないというわけではありません。セール企画内容、タイトルコピー、デザイン・レイアウト、低価格訴求のインパクト度などに視点を置いて、各社の3月度のチラシ販促セールから、「これはかなり効き目があったのでは・・・・」と思ったものをいくつかピックアップしてみました。まず、1番目には、あかのれんの「安さ爆発!!衝撃プライス!! 大爆発祭」。超目玉品、50円、100円、200円を強烈に打ち出した、とてもインパクトの強いチラシ販促セールです。かなり集客力もありそうです。

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2番目は、パシオスの「限定割引セール」→「限割」です。このタイプは、パシオスが、「なんとしても売上がほしい」、「なんとしても売上を確保したい」という時に打ち込んでくるチラシ販促セールではないかと思いますが、その集客力と売上アップ力には実績があり相当の自信を持っているように思われます。短い期間で、あまり間をおかずに、乱発すると効き目も無くなるでしょうが、それさえ注意すれば、一度、打ち込んでみたいチラシ販促セールの一つではないでしょうか。これをそっくりそのままコピーしてというわけにはいきませんが、表現を多少、アレンジして、パンチのあるチラシ販促セールを作り上げることはできると思います。こんなことを言うと叱られるかもしれませんが、サミットコルモ・衣料館コルモピアが打つチラシは「このタイプのチラシのアレンジ版」と言ってもいいくらいの共通点が見られます。ぜひ、両者のチラシを収集し、それらを詳細に比較分析されることをおすすめします。きっと、「これは使える!」というものが沢山見つけられると思います。

0053番目もパシオスのチラシ、「春物早くもお買得!! 半額」です。当方なりの見方ですが、パシオスはチラシづくりがとても上手で、なにかと参考になるチラシモデルが数多くあるように思います。パシオスのセールチラシの3年間分を収集し、それらチラシの分析研究をやってみてはいかがでしようか。かなりの数のアイディア、ヒントを手に入れることができると思います。これは推測ですが、パシオスには「チラシづくりをあれこれ考えるのが好きな人、チラシづくりに研究熱心な人」がいるのではないかと思います。経験から言いますと、そういう人がいないと、「これは効きそうだ」というパンチのあるチラシ販促セールはなかなか生まれてこないものだからです。

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4番目は、ファッションセンターしまむらのチラシ、「新ハッピーアイテム-生活応援 値下げしました」。しまむらはこのタイプのチラシを昨年から、かなりの数、打ち込んでいます。そのため、パンチのあるチラシではありますが、効き目が薄くなっているのではないかと考えています。しかし、その点-「あまり乱発しない」-ことさえ我慢すれば、「効果大の、使えるチラシモデル」の一つでしょう。以前にも述べていますが、「今」の時代のチラシ販促セールで効き目のある言葉・文字と数字は、①50円、100円の超目玉低価格品、②3割引~4割引、③半額、④値下げ、この4つではないかと思います。直接的で、なんの飾り気もない、率直・ストレートな表現ではありますが、単純明解、ひと目で訴求点=「安さ」=が読み取れる、とても分かりやすい表現のチラシになることは間違いありません。へんに「ひねった表現」をしたセールチラシよりも効き目は大きいだろうと思います。チラシの目的は、なにはともあれ、「まず集客」です。来店客数アップです。そこに視点をおいたセールチラシづくりをすることが肝要だと考えています。

 「ディリーファッションストア 09-3月チラシ販促セール」  完

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新店舗情報:「パシオス鉾田店」 2009年2月25日開店

パシオスは2009年2月25日、茨城県鉾田市の「シヨッピングガーデン・アクロス鉾田」内にパシオス鉾田店を出店。パシオス鉾田店、及び、ショッピングガーデン・アクロスの概要は以下のとおり。

■パシオス鉾田店

●所在地----茨城県鉾田市塔ケ埼1017-1(ショッピングガーデン・アクロス鉾田に出店)

●開店年月--2009年2月25日

●売場坪数約300坪

007 「パシオス鉾田店」は「ショッピングガーデン・アクロス鉾田」(マップの赤印)内に出店。この店から約2㎞のところに「しまむら・ほこたファッションモール」(マップの印)があります。

ショッピングガーデン・アクロスは、食品スーパー・カスミフードマーケット鉾田店(売場坪数約670坪、初年度売上目標20億円、駐車台数250台)、総合衣料品店・パシオス鉾田店、100円ショップ・ダイソーを核店舗に構成された小商圏対応型NSC。

001 パシオス鉾田店は「100円ショップ・ダイソー」と食品スーパー・カスミフードマーケット鉾田店の間。この店の前に、他の衣料品専門店、飲食店などの店舗建物が配置されています。

カスミの商圏特性分析によれば、鉾田町の人口は8622世帯(29075人)、1㎞商圏人口-550世帯、3㎞商圏人口-6876世帯、そして、対象商圏エリア内では5人以上の世帯が約30%、第一次産業・農業が30%と高い、ということです。これらの数字をベースにして考えますと、パシオス鉾田店の商圏人口は約8000世帯、対象にできる衣料品及び衣料関連の年間需要額は約16億円。

002 パシオス鉾田店の初年度売上高推計は、下限値で(マーケット内で奪取できるあろう売上シェア15%×年間需要額推計16億円≒)約2.4億円、上限値では(売上シェア20%として)約3.2億円、あたりではないかと考えています。パシオス鉾田店の売場坪数は約300坪ですから、この二つの年間売上高の場合の年間売場坪当り売上高は80万円~約100万円となります。これは決して高くない売場坪効率ですが、パシオス鉾田店から約2㎞のところにある、しまむら・「ほこたファッションモール」との競争を考慮したためです。というのも、ファッションセンターしまむら・鉾田店、アベイル鉾田店、シャンブル鉾田店、の3店で構成された「ほこたファッションモール」は、かなり強力な集客力を持っており、極めて高い売上シェアと年間売上高を確保していると考えれらるからです。

004推計値ですが、「ほこたファッションモール」内にある、しまむら、アベイル、シャンブル、3店の年間売上高合計は約8.4億円。個店別では、①ファッションセンターしまむら鉾田店(売場坪数約370坪、年商推計約4.5億円~5億円)、②アベイル鉾田店(売場坪数約300坪、年商推計約1.8億円~2.1億円)、③シャンブル鉾田店(売場坪数約290坪、年商推計約1億円~1.32億円)、これぐらいの年間売上高を現在、あげているだろうと思われます。そして、この数字が、パシオス鉾田店の出店で競争・競合は激化するものの、短時間で激減するようなことにはならないだろうと考えています。また、商業施設としての商業集積力、集客力は、パシオス鉾田店が出店した「ショッピングガーデン・アクロス鉾田」SCの方が、「ほこたフアッションモール」より高いと考えられますが、ディリーファッションストア、量販衣料品店としての「しまむら対パシオスの力比較」では、まだまだ「しまむら優位」と考えていることもあります。

005_2 「ほこたファッションモール」は、届出によれば、売場面積3342㎡≒1010坪、駐車台数210台。前述したとおり、しまむらグループの3店舗で構成された衣料品及び衣料関連品で売場坪数約1000坪の商業施設です。これは鉾田マーケットでは衣料品では最大規模の店です。繰り返しになりますが、このファッションモールが、ショッピングガーデン・アクロス鉾田SC内へのパシオス鉾田店出店でその力を短期間で削がれるとは考えられません。ディリーファッションストアでは最大・最強のしまむらが運営しているフアッションモールを、そう簡単に打ち負かすことはできないのではないでしょうか。それに、「しまむらはパシオスの大株主」でもありますから、パシオスとしまむらの競争・競合に、微妙な力関係と影響を与えることも考えられます。

010 チラシはパシオス鉾田店・開店セール・第4弾です。超目玉品をかなり組み入れた低価格訴求型のチラシ。最近のファッションセンターしまむらのチラシに掲載されている超目玉品の価格と比較しても遜色ない価格を打ち出しています。しかし、しまむらのチラシと比べ、圧倒的に強い、強烈なインパクトがある、とは言えないように思います。残念ながら、依然として、「同じ売価なら、しまむらの方が品質が良く」、「超目玉品価格、割引き価格の打ち出し」でも勝っているからです。これから先、パシオス鉾田店は、対象商圏人口10000世帯以下という小商圏マーケットで、強者・しまむらと闘っていくことになるわけですが、「ほこたファッションモール」の強さ、そして、ファッションセンターしまむらの強力なMD力を考えますと、「必死の覚悟」が求められるかもしれません。パシオスが「しまむらグループ」の一員であったとしてもです。ディリーファッションストアという同ステージで戦うわけですから逃げることはできません。しまむら、パシオス、2者の激しい戦いが展開されることになるのではないかと思います。どんな戦いになるのか、大いに興味のあるところです。

「パシオス鉾田店」 2009年2月25日開店   完

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新店舗情報:「ファッション市場サンキ・分倍河原店」-3月19日開店

株式会社三喜(ファッション市場サンキ→以下、サンキと略)は、2009年3月19日、サンキ分倍河原店を出店しました。この店で、サンキの東京都エリアにおける店数は、多摩ニュータウン店(売場坪数約1000坪、年商推計10億円超)、浅草店、田端店の3店にプラス1店で4店舗となります。サンキ分倍河原店の概要は以下のとおり。

所在地-東京都府中市片町3丁目22-26(MINANO分倍河原SC・2F)、売場坪数約600坪、総合フルライン衣料品店・ディリーファッションストア。

002店舗所在地概略図。MINANO分倍河原SC(図の赤印 )の2階にサンキ分倍河原店は出店。店を中心にして半径約500mに食品スーパー・いなげや、半径約800mのところにGMS・イトーヨーカ堂の店がありますが、サンキ分倍河原店の競争相手となるディリーファッションストアはありません。サンキにとっては無競争・無競合地帯と言ってもいいでしょう。(競合店を広く考えればイトーヨーカ堂の衣料部門が競争相手となります。しかし、GMSの衣料部門とディリーファッションストアでは「店と商品のポジショニング」が異なりますので真正面でぶつかる競争店とは考える必要はないと思います)

003図は MINANO分倍河原ショッピングセンターのフロアガイド。核店舗は、1階の食品スーパーマーケット・サミットストア分倍河原店と、2階の総合衣料品店・サンキ分倍河原店、この2店です。また、この2つの核店舗に加え、有力専門店テナントとして、サンドラッグ、ザ・ダイソー、シュープラザ、マックハウス、TSUTAYAなどが出店しています。したがって、このSCの商業集積力、集客力はかなり強力で、サンキ分倍河原店には大きなプラス要因となります。このMINANO分倍河原SCから1㎞以内のエリアにある小売店は大きな影響、かなりの売上減というかたちの打撃を受けるものと考えられます。

サミットストアの商圏特性分析によりますと、①商圏内約1.5㎞では、30~39歳の人口構成比が約20%と高く、0~9歳も約9%で、「若い世代と子供の多い地域」であること、そして、②3~4人世帯も約29%と東京都平均より高い、とのことです。また、サミットストア分倍河原店の対象商圏人口を、一次商圏人口・4046世帯(8342人)、二次商圏人口・16618世帯(34911人)、三次商圏人口・31035世帯(65054人)と計算しています。

001サミットストアが読み込んでいる想定エリア別対象商圏人口、二次商圏人口約16600世帯をベースに、ディリーファッションストア・サンキ分倍河原店の初年度売上高を予測すれば、以下のような計算が成り立つのではないかと思います。

サンキ分倍河原店の初年度・対象商圏内・獲得売上シェア15%、ディリーファッショストアが対象にできる衣料品及び衣料関連品の1世帯当り 年間消費支出額20万円、対象にできる年間需要額(16600世帯×20万円≒)33.2億円、サンキ分倍河原店の初年度売上高予測は→33.2億円×15%≒4.98億円、すなわち、約5億円を下限値でも奪取するだろうと考えられます。この場合の年間坪当り売上高は(年間売上高5億円÷600坪≒)約83万円となりますが、この数字は「ほぼサンキの全店平均年間坪当たり売上高に近い」と考えられますので、まず、まちがいなく確保するものと思われます。(ちなみに、サンキは、この分倍河原店より大きい「サンキ多摩ニュータウン店・売場面積約1000坪」では、推測ですが、年商約10億円超、年間坪当たり売上高約100万円をあげていると考えられます)。さらに、このサンキ分倍河原店の対象商圏エリア内に、これといっためぼしい競争相手の店がいない「無競争地帯」であること考えますと、サンキの力をもってすれば、初年度売上高6億円の奪取することもそれほど難しくないかもしれません。(そんな感じがするのですが・・・・・・。)

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サンキ分倍河原店の開店チラシ・第一弾。チラシサイズは、ここ数年定番サイズとなっているB4版。チラシは「強烈な超目玉価格品を組み入れた低価格訴求型」。これは表面ですが、裏面には、婦人ソックス各種39円、婦人3分袖スリーマー129円、紳士プリントトランクス69円、紳士刺繍ブランドソックス50円などかなりの数の超目玉価格品が掲載されています。訴求力、インパクトの高い強烈・強力なな開店チラシです。このサンキの超目玉品価格に対抗してくる店は、周辺の衣料品取扱い小売店ではいないでしょう。サンキの独壇場、サンキのドル箱の店のひとつになる可能性が高いのではないかと思われます。

「ファッション市場サンキ・分倍河原店」-3月19日開店  完

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新店舗情報:サミット・コルモ-衣料館コルモピア川越藤間店・2月27日開店

■株式会社サミット・コルモ 2月27日-衣料館コルモピア川越藤間店を開店

株式会社サミット・コルモは2009年2月27日、第37号店、「衣料館コルモピア川越藤間店」を出店。発表された資料によれば、その店舗概要は以下のとおり。

所在地---埼玉県川越市大字藤間218-3(地図赤印)、売場面積261坪、初年度年商目標2.5億円、従業員数8.2人(正社員1名)001_2

衣料館コルモピア川越藤間店は、食品スーパーチェーン・サミットスア(売場面積2473㎡・約748坪、初年度年商目標26.3億円)が核店舗として構成された小商圏対応複合型商業施設の2階に出店。この商業施設は地上2階建+屋上駐車場で、駐車収容台数は160台。また、サミットストアの資料によれば、その対象商圏エリア別商圏人口は、1次商圏---2961世帯(7099人)、2次商圏---11605世帯(27667人)、3次商圏---24283世帯(57244人)となっています。一方、衣料館コルモピアが読み込んでいる商圏人口は、半径2㎞で38428世帯としています。

002_2株式会社サミット・コルモは 衣料館コルモピア川越藤間店の初年度売上目標を2.5億円としています。サミットストが読み込んでいる2次商圏の商圏人口が11605世帯であることをベースにしてディリーファッションストアが対象にできる年間需要額を計算しますと、1世帯年間消費支出20万円×11605世帯≒約23億円。この場合、衣料館コルモピアの初年度売上目標2.5億円の2次商圏における売上シェアは2.5億円÷23億円≒10.86%となります。サミット・コルモの力ならこの初年度売上高の確保はそれほど難しくはないのではないかと思われます。しかし、多少、気にかかる点がなくもありません。それは、

008_3衣料館コルモピア川越藤間店(印)から約1㎞のところに、最も手ごわい競争相手、ディリーファッションストアしまむらの「新河岸店」(1994年開店、売場坪数306坪、年商推計4億円~4.7億円・印)があることです。この店は、年間坪当たり推計売上高約150万円超の高効率店であり、しまむら対コルモピアの力関係を考えますと、簡単に撃破できるような競争相手ではなく、サミット・コルモは、その対応に手こずるのではないかと考えられるからです。ファッションセンターしまむらとサミット・コルモ-衣料館コルモピアは、至近距離で競争している場所がかなりありますが、その「勝ち、負け」を見ますと、サミット・コルモが絶対的優位を確保しているとは言えません。失礼な言い方で恐縮ですが、どちらかと言えば「おされ気味」のような気がするからです。

003_2 ただし、衣料館コルモピア川越藤間店が入っている商業施設は、強力な食品スーパーチェーン・サミットストアを核とした商業集積力の高い複合型店舗です。その集客力は「単独店舗のファッションセンターしまむら・新河岸店」よりはるかに大きく、競争面では、かなり有利です。この点を生かしきれば、衣料館コルモピア川越藤間店が優位に立てる、しまむらと対等以上の勝負ができるとも考えられます。2階という立地の不利が、多少、ひっかかりますが、これはそれほど気にすることもないかもしれません。1年後にどんな状況になっているか、とても興味があるところです。埼玉県は「しまむらの牙城」ですが、サミット・コルモはそこへ切り込んでいったわけですから、勝手な想像ですが、それ相当の覚悟をした上での出店であったろうと思います。それは、すこし低すぎのではと思われる初年度売上高目標、そして、年間売場坪当り売上高の設定を見ても分かるように思います。きっと、サミット・コルモも「必死」、しまむらも「必死」の戦いが展開されることになるでしょう。

011_2図は、衣料館コルモピア川越藤間店の売場ゾーニング概略です。売場坪数は261坪と「やや狭い」ように思いますが、同じフロアにテナントの「100円ショップ・meets」が入っているので、2フロアの集客力 は決して低くないと思います。衣料館・コルモピアの売場構成の特徴は、①婦人衣料部門の売場坪数構成比が高いこと、②肌着・靴下・ランファン・ナイテイなど、インナー売場の坪数がかなり圧縮されていること、③寝具・インテリア売場が狭いこと、この3点ですが、「しまむらとの競争」を考えますとちょっと不利かもしれません。売場坪数が全部で261坪ですから、やむを得ないと言えますが・・・・・。

004_2開店第1弾チラシはB3サイズ。開店日が2月27日という設定は、衣料品商売にとっては、「春でも冬でもない時期、なにで売上を稼ぐかとっても難しい時期」ですので、冬場での開店と比べれば「やや力を抜いた展開」になっているように思いました。冬物見切り+低価格・処分特価で売上を稼ごうとすれば、売れ残った場合の在庫リスク・値下げ処理が心配だし、かといって、春物がそんなに売れるとも思えないので、こちらも強気で在庫を持つこともできない。そういう、どちらつかずといいますか、リスク分散型のの品揃えを取らざるを得なったのではないかと思われます。

開店初日の売上高がいくらであったのかも知りたいところですが、残念ながら知るすがありません。しかし、下限値でも、1日当り売場坪当売上高2万円→261坪×2万円≒520万円、まあ順当な開店であれば、1日当り坪当り売上高3万円×261坪≒780万円~800万円は売上げているのではないでしょうか。「当たるも八卦・・・」の見立ですが・・・。

「サミット・コルモ-衣料館コルモピア川越藤間店 2月27日開店」  完

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チラシ販促:ディリーファッションストア-09年2月のチラシ販促セール

■ディリーファッションストア大手4社-2009年2月のチラシ販促セール

ディリーファッションストア大手4社、①ファッションセンターしまむら、②パシオス、③あかのれん、④サミットコルモ、が2009年2月に展開したチラシ販促セールから「これは、効き目がありそう」と考えたものをいくつかピックアップしてみました。2月という月は、「まだ、春物がそれほど売れず、どちらかと言えば、冬物処分で売上をとっている」、いわゆる、端境期ですので、各社のチラシ販促セールは「冬物処分、冬物見切り・値下げ」をメインタイトルとした値下訴求・低価格訴求型チラシが多く見られました。

005 別表は、4社が2月に展開したチラシ販促セールをまとめたものです(拡大してご覧になって下さい)。4社の共通点として、2月は各社ともに5本のチラシ販促セールを打ち込んでいることです。また、しまむらとパシオスの2月のチラシサイズはすべてB4サイズでした。これは、最近の傾向の一つですが、各社に、「チラシ販促セールの回数は減らさず、同時に、経費削減をはかろう」という考えがみられ、それで、B4サイズに統一されていると思われます。チラシは「サイズが大きければ効く」というものでもありません。チラシ販促セール企画の効き目は、その中身如何ですから、チラシサイズがB4でも、チラシ効果が低下するということはないものと考えます。

009 これは「パシオス」の低価格訴求型のチラシですが、①何を知らせたいか一目で読み取れること、②レイアウトも、見やすくて、分かりやすいこと、③文字使い(字の大きさの強弱)、カラー使いがうまいこと、加えて、④迫力があること、この4つがあり、かなり効き目があるように思われます。しまむらの低価格訴求型チラシ「商品限定・レジにて40%OFF」タイプと似ていますが、これはこれで参考にしたいチラシモデルの一つです。この手のチラシは、頻繁にやったのではその効き目もなくなるでしょうが、年に数回とか、四半期に1回という打ち込み方であれば、そのチラシ効果は大きいのではないでしょうか。パシオスは、このチラシと似たようなタイプのものを、年間にかなりの数、打ち込んで込んでいるように思います。それは「大きな効き目があるチラシ」の一つだからでしょう。写真無し、文字と数字だけのチラシですので、つくるのは、そんなに難しいことはありません。一度、実戦で試してみたいタイプのチラシの一つです。

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これもパシオスのチラシです。ディリーファッションストアの売価政策で最も重要な売価ラインの一つ「690円」に焦点を絞った低価格訴求型チラシ。少なくとも、これから先、2~3年は激しい「安売り・低価格競争」が続くものと考えられます。おそらく、90円、190円、290円、390円、490円、690円、これらの売価ラインの出現頻度が多くなるのではないかと思います。しまむらは、これより20円下げた、470円、670円、970円の売価ラインを使い、同業他社より「安さ」を強調してきています。この考え方については注意深く見つめていく必要があります。20円ぐらいの差で「安さが強調されるのか」と軽く考えてはいけません。

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これは「あかのれん(名古屋)」の、決算前の売りつくし、冬物処分のチラシ販促セールです。独特の文字使い、カラー使いで、迫力もあり、お客は、一目で、「あかのれんのチラシだ」と分かるのではないでしょうか。文字と数字だけでつくられたチラシは、「見にくい、ごちゃごちゃしている、表現が激しすぎる、品が無い、えげつない」などと言われることがありますが、このチラシはそれらの欠点を感じさせません。とても上手にまとめられているように思います。文字と数字だけで構成されたチラシの一つの「良いモデル」ではないでしょうか。

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これは、サミットコルモ「衣料館・コルモピア」の低価格訴求型チラシです。掲載品目数は少ないのですが、①日替わり、②4割引、③超目玉品・90円、190円、この3つの組み合わせでパンチを効かせています。サミットコルモはこのタイプのチラシをよく打ち込みますが、東京都や、神奈川県の一部の地域では「激安衣料品店」として評判になっていることを考えると、これも「効き目のあるチラシ」の一つでしよう。しかし、レイアウト、文字の表現、カラー使いなどがワンパターンで、マンネリ化すると「効き目が低下してくる」のではないかと思います。その点は注意しなけれはなりませんが、「たまには、打ち込んでみたいタイプのチラシ」です。掲載品目数少ないのですがの、品目名のチョイスさえ間違えなければ、効き目のあるチラシになると思います。これも、実戦で試してみたいチラシ。以上、パシオス、あかのれん、サミットコルモ・コルモピアが2月に打ったチラシの中から、「これは効き目がありそうだ」と考えたものをピックアップしてみました。チラシ販促セールのヒントになれば幸いです。(ファッションセンターしまむらのチラシは収集分析しておられるでしょうから割愛しました)

「ディリーファッションストア-09年2月のチラシ販促セール」  完

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売場構成:ファッション市場サンキ・大型店舗の売場レイアウト

■ファッション市場サンキに見る大型店舗の売場レイアウト

ディリーファッションストア大手・No2企業、ファッション市場サンキは800坪~1000坪タイプの大型店舗を出店しています。一方、ファッションセンターしまむらの最近の標準店舗規模は1200㎡・約360~370坪、パシオス、サミットコルモもほぼそれと同じ規模を標準店舗としています。したがって、ファッション市場サンキの売場坪数800坪~1000坪規模の大型店舗は、ディリーファッションストアとしては「かなり大きい規模の店」ということになります。別の言い方をすれば、イレギュラー規模の店舗ということもできます。しかし、この規模の大きさが、他店との競争ではサンキのとても大きな武器になっています。

001 写真は「ファッション市場サンキ・龍ケ丘店」ですが、その売場面積規模は約800坪(2645㎡)の大型店舗で、年商は推計で約8億円前後と考えられます。サンキはこのような大型店舗をいくつか出店しています。①サンキ多摩ニュータウン店→約1010坪、②ロックタウン野田七光台SC内・サンキ七光台店→約1000坪、③千葉ニュータウン店→約1000坪、などの店です。つい最近も、この規模の店を、長野・松本市、東京都府中市・分倍河原に出店しています。サンキの大型店舗の売上は掴んでおりません。しかし、聞いた話では、多摩ニュータウン店が苦戦、七光台店、千葉ニュータウン店は好調で、なかでも、千葉ニュータウン店の年商は約15億円~16億円という高い売上を上げているとのことです。

002 サンキ龍ヶ丘店は写真のように分棟・2棟タイプの店になってます。しかし、建物が中で連結ていますのでお客は一体の建物に感じることでしよう。実際は、店舗建物は①サンキ龍ヶ丘・本館と、②サンキ龍ヶ丘・婦人ファッション館の2棟になっているわけです。サンキはこのような分棟タイプの店をいくつか持っています(牛久店、つくば店など)から、分棟タイプの店のづくり、売場づくり運営には手なれていると考えられます。サンキにはそのような特色がありますが、店舗の分棟タイプ、一体タイプは別にして、彼らの大型店舗の売場レイアウト、ゾーニングを見てみましよう。売場面積規模が800坪~1000坪と大きいので、300坪の店と比べれば、各商品部門の売場ライン構成数がとても多いこともその特長です。

003 売場面積規模800坪~1000坪タイプのサンキの大型店舗は、売場が大きいこともあって売場ライン構成数が多いことは前述していますが、この「サンキ龍ヶ丘店」にもそのれが言えます。この店では、婦人衣料部門を別棟にまとめており、婦人部門では売場ライン構成数を12にしています。①婦人ヤングカジュアル、②婦人トップス、③婦人ボトム、④婦人アウトウェア、⑤シルバーミセス、⑥特選婦人服、⑦婦人・大きいサイズ、小さいサイズ、⑧婦人フォーマルウェア・ブラックフォーマル、⑨婦人靴下、⑩婦人ランファン、⑪婦人バッグ・財布・帽子、⑫婦人シューズ、です。

■ファッション市場サンキの他の大型店舗とその売場レイアウト

003_2ファッション市場サンキのいくつかの大型店舗の売場レイアウト概略図を載せておきます。是非、店舗視察クリニックをして、ご自分の目で確かめられることをおすすめいたします。きっとも得るものがあると思います。まず、サンキ千葉ニュータウン店(売場面積3416㎡・約1033坪、駐車場収容台数約381台、年商推計約15億円~16億円)の売場レイアウト概略図です。ちょっと見にくいかもしれませんが、拡大してご覧になればよく見えると思います。じっくり研究してください。どこかで、サンキの大型店舗と競争関係になった場合、どう対処すべきかのヒントが見つかるかもしれません。

 「ファッション市場サンキ 大型店舗の売場レイアウト」 完

   

 

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経営課題:既存店活性化の研究(その2)

既存店活性化について、主催しています「衣料スーパーストア研究会」・2009年2月・月例会(第193回)のテキストにまとめた「既存店活性化-成功の鉄則」からその一部を抜粋したものを載せておきたいと思います。ご一読いただき、なにかのヒントになればと思います。

■経験的提言-既存店活性化への取り組みで「心すべきこと」

● なぜ、既存店の活性化に取り組まねばならないのか」、その真の意味を組織・チーム全員にしっかり理解させること。「既存店活性化は極めて重要な経営課題」であることを説明し十二分に分からせること。

年度での新規出店が無い、もしくは、極めて少数(3店舗以下)でしかないというディリーファッションストアの場合、既存店活性化を怠れば、経営が縮小均衡に向かい、想像しているより短期間で衰滅する憂き目にあう。既存店活性化は「生き残れるか、それとも衰滅か」を分けるとても重要な経営課題であることをを組織・チーム全員にしっかり理解させておく必要があります。

既存店活性化の取り組みで絶対不可欠必要なものは「強い意志」

明確なコンセプト、①「なに屋をつくるのか」、そして、②明確なストアコンセプト、商品品揃えコンセプト、これ無しで「既存店活性化」に取り組んではならない。いままでの延長では「なにも変わらない」か、さらに、悪化するだけである。

問題は「品揃えの中身」。これが変えられるか、どうかで、既存店活性化の勝負が決まる。「商品と品揃えの活性化」、これが既存店活性化では最も重要。

品揃えの中身を以前のままにして、売場改装・レイアウト変更・什器配置変更・陳列形態変更、ビジュアルプレゼンテーションの改善などをやっても活性化にはならない。短期間、せいぜい、1~2ケ月間だけ、改装・売り尽くし閉店セールなどで一時、売上が上がるだけに終わる。「品揃えを変える、商品と品揃えの活性化をする」、これをいい加減にしたままで既存店活性化をやっても失敗する。よくよく注意せねばならない。

既存店活性化は、最初は「あせらず、じっくり」。何店舗かで活性化を進め、「成功パターン」をつかんだら「一気呵成」に。

活性化に取り組んだ店は、少なくとも6か月、基本的には1年間、しっかりフォロー、カバーし、「モノにすること」

既存店活性化で、その進め方を参考にしたい小売企業は「イトーヨーカ堂」のそれである。彼らの活性化の進め方は、「現場重視優先主義」、「しっかりした計画と目標を設定」、「地道で、手抜きせず」、「強力なプロジェクトチーム編成」など、とても手堅いやり方の既存店活性化を進めます。その取り組みの「しつこさ」と言いますか、決して「あきらめない。投げ出さない」姿勢には学ぶべきことが沢山あります。

■経験的提言-既存店活性化の取組みで「欠かしてはならない”当たり前”のこと」

①市場再分析 「市場の読み」

対象商圏エリア特性、商圏人口特性分析

対象商圏内品目別年間需要額推計→衣料品目別に。

特定商圏エリア内の競合店・競争店の調査分析→商品別売場坪数、売価政策、売場レイアウト、商品別什器配置図、仕入先構成など

②売上計算 「売上の読み」

設定した第一次、第二次商圏別に、

対象商圏エリア内、商品部門別・商品分類品目別確保目標売上シェア設定

商品部門別・商品分類品目別確保売上高目標設定

③商品部門別確保必要売場坪数の計算

先に計算した商品部門別売場坪数をもとに、売場レイアウト・ゾーニング

そして、これら①~③を進める、

既存店活性化プロジェクトチーム編成

活性化タイムスケジュール・期間計画作成

追加設備投資額計算、損益収支予測計算、利益計画立案

少なくとも、以上のことをきちんと決めてから「既存店活性化に取り組む」こと。

■既存店活性化には、①店舗・設備の活性化、②商品と品揃えの活性化、③組織と人の活性化、④経営コストの活性化、この4つがある。

店舗・設備の活性化

 売場面積拡大(移転・新築・増床・大改装)

 店舗の商業集積力・集客力の強化拡大(業種拡大・テナント導入など)

 駐車場スペース拡大

 業態転換(例えば、ディカウントストアに)

 閉鎖・撤退・スクラップ

商品と品揃えの活性化

 売場構成の見直し→売場レイアウト変更、売場改装

 品揃えの見直し→商品構成手直し

 価格政策の見直し→低価格政策

 販促政策の見直し→チラシ販促セールの強化

 商品投入計画の見直し→商品回転日数重視の商品経営

 仕入先構成、商品調達方法の見直し→自社開発PB商品

組織と人の活性化

 商品部スタッフの活性化→バイヤーの入れ替えと再教育

 店舗衣料マネージャーの強化→入れ替えと再教育

 店舗売場マネージャーの仕事力アップ→実戦的・実務的教育

 在庫コントローラーの強化→入れ替えと再教育

 スーパーバイザーの強化→入れ替えと再教育

経営コストの活性化

 人件費の削減→店舗段階労働分配率23%以内

 販促費の削減→チラシ販促費の合理的削減

 その他の経費コストの削減→水道光熱費など

 借入金の見直しと削減→支払利息の削減

 物流コストの見直し→配送コストの仕組みの見直しとコストの削減

  「既存店活性化の研究」 完

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経営課題:既存店活性化の研究(その1)-事例研究・ファッションセンターしまむら

■ファッションセンターしまむらの既存店年間売上高が「前年割れ」に!

ファッションセンターしまむらの2009年2月度の「既存店売上高前年比(昨年同月比伸率)」は、前月・1月に引き続き「前年割れ」で昨対90.8%でした。これで、今期のファッションセンターしまむらの既存店年間売上高前年比は95.4%と「かなりの前年割れ」がほぼ確定し、既存店活性化が大きな経営課題であることを知らしめました。しまむらの株価も、これに敏感に反応し、5000円が攻防ラインになってきたように思われます。しまむらにとっては「暗い材料ばかり取り上げられている」ように思いますが、彼らが「既存店売上高前年割れ」に何も手を打ってこなかったというわけではありません。むしろ、小売業・同業他社と比べ最も積極果敢な「既存店活性化策」を打ってきました。その必死の努力にもかかわらず、今期は既存店売上高が「前年割れ」となってしまったわけですが、それにはいろいろの原因が考えられるのではないかと思います。

原因としては、①100年に一度とも言われる世界規模の金融危機、大不況、そして、著しい消費減退、この大波からは逃げられなかったこと、②低価格競争の嵐、③これといった目立ったファッショントレンドの変化が無かったこと、④日本国内の地方経済が短期間で著しく衰微しましたが、ファッションセンターしまむらの店舗がそれら地方に多数あったことで、地方経済の悪化、景気低迷の影響をまともに受けたこと、⑤店舗数が1000店舗を超え(2009年2月末日で1123店舗)ましたが、大組織運営の転換点にあると考えられること(もしかしたら、大組織病の兆しもあるかもしれないこと)、⑥競争する同業他社との品揃えの差異化、差別化があまりできなかったこと、これらのことが考えられるのではないかと思います。

■時系列で見る「ファッションセンターしまむらの既存店活性化策」

ファッションセンターしまむらで「既存店売上高前年比」が経営課題としてあげられるようになったのは、2000年の業績説明会あたりからではないかと思います。しまむらの各年度別、①決算短信、②決算概要、③業績説明資料、そして、④業界誌・新聞(繊研新聞、日経MJ、販売革新、日経BPetc)などから、彼らが打ってきた「既存店活性化策」を時系列に簡単にまとめてみますと以下のようになります。

2000年度の業績説明資料で、今後のしまむらへの認識として、「既存店昨対比への再認識」があげられました。そして、2001年度には「既存店昨対比のプラス化」が言われています。しかし、それほど大きな経営課題としてとりあげられた様子はありません。

2004年度の業績説明資料で、はじめて、「既存店活性化」が一つの大きな経営課題」としてとりあげられるようになったのではないかと思います。というのも、2004年度業績説明会において、次のことがあげられたからです。

①130店舗を改装し、その改装効果・評価をおこなっています。

そこでは、改装効果のあったものとして、(イ)レジの増設、(ロ)床の石張り(売場の床を御影石にした、(ハ)店舗入口の変更(客入口位置の変更)、この3点をとくに改装効果があったものとしてあげています。

②既存店の売上高を実質1.5%アップできるかどうかについての言及もあります。

2005年度の業績説明会資料では、「既存店の活性化」が経営の重点課題として大きくとりあげられています。そこでは、

①既存店の活性化→改装134店舗の実施と、②2006年度の重点課題として、「店舗改装で売上昨対比10%以上増加」、この2点が言われています。2006年度あたりから、ファッションセンターしまむらでは「既存店活性化」が大きな経営課題の一つとなってきたことが言えるのではないかと思います。

ファッションセンターしまむらは、既存店の活性化策として、①既存店の店舗の建て替え、移転、増床新築、②大改装、この二つをやりますが、過去5年間の実績は以下のようになっています。

会計年度  新規出店数  既存店建替・移転  既存店大改装

H16/2--------51-----------8

H17/2--------48----------16

H18/2--------48----------12---------------14

H19/2--------56-----------8--------------106

H20/2--------58----------10---------------98

これを見ると、平成16年2月期~平成20年2月期の5年間で約218店舗を大改装していることが分かります。

さらに、業界紙・誌などに載った「しまむらの既存店活性化策」として打ってきたものをピックアップしますと以下のようなことがあげられます。

2004年2月末までに全店にウインドーディスプレイを導入する(繊研新聞03.10.10)

全店で女性下着の陳列方法をワゴンから「壁掛け」に変えた(日経MJ新聞)

しまむら-成長力維持へ既存店改装(繊研新聞05/9.1)

①今期の改装は年間26店舗、来春は40~50店舗、年間100店舗とるする。

②下期は、新規什器投入、ウインドーディスプイの強化、レイアウト変更を積極的にする。

③ランファンのディスプレイ変更を9月、500店舗で行い、全店導入を終了。

④改装ペースを加速。総額140億円を投資、最短3年間で400店舗を改装。

⑤対象は開店10年以上経った旧型店舗とし、1店当りに平均3500万円を改装投資。5週間休業し、天井高を4mに。床を御影石に張り替え、壁面と照明なども刷新する。入口付近にはウインドーディスプレイできるように改装。改装による売上増目標5000万円。

既存店店舗の建て替え、加えて、旧型店舗も大規模改装(H19/2期第三四半期概況)

以上のように、ファッションセンターしまむらは積極的に既存店活性化策を打ってきています。ハード面、ソフト面、商品と品揃え面にわたる広範な既存店活性化策をやっているわけです。その規模の大きさ、投資額の大きさは、同業他社のディリーファッションストアにはとてもできないだろうと考えられるとても大規模なものです。このように、ファッションセンターしまむらは、既存店活性化策として、①旧い店舗の全面建て替え、増床・移転、新築、②モールづくり、③大改装をやってきているのですが、しかし、それにもかかわらず、今期(2009年度2月期)の既存店年間売上高は「前年割れ」となってしまったのです。

ディリーファッションストア最大・最強企業のファッションセンターしまむらにしてこの結果です。同業他社はこのこと、すなわち、既存店活性化には、①多くの知恵と汗とお金が必要であり、②人手と時間もかかり、③「決して、あきらめない。投げ出さない。継続する」という強い意志、これらが求められること、そして、それでもそう簡単には成功軌道に乗せられないこと、そのことを決して忘れずに、各自、既存店活性化に取り組んでいかねばならないのではないか思います。

「既存店活性化の研究(その1)」-事例研究・ファッションセンターしまむら  完

     

 

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