研究会資料:人口4万人以下の地方小都市に2店出店し大きな売上シェアを獲る
■人口数4万人以下の地方小都市を2店で攻め、大きな売上シェアを獲り制圧する
人口4万人以下の地方小都市に2店出店し、そのエリア内で高い売上シェアを獲得、町を制圧するという戦略があります。このやり方は、食品スーパーマーケットでよく見られるケースです。自店から比較的近くにある出店物件だが、競争相手にその物件をとられ出店されるより、自社競合にはなるが、そこに自社の店を出すという戦略です。積極的防衛策などと言われることもあります。
ディリーファッションストアで、このような戦略をとったところがあるのだろうかと、ちょっと調べて見ましたところ、「ファッションセンターしまむら」が何ヶ所かでやっていることがわかりました。その一つの事例がここにあげた、地方小都市、長野県駒ヶ根市における「しまむら2店体制による商圏制圧」のやり方です。現在、駒ヶ根市には、①しまむら駒ヶ根店(1990年出店)、②しまむら駒ヶ根南店(2004年出店)、の2店があります。この2店舗の店間距離は直線距離で約2km、車なら約3kmという距離的関係にあります。(地図参照)
■駒ヶ根市における「しまむら2店出店」の事情と経緯
しまむらの経営トップの一人の方のお話では、「インター近くに店(=駒ヶ根店、地図・赤丸白抜きS1)を出店し、さらにバイパスが近くに開通したので、それに合わせてもう1店(=駒ヶ根南店、地図・赤丸白抜きS2)、出店した」ということです。そして、「インター店では売上が25%減ったが、2つの店舗を合計すると、売上は2.5倍になっていて、地域における占有率(=略注:売上シェア)がぐっとあがった。工夫すれば至近距離でも十分に共存できる」とも言っています。(業界月間誌「販売革新・2005年5月号」より抜粋)
■駒ヶ根市における「しまむら2店体制」の売上高&売上シェアを推測する
基礎データ
①駒ヶ根市の人口→世帯数12497世帯、人口総数34662人(H19)
②しまむら駒ヶ根店→1990年11月開店、売場坪数約269坪、年商推計約2.2億円
③しまむら駒ヶ根南店→2004年9月出店。売場坪数約350坪。年商推計約3.3億円
④駒ヶ根市の年間衣料需要額推計
世帯数12497×1世帯当り年間衣料関連支出額20万円≒衣料需要額25億円
しまむら2店の売上高及び売上シェア推計
⑤2店計の年間売上高推計は約5.5億円
⑥駒ヶ根市における「しまむら2店計の売上シェア」は、
2店計売上約5.5億円÷年間衣料関連需要額推計25億円≒売上シェア22%
きわめて大雑把な計算で恐縮ですが、駒ヶ根市における「しまむら2店体制」の売上シェアは約22%前後であろうと考えられます。(また、2店計売上高が6億円あったとすれば、その売上シェアは約24%となります)。
このように人口4万人以下の地方小都市・小商圏(この事例では長野県駒ヶ根市)に、2店出店し、そのエリアで高い売上シェアを奪取、地域制圧するという戦略もあるということです。ディリーファッションストアで、こういう戦略をやるところは、当方の知るところでは、「しまむら」以外にあまり思い当たりませんが、一つの情報として頭に入れておく必要があるだろうと考えています。「しまむらは、こういうこともやるよ」ということです。しまむらを競争相手とする時は、決して、油断したり、あまく見てはいけないということでもあります。(駒ヶ根市だけでなく、東京都青梅市でも似たようなケースが見られます。じっくり、分析・研究されることをおすすめします)
長野県駒ヶ根市における「しまむら2店体制」を調べて感じたこと 完
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