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研究会資料:「スーパーセンター」の衣料部門は儲かっているのだろうか?

各社各様の「スーパーセンター」 

日本国内で、企業名、または店舗(商業施設)に「スーパーセンター」という呼称をつけているところを調べて見るとかなりの数あることが分かる。

例えば、イオンスーパーセンター、SUPER CENTER PLANT(株式会社PLANT)、スーパーセンタートライアル(株式会社トライアルカンパニー)、ベイシアスーパーセンター、イズミヤスーパーセンター、スーパーセンターオークワ、AZスーパーセンター、スーパーセンターアマノ、日敷スーパーセンター、スーパーセンターOK、などである。この他にも、ローカル食品スーパーチェーンがつくったスーパーセンター呼称の商業施設もあるのでそれらもあげればもっと多くのスーパーセンターがあることになる。

■「スーパーセンター」とは何か、どんな「定義づけ」がされているのだろうか? 

この「定義づけ」にも各社で微妙に違うところがあるように思われる。ここでは、スーパーセンターを最も多くつくってきた「ベイシア」の考えている「スーパーセンターの姿、かたち」が最も分かりやすいと思ったので、彼らのホームページから、その主要部分を抜粋させてもらうと、次のようにまとめられそうです(勉強家の方には、「釈迦に説法」になりますが・・・・・)

ベイシアのホームページにある「Super Center Ⅰ」より抜粋

スーパーセンターとは「衣食住、日常生活に必要な商品をトータルに提供。すべての部門で地域一番の最強の業態。

衣・食・住関連商品を総合的に品揃えし、日常生活に必要なものすべてを提供するワンストップショッピング機能を持つ。

最大の強みは、豊富な品揃えと地域一番の低価格で、消費者から圧倒的な支持を獲得している。

ベイシアスーパーセンターの標準タイプは、売場面積8000㎡~10000㎡。お客様の回遊限界を超えない大きさに抑え、ワンフロア、前面駐車場。

「前置き」、前段はこれくらいで終わりにして、本題にはいります。

■スーパーセンターの衣料部門はどのくらい売れているのだろうか、儲かっているのか?  

店舗、または、企業名に「スーパーセンター」の呼称をつけているところが多々あることは前述しているが、はたして、それらのスーパーセンターは「いくら売れているのか」、「儲かっているのか」などを調べて見ようとすると、公表されている数値データが極めて少なく、その実態をよく掴むことができない。まして、スーパーセンターの部門別売上効率、利益効率、生産性などに関する数値データを掴むことは至難の業というか、内部の者しか分からないという状況である。

したがって、「スーパーセンターの衣料部門はいくら売れているのか、儲かっているのか」については、当方の知っていること、見てきて感じたことなどを柱として考えを進めていくことにする。(そこのところは頭に入れておいて下さい。間違いがあるといけませんので・・・)

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■(表-1)は、GMSの衣料部門の商品効率数値実績と、スーパーセンターを展開している小売企業2社が公表している経営実績数値データの一部をまとめたものである。しかし、残念ながら商品部門別の数値データは無い。

002■(表-2) は、ここ数年で、スーパーセンター呼称の商業施設を多店舗展開しているイズミヤが公表しているものです。彼らが展開してといるイズミヤスーパーセンターの概要が、おぼろげながらも見えてくるのではないかと思います。

(表-1)の株式会社トライアルカンパニー、株式会社PLANT2社の利益効率、①経常利益率、税前利益率を見ていると、「スーパーセンターは、本当に儲かる店、儲かる業態なの。大丈夫なの?」と考えてしまうのですが、この見方は間違っているでしょうか(ベイシアなどは、そんなことはないと、言下に否定するかもしれませんが・・・・・)

また、(表-1)、(表-2)の中にある、3.3㎡当り(売場坪当り)年間売上高をみて見ると、株式会社PLANTが約145万円(2007/9)、イズミヤスーパーセンターは、ムラがありますが、商圏人口が少ない店(世帯数で15000世帯以下)では約160万円~190万円となっています。

この数字には、売場坪当り売上の高い食料品部門の数値も含まれているわけですが、これから推測しますと、衣料部門の売場坪当り年間売上高は、全体の数値実績の5掛け~6掛けがいいところではないでしょうか。すなわち、PLANTの衣料部門の売場坪当り年間売上高は約70万円~約90万円、イズミヤスーパーセンターで約80万円~115万円、この間の数字になるのではないかと思うのです(どちらかと言えば、低い方の数字に近いのではないかと思っているのですが・・・・・)

ディリーファッションストアの売場坪当り年間売上高と粗利益率、年間商品回転率と比べると、スーパーセンターの衣料部門の商品効率は低く、商品経営的にはとても厳しいのではないか?

ディリーファッションストア(しまむら、パシオス、サンキ、サミットコルモなど)が考えている商品経営効率数値は、以下のような数値ではないかと思う。

(A)下限値では(これ以下の数値では、商品経営も、商店経営も成り立たないと考えている数値)、売場坪当り年間売上高80万円、粗利益率30%、年間商品回転率8回。

(B)標準値では(この数値レベルまではなんとしても確保しなければならない数値)、売場坪当り年間売上高100万円、粗利益率31%~32%、年間商品回転率9回~10回。

(C)売れて儲かる店になれる数値としては(これ以上の数値が確保できれば儲けは高い数値)、売場坪当り年間売上高120万円、粗利益率31%~32%、年間商品回転率10回~11回。

スーパーセンターの衣料部門の商品生産性実績数値は、はたして、ここにあげた(A)、(B)、(C)、のどのあたりの数値実績になっているのだろうか(もしかしたら、(A)下限値以下ということもあるのではないだろうかとも考えているのですが、こんなことを言うと叱られてしまうでしょうか・・・・・・・)

スーパーセンターの衣料部門の「ここが気になる」 

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スーパーセンターの衣料部門の商品ポジショニングは「いまひとつ明確さに欠ける」と考えています。商品ポジショニングの「あいまいさ」は、「売価政策のあいまいさ」にもつながります。彼らは、一体、どのポジショニングを考えているのでしょうか。そこのところがよく見えないので、とても関心を持って見ています。

スーパーセンターの売場ゾーニングは「どの店も似たり寄ったり」で、個性的、創造的なところがあまり見当たらないように思うのだが・・・・・・。

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イズミヤスーパーセンター「紀伊川辺店」と、ベイシアスーパーセンター「大網白里店」の売場ゾーニング。ほとんど同じ形に見えますが、これがスーパーセンターの定型なのでしょうかか。業界通に聞くと、イズミヤはスーパーセンターをつくるにあたって、ベイシアにそのポイント、すなわち、店づくり、品揃え、売場づくり、業種構成、売場レイアウト、店舗運営・オペレーションなどを相当、教えてもらったという話である。「だから両者のスーパーセンターはとてもよく似ている」とのことであった。

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■ベイシア・スーパーセンター大網白里店の売場ゾーニング。ベイシアはイズミヤスーパーセンターの「先生」とも言える立場にあるが、はたして、どこまでが同じなのだろう。これも業界通の話だが、衣料部門の商品グレードポジショニング、売価ポジショニングは、ベイシアよりイズミヤスーパーセンターの方が上のゾーンになっており、そこが問題だということであった。

スーパーセンター呼称の店舗、商業施設における衣料部門を見て、こんなことを考えました。当方は、まだこの部分について両社の店を調査分析していなので確かなことはなんとも言えません。本当のところはどうなっているのでしょう。いずれ、彼らのスーパーセンターに関する情報を出来うる限り幅広く収集、そして、店づくり、品揃え、売場づくりを徹底的に調査分析し、その結果を報告したいと思っています。

 「スーパーセンターの衣料部門はいくら売れているのか、儲かっているのか」 完

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新店舗情報:「サンキ仁戸名店(千葉市)」開店

サンキ仁戸名店が2008年7月26日、開店 

関東地区では久しぶりの出店と言えます。サンキは、北海道で「北海道三喜」を設立してから、その「基礎がため」に時間を取られていたためか、関東地区での出店がストップしていたように思います(九州地区には出店していましたが・・・・・)。そんなわけで、サンキ仁戸名店の開店を「久しぶりの出店だ」と言った次第です。

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■サンキ仁戸名店の出店場所は、食品スーパー・マミマートを核店舗とし、「ザ・ダイソー」、「TSUTAYA」、ドラッグストア「サンドラッグ」で構成されたオープンモール型のNSC内です。マミーマートのB1Fに「西松屋チェーン」と横並びの場所に出店しています。(注①この土地は丘陵地帯らしく、マミーマートの裏側から入るとそこが1階=B1Fになります)

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■こちら側から入ると、「サンキ仁戸名店」、「西松屋チェーン」の店はB1Fになります。すなわち、食品スーパー・「マミーマート」と、ドラッグストア「サンドラッグ」の下のフロアにあることになります。サンキ仁戸名店は売場坪数約500坪クラスの店ですが、1000坪タイプの店より「しまりのある店」になっているように思います。

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■こちら側からは、サンキ、西松屋チェーンが1階になりますが、客の入りはやはり、食品スーパー・マミーマート側からが圧倒的に多いように思われます。したがって、地下1階にサンキ、西松屋チェーンがあるという感覚が強いと思います。

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■食品スーパー・マミーマートからの「下りエスカレーター」から見た「サンキ仁戸名店」の売場です。サンキの右手には「西松屋チェーン」があります。サンキの前面オープン型店づくりとは対照的なクローズ型の店づくりです。しかし、この2店の集客力は強力であり、マミーマートがその恩恵を最も受けているように思います。

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■サンキ仁戸名店の開店セール第一弾チラシですが、チラシサイズはB4サイズです。新規開店チラシとしてはサイズがとても小さいと感じますが、ここ数年間、サンキは開店チラシにB4サイズしか打っていません。店舗入口ににこのチラシのコピー拡大版が貼り出してあり、てんます。店内にはB5サイズのチラシが多数POPも兼ねて貼りだされています。

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■開店セール第一弾チラシの裏面、表面ですが、39円、50円、59円、99円、100円、129円、150円などの超目玉品が上手に埋め込まれています。これがサンキの低価格訴求の「うまさ」ですが、お客は「その安さにビックリ」し、思わず買ってしまうようです。サンキならではのやり方と言えるでしょうか。

サンキとって、売場坪数500坪~600坪の店のは、「彼らの持てる力を、最も効率よく、そして最大限に発揮できる規模の店」でしょうから、無駄、ムラ、無理のない生産性の高い店づくり、売場づくり、品揃えになっているように思いました(1000坪タイプの店は、まだ、「当たり外れ」があるように思うのですが・・・・・・)

   サンキ仁戸名店 7月26日開店   完

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しまむら対策(その6:しまむらとの競争に備え、「やっておかねばならない前準備⑤」

■店舗競争力は、その企業の「持てる全ての力」の強弱に左右される。 

「店舗競争力」を構成する主要なものは、資金力、組織力、MD力(商品力・品揃え力)、経営情報システム構と物流システム構築力などである。これらの力の差で、それぞれの小売企業の「店舗競争力」が決まる。

個々の店、1店舗だけの「店舗競争力」を考えれば、それらに加えて、①立地、②売場面積規模、③商業集積力・業種構成数、④駐車場収容台数、⑤初期店舗設備開発投資コスト、⑥店舗経営コスト、オペレーションコスト、⑦店舗運営力などがあげられる。これらの項目がそれぞれ一つずつ、どの程度(レベル)まで充足されているかで決まる。

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■店舗競争力を図示すれば、(Ⅰ)商品品揃え力+(Ⅱ)システム構築力となる。商品品揃え力如何で「商品競争力」が決まり、それは、店舗競争力を左右する重要な一つの要素となる。しかし、それは、「店舗競争力の一部分」である。ファッションセンターしまむらの店舗競争力と真正面から戦って勝てるディリーファッションストアは今のところ見当たらない。

しまむらは、個々の店の競争(競争の勝ち負け)に対して「個店対応」はしない。 

ファッションセンターしまむらは、個々の店の競争の勝ち負けに対して、個店対応策は取らない。個店対応するには人手がたりない。もし、競合対策をやるなら全体のレベルをあげる全店対応策をとる」という考え方のようである。ここに、しまむらと競争する店の勝てるチャンスがあるかもしれない。すなわち、企業力全体の比較と競争力では勝てないかもしれないが、個々の店の戦いなら勝てるチャンスがあるだろうということである。店舗数が50店舗以下の規模ならこの考えで、「しまむらとの競争対策を進める」ことができるだろう。そのくらいの店舗数規模なら、まだまだ、個店の動きに、細かく目を行き渡らせることもできるからである。

しまむらの店舗運営組織は聞くところによると、店舗部が各地方別に分けられて7部~8部あり(例えば、店舗1部 東北地方・○○ブロック数・○○店舗数)、その店舗部の下にある各ブロックは店舗数6~7店舗でまとめられ、それらを、店長兼任のブロックマネージャーが管理するというブロックマネジメント体制をとっているとのことである。ならば、各ブロックマネージャーはその管理下にある個々の店の競争に「個店対応策」を取るのではないかと考えたのであるが、どうもそうではなく、やはり、競争に対しては「全店対応策」をとる方向に進むようである。

しまむらのA店が競争に負けているというとき、例えば、低価格競争で負けているということが明らかになった場合、その店だけの対応策(すなわち、個店対応策)を取るのではなく、何故、低価格競争で負けているのかを深く掘り下げ、それを全店共通の問題、もしくは、全社的弱点としてとらえ、その抜本的解決策と全店的対応策を進めるというものである。「全体最適化」という言葉があるが、しまむらはそういう考え方で進むということだ。

しまむらと競争している店(または、今後、競争する店)の競争対策と前準備

心身ともにタフで闘争心に溢れた人材をその店の店長として配置しておく。

そういう人材でないと、「しまむらとの長く厳しい戦いに耐えられない」からである。また、その店の店長も含めた人材配置にあたっても、理想論を言えば、「勉強熱心、研究熱心で、継続力を持った(戦い途中で投げ出さない、諦めないこと)、そして、小売業が好きな人材、礼儀をわきまえている人材を配置する」ことである。こういった人材を配置できれば、その店の競争力は一段と強まり、しまむらとの競争に簡単に負けてしまうことはない。勝てるチャンス、その可能性がとても高い。

しまむらは基本的に「個店対応策」をとらないとすれば、こちらは、品揃えもチラシ販促企画も徹底した個店主義、個店対応策をとることにする。

商品部は、しまむらと競争している店に対しては、常に「競争に勝てる価値ある商品を優先的に投入する」。これを絶対原則とする。

競争の最後のところは「人と人との戦い」ということである。店舗数が、しまむらのように1000店舗を超えていては、競争に対して、このような個店主義、個店対応策はとても取れない。同業他社と競争・競合している店数も半端な数ではないからである。また、チェーンストアとしても、個店主義で、個々の店の競争に対して一つ一つ対応するというやり方はとらないし、とることもできないだろう。

こんなことを言うと、個店主義礼賛と思われる人もいるかもしれないが、決してそうではない。先述したが、店舗数が50店舗以下の小型量販衣料品店チェーンであればという前提条件で言っているのである。小型量販衣料品店チェーン、ディリーファッションストアで、このような考え方で「しまむらとの競争対策、前準備をしている店」があるかどうかわ分からない。しかし、業種は異なるが、食品スーパーチェーンなかにとても参考になる事例があるので、最後にそれをあげておこうと思う。それは、食品スーパーチェーン「株式会社オオゼキ」の商品経営、商店経営、そして、競争対策のやり方です。

「株式会社オオゼキ」のホームページには、彼らの基本的考え方が載っています。以下に、勝手ながら、それからのなかからいくつかを原文のまま抜粋させてもらいました。

(A)高い正社員比率によって独自に展開する店舗経営、

(B)個店ごとの分散仕入と、食材に絞った多品種小ロットの品揃え、

(C)お客様のニーズにきめ細かく対応できる個店主義、

彼らのホームページには、もちろん、これ以外にも企業経営の基本的考え方が載っています。ここに上げた(A)~(C)の3つは、「株式会社オオゼキ」の商品経営、商店経営に対する考え方の一部です。しかし、彼らはこの考え方を全面的に押し進め、業界きっての高い生産性をあげているのです。売場坪当り年間売上高が1000万円を超える店を多数持っていますし、また、人的生産性も業界のトップクラスです。

彼ら、食品スーパーチェーン「株式会社オオゼキ」の考え方、経営のやり方は、頑固・頑迷なチェーンストア論者からみれば、到底、受け入れがたいものかもしれません。しかし、食品スーパーチェーンでは、今、最も注目されている企業の一つでもあります。食品スーパーだから、われわれ、量販衣料品店とは関係ないなどと思わず、是非、彼らの営業実績、経営成果をじっくり調べてみてください。(食品スーパー、「株式会社オオゼキ」の決算データはホームページでみられます)。また、彼らの店を見に行って勉強、研究されることをおすすめします。「しまむらとの競争対策」を考えていく上で、必ずや、得るものが沢山あることと思います。

      

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私的経験則:「仕入センスが良い」とはどういうことか。

仕入担当者の「仕入センスが良い」とはどういうことか。

「仕入センスが良い」とは、その人の着ているもの、持ち物、趣味嗜好のセンスがよい、ということだけではない。それももちろん必要だが、仕入担当者として求められる「仕入センス」とは、「自店の商品戦略、自店が対象としているメインターゲット顧客にピタッと合った、その人たちが喜んで買ってくれる商品を仕入れてくる目=仕入選択眼が確かなこと、その商品チョイスと品揃えが的確であること」、これを「仕入センスが良い」というのである。

「自分が好きだから仕入れてきた」とか、「売れるとは思ったが、その商品を私は嫌いだから仕入れてこなかった」というのではダメである。仕入担当者としては失格である。量販衣料品仕入担当者の「仕入センスの良さ」を、言葉で言い表せば、次のように言うことができるかもしれない。

「その仕入担当者の担当部門、担当商品の商品生産性数値実績が、①売場坪当り年間売上高200万円以上、②粗利益率32%以上、③商品回転日数25日以内、これを1年間以上、維持し続けている」、これができている仕入担当者を「仕入センスが良い」と言う。(注:これは、小型量販衣料品店、小商圏対応型量販衣料品店の仕入担当者に限って言えること。衣料専門店チェーンのバイヤーを除く)

■「仕入センスを良くする」ために、「当たり前のこと」としてやらねばならないこと。

仕入担当者として「仕入センスを良くする(磨く)」には、

(1)売場を常にチェックすること。売場に足を運んで、常に「現場からの発想を持った仕入」をおこなうこと。

(2)売場担当者の意見、お客の意見、評判をよく聞くこと。それら情報を、常に、整理分析しておくこと。

(3)競争相手の店の品揃えを常にチェックすること。調査分析しておくこと。

(4)商品の日々の売行き状況、在庫状況等を必ず「数値」で把握、分析しておくこと。

(5)出来うる限り、多くの店、仕入先、メーカーを歩き回ること、見て回ること。

(6)仕入センスの優れた人、売れる品揃えを構築している人、それらの人の教え、意見をよく聞くこと。また、そういう人を探し訪ねて、仕入と品揃えの実践経験談を聞いて回ること。

(7)メーカー・問屋にいる「優れた商品企画担当者」の考え、教え、意見、話をよく聞くこと。また、高い営業実績を上げ続けている実務・実力派営業担当者の話もよく聞いて回ること。

ここに上げた(1)~(7)のことは、いずれも、仕入担当者としてやらねばならない「当たり前のこと」であり、新しいことはなにもない。要は、それを、仕入担当者として継続できるかどうかである。しかし、これらのことを「当たり前のこと」としてやり続けることができない仕入担当者が思ったより多い。「私のセンスはいいのだが、お客がついてこられない」などと嘯く人もいたりするが、仕入担当者は、「常に謙虚」、「常に学ぶ心」、これを忘れてはならない。なんといっても、その店が「売れるか、売れないか」の多くの部分は、仕入担当者の品揃え如何で決まるからである。私的経験則では、「店を生かすも、殺すも仕入担当者の腕次第」と言っているが、ともかく、常に勉強、常に研究の心で、自己育成、自己練磨を怠らず、「仕入センスが良い」と言われる仕入担当者になることである。

   完

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研究会資料「インナーウェア・実用衣料部門の組み立て」

■私が主催している「衣料スーパーストア研究会(月例回)」で使用したデータ・資料の一部です。この資料を使ったときの研究テーマは「インナーウェア・実用衣料部門の組み立て」でした。全てのデータ・資料ではありませんが、なんかの参考になればと思います。

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■ディリーファッションストア大手、しまむらの主力部門の一つ、肌着部門の実績数値データ及び推計値です。GMSや、食品スーパーの直営衣料の肌着部門に比べ、「しまむらの高速回転と値下率の低さ」が目立ちます。

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■ディリーファッションストア、売場坪数350坪クラス店舗のインナーウェア・実用衣料部門の商品分類別使用什器台数に関する調査データです。②と③の2ページになります。

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■品群別品揃え強化策を考えた資料の一部です。どの商品群の何を強化していくかを示しています。これは、婦人肌着④と、ランファン⑤のものです。

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研究会資料 「インナーウェア・実用衣料部門の組み立て」①~⑤ 完

 

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チラシ販促:ファッションセンターしまむらのセールチラシから「割引販売」が消える?

ファッションセンターしまむら、「商品売価に対する信頼性」を高める方向へ進む

ファッションセンターしまむらは、平成21年2月期、第一四半期財務・業務の概況(H20年6月27日発表)で、しまむら事業体の第一四半期の営業経過を述べている。そのなかに、「商品価格の信頼性を高めるためレジでの割引き販売を控え低価格商品の打ち出しに変更、・・」という文言がある。本当にそうなってきているかをチェックしてみると、確かに、その後のセールチラシからは「割引き販売」(例えば、○○割引、〇〇%off!)の文字が消えてきている。タイトル名「店舗限定スペシャルセール」などのチラシでは、まだ、表面に商品限定で「○○%off」の表現が見られることもあるが、B3サイズ・レギュラー版のチラシにはもう載っていない。

しまむらが、今後、①「商品価格の信頼性を高めていく方向」へ進むこと、②そして、セールチラシにも「割引き」という表現は使わず、低価格商品は「数字」で低価格を訴求していくこと、これはどうも本当のようです。

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■2008年6月26日に開店した「しまむら愛子ファッションモール店」の開店セール第一弾チラシ・表面です。ここには「○○割引、○○%off」の表現は見当たりません。過去の開店チラシには、商品限定で「○○割引き、○○%off」表現のものが何本か掲載されるケースが多かったのですが、それが本当に消えています。売価を「数字」で表現、それで「安さ」、低価格訴求をしています。

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■先述の開店セール第一弾チラシ・裏面です。ここにも、「○○割引き、○○%off」の表現による掲載品目は1本もありません。低価格商品の「お値打ち」と、その「安さ」を数字だけで表し、訴求するのは結構、難しいものですが、かなりうまくやっているように思います。お客がチラシを見れば、その「安さ」と「お値打ち」が分かるようにしています。

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■しまむらと同じく、愛子ファッションモール1階にオープンした「アベイル愛子店」の開店セール第一弾チラシです。ここでも、ジャストプライスという文言で、売価の安さを「数字」表現だけでやっています。しまむら同様、「○○割引き、○○%off」の表現が使われていません。これは、今後、しまむらグループ全体共通の方針なのでしょう。

■量販衣料の売上不振、「月別売上前年割れ」が続いている。しかし、競争に勝つためには、苦しくとも、低価格政策を維持していかなければならない。そして、「安さ」を強く訴求するために、「○○割引き、○○%off」という表現がかなり頻繁に使われている。効き目があるからだ。ファッションセンターしまむらは、今後、そのような表現による低価格訴求→「安さの訴求」はやめるということだが、同業他社はどうだろうか。とりわけ、しまむらの店と「至近距離でぶつかり、競争関係にある」パシオスや、サミットコルモはどうするだろうか。この2社のセールチラシには、「○○割引き、○○%off」という表現の広告品がかなりの本数、掲載されているチラシが多い。ちょっと「いじわるな見方」ですが、しまむらは、それを無視するというか、わが社の方針ではもうやらないとして、我慢することができるだろうか。果たして、どうなるでしょう。とても、興味があります。(おそらく、しまむらは、今度の方針を貫き通すだろうと思いますが・・・・)

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■日本チェーンストア協会発表の「商品分類別月別売上高前年比・増減率の推移」です。2007年5月から2008年4月までの月別実績数値ですが、衣料品売上の「前年割れ」が最もヒドイことが分かります。なんとか「売上前年割れ」をくい止めるために、セールチラシは、多少、激しい表現のものが増えてくるように思います。「○○割引き、○○%off」という表現も頻繁に使われるかもしれません。しかし、この「○○割引き、○○%off」という表現を多用したセールのやり方は、これを真面目にやれば、粗利益を著しく低下させるという欠点があります。。しまむらが打ち出した、「商品売価に対する信頼感を高める」という新しい政策方針、これが成功すれば、その心配(粗利益低下)はなくなせることになるかもしれません。。ですから、今後の進展を注意深く見つめていくというわけです。是非、そうされることをおすすしたいと思います。

「ファッションセンターしまむらのセールチラシから割引販売が消える?」 完

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業界動向:しまむら&パシオス連合軍、秩父市を制圧

しまむら&パシオス連合軍、3店舗で秩父市(埼玉県)を席巻 

埼玉県秩父市は、人口68,686人、25,647世帯(平成20年5月1日現在)の地方都市です。秩父市がある地形的特徴から考えると典型的な「閉鎖商圏」と考えられますが、周辺の町村人口を加えた「秩父市都市圏人口」は約11万5千人という推計値が出されています。また、旧秩父市商圏・吸引人口は約84,500人と推計されています。

現在、秩父市には、①キンカ堂ファッション館(売場面積約1000坪)、②パシオス田原屋秩父店、③ファッションセンターしまむら秩父店、④しまむら影森店、この4つの量販総合衣料品店があります。パシオス秩父店、しまむら影森店と秩父店の概要は以下の通り。

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■パシオス田原屋秩父店の外観。売場面積は756坪。平成10年6月19日開店。年商10億円超を売上げたこともある店です。今でも、売場坪当り年間売上高100万円はあげていると思われますので、年商は、推計値ですが、約7.5億円~8億円を維持しているだろうと考えられます。店舗年齢は古い店ですが、パシオスにはこの広さの店を十分に生かした運営力、商品力があるからです。

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■パシオス田原屋秩父店の売場レイアウト概略図。地上1階、ワンフロアの店ですが、量販総合衣料品店では、秩父市の一番店と考えられますす。キンカ堂ファッション館がありますが、その店との競争では、パシオスが打ち勝っています。パシオスには、婦人衣料、そして、肌着靴下等の実用衣料の強さがあるからです。

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■しまむら影森店。2007年開店。しまむらの秩父市における2号店で、秩父市では最も新しい量販総合衣料品店。売場面積約350坪。年商推計3億円~3億5000万円。

■しまむらの、秩父市における、もう1店舗は、「しまむら秩父店です。平成10年11月12日開店。売場面積約293坪。年商推計3億5000万円~3億8000万円。

しまむら&パシオス連合軍、秩父市を制圧  

(A)秩父市の商圏

秩父市の商圏人口は、先に二つの推計値(約84,500人、もう一つは約11万5千人)をあげていますが、ここでは、平成20年5月1日現在の秩父市の世帯数25647世帯≒26,000世帯を商圏人口とすることにします。(経験的に言うと、地方都市の商圏人口はその都市の行政人口に近いケースが多くなっている)

(B)商圏人口26,000世帯とした場合の、秩父市における「衣料品及び衣料関連品」の年間需要額推計

量販総合衣料品店が対象にできる1世帯当り衣料品及び衣料関連品年間消費支出額は約20万円(平成17年 総理府 家計調査年報 全世帯・勤労者世帯)であるので、

商圏人口26,000世帯×20万円≒秩父市の衣料品及び衣料関連年間需要額52億円

と計算される。

(C)しまむら&パシオス連合軍、3店舗の年商推計 

前述していますが、

パシオス田原屋→年商約7.5億円~8億円、②しまむら秩父店→年商約3.5億円~3.8億円、③しまむら影森店→年商約3億円~3.5億円、この①~③を足すと、下限値で約14億円、上限値では約15.3億円。

秩父市の衣料品及び衣料関連品の年間需要額推計は約52億円ですので、しまむら&パシオス連合軍・3店舗の年商合計、下限値、上限値、それぞれの売上シェアを計算すると、

下限値14億円の売上シェアは約26.9%、上限値15.3億円の売上シェアは29.4%となります。これは、下限値の売上シェアでも秩父市における独占的売上シェアです。秩父市を制圧したと言っていい売上シェアであるとも言えるわけです。

埼玉県秩父市における「しまむら&パシオス連合軍」3店舗を見てきて、こんなことを考えました。今後、この秩父市のようなケースが、とくに、関東地区で出てくることが考えられます。秩父市のケースは、しまむら、パシオス、両者が話し合ってつくられた戦略、政策ではなく、結果論ですが、これから先は、各地における、この2社の動きを用心深く見つめていく必要があるのではないでしょうか。

      「しまむら&パシオス連合軍、秩父市を制圧」   完

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業界動向:「売場づくりと商品の陳列・演出の標準化」に取り組んでいますか?

■売場づくりと商品の陳列・演出の標準化を進める  

ディリーファッションストアの中で、「売場づくりと商品の陳列・演出の標準化」が最も進んでいるのは「ファッションセンターしまむら」であると言われています。彼らは、「小売業の中で一番大事なことは標準化」と考えていますから、店づくりも、品揃えも、売場づくりも、商品の陳列・演出も、そして、小売業におけるあらゆる事項の標準化を押し進めます。売場づくりと商品の陳列・演出の標準化はそのほんの一部にしかすぎません。

ファッションセンターしまむらの最新店舗を2、3店だけでも、じっくり見てまわれば、店舗規模、売場面積規模、店舗建物設備、床・壁・天井、照明、内装・陳列什器形態などが全く同じ、すなわち、「標準化」されているのが分かるはずです。そういう背景があればこそ、彼らの店の売場づくりと商品の陳列・演出の標準化も成り立つのですが、実際、どのようなやり方でやっているのか、興味を持ちまして、いろいろ調べてみました。その結果、いくつかの仕組みが分かりましたので、それらを簡潔に「まとめ」ておくことにしました。

ファッションセンターしまむらは、商品部のバイヤーとコントローラーで作った「売場計画書」と「陳列依頼書」というものを店舗に定期的に配布し、それで「売場づくりと商品の陳列・演出の標準化」を進めているという話です。その指示書どおりに作業を進めれば、普通の能力のある人なら誰がやっても、「絵になる、見映えの良い」売場づくりと商品の陳列・演出が簡単に出来あがるということです。売場計画書と陳列依頼書は、毎月の店長会議で各店長にそれぞれ配布され、店長は店に持ち帰り、全員に伝達、指示通りの作業を進める、この仕組みが彼らの「標準化」を支えているのだとも聞きました。

調べてみて分かったことは、ファッションセンターしまむらの「商品の品出しと陳列作業」は、①店に入荷した商品の値札に陳列指示場所が記載されており(例えば、婦人トップス・カットソー・Tシャツ売場の売場プレイスナンバー○○の何番陳列什器に何を何枚、品出しせよという指示)、その指示通りに品出し・陳列する、商品部より毎月定期的に配布される「売場計画書」の指示に従っておこなう売場づくりと陳列・演出をする、この二つの仕組みで成り立っているということです。

ここで、ファッションセンターしまむらの「売場計画書と陳列依頼書」の持つ意味というか、役割を簡単にまとめると、以下のようになるのではないかと考えました。

①売場担当者の作業効率アップ(品だし、陳列、補充発注、売場づくりなどの作業の)

②商品本部の考え通りの売場づくりと商品の陳列・演出→標準化

③商品生産性、効率アップ

売場計画書だけでは売場はつくれない。前提条件と必要な前準備がある。 

ファッションセンターしまむらでは、毎月、定期的に各店舗に配布される「売場計画書と商品の陳列依頼書」で、売場づくりと商品の陳列・演出が標準化できます。しかし、それでは、「売場計画書と陳列依頼書」があれば、他の同業他社でも「しまむらと同じこと」ができるかというと、そうはいきません。多くの障害があるからです。それらを事前に解決しておかないとダメだからです。できない理由は以下のとおりです。

店によって売場面積規模も「かたち」も異なっている。バラバラ。標準化されていない。

店によって、その商品の売場の形、陳列売場位置が異なる。

店によって、その商品の陳列什器形態が異なる。また、同一形態の什器台数が不足。

陳列補助具、備品が揃っていない。

決められた日時に商品が入荷しない。品目数も数量もバラバラ。そのため、指示通りの売場づくりも陳列・演出もできない。

指示通りの売場をつくろうにも、商品を出す(陳列できる)スペースが無い。指示された場所には、まだ、前に入荷した商品が売れ残っているため、場所どりができない。

POPカード、ショーカード等の販促補助品が無い。本部から店に届いていない。

売場計画書の指示があいまい。具体的でない(期間・場所・品目・数量など)。言葉と写真と図と数字で具体的に細かく指示されていない。

店長からの指示が無い。指示が遅れた。

売場担当者の作業能力が低い。教育訓練が不足。

売場要員数が不足しているため、売場づくりに人手が回せない。時間が割けない。

売場をつくった後の商品フォロー、補充が弱く、売場が維持できない。

本部商品バイヤーの店まわり、売場巡回回数が不足。そのためすぐ売場が崩れる。

売場メンテナンス力、売場復元力、管理能力、維持能力が低すぎる。

以上のような「できない理由」がある店が多いからです。ですから、ファッションセンターしまむらの「売場計画書と陳列依頼書」にも負けないような立派なものが書けたとしても、「売場づくりと商品の陳列・演出の標準化」がなかなか進まないというわけです。ここにあげた①~⑭のことぐらいは、それが起きないように事前にきちんと解決しておかねばなりません。これらのことは、そう簡単にできることではありませんが、しかし、なんとしても事前に解決すべきこと、前準備としてやっておかねばならないことなのです。

■「なぜ」と「仮説」が明確に記載された売場計画書を。

売場計画書には、①狙い・目的、②数値計画、③展開図面、④売場位置と陳列形態(写真か図で)、⑤使用陳列什器形態と台数、⑥展開期間、⑦商品数量、少なくともこの7項目ぐらいは、具体的に明確に記載されていなければなりません。これらのことがはっきりされていないと、店の売場担当者は動きません。というより、動けません。本部商品バイヤーは、「その場の思い付き」だけで品揃えと売場展開を考えているんだと評価判断され、店からの信頼感を失うことになります。「こんないい加減な指示書で売場づくりや商品の陳列・演出やっても意味がないよ」ということになりかねません。「なぜ」と「仮説」が明確に記載された売場計画書を店に提出し続けないとダメだということです。商品バイヤーにとっては、これもなかなか辛く、厳しい仕事ですが、そこを乗り越えなければなりません。それで、はじめて、バイヤー、売場担当者が一体となったレベルの高い「売場づくりと商品の陳列・演出の標準化」ができるというわけです。

   「売場づくりと陳列・演出の標準化」に取り組んでいますか。  完

   

 

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新店舗情報:パシオス伊勢原店・7月2日開店

2008年7月2日、パシオス伊勢原店開店 

パシオスは2008年7月2日、伊勢原店を神奈川県伊勢原市板戸8(エムアイプラザSC内)に出店しました。同日、パシオス能見台店も出店しています(神奈川県横浜市金沢区能見台3-3-1・京急ショッピングプラザ内)。

パシオス伊勢原店が出店した「エムアイプラザ」は、オープンモール型のNSCで、業種構成及び店舗名は、①食品スーパー・ヨークマート、②ロイヤルホームセンター、③ノジマ電器、④サンドラッグ、⑤ザ・ダイソー、⑥パシオス、⑦シュープラザなど。店舗面積合計15470㎡、駐車場収容台数791台で、かなり高い商業集積力と強力な集客力を持ったNSCです。

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■オープンモール型NSC・エムアイプラザ(図左側)。

パシオス伊勢原店は大型家電店ノジマ電器のとなりに出店。衣料品店はパシオス(量販総合衣料品店)1軒だけですので、いい立地条件のところに出店したと評価できます。パシオス伊勢原店は、今のパシオスの標準店舗パターンです。品揃えも、売場づくりも、最新の標準店舗のものです。

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■パシオス伊勢原店の外観。ファッサード、カラー、店頭ショーウインドーの設置、床・壁・天井、照明、内装、陳列什器形態など、すべてパシオス最新型標準店舗と同じです。パシオスの最近の出店形態は、この、エムアイプラザのようなオープンモール型NSCへの出店と、食品スーパー店舗内へのが目立ちます。単独路面店より、やはり集客力があるという判断からでしょうか。ファッションセンターしまむらにも同様の傾向が見られます。

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■パシオス伊勢原店の開店第一弾チラシです。このパターンは最近のパシオスの開店でよく見られるものですが、開店チラシも標準化されてきたように思われます。同日開店した「パシオス能見台店」の開店チラシもこれと全く同じパターンで、店舗名部分を差し替えただけとなっています。パシオスの他の店の開店協賛チラシもその部分だけ差し替えた形になっています。

パシオスは、「ファッションセンターしまむらの資本提携、株式12.7%取得」のニュース以降、気のせいかもしれませんが、なんとなく、精彩を欠いていたように思います。出店速度も停滞気味だったように感じましたが、伊勢原店、能見台店、この2店の同時出店は、今までの見方を払拭するような出来事でした。しまむらの資本提携、資本参加、その後、ファッションセンターしまむらとどのような話し合いが進められているのか分かりませんが、パシオス独自路線、急速多店舗出店再開、積極的政策推進の方向に戻ってきたと思うのですが、果たして、本当のところはどうなのでしょう。とても興味のあるところです

     パシオス伊勢原店開店   完

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経営課題:ディリーファッションストアの売上シェアはまだまだ低い

■「売上シェア」という視点からディリーファッションストアを見る

小型量販衣料品店、ディリーファッションストアの市場規模を計算してみよう。まず、計算式(A)では、①全国世帯数×1世帯当り衣料品及び衣料品関連年間消費支出額=小型量販衣料品店が対象にできる全国消費支出額。①平成19年3月31日現在の全国世帯数は約5171万世、そして、②1世帯当り衣料品及び衣料関連年間消費支出額は約20万円(家計調査年年報・平成17年 家計収支編・全世帯・勤労世帯から計算した)であるので、この、①と②を乗ずると、全国年間消費支出額は約10兆3420億円となる。

次に、もう一つの数字、(B)ファッションセンターしまむらが毎年独自に計算している県別衣料品購買高というものがある。彼らが計算した県別合計・全国衣料品購買高を年度別に並べてみると以下のようになる。

2001年2月期→8兆2796億円、2002年2月期→7兆4248億円、2003年2月期→7兆4462億円、2004年2月期→7兆1431億円、2005年2月期→7兆1393億円、2006年2月期→7兆454億円、2007年2月期→7兆80億円、2008年2月期→6兆8710億円

年度別に数字のバラツキはあるが、ここ3年間の数字をみると、全国衣料品購買高合計は約7兆円と考えておけばよさそうである。

以上、(A)、(B)、二つの数字があるが、ここでは、小型量販衣料品店チェーン、ディリーファッションストア大手のファッションセンターしまむらが計算している数値、7兆円をベースに考えを進めていくことにする。

ディリーファッションストアの売上シェアは、まだまだこんなに低い  

ファッションセンターしまむら(単体)の年間売上高は、2008年2月期・約3476億7900万円。これが、しまむら計算の全国衣料品購買高に占める売上シェアは、4.97%にしかならない。また、ファッションセンターしまむらの県別売上シェアが10%を超えているところはまだ9県しかない。ディリーファッションストア業界・最大・最強のファッションセンターしまむらでさえも、全国売上シェアという視点から見ればをまだまだ低いのである。

ファッション市場サンキ(株式会社三喜)の2008年2月期の売上高は約446億円。①と同じ計算で、全国衣料品購買高7兆円に占める売上シェアは、わずか0.64%

パシスオ・田原屋の2008年度2月期売上高は約413億円。全国衣料品購買高7兆円に占める売上シェアは、これもわずか0.59%

あかのれんの年間売上高は約172億円。7兆円に占める売上シェアは、ほんのわずか0.24%

サミットコルモの年間売上高は約152億円。7兆円に占める売上シェアは、これもわずか、0.22%

以上、ディリーファッションストア大手5社の年間売上高合計は約4659億7900万円。5社合計の年間売上高合計でも、全国衣料品購買高7兆円に占める売上シェアはまだ約6.66パーセントにしかならない。まだまだ低い売上シェアなのである。

さらに、小商圏対応型衣料品店と同じタイプである、食品スーパーマーケットチェーンの直営衣料部門の年間売上高は、日本スーパーマーケット協会の販売統計によれば、2007年度は約2250億円。しまむら独自計算の全国衣料品購買高7兆円に占める売上シェアは3.21%

①~⑥、全ての売上シェアを合算しても、まだ9.87%で1割に届かない。

売上シェアという視点からみると、ディリーファッションストアはまだまだ伸ばせる 

衣料品の売上不振・低迷が長期にわたって続いているが、そこだけを見ていたのでは「戦略」をまちがってしまう危険があるということだ。自社の店舗がある県別売上シェア、都市別売上シェア、町村別売上シェアを一度計算してみるとよい。まだまだ売上シェアが低いことがよく分かることと思う。

ファッションセンターしまむらは、全国衣料品購買高7兆円の10%の売上シェア奪取を目標にして進んでいると言われている。そのとき、ファッションセンターしまむら(単体)の年間売上高は7000億円ということになるが、2008年2月期の年間売上高実績は約3468億円であるので、まだ3532億円も足りないということになる。1店舗平均年商3億5000万円としても、あと約1000店舗が必要となる。2008年2月期・期末店舗数は1077店であり、年間50店出し続けたとしてもまだ20年かかる。ファッションセンターしまむら(単体)が、年間売上高7000億円、店舗数2000店舗までいくかどうか分からないが、いずれにしてもまだまだ伸ばせる余地が大きく残っていると言える。

ここ、3年間の、ファッションセンターしまむらの既存店月別売上高前年比(伸率)実績を見ていると、そこまで到達するのはなかなか難しいかなとも思える。しかし、10%の売上シェアを奪取できたとしても7000億円であり、彼らが計算している全国衣料品購買高は、7兆円-7000億円で、まだ、あと6兆3000億円も残っているのである。たまには、こういう視点から、今後どのような戦略展開を進めたらよいかを考えてみるとよい。

   完

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