研究会資料:見附市における「スーパーセンター衣料部門」対「しまむら」、「サンキ」の戦い
(その1)ファッションセンターしまむら見附店vsサンキ見附店の戦い
新潟県見附市で、ファッションセンターしまむら見附店とファッション市場サンキ見附店が道路を挟んでわずか100mあるかないかの至近距離で競争しています。しまむら対サンキが、同じ都市、町で競争しているところは数多くありますが、この見附市のように、両者が眼と鼻の先で戦っているケースは極めて少ない。
■しまむら見附店とサンキ見附店の概要は別表のとおり。両者の売場坪当り年間売上高推計は、しまむら約91万円、サンキ約86万円ですから、その差は5万円もあります。しかし、サンキ見附店は、しまむら見附店の約1.9倍の売場坪数ですので、年間売上高ではサンキが約3億円前後、しまむらより高くなっています。このエリアにおける売上シェアは、しまむらより、断然、サンキ見附店の方が高く、売場面積規模の差が、そのまま、年間売上高と売上シェアの差をもたらしていると思われます。売上高が相手より大きく、売上シェアも高いサンキの方が「勝ち」と言うこともできますが、見附市における両者の戦いは、「相撃ち」、「引き分け」という見方をした方がよいのではないかと思います。店舗段階の税前利益率・額はどちらの店が高いか分かりません。しかし、利益効率面では、おそらく、しまむらの方がサンキより上ではないかと考えています。
(その2)見附市における、スーパーセンター(ここではスーパーセンターPLANT-5見附店)の衣料部門とディリーファッションストア「しまむら」、「サンキ」の戦い
①しまむら見附店、②サンキ見附店から、約1.8km~2kmのところに、③スーパーセンターPLANT-5見附店があり、①、②、③、3者は「お互いに大きな影響を及ぼす位置関係、競争関係」にあります。したがって、見附市は、スーパーセンターの衣料部門対ディリーファッションストア「しまむら」、「サンキ」の戦いを見ることのできる競争激戦地でもあるわけです。
■スーパーセンターPLANT-5・見附店の概要をまとめた表です。各年度別決算短信より作成しました(平成19年以降は決算短信のフォーマットが変わりましたので、平成18年9月期まで)。このデータをもとに、PLANT-5・見附店の衣料品売上高を推測計算してみましたが、年間約6億円~7億円の間ではないかと思われます。衣料部門の売場坪当り年間売上高は、おそらく、しまむらや、サンキより「下」ではないかと考えられます。
■スーパーセンターPLANT-5・見附店の出店で、「しまむら見附店」、「サンキ見附店」の売上が激減したということはなく、その影響は軽微?
PLANT-5・見附店の出店で、「しまむら見附店」、「サンキ見附店」、この両店の売上が激減したということはないようです。また、PLANT-5・見附店・衣料部門の売場面積規模は、靴・履物、寝具・インテリアまでいれると、しまむら見附店、サンキ見附店、この2店よりはるかに大きいわけですが、売場効率、商品利益効率は、しまむら、サンキよりかなり劣っているのものと考えられます。衣料品の商品経営力、品揃え力、売場運営力は、しまむら、サンキの方が「はるかに上」と言っていいでしょう。
①しまむら見附店の売場坪当り年間売上高推計は現在、約91万円前後と推測されます。これは、新潟県における2008年2月期のファッションセンターしまむら・35店舗平均の売場坪当り年間売上高約89.9万円より上の数値になります。もし、スーパーセンターPLANT-5・見附店の出店で大きな影響を受けていれば、この数値はもっと下がっているはずです。
②サンキ見附店の売上高は約5.5億円~6億円、しまむら見附店約3億円~3.3億円、アベイル約2.3億円~2.5億円、3店合計の年間売上高は、下限値約10億8000万円、上限値11億8000万円。これに比べ、スーパーセンターPLANT-5・見附店の衣料部門の売上高推計は約6億円~7億円ですから、「しまむら+サンキ+アベイル」、この3店を合わせた商集団グループに、売場面積規模、年間売上高、ともに大きく引き離されている=負けていると言えます。すなわち、しまむら見附店、サンキ見附店、この2店には、PLANT-5・見附店の出店による大きなマイナス影響はなかったと考えられます。
③(a)ストアコンセプト、(b)商品品揃え基本コンセプト、(c)商品ポジショニング、(d)品揃えにおけるファッショントレンドの取り込み、これらについて、「しまむら」、「サンキ」の2者は、明確な設定をしている。しかし、PLANT-5・見附店には、低価格という以外に、(a)~(d)についての明確な設定がない。「ただ、安いだけ」、「ファッション性、品質は劣るが、とにかく安い」というだけでは、ディリーファッションストア業界、ナンバーワン企業・しまむら、そして、ナンバー2の「サンキ」にはとても勝てない。大きな打撃、大きなマイナス影響を与えることもできない。
日本国内におけるスーパーセンターの展開形態は各社各様、その「定義づけ」もまた、各社各様です。また、各社がそれぞれの考え方で展開している「スーパーセンター」における衣料部門も、これまた、各社各様で、共通する考え方、共通する部分というものがあまり見られません。したがって、スーパーセンターの衣料部門とディリーファッションストアの比較分析をする場合、ある1社のスーパーセンターだけを取り上げて、あれこれ言うのは大きな危険があります。大間違いするかもしれません。
したがって、今回、このレポートで、スーパーセンターPLANT-5・見附店の衣料部門と、しまむら見附店、サンキ見附店を比較分析して、「スーパーセンターの衣料部門は、ディリーファッションストアNo.1企業・ファッションセンターしまむら、No.2・サンキの店にとってそれほど脅威となる手強い競争相手ではない」と結論づけていますが、それに絶対的自信を持っているというわけではありません。ここのところは頭に入れておいてください。(今後、いくつかのスーパーセンターの比較分析をやっていきたいと考えています)
完
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