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新店舗情報:パシオス・アルカキット錦糸町店 3階から8階に移転・新装オープン

パシオス・アルカキット錦糸町店 3階から8階に移転し、新装オープン  

パシオス錦糸町店(東京都墨田区錦糸2-2-1・アルカキット錦糸町ビル)は、同商業ビルの4階から8階へ移転し、4月26日、新装オープンしました。なぜ、3階から8階に移転したのか、その理由は分かりません(常識的に考えれば、8階よりも3階の方がはるかに有利な立地であることは自明の理なのですが・・・)。しかし、内外装、照明、陳列什器形態、壁面陳列設備などを全面的に新装、店舗そのものは「パシオス最新店舗のかたち」に大変身しています。パシオス錦糸町店は4月15日に開店した最新店舗・パシオス四街道店と同じビルイン型店舗ですが、店舗外観、内外装はその四街道店と全く同じ仕様になっています。

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■パシオス・アルカキット錦糸町店。同ビルの3階から8階に移転、4月26日、新装開店した。ショーウインドー、メインディスブレイステジを新設、また、照明、陳列什器形態、壁面設備などを全面的に新装、パシオスの最新店舗と同じかたちになった。3階にいた時の店舗と比べ大変身。3階から8階への移転は明らかに不利なことであるが、店舗そのものは客から見ても、「3階にあった店と同じ店とは思えない。すごく変わった」と感じることでしょう。

003■新設置されたショーウィンド。パシオスの最新店舗では必ず設けられていますが、新装開店したパシオス錦糸町店も最新店舗と同様の仕様になっています。店外観、外装のかたちが、なんとなく「しまむら風」になってきたようにも思いますが、ビジュアルプレゼンテーションの仕掛けと技術は「しまむらよりパシオスの方がやや上のレベル、いい感じ」ではないかと思うのですが、果たして、どうでしよう。

327_030■3階にあったときの「パシオス錦糸町店」の外観。8階に移転した新店舗と比べると、古臭く、見劣りがすると思います。3階から8階に移転しましたが、売場面積規模はそれほど大きな増減はなさそうです。しかし、年商は相当な変化、すなわち、減少するのではないかと思います。なんといっても、8階より3階の方が立地が良いことは否定できないことですから、売上減は覚悟の上の移転だったのではないかと考えられます。パシオスが家賃負担の重さに耐えられなかったために移転したのか、それとも、移転に際し、家賃等の条件面で「パシオスにとって相当、魅力あるもの」がデベロッパーサイドから提示されたのかもしれません。

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■パシオス錦糸町店は4月26日に移転・新装開店していますが、当方が店を見に行ったのはそれ以降でしたので、26日、開店当日の様子、チラシ等は見られませんでした。見た日では、チラシも全店共通のチラシで、錦糸町店だけの個店チラシではありません。しかし、このタイトルでB2サイズのチラシは前年も打っているかなり強力なチラシ販促セールですので集客力は高いと考えられます。

パシオスは「既存店活性化策」としての店舗改装、店舗建物の建て替えなどはあまりやっていないように思います。この点に関しては、「しまむらと比べはるかに遅れている」のではないでしょうか。ですから、この、パシスオ錦糸町店の移転、新装にはすこし驚いています。というのも、今月、上旬、パシオス狭山店を調査してきましたが、パシオスの店舗の中でも利益貢献度の高いと思われるこの店は「これといった設備・内装・什器などの手直しもなく、いかにも、旧い店」のままだったからです。しかし、この見方(パシオスは既存店活性化の取り組みが遅いという見方)は、今後、改めなければならないかもしれません。パシオスの既存店活性化の取り組みが本格的に始まる前兆かもしれないからです。これから先、パシオスはどう動くのでしょうか・・・。

   完

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経営課題:「商品経営の鉄則」

■「商品回転日数重視の商品経営に徹する」ファッションセンターしまむら  

小商圏対応型店舗であるディリーファッションストアの商品経営において最も重要なことは「商品鮮度」と「品揃え鮮度」と「売場鮮度」です。店の規模が300坪~500坪と狭く、それに小商圏対象ということもあり同一顧客が月に何度も来店し、店のどこになにがあるか、新しく入ってきた商品は何か、それはどこに陳列されているか、いくらで売られていたかなど、店に起きた変化、出来事をよく見ています。ですから、同じ商品が、同じ場所に長期間陳列、放置したままにされていれば、「この商品は何週間も前からここにずーつとある、売れていない、かなり古い商品だ」とすぐ見抜き、その商品を買うことはありません。

しかし、商品、品揃え、商品陳列演出などが「日替わり」、「週替り」で変わっていけばそういうことはあまり起きなくなります。お客は、「昨日、ここに気に入った商品が陳列されていたが今日見たら無い。もう、売れてしまった。今度、気に入った商品を見つけたら、すぐ買っておこう」とか、「この商品は同じものがとても数少ない。今、買わないと売れてしまうかもしれない」と思うようになるからです。これは、ディリーファッションストアの商品経営に、「商品鮮度」、「品揃え鮮度」、「売場鮮度」が絶対必要条件として求められるということでもあります。そして、それを実現するためにはなんといっても「商品回転日数を速く」しなければなりません。このことを最もよく分かっているのは「ファッションセンターしまむら」ではないでしょう。ですから、彼らは「商品回転日数重視の商品経営」に徹しています。

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■手元に集めた資料をもとに、「ファッションセンターしまむら」の商品回転日数についていろいろ調べてみました。この表はその調査結果をまとめた表の一つです。しまむらの商品回転日数がいかに速いかは、同業他社、GMSの衣料部門、食品SMの直営衣料部門と比べてみればよく分かります。2008年2月期では年間商品回転数約10回転、商品回転日数にして約36.5日の実績ですが、これは量販総合衣料品店としてはトップレベルです。それも年々、より速くなっているから驚きです。これが「しまむらの凄さ」です。

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■ファッションセンターしまむらの過去数年間の月別商品回転日数を調べた結果を表にしてみました。これを見ても「しまむらの商品回転日数の速さ」がよく分かると思います。おそらく、ディリーファッションストア業界で「最速」と言っていい商品回転日数だと思います。しまむらと競争する場合はこのことを十二分に頭に入れておく必要があります。それを忘れれば、競争に必ず負けることになります。

「商品回転日数の速さ」は、商品鮮度、品揃え鮮度、売場鮮度の良さを示す最も重要な指標です。商品回転日数が60日の店より30日の店の方が、どの鮮度をみても60日の店よりはるかに良いことは言うまでもありません。「そんなことは分かっている。当たり前じゃないか」という声が聞こえてきますが、それは、まず、「しまむらより速い商品回転日数」を実現できてはじめて言えることではないでしようか。ディリーファッションストアの「商品経営の鉄則」について、ファッションセンターしまむらの商品経営を見ながらあれこれ考えてきましたが、あなたのお店の商品回転日数はどうなっていますか。しまむらのそれとじっくり比較してみることをおすすめします。きっとなにか感じるものがあると思うのでが・・・・。   完

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業界動向:「しまむら 08/4月 既存店売上「前年割れ」

しまむら 4月、チラシ販促セール強化するも、既存店売上「前年割れ」  

ファッションセンターしまむらは2008年4月の「チラシ販促セール」回数を前年同月より増やし、なんとか既存店売上高「前年割れ」を回避しようと必死の努力をしたようです。しかし、残念ながら、結果的には「前年割れ」になってしまいました。しかし、彼らの「売上に対する執念、執着心」は凄いと思います。「当たり前」と言ってしまえばそれまでですが、この「当たり前の心」、すなわち、「売上に対する執念、執着心」を持っている小売業界人が少なくなってきたように思うのですが、これは、こちら一人の「思い込み」にすぎないでしょうか・・・・。(注:しまむらの1ヶ月は、当月21日から次月20日です)

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■しまむらの2008年4月と2007年同月ののチラシ販促セール比較表。08年4月のチラシ販促セール回数が前年同月より多いこと、そして、チラシの打ち方が、08年は、「追い込み型・重ね打ち型」が多くなっていることが分かります。

「追い込み型・重ね打ち型」とは、例えば、まず、4月2日~6日のチラシセールを打ち、そのセール期間後半にまた別のチラシを打ち込むというやり方です。2008年は、このやり方が繰り返しおこなわれています。「売上前年割れ」にならないよう必死の努力をしていることがよく分かります。しまむらの、この、「売上に対する執着心」には凄みを感じます。

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■しかし、しまむらだけが悪い成績かと言えば、そんことはありません。西松屋チェーン、ハニーズ、ユニクロ、いずれも、2007年3月から2008年3月の期間を見れば「売上前年割れの月」がかなりの数あるからです。この実績数値を見ていると、各社、必死になって、なんとか「売上前年割れ月」を少なくしようと努力している姿が見えてきます。

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■4月のチラシ販促セールで展開された「追い込み型・重ね打ち型」チラシです。左側が4月19日~20日のもの、右側が4月23日~25日のものです。このタイプ、低価格訴求型のチラシが4月には4回打ち込まれています。必死になって「売上確保」に取り組んでいる姿が見えてきます。「なりふりかまわず」と言えば、言い過ぎかもしれませんが、ともかく、売上を最後まで諦めずに追いかけたのではないかと思います。

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■4月、最終に打ち込んだチラシ販促セールです。超目玉価格を掲載し、強く低価格訴求をしています。しまむらがここまでやるのは「売上前年割れ」に相当、神経質になっているというか、ピリピリしているということでしょう。株価に影響が出るということもあるかもしれませんが、それにしても相当な力の入れようです。しまむらにここまでやられると、同業他社の売上にかなり大きな影響を及ぼすことになるのではないかと思います。「しまむら強し」、「しまむら怖し」の空気がさらに広がっているのではないでしょうか。この傾向は5月、6月も続くかもしれません。しまむらと至近距離で競争関係にあるお店は「しまむら対応策」を十二分に練っておく必要がありそうです。 完

    

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新店舗情報:「パシオス四街道店」が4月15日開店

2008年4月15日、「パシオス四街道店」が開店。  

イトーヨーカドーが移転したため空きビルになっていた「旧イトーヨーカドー四街道店」跡が、「M2プラザ」という呼称の商業テナントビルとして新たに生まれ変わりました。その2階に「パシオス四街道店」は出店しています。(イトーヨーカドーはここから約500m、四街道駅寄りのところに移転し、「新四街道店」をつくっています)

001■「M2プラザ」のテナント構成。知名度が高く、集客力も強力な有力専門店で構成された商業施設に生まれ変わりました。主なテナントは、1階に、食品SM・ヤオコー、薬店・サンドラッグ、2階は総合衣料品店「パシオス」、3階に「ダイソー」が出ています。おそらく、旧イトーヨーカドー四街道店より集客力は上ではないかと考えられます。新イトーヨーカドー四街道店は、ここから約500m離れた場所に移転、増床・新築したわけですが、新たに出現した競争相手、「M2プラザ」の集客力を軽視することはできないでしよう。「パシオス四街道店」はその「M2プラザ」の核店舗の一つです。

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■「M2プラザ」のフロア構成。1階は、食品スーパー・ヤオコー(売場坪数約600坪、初年度売上目標17億円)と、ドラッグストア・サンドラッグという強力な組み合わせになっています。この2店の組み合わせが持つ集客力は、新イトーヨーカドー四街道店と比べ、決して、劣ることはないでしょう。2階は、総合衣料品店「パシオス四街道店」と、地元では知名度のあるディスカウント家具店・「家具のかねたや」の構成、3階に「ダイソー」。

パシオス四街道店」の売場坪数は約500坪、パシオスでいう1800㎡タイプのビルイン型標準店舗。パシオスはディリーファッションストアですから、アップスケールしたGMS・「新イトーヨーカドー四街道店」とはそれほど競合することはありません。売価政策も、商品ポジショニング、ストアポジショニング、いずれも大いに異なるものだからです。

「パシオス四街道店」の初年度売上高目標は、売場坪当り年間売上高100万円として約5億円、下限値でも4億円は見込んでいるものと思われます。

020■「パシオス四街道店」の正面外観。パシオスのビルイン型標準店舗の定型と言っていい形ですが、ファッションセンターしまむらのビルイン型標準店舗の外観とつくりがとてもよく似ています。(パシオスオリジナルだとは思いますが・・・・)。照明効果もあり、とてもいいイメージの店舗外観です。しまむらと比べて、勝ることはあっても劣ることはないように思われます。しまむらはパシオスの株を約13%保有し、資本参加・提携していますが、もう、店づくり面での話し合いがもたれているのでしょうか。

006■「パシオス四街道店」の開店セール第一弾チラシ。デザイン、レイアウト、内容構成などパシオスの定番型のチラシです。「良質廉価」が強調されています。かなりお値打ち品の超目玉品も掲載されており低価格訴求面も十二分な打ち出しになっています。新イトーヨーカドー四街道店では、決して打ち出さないだろうと考えられる低価格帯の商品が掲載されています。この開店セール第一弾チラシをよく見ているのは、むしろ、「ファッションセンターしまむら四街道店」 ではないかと思います。

■しまむらがパシオスに資本参加・提携したことはご存知のことと思います。両者は出店戦略、政策について、すでに話し合いをし、すり合わせ、調整をはじめていることも考えられますが、「パシオス四街道店」と「ファッションセンターしまむら四街道店」の約1.6kmという「微妙な距離関係」をみていますと、まだ、それほど進んでいないのかなとも思われます。この店間距離ですと、おそらく、パシオス四街道店の開店セール第一弾チラシの散布エリア内に「しまむら四街道店」は入っていると考えられますが、「仲良しグループ」ではあっても競争関係を厭わないということなのでしょうか。このへんのことがどうなっているのか大いに関心があります。同一商圏で、「似たもの同士」が戦えば、少なからず両者の店の売上高になんらかの影響が出ることは避けられません。「仲良しグループ」の売上シェアが高まればそれでいいではないかという見方もありますが、もし、そこまで深い話し合いをやっているとすれば、「しまむら・パシオス連合軍」は他のディリーファッションストアにとって、恐るべき脅威となるかもしれません。パシオス四街道店の出店を見てこんなことを考えました。

    「パシオス四街道店」が4月15日開店   完

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新店舗情報:「ファッションセンターしまむら井荻店」4月17日開店

ファッションセンターしまむら井荻店(食品SM大丸ピーコック井荻店2階)開店  

ファッションセンターしまむら井荻店は食品スーパー・大丸ピーコック井荻店の2階に、4月17日、開店しました。このかたちは「しまむら高田馬場店」と同じです。(高田馬場店も食品スーパー・大丸ピーコック高田馬場店の2階に出店している)

009■「ファッションセンターしまむら井荻」が出店した大丸ピーコック井荻店 の外観。しまむらはこの店の2階に出店、3階には「100円ダイソー」も出店。この店は西武新宿線井荻駅のすぐそば、100mもないところにあります。また、この店から西武新宿線路下の地下道を通って約300mのところに、「食品スーパー・サミット」と、その子会社で衣料スーパーの「サミットコルモ・衣料館コルモピア井荻店」がある。ここでも、「しまむら」と「衣料館コルモピア」の店が至近距離で戦うことになる。神奈川県海老名市かしわ台でも「ま隣り」で戦っていますが、両者の戦いはまだまだ続くことでしょう。

008■食品スーパー・ピーコック井荻店1階入口のすぐ前につくられた「しまむらのショーウィンドー」。高田馬場店と同じかたちのショーウィンドーをつくれる場所・スペースが確保できないので、このような外付けのかたちになったものと思われます。これは「しまむらだから許されたこと」かもしれません。ピーコックとしては、すでに、しまむらを高田馬場店にテナント誘致していること、また、既存店の活性化策の一つとして、「強力な衣料スーパー」を組み入れることが自店に大いにプラスになること、これがあって、店入口前のショーウィンドー設置を認めたのかもしれません。

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■しまむら井荻店の売場レイアウト概略(食品スーパー・ピーコック井荻店2階)。売場坪数は約260坪ですが、総合衣料フルライン構成で、寝具インテリア部門までを組み込んでいます。(高田馬場店では、ヤングをメインターゲットとしたこと、それに、売場坪数が200坪以下と狭かったため、寝具インテリア部門はカットしていました)。ファミリーとその主婦、この二つに対応した「しまむらの最もオーソドックスなかたち」になっています。

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■ファッションセンターしまむら井荻店の「開店第一弾チラシ」です。チラシサイズはB3・両面です。ヤングへの訴求イメージを強く打ち出した高田馬場店の開店チラシとは異なり、これも「しまむらでよく見るオーソドックスな開店チラシ」になっています。しまむら高田馬場店は、目の前に開店した専門店ビルがヤング対象のテナントで構成されており、なかに、ユニクロなども出店していることから、開店当初の売場構成を少し手直ししています。インナーウェア、肌着・靴下など実用衣料売場を強化拡大したように見えます。

006■しまむら高田馬場店の外観。しまむらのショーウィンドーが、食品スーパー・ピーコック高田馬場店の正面入口の隣りにかなり大きく設置されています。これに比べれば、「しまむら井荻店」のショーウインドーは、かなり小さなものです。しまむらが、食品スーパー・大丸ピーコックの高田馬場店に続いて、井荻店にも店を出したことを考えますと、このかたちはまだ続くような気がします。すなわち、しまむらは、東京都内に多くの店を持っている食品スーパー・大丸ピーコックと組んだかたちの出店を積極的にやっていくのではないかということです。

しまむらは重点政策の一つに、東京都内への積極的出店をあげています。しかし、しまむらといえども、「しまむらの条件にあったいい物件」を、そう簡単に、短期間で、数多く見つけられるとは思いません。しまむらの出店物件開発力は相当なものですが、「これはという物件」はなかなか出ないのではないかと思われます。そこで、高田馬場店、井荻店出店で「いい関係」ができた、東京都内に多くの店を持つ食品スーパー・大丸ピーコックチャネルを大いに活かすことを考えているかもしれません。既存店活性化に強力なテナント導入を考えている大丸ピーコックと、東京都内への急速多店舗展開を目指す「しまむら」、この両者の思惑が一致するからです。しまむら井荻店の出店は、そんなことまで考えてしまいたくなる出店であるように思います。

しまむら井荻店出店と「もう一つの見所どころ」   

それは、「ファッションセンターしまむら」対「サミットコルモ・衣料館コルモピア」、この両者の戦い・競争です。基本思想、基本方向がほぼ同じとも言える「似たもの同士」の戦いに見えますが、同質競争をすることになるのでしょうか。それとも、異質競争、「安さ以外のなにか」、「それぞれのオリジナリティ」を強く前面に打ち出しての戦い、差異化競争をするのでしょうか。両者の戦い・競争はエンドレスなものですが、これから先、「どのようなかたち」の展開になるのか、とても興味を持っています。

   ファッションセンターしまむら井荻店・4月17日開店    完

 

   

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チラシ販促:しまむら&パシオスのチラシで見る「婦人衣料のキーワード」

■セールチラシのメインタイトルコピーに見る「婦人衣料のキーワード」  

ファッションセンターしまむらとパシオス、この2社のセールチラシ(平成19年4月から平成20年3月間)に掲載された婦人衣料関連の「メインタイトルコピー」と「サブコピー」を細かく調べますと、彼らがこの1年間、意識的によく使っていた「婦人衣料のキーワード」は、「コーディネイト」と、「トレンド」、この二つであることが分かります。

ファッションセンターしまむらは、平成20年2月期の決算短信で、この期間に、品揃え面で注力したことは、「コーディネイト提案」と、そのビジュアルプレゼンテーションであったと言っています。しまむらは、数年前から、「コーディネイト」と「トレンド」を強く意識した品揃えを進めていましたから、セールチラシのタイトルコピーにもそれと連動した打ち出しをするのは当然のことですが、それをきちんとやっているわけです。

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■図は、先述の期間のチラシ分析から、「婦人衣料のキーワード」と、それにもう一つ、狙いが明確で、訴求点がはっきりしているセールをピックアップしたものです。

チラシのメインタイトルコピーによく使われてい「コーディネイト」と「トレンド」、この二つの文言は、とても抽象的な表現であるわけですが、訴えたいことは「なんとなく分かる、分かった」と思わせる表現でもあります。それに、写真を添付すれば、一層、訴えたいことがお客に伝わります。しまむら、パシオス、この2社は、「コーディネイト」と「トレンド」にポイントを置いた品揃えをしているのだなとお客に理解されるということです。

しまむら、パシオスが、昨年の夏、5月から、秋、9月に使っていたセールチラシのメインタイトルコピーとサブコピーは以下のようなものです。

しまむら    

●夏の日差しに負けない元気な「トレンドファッション」(07/5.16-20)

●この夏、絶対取り入れたい「トレンドファッション」(07/6.20-29)

●秋トレンド始まる(07/8.8-12)

●秋色コーディネイト(07/8.15-19)

トレンドで決まる秋のコーディネイト(07/8.30-9.2)

●秋のトレンドスタイル(07/9.6-9)

パシオス 

●パシオスコーディネイト提案(07/6.13-17)

●夏を感じる旬スタイル(07/6.20-24)

  トレンドのボーダーなど、夏を色どるトレンドアイテム

  コーディネイトしやすい夏のベーシックアイテム

●秋の最新ファッション(07/9.5-9)

  カワイイからカッコイイまで 秋のトレンドアイテム大集合

●秋のトレンドコレクション(07/9.19-24)

しまむら、パシオス、この2社は、昨年・5月・夏~9月・秋、この期間だけでも、セールチラシのメインタイトルコピー、サブコピーに、このように連続して、意識的に、「コーディネイト」、「トレンド」という文言を何度も繰り返し使っています。これを見ただけでも、「今」のディリーファッションストアの品揃えに何が最も必要なのか、何を盛り込まねばならないかが分かるような気がします。しまむらとパシオスの1年間、12ヶ月間のセールチラシで調べて分かった「婦人衣料のキーワード」であった「コーディネイト」と「トレンド」、この言葉はこれから先もまだまだ頻繁に使われることだろうと思います。そして、この二つの言葉の次に持ってくる言葉は一体どんな言葉にするのだろうと、あれこれ考えるのも楽しいものです。

   しまむら&パシオスのチラシで見る「婦人衣料のキーワード」 完

 

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経営課題:サンキの婦人衣料売場に見る「差異化戦略」

サンキ、売場坪数1000坪タイプの婦人衣料売場は約200坪  

サンキは、しまむらの店と同一商圏で競争・競合する場合、多面的な「差異化戦略」を展開しています。ディリーファッションストア業界の競争も激しさを増していますが、その中での戦いに打ち勝ち、生き残っていくには、「わが店にしかないもの、わが店だけのオリジナルなもの」、そういった、競争相手には無い独創的なにかを持つことが必要です。それが「差異化戦略」です。「サンキにしかないもの、サンキしかできないもの、サンキオリジナルなもの」、サンキはそういうものをいくつか持っています。それらは、同業他社であり、競争相手でもある、しまむら、パシオス、サミットコルモなとが持っていないものです。そのいくつかを箇条書きで簡潔にまとめると次のようになります。

サンキの差異化戦略 (サンキしかやっていないこと、サンキオリジナルのもの)  

(1) 店舗売場面積規模の差異化  

ここ2、3年間にサンキが出店した店舗の売場面積規模は600坪~1000坪の大型店舗が多い。とくに、強敵とされる「ファッションセンターしまむら」の店の近くに出店する場合は、しまむらの店の2倍~3倍の売場坪数の店をつくるケースが目立つ。現在のしまむらの標準店舗規模は約380坪ですが、サンキがその店の近くに店を出すとすれば約700坪~1000坪の店をぶつけるということです。「競争相手の店よりも大きな売場面積規模の店を出す」、これが「店舗売場面積規模での差異化」です。サンキには、その大きな売場面積規模の店を回せる力がありますから、競争上、とても有利になることは言うまでもありません。

(2) 出店初期投資コストの差異化  

サンキは「出店巧者」ですので、店を出すときの出店初期投資コストをかなり低く抑えます。700坪~1000坪という大きな規模の店であっても、その損益分岐点は、同業他社よりかなり低く抑え込んでいると思われます。とりわけ、誰かが閉店・撤退した跡の「空き屋」に、居抜きで出店する場合には、想像以上に低い初期投資コストであると考えられます。

(3) 売価政策の差異化  

サンキの売価政策は、低価格帯(ディリーファッションストアのボリューム展開価格帯)と、「ピンキリ型」、この二つの組み合わせで展開されています。びっくりする安さの超目玉品を常時切らさず強烈な低価格訴求をしながら、一方では、高単価の有名スポーツブランド割引コーナーとか、これも売価単価の高い婦人服特選コーナーなどもつくっています。「ピンキリ型」をうまく組み込んだ売価政策をやっているということです。

(4) 品揃えの差異化  

サンキの仕入先は「現金問屋」が多いことはご存知のことと思いますが、そこから、「拾い買い、寄せ集め型」の品揃えをしています。それに、サンキのPBであるKokinuを組み込んで、サンキ独特の味、感性、感覚の品揃えを展開しています。サンキの品揃えは、しまむらや、パシオス、サミットコルモにはなかなか真似することはできません。サンキオリジナルとも言える品揃えになっています。

(5) 店づくり、売場づくり、ビジュアルプレゼンテーションの差異    

サンキの店看板の大きいこと、天井が高く、まぶしいほどの照明、壁を商品で埋め尽くした売場づくりと陳列演出、POP書きでつくられた低コストの売場案内表示、手書きのPOPカード、売場担当者手作りの陳列演出の仕掛け等々、サンキならではというオリジナリティのあるものが沢山あります。そこには、しまむら、パシスオ、サミットコルモなどとは大いに異なる味、サンキカラーともいうべき独特のものです。

■売場坪数200坪のサンキ・婦人衣料売場に見られる「差異化戦略」    

サンキの売場坪数1000坪タイプ店舗における婦人衣料部門売場坪数は約200坪前後です。サンキはこの売場坪数の広さを活かして、売場ライン構成数を広げています。しまむらの標準店舗380坪の婦人衣料売場は約100坪ですから、その倍の売場面積を持つサンキ婦人売場には、「サンキにしかない売場ライン」を展開することができます。競争相手の店より売場ライン構成数が多いことは競争店との戦いでは有利な条件となります。

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■サンキの婦人衣料売場にしかない売場ラインは、図で言いますと、①婦人特選ミセスファッションコーナー、②特選ダンスコーナー、③婦人スポーツコーナー、④キャリアファッション・ギャロップ、などです。また、別の服地売場には「ハワイアン・ムウムウコーナー」が一年中展開されています。これらは、サンキオリジナルとも言える売場ライン・コーナーです。れは、100坪の婦人衣料売場ではとてもできないことです。サンキの独壇場とも言っていい部分です。この差異化、すなわち、同業他社の標準店舗よりも売場面積が広く、売場ライン構成数も多いこと、これが、「サンキの婦人衣料部門の強さ」につながってるわけです。これは、サンキだからこそ出来ることです。

  サンキの婦人衣料売場に見る「差異化戦略」  完

   

   

   

  

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業界動向:「しまむら 第55期 平成20年2月期 決算概要」を読んで感じたこと

株式会社しまむらの「第55期 平成20年2月期 決算概要」を読む 

(表-1)は、しまむらの「第55期 平成20年2月期 決算概要」から、①ファッションセンターしまむら、②アベイル、③バースデイ、④シャンブル、このグループ4社に関する営業実績数値の一部をピックアップして作成したものです。

Dj_001■最も興味深い数値は、各社の年間坪当り売上高です。年間坪当り売上高が100万円を超えているのは、「しまむら」の104.2万円だけで、他は、アベイル67.2万円、バースディ50.6万円、シャンブル43万円と、いずれも100万円以下の低い実績数値です。

注)年間坪当り売上高は、極めて単純な計算式(年間売上高÷期末売場面積㎡×3.3)で計算しています。年度内の新規出店店舗の稼動月数が12ヶ月以下であってもそれを考慮していません。したがって、実際は、この数値よりも少し高くなる可能性があります

年間商品回転数8回、粗利益率30%、交差比率240、年間坪当り売上高80万円以上、これが確保できないと、衣料品店の商品経営は成り立たないとよく言われます。これを一つの目安として考えますと、アベイル、バースディ、シャンブルの年間坪当り売上高実績数値は、「相当、問題あり」と言えると思います。とりわけ、シャンブル、バースディの商品経営には「赤信号」がついているように思えるのですが、この見方は間違っているでしょうか。仮に、平均坪当り売価在庫高を10万円として考えても、バースディは年5回、シャンブルで年4.3回というとても低い年間商品回転数です。この数値では、在庫過多、大きな値下げロス発生というとても厳しい商品経営状態にある、と言っても言いすぎではないような気もします。バースディ、シャンブル、少なくともこの二つは、しまむらグループの「弱点」に見えるのですが・・・・・・。

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■ (表-2)は、ファッションセンターしまむら(単体)の各種項目別数値実績を時系列にまとめたものです。ここで、とくに、注目したいのは、店舗数が727店舗(2001/2)と、店舗数が1077店舗(2008/2)となった時の年間坪当り売上高が、ほとんど同じというところです。ここが、「しまむらの凄さ」と言えるところだと思います。売場面積が増え、店舗数が増えるにつれて、年間坪当り売上高は低下していくというのが、一般的に、多くの小売店に見られる傾向ですが、しまむらはそうなってはいません。既存店の活性化をしっかりやっているということでしょう。これは大変なことです。なかなかこうはいきません。

(表-2)で、もう一つ興味ある項目は、各年度別出店店舗の平均売場面積です。295坪から380坪の間の規模になっていますが、しまむらは最近、店舗規模を1100㎡≒332坪と、1300㎡≒393坪、この二つにしていくと発表しています。いままでは、東京都心部への出店では、例えば、高田馬場店、井荻店などで230坪以下の規模の店を出し、一方、町や市の郊外店では1000㎡~1300㎡≒393坪を標準店舗規模としてきたわけですが、このような店舗規模のバラツキを是正していくということなのかもしれません。

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■ (表-3)は、ファッションセンターしまむらの商品部門別、売上高、売上構成比、粗利益率を、平成20年と平成16年対比して、この5年間でどう変わったかを見たものです。売上高と売上構成比では、インテリア、そして、婦人衣料が目立って伸びていることが分かります。しかし、もっと注目したい数値は「粗利益率の向上」です。中国での直接物流、PB商品の構成比増加などがその背景にあり、仕入原価率が低減した結果でしょうが、ここも「しまむらの凄さ」です。この5年間で、粗利益率を2.3ポイントもアップしています。婦人衣料で2.4ポイント、肌着2.9ポイント、靴にいたっては、4.9ポイントも上げています。この傾向はこれから先も続くように思われます。しまむらが目標としている「経常利益率10%確保」がすぐそこに見えてきたようです。

    「しまむら 第55期 平成20年2月期 決算概要」を読んで感じたこと 完

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新店舗情報:「サンキ須賀川店」出店に見た「新しい競争のかたち」

■「サンキ須賀川店」の出店先は複合型大規模商業施設「ロックタウン須賀川」SC

サンキ須賀川店は、2008年3月20日、福島県須賀川市古河105にある複合型大規模商業施設「ロックタウン須賀川」SC内に出店しました。店舗建物は、このSC内にあった家電大型専門店デンコードー須賀川店が撤退し空き家になっていた建物で、売場面積は約576坪、これが「サンキ須賀川店」の概要です。

「ロックタウン須賀川」SCは、2005年10月27日に開店した複合型大規模商業施設で、オープンモール型NSCです。敷地面積78100㎡、店舗面積14861㎡、駐車場収容台数1066台、初年度年商目標57億円。キーテナントは、食品スーパー・マックスバリュー、総合量販衣料品店・サンキ、衣料専門店・ユニクロ、ハニーズ、マックハウス、洋服の青山、その他・飲食店、アミューズメント・ゲームなど。(別図参照)

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■サンキは千葉県野田市にある「ロックタウン野田」SCにも売場面積約1000坪の「サンキ野田ロックタウン店」を出しています。したがって、複合型大規模商業施設への出店は、この「サンキ須賀川店」がはじめてというわけではありません。

今回、「サンキ須賀川店」をとりあげた理由は、須賀川市におけるサンキの競争相手である「しまむら」も同じように複合型大規模商業施設「メガステージ須賀川」SC内に「ファッションモール」というかたちで出店していること、そして、サンキ、しまむら、ともに、複合型大規模商業施設内における核店舗の一つとしてしの位置づけであり、両店の戦いが「あたらしい競争のかたち」をとっているからです。

すなわち、「サンキ単独路面店対しまむら単独路面店の競争というかたち」だけではなく、それぞれが「複合型大規模商業施設内にある核店舗の一つというかたちでの競争」にもなっているということです。サンキ、しまむら、一対一の競争だけでなく、複合型大規模商業施設、「ロックタウン須賀川」対「ロガステージ須賀川」SCの競争、商集団対商集団の戦い、この二面の競争という顔を持っているわけです。もう一つの理由は、今後、このようなかたちでの競争が増えていくのではないかと考えているからです。

023 ■「メガステージ須賀川」SCの店舗配置図概要です。「メガステージ須賀川」SCは、①2007年12月14日開店、②メガステージAエリア、店舗面積5189㎡(ヨークベニマル、サンドラッグ等)、③Bエリア、店舗面積15812㎡(しまむらファッションモール、ヤマダ電機、HCダイユーエイト、ゼビオスポーツ等)、合計店舗面積21001㎡、④駐車場台数1500台、の複合型大規模商業施設・オープンモールのNSCです。しまむらは、ここに、2007年12月20日に、「メガステージ須賀川ファッションモール(しまむら+アベイル)」という形で出店しました。サンキ須賀川店開店、約4ヶ月前の出店です。

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■サンキ須賀川店があるロックタウン須賀川SCと、しまむら須賀川ファッションモールの出店しているメガステージ須賀川SC、この二つのSC間の距離は約3km。須賀川市の商圏人口は約13万人(約4万世帯)と推計されます。

また、メガステージ須賀川に出店した食品スーパー・ヨークベニマルは自店から3km圏内の対象商圏人口を11848世帯(人口34997人)としています。

須賀川市の商圏人口、そして、ヨークベニマルの3km圏内の対象商圏人口、この二つだけをみますと、「ロックタウン須賀川」SCと「メガステージ須賀川SC」が、ちょうどいい具合に商圏人口を分け合い、棲み分けることができるように見えますが、そのようなうまい話は成り立ちません。複合型大規模商業施設である、「ロックタウン」SCと「メガステージ」SCがその存亡をかけての競争・戦いということになります。

したがって、「サンキ須賀川店」、「しまむら須賀川ファッションモール」、ともに、個店対個店の競争よりも、まず、この二つのSCの競争の「勝ち負け」に大きな影響を受けることになります。ここのところを「新しい競争のかたち」と言っているわけです。こういう形の競争は、ディリーファッションストアが複合型大規模商業施設に一つの重要な核店舗として必要であると認識され、その入居を要望されてはじめて見られるものです。今後、こういう形のディリーファッションストアの競争・競合が増えていくものと考えられますが、ここ、須賀川で見られる競争はその最初ほうのページではないかと思います。その意味で、「サンキ・ロックタウン須賀川店」と「しまむらメガステージ須賀川ファッションモール店」の競争をじっくり見ていこう、追いかけていこうと思っています。

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■サンキ須賀川店の外観。家電大型専門店・デンコードー須賀川店の撤退跡に出店しています。店舗建物・設備などを引き続き有効利用していること、そして、テナントが撤退した空き家への出店であること、この2点を考えると、「サンキ須賀川店」の入居条件、家賃などはかなりサンキとって有利な条件、すなわち、「安かった」のではないかと思われます。このへんは、「サンキのしたたかさ」で、この店の損益分岐点をかなり引き下げていることものと考えられます。

006■しまむらの「メガステージ須賀川ファッションモール」の外観。売場面積は「しまむら+アベイル」で約700坪と思われます。しまむらは、この2店の組み合わせでは、年商6億円~8億円を売上げる力を持っていると考えますが、ここ須賀川市では、強敵「サンキ須賀川店」がありますから、そう簡単ではないかもしれません。また、サンキも、売場面積576坪の店なら、5億円~6億円を売上げる力がありますが、これも、強敵「しまむら」、それに「アベイル」もありますから、これも容易ではないでしょう。今後の両社の戦いがどうなるのかとても関心があります。

   「サンキ須賀川店」の出店に見た「新しい競争のかたち」 完

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競争激戦地:「サンキ郡山店」の戦い

■「サンキ郡山店」と「しまむら堤店」の店間距離は約300m 

「サンキ郡山店」が2007年10月28日に開店。①所在地は福島県郡山市大槻町字前畑15-1、②売場面積約783坪、③駐車場100台。競争相手は「しまむら堤店」で、両店の店間距離は約300m。

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■両店の所在地と店間距離略図。「サンキ郡山店」の競争相手「しまむら堤」は、1997年5月に出店した店で店舗年齢は11年になろうかという高年齢店舗です。売場面積は約302坪ですが、2004年度の年商推計は約4億1300万円で、年間坪当り売上高約137万円という高効率店舗でした。

その店から約300mという至近距離に「サンキ郡山店」が開店したわけです。これは、サンキが「しまむら」の店の近所に出店するときに、最近よく見受けられるパターンです。サンキが「強者しまむら」に戦いを仕掛けたとも言えますが、その戦い方には「見るべきもの」があります。

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■サンキがしまむらの店と戦う場合によく見られる戦略は、「しまむらの店の2倍~3倍の売場面積の店をぶつける」というやり方です。この「サンキ郡山店」の場合を見ても、競争相手「しまむら堤店」の約2.5倍の売場面積の店を出しています。売場面積が競争相手の2倍~3倍あることは、競争面でかなり有利な条件になります。問題は、その大ききな売場面積の店をまわせるか、商店経営、商品経営ができるかということですが、サンキにはその力がありますから、このような有利な手を使えるわけです。これは推測ですが、「サンキ郡山店」が至近距離に出店したことによって、「しまむら堤店」は大きな打撃を受けることでしょう。少なくとも、年間売上高20%のダウンは覚悟しなければならないかもしれません。ここで見られるような、サンキ、しまむら、両社の至近距離での戦いが、ここ数年、随分、増えてきています。「サンキの追撃」という見方をしていますが、「強者しまむら」に対するサンキの闘争心、挑戦意欲を見る思いです。

サンキ、しまむら、両社の店の戦いは、主に関東6県で行われていますが、福島県、新潟県、山形県にも及ぶ距離的広がりを見せています。今後、両社がどのような戦い方をしていくのか、それぞれの戦い方をじっくり見ていこうと思っています。

しまむらは、この5年間に、どの都道府県でその勢力を伸ばしたか。 

「ファッションセンターしまむら」が、平成16年~平成20年の5年間で、全国都道府県別に見て、どこで、どのくらいその勢力を拡大したのかを調べてみました。まず、北海道・東北地方における「しまむらの勢力拡大の推移」をみることにします。(別表参照)

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■別表は、「しまむらが過去5年間で最も勢力を伸ばしたエリア」を各項目別にその伸長率をだして調査数表化したものです。

①売場面積を最も伸ばした県は「青森県」で平成16と平成20年対比で174%、②年間売上高を最も伸ばしたのは「北海道」の172%、③店舗数を最も伸ばした県は「北海道」で15店舗増加、④売上シェアを最も伸ばした県は「福島県」の5.6ポイントアップ、という結果になっています。

今回取り上げた福島県を見ますと、売場面積は126%の伸び、年間売上高は121%の伸び、店舗数は6店舗像、売上シェアで5.6ポイントのアップ、となっています。しまむらは、北海道・東北地方エリアでは、まず、北海道、次いで青森県、そして福島県の順で力を注いできたことが見えてきます。

   「サンキ郡山店」の戦い  完

   

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業界動向:「ファッションセンターしまむら石川店」を見に行く

■「ファッションセンターしまむら石川店」は小商圏対応のオープンモール型NSC「メガステージ石川」内への出店 

2005年11月8日、福島県石川郡石川町(人口18478人、世帯数5702世帯・平成19年6月時点)に、商業施設の企画・開発・管理会社アクティブワン(福島県白河市)は、「メガステージ石川」SCを出店しました。アクティブワンは、このほかに、メガステージ白河、メガステージ矢吹、メガステージ須賀川を開発・管理しています。そして、「ファッションセンターしまむら」は、須賀川、矢吹、石川の3箇所のメガステージに出店しています。

今回、ちょっと調べたいことがありまして、この4つのメガステージを見てきました。そして、その調査結果の一部を「まとめ」としてここに載せておくことにしました。「ファッションセンターしまむら石川店」を見に行く、はその第一弾です。

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■「メガステージ石川」SCの概要、及びテナント、建物配置図です。この中に、「ファッションセンターしまむら石川店」は、売場坪数約350坪、店舗建物平屋1層で出ています。店舗自体は、いまではどこにでも見られる典型的な「しまむらの標準店舗」です。ですから、この店を見に行けば「なあーんだ」と思う人が多いかもしれません。しかし、ここでわざわざ取り上げたのにはそれなりの理由があります。それは、行政人口・世帯数5702世帯、人口18478人という小さな町といいますか、小商圏としても下限値に近い町に「しまむら」が店を出したという点を注視したからです。

「ファッションセンターしまむら石川店」の対象商圏人口は、メガステージ石川SCの商業集積力とテナント構成力が持つ集客力を考えれば、石川町だけでなく、周辺の町村からの顧客吸引も見込むことができますので、下限値で5702世帯、手堅い見方でも約7000世帯は計算できるでしょう。この数値をもとに、しまむら石川店が対象とできる衣料及び衣料関連の年間需要額を推計しますと、下限値で約11億4000万円、上限では約14億円はあると考えられます。このエリアで(これといった競争相手もいない無店地帯)は、ファッションセンターしまむらの力をもってすれば、売場面積350坪の標準店舗で売上シェア25%の奪取はそう難しいことではないでしょう。初年度年間売上高は下限値でも2億9000万円、おそらくは3億5000万円に近い数字を間違いなく確保するものと思われます。この計算結果から、まず、いいたいことは、「ファッションセンターしまむらは、人口・世帯数5700世帯の小さな町にも店をだしますよ」ということです。このことは決して忘れないほうがよいでしょう。

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■ファッションセンターしまむら石川店の外観。見ての通り、しまむらの典型的な標準店舗です。しかし、ここで見てほしいことは、しまむらの出店形態とその選択肢が、この2005年あたりからかなり広がりを見せてきているというところです。①フリースタンディング・単独路面店での出店、だけでなく、②ビルイン型出店、③ファッションモールという形の出店、そして、④この石川店で見られるようなオープンモール型NSCへの出店(または、クローズドモール型NSCへの出店)、⑤東京都心部における、売場面積300坪以下での出店などと、出店形態を広げてきているわけです。このこと、「しまむらの出店形態は昔と違って幅広い」ということも覚えておくべきだと思います。「われわれの町は小さいから、しまむらは出てこないだろう」などと甘く見ていると後悔することになるかもしれません。今、しまむらは、東京都心部攻略、神奈川県攻略を最優先戦略課題として取り組んでいますから、多少のタイムラグはあるでしょうが、油断することなく、「しまむらとの競争に対応するための取り組み」をしっかり進めておくことをおすすめします。

  「ファッションセンターしまむら石川店」を見に行く  完

    

  

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