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研究会レポート:時系列で見る「しまむらの商品政策」

005ファッションセンターしまむらに見る「ディリーファッションストアの商品政策」 

このレポートは主催しています「衣料スーパーストア研究会」・2007年8月・月例会のテキストから、「しまむらの商品政策の研究」部分を抜粋、それをダイジェスト版にまとめたものです。

「ディリーファッションストアの商品政策はどうあるべきか」を考えるために、まず、この業界最大の企業である「ファッションセンターしまむらの商品政策」に関する業界新聞記事、業界誌記事、講演録などを出来うる限り収集し、それら資料を分析・整理し、時系列に並べてみたものが別表です。

(収集したのは、業界新聞では、繊研新聞、日経MJ新聞、日本繊維新聞、業界誌では商業界、販売革新、ファッション販売、激流、チェーンストアエイジなど、一般紙・日本経済新聞、読売新聞、産経新聞、これらに掲載された各種記事、そして講演録等)

別表は、しまむらの経営トップの方の講演録とインタビュー記事を柱にまとめていますが、しまむらの店舗数が100店舗以下の時代・第一段階から、現在の1078店舗にいたるまでを5段階に分け、しまむらが企業の拡大発展段階に応じて、どんな商品政策をとってきたかがよく見えてきましたように思います。

「今」のしまむらの品揃えには、①低価格(安さ)、②良い品質(お値打ち品 品質>価格)、③ファッション性、④トレンド性(ファッショントレンド最先端の商品を品揃えする)、この4つがあります。だから「強い」のです。パシオス、サンキ、サミットコルモらの品揃えにもこれら4点は盛り込まれてはいますが、どこをとっても、まだまだ「しまむらには勝てない」と言っていいのではないでしょうか。それほど、「しまむらの商品力、品揃え力、競争力は強い」と考えておくのが正しい評価ではないかと思っています。

しまむらの商品政策を支えている「基本的考え方」    

しまむらの経営トップの方が語ったことをまとめた業界新聞や、業界誌のインタビュー記事、そして、収集できた講演録、テープなどから、「しまむらの商品政策の背景にある基本的考え方」と思われるものをピックアップし、箇条書きでまとめたものが次図です。

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■これらの「基本的考え方」が背景にあって、しまむらの商品政策、商品力、品揃え力が成り立っているのではないかと思います。ここにあげた「基本的考え方」それぞれひとつひとつについて、ファッションセンターしまむら、パシオス、サンキ、サミットコルモ、4社比較をしてみましたが、やはり、「しまむらがベスト」であるという結果になりました。

「しまむらはこんな考え方を持って、ここまでのことをやっている」、それと比べて、先の3社はどうか、どちらが徹底しているか、進んでいるかを比較してみたわけです。そして、結果、主観的で、「独断偏見的」な見方すぎるというお叱りをうけるかもしれませんが、あらためて「しまむらの強さ」を見せつけられた思いです。あなたのお店の商品政策、その背景にある基本的考え方と比較してみることをお薦めします。きっと、大きなヒントが見つけられるのではないかと思うのですが・・・。

  時系列で見る「しまむらの商品政策」 完

 

 

 

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チラシ販促:しまむら・ファッションモールの開店チラシ

しまむら・ファッションモールの開店セール第一弾チラシはB全サイズ 

しまむらのファッションモールには、①2店構成、②3店構成、③4店構成、この3タイプがあります。そして、店舗建物の展開形式は、(A)オープンモール型と(B)クローズドモールの2つがあります。しまむらグループの各店、ファッションセンターしまむら、アベイル、バースディ、シャンブル、ディバロ、この5つを組み合わせてファッションモールを構成しています。ファッションモールで数が多いのは、①の2店構成です。②の3店構成、③の4店構成のモールの数はまだそれほど多くはありません。ファッションモールの展開にはいろいろの面で大変興味を持っていますが、今回は、ファッションモールの開店セール第一弾チラシについて調べてみましたのでそれを簡潔にまとめておくことにしました。

しまむらの過去2年間の販促チラシを、月別、週別に整理し、徹底分析してみました(チラシ別企画内容、商品部門別品目別売価、掲載本数など)。そして、しまむらがこの2年間で打ったチラシの中で最も迫力があったチラシは、3店構成(それも、ファッションセンターしまむら+アベイル+バースディの3店構成)のファッションモールの開店セール第一弾チラシでした。チラシサイズはB全両面になりますが、それを4分割し「見開き形式」で、①3店合同超目玉掲載ページ、②ファッションセンターしまむらページ、③アベイルページ、④バースディページ、この4ページを各B2サイズで構成しています。

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■サニーモール西葛西SCの2階に出店した、しまむら+バースディ+アベイル、この3店構成のファッションモールです。しまむらのファッションモールでは、この3店構成のモールが最も強力だと思いますが、その開店セール第一弾チラシも強力なものです。これは「見開き型チラシの表面・表紙」と言える部分ですが、サイズはB2です。3店の超目玉コーナーをまとめています。このコーナーでの掲載本数は多くはありませんが、売価はかなり激安と言っていいと思います。しかし、3店分を一箇所にまとめて展開していますので訴求力はかなり強烈なものがあります。B2サイズでこのような迫力あるチラシを打ち込まれると、競争相手は大きな打撃を受けるであろうと思われます。「攻撃・第一撃から強烈な打ち込みをする」、開店セール第一弾チラシはそれが効果的だということでしょうか。ともかく、大きなインパクトのあるチラシです。

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■「見開き型チラシ・表紙右手(裏面)」。ここに、B2サイズで「ファッションセンターしまむら」の開店セール第一弾の商品掲載ページがあります。超目玉品は前述しました「表紙の超目玉コーナー」に掲載していますので、このページではそれ以外の開店セール第一弾商品を載せています。しかし、チラシサイズがB2サイズ大きく、また、掲載本数も多いのでかなりの迫力があります。その中身をじつくり見れば、お値打ち品満載であることが分かります。「良い品質のものが安い」、「今のファッショントレンドのものが安い」、これが、しまむらの訴求点ですが、お客に十二分に伝わる構成になっていると思います。しまむらは、開店セールチラシ第一弾から、このような強烈なチラシを打ち込んでくることを頭に入れておく必要がありそうです。決して甘く見てはなりません。彼らは最初から「真剣勝負」、手抜きはしません。その対応を誤るとガタガタにされます。

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■前掲と全く同じ3店構成のファッションモール「マーケットシティ古河SC店」の開店セール第一弾チラシです。サイズもB2で同じです。そしてこの「見開き型・表面・表紙の右手(裏面)」にファッションセンターしまむらのページがB2サイズであることも同じです。ファッションセンターしまむら、アベイル、バースディ、この3店構成のモールの開店セール第一弾チラシは、どうもこのパターンが定型になっているように思われます。しまむらの3店構成、4店構成のファッションモールは全国的にみてもまだ数が少ないので、その開店セール第一弾チラシを見るチャンスはあまりないと思います。しかし、3店、4店構成のモールが近所に出店する場合は、開店第一弾からこのような強烈なものを必ず打ち込んでくると考えておいた方がよいと思います。競争相手の店は被害甚大となるかもしれません。

ファッションセンターしまむらの過去2年間の販促チラシを徹底調査・分析した結果、いろいろ分かったことの中から、「これは強烈」という販促チラシをピックアップ。 完

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新店舗情報:ピーエフ、3号店・「観音寺店」を出店

ピーエフが3号店・「ピーエフ観音寺店」を3月20日開店 

株式会社フジ(愛媛県松山市)の子会社・カジュアルファッションストア「ピーエフ」は、3月20日、香川県観音寺市本大町に3号店・「ピーエフ観音寺店」を開店しました。株式会社フジは、すでに、平成19年7月17日のプレスリリース「Fuji News Release」に、「ピーエフ」についてその今後の展開計画を詳しく発表していますのでご存知の方も多いことと思いますが、一応、その概要を以下に簡単にまとめておきます。(以前にもこのブログ書いています)

「ピーエフ」の基本コンセプトは、「誰もが、いつでも必要とするオシャレなディリーカジュアルウェアを安く提供すること」。今後、既存の直営衣料部門「ザ・カジュアル」も含め100店舗体制に向けて多店舗展開を図る計画。当面は、四国の東部を中心に店舗展開を進め、ゆくゆくは、中四国でドミナントをつくり、100店舗、年商200億円を目指す。

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■1号店「丸亀三条店」、2号店「池田店」、そしてこの3号店「観音寺店」、3店舗の概要は別表のとおりです。前に発表したほぼ計画どおりに出店を進めているところをみますと、株式会社フジの「ピーエフ」展開の意気込みといいますか、本気度を強く感じます。四国には、「ファッションセンターしまむら」も、まだ、展開店舗数が少なく、「完全制圧」、「圧倒的一番店」とはなっていません。ディリーファッションストア・「ピーエフ」はビジネスチャンスをモノにするかもしれません。そして、その出店速度の速さが一つの重要な決め手になるような気がします。

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■ピーエフの3号店「観音寺店」の店舗所在地とその周辺図。オープンモール型NSC「サニータウン観音寺」内に出店しています。1号店も同じような立地、また、2号店はビルインタイプですが、これもNSC「フレスポ阿波池田SC」内への出店ですので、「なかなか手堅い、安全主義の出店政策を進めている」と言えます。「まったくの、ひとりぼっち店舗、いわゆる、スタンドアローン」という形はとっていません。食品スーパー、ドラッグストア、ホームセンターなどで形成されたNSC内への出店というかたちです。

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■「ピーエフ観音寺店」の開店第一弾チラシ。先に出た「丸亀三条店」、「池田店」もこれと同じチラシで協賛セールを打っています。びっくりするような超目玉低価格品はあまり載っていないように思いますが、全体が「低価格帯の展開」ですので、店の周辺に強力な競争相手がいなければ、開店チラシとしてのインパクトはかなりあるでしょう。昨年、開店して以降の「丸亀三条店」のチラシ販促を注意深く見ていますが、ディリーファッションストアとしての売価政策はしっかりしているように思います。

株式会社フジの「ピーエフ」、そして、イオングループの「IFQアイエフキュー」、この2社は大手流通小売業資本が本格的に腰を入れて展開していくと考えられるディリーファッションストアです。しかし、その店舗展開しているエリアが、東京から遠く離れた場所ですので、案外、業界から注目もされず、また、見落とされているようにも思われます。逆に言うと、あっというまに、100店舗展開をはかり、その時点で「みんながびっくりする」ということになるかもしれません。ともかく、この2社の動向をこまめにチェック、定点観測していこうと考えています。

    ピーエフ、3号店・「観音寺店」を出店  完

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新店舗情報:「東金ファッションモール」がオープン

2008年3月13日、「東金ファッションモール」が開店 

しまむらは、3月13日、千葉県東金市押掘659に「東金ファッションモール」を出店しました。モールの概要は、敷地面積6898㎡≒2086坪、店舗面積2240㎡≒678坪、駐車場収容台数100台、「新・ファッションセンターしまむら東金店」と「生活雑貨店シャンブル」、2店構成のモールです。

東金市には、すでに、しまむらグループの、「旧・ファッションセンターしまむら東金店」(東金市東新宿、1988年11月開店、売場坪数約261坪、年商推計約4億7100万円(2004年))と「アベイル東金店」(東金市家之子、売場坪数約300坪、年商推計約3億3400万円(2004年))がありました。しかし、この「東金ファッションモール」の開店と同時に、「旧・ファッションセンターしまむら東金店」を閉鎖し、新モール内に「新・ファッションセンターしまむら東金店」を移転・増床・新築して開店しています。(アベイル東金店はそのままです)

316_008■東金ファッションモールの周辺図です。すぐ近くに、紳士服専門店「洋服の青山」、家電大型専門店ケーズデンキ、食品スーパー・カスミ、同じく、食品スーパー・ビッグハウス 、などがあり、一大商集団を形成しています。強力な集客力と商業集積力をもった商集団で、東金市の新興商業地区となっています。旧中心商店街に代わって、今後はこのエリアが東金市の中心商業地区となるものと考えられます。東金ファッションモールは「とても良い立地」に出店したと言っていいでしょう。

■既存店活性化策として、「移転・増床・新築」は効果大?

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■東金ファッションモール外観。右奥が「新・ファッションセンターしまむら東金店」、その隣が「シャンブル」です。最近、しまむらは、このようなやり方、すなわち、「移転・増床・新築」というかたちで、既存店の改善強化・活性化策をとるケースが多く見られます。ここ、東金市でも、その手を使っているところをみますと、この手は「かなり効き目のある活性化策」なのかもしれません。しまむら単店よりも、グループの専門店数店で構成されたファッションモールの方が商業集積力、集客力、ともに上であることは言うまでもありません。競争上もこの方が有利です。

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■東金ファッションモールに、移転・増床・新築した「新・ファッションセンターしまむら東金店」の外観。売場坪数約350坪の標準店舗です。閉鎖した「旧・ファッションセンターしまむら東金店」は、売場坪当り年間売上高約180万円、年商推計約4億7100万円(2004年)という高効率店でしたが、その店を閉鎖してまで、「東金ファッションモールに「新・しまむら東金店」を出したわけですが、その理由は先にあげた別図・「周辺図」を見ればよく分かることと思います。

「より良い立地、より売れる可能性の高い立地」へ店をつくる。小売店は、「一にも立地、二にも立地、三にも立地」です。「新・ファッションセンターしまむら東金店」をこちら(東金ファッションモール内に)につくることによって、閉鎖した旧店舗を上回る売上高を獲得するであろうことは、多分、間違いないでしょう。東金ファッションモールの店舗構成、「ファッションセンターしまむら」+「生活雑貨店シャンブル」という組み合わせは、それほど強力ではないと思いますが、見渡したところ、近くにこれといった強力な競争相手は見当たりませんので、それなりの高い集客力を持っていると考えられるからです。いずれにしても、こういったかたちでの、「既存店活性化策」を、しまむらが積極的に進めていることを注視すべきでしょう。

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■「新・ファッションセンターしまむら東金店」の開店セール・第一弾チラシです。それほど強烈なチラシには見えませんが、実際に、商品と売価を手にとって見てみますと「かなりの安さ」です。お値打ち品がとても安い(=品質>売価)ということです。競争相手はこの対抗策に相当苦労することでしょう。チラシサイズはB3で、それほど大きくもなく、また、びっくりすることもありませんが、掲載商品とその売価、すなわち、中身はなかなかなものです。これに打ち勝つには、かなりの努力が必要になると思います。

  「東金ファッションモール」がオープン   完

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経営課題:「商品部門別利益貢献度」を見ていますか。

■交差比率と利益貢献度 

商品経営における、「儲けの度合い」といいますか、利益効率、収益性を見る指標として、①交差比率と、②利益貢献度、この二つの指標がよく使われます。ここであらためて言うのもなんですが、「交差比率」は在庫投資に対する粗利益(儲け)の割合を見る指標で、(交差比率=粗利益率×年商品回転率)で計算されます。また、「利益貢献度」は商品ごとの利益への貢献度を見る指標で、(利益貢献度=交差比率×売上構成比÷100)で計算されます。

この二つの指標を常に注意深く見ているかどうか、商品仕入担当者の方々に話を聴いてまわりました。それで分かったことなのですが、交差比率は常によく見ているのに対し、利益貢献度は「たまに見る程度」という人が案外、多いということです。これは、ちょっと気になりました。というのは、交差比率が高いから利益貢献度も高いとは限りません。最も利益に貢献しているのは、売上高構成比が高く、利益貢献度も高い商品(または、商品部門)であるからです。利益貢献度=交差比率×売上構成比÷100、この計算式をみればその意味がよく分かると思います。

そこで、「交差比率だけで見た商品(または、商品部門)の重要度ランクづけ」と、「利益貢献度で見た商品(または、商品部門)の重要度ランクづけ」の違いを比較してみるために、ひとつの事例として、「ファッションセンターしまむらの商品部門別利益貢献度」を計算して見ました。別表をよく御覧ください。

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■交差比率で見た重要度ランキングは、商品2部(婦人ティーンズ・婦人服・イレギュラー・シルバー(エルダー))が第一位で、二位が商品1部(婦人Ⅱ)、三位が商品7部(ナイティ・寝具・インテリア)、という順になります。

■しかし、利益貢献度で見ますと、第一位は商品5部(肌着・靴下)、第二位は商品2部、第三位が商品7部、という順になります。第一位、第二位ともまったく異なる商品部門になってきます。利益貢献度の最も高い部門は「商品5部(肌着・靴下)」であることが分かります。「しまむらの商品経営のミソ」が見えてくるように思います。

どの商品部門が最も利益貢献しているのか、それを適確につかんでおく必要があります。それをよく分かっていないと、商品経営、商品政策の方向づけを間違ってしまうことがあるからです。また、「人・モノ・金・時間」をどこにどのくらい投資すべきか、その配分を誤ってしまうかもしれないからです。なにはともあれ、もう一度、「商品部門別利益貢献度」を計算されてみることをお薦めいたします。

ディリーファッションストア 「勝ち抜いていくための絶対必要条件」 

ディリーファッションストア大手、「ファッションセンターしまむら」、「パシオス」、「サンキ」、「サミットコルモ」、これら企業の経営を詳しく分析・研究してみますと、ディリーファッションストアで「勝ち抜いていくための絶対必要条件」ともいうべきものがいくつか見えてきます。それを、まとめて図にしてみました。なにかのヒントになることもあるかもしれませんので、あつかましいとは思ったのですが、載せておくことにしました。ご笑覧ください。

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■ファッションセンターしまむら、パシオス、サンキ、この3社は「これが一番」というものをいくつか持っています。これ以外の店にも、例えば、「安さなら一番。どこにも負けない」など、ある一点に関しては飛びぬけた強さ・力を誇る店もあります。数えて見たら、ファッションセンターしまむらが「一番のもの」をどこよりも沢山持っていたということではないでしょうか。だからこそ、ディリーファッションストア界で最大・最強の企業たりえるのではないかと思います。

      完

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業界動向:「しまむら&パシオス連合軍」の都道府県別店舗数

■「しまむら&パシオス連合軍」の都道府県別店舗数を見る

ファッションセンターしまむらが、「パシオスに資本参加・提携」という衝撃的なニュースを聞いたのはつい最近のことのような気がしますが、この、新たに形成された「しまむら&パシオス連合軍」の動向を注視しています。なにせ、ディリーファッションストア最大・最強、ナンバーワンの「ファッションセンターしまむら」と、第二位・ナンバーツーの「パシオス・タワラヤ」が資本提携してつくられた強力な連合軍だからです。この連合軍の動き如何でディリーファッションストア業界も大きく変わることも考えられます。そこで、まず、この2社の都道府県別店舗数でその勢力分布を見てみました。

004 ■両社の都道府県別店舗数は表のとおりです。関東6県における「しまむら&パシオス2社合計・都道府県別店舗数」が一挙に増えます。とりわけ、埼玉県、千葉県、茨城県、神奈川県においては2社合計店舗数が一段と増加します。この2社連合軍の競争相手大手は、サンキ、サミットコルモですが、「圧迫感」と「緊迫感」を持ったのではないかと思います。ともかく、これから先、この強者連合軍との熾烈な戦いを避けて通ることはできないと考えられるからです。東京都と神奈川県における戦いは一段と厳しいものになると思われます。

しまむら&パシオス連合軍は、今後、どのような「調整」を進めていくのだろう。

ファッションセンターしまむらは「パシオスに資本参加・提携」しましたが、その後、どう進めていくかについてはあまり発表していません。ただ、強引な企業買収や、情け容赦の無い吸収合併などはやらない、そして、強制的・強圧的な支配体制を進めることも考えていないと言っていたように思います。となると、しばらくは、「ゆるやかな結びつきの仲良し連合軍」というかたちをとっていくのかもしれません。しかし、業界の一部には、「短くて5年、長くて10年以内に、パシオスを完全子会社化するだろう」という見方もあります。いずれにしても、これから先、この強者連合軍が、どんな戦略、政策を打ち出してくるのかはいまのところ皆目、分かりません。しかし、今後、両社が、広範囲にわたる諸々の事前調整を必要とするであろうことだけは、間違いなく言えると思います。

例えば、出店調整、店舗政策、ストアポジショニングなどの調整、商品政策、商品ポジショニングなどの調整、販促政策及びチラシ販促計画などの調整、取引先政策、商品開発・調達先、仕入先などの調整、経営情報、営業数値データの交換、共有、有効活用の仕組みづくりとその調整、等があげられます。いままで、両社は、それぞれを競争相手として激しい闘志を燃やし戦ってきたわけですが、今後は、連合軍として進むわけですから、頭を白紙にして、諸々の調整をしなければなりません。そうしないと、緊密な連携、一体となった動きができないからです。これらの調整をどのように進めていくのか、とても興味があります。これから先、両社の動きをこまめに追いかけていかねばならないと考えています。

まず、この2店舗の調整はどうするのだろう

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これは、「ファッションセンターしまむら佐原店(千葉県香取市佐原ホ1243-1)」と「パシオス佐原店」の所在地図です。2店の店間距離は約50m~60mの至近距離。パシオス佐原店は2階、1階は食品スーパー・タイヨー。いままで、両店は、ディリーファッションストアとして、勝つか負けるか、生死をかけて戦ってきました。この両店をどう調整し、どう棲み分け、活かしていくのか、興味深く見つめていきたいと思います。

しまむら佐原店は、1990年出店の旧店舗建物を解体し、2006年3月に、同じ場所で増床、新築しています。旧店の売場坪数は249坪、年商推計3億8000万円(2004)、新店舗は売場面積367坪。パシオス佐原店は、平成8年5月出店、売場坪数約453坪、年商9.6億円を売上げたこともある高効率店です。

「いまのままで、別に無理していろいろ変えたりしない」というのも一つの考えです。お客がどう考えるかは別にして、両店が、いままでと同じ戦い方をしていけば、それぞれ売上の出こみ引っ込みはあるとしても、この2店舗の対象商圏エリア内における「しまむら&パシオス連合軍」の売上シェアは減ることはなく、2店合計すれば高い売上シェアを確保できるからです。もしかしたら、「しばらくは、様子見」ということで、この手でいくかもしれません。逆に、もっと別の思い切った手を打ってくることも、当然、考えられます。いまのところ2店に大きな変化は見られませんが、半年後、1年後には大きく変化するかもしれません。ともかく、この2店をどのようにしていくのか、どんな調整をやっていくのか、とても関心があります。どんな手を打ってくるのでしょう。

  「しまむら&パシオス連合軍」は今後どう進むのだろう? 完

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新店舗情報:サンキ大田原店 開店

■3月6日、サンキ大田原店(売面約725坪)が開店

3月6日に開店したサンキ大田原店の概要は、①所在地・栃木県大田原市若松店1650、②売場面積2398㎡≒725坪、③駐車場収容台数124台。道路の向かい側には、HC・カインズホームセンター、右側には、書籍・CDレンタル・ワンダーグー、約200mのところに食品スーパー・たいらや、などがあり、大田原市における最も新らしい商集団を形成しています。立地条件は良いと言えるでしょう。

004 ■サンキ大田原店の所在地とその周辺にある競争店舗の位置図。(丸・サ)が「サンキ大田原店」。各店を中心に描いてある円の半径は1kmです。サンキ大田原店から約1.5kmのところに(緑●)・大田原ファッションモールがあります。また、約1.8kmのところに(緑●)「ファッションセンターしまむら大田原店」があります。さらに、約6kmのところにも「ファッションセンターしまむら西那須野店」があります。サンキは大田原市、西那須野市で「しまむら3店」を相手に戦うことになります。これから先、相当激烈な戦いが繰り広げられるのではないかと考えられます。

■しまむら各店の概要は以下のとおり。

しまむら大田原店・売場面積約287坪、年商推計約4億円

しまむら西那須野店・売場面積約301坪、年商推計約2億6000万円

大田原ファッションモール(売場面積3090㎡≒935坪 駐車場169台)

(アベイル大田原店296坪+バースディ296坪+シャンブル294坪)の3店構成で年商推計約7億6000万円(3店合計))

■サンキ大田原店の直近の競争相手は約1.8km離れたところにある「ファッションセンターしまむら大田原店」ですが、サンキの売場面積は約725坪ですので、しまむらの約2.5倍となります。サンキのこの売場面積の大きさは競争面でとても有利な条件であることは言うまでもありません。サンキは「しまむら」を競争相手とする場合、しまむらより2.5倍~3倍の大きな売場面積の店で戦うケースが多く見られます。また、最近のサンキが出す店の売場面積は500坪~1000坪となっています。サンキはその大きさの店舗を「まわせる力」を持っているということです。ディリーファッションストア最大・最強の「ファッションセンターしまむら」といえども、この、サンキの戦略には大分、手こずっていると言いますか、店によっては「サンキに負けている」ところも目立つようになってきました。しまむらにとってサンキは「かなり手強い競争相手」と言っていいのではないでしょうか。大田原市における「サンキ対しまむらの戦い」を注意深く見つめていきたいと考えています。

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■サンキ大田原店の開店第一弾チラシです。最近のサンキは、開店第一弾チラシでもB4サイズです。以前は、もっと大きなサイズのチラシだったのですが、チラシサイズの大小は集客力にあまり関係ないと考えているのかもしれません。しかし、開店チラシの中身、掲載商品とその売価を見ると「本当に安いと驚く価格の超目玉品」がかなりあります。サンキと「安さで勝負する」のは相当の覚悟が必要になりそうです。おそらく、「しまむら」も、「サンキの安さにどこまで付き合うか」を真剣に考えているのではないかと思います。「サンキ対しまむら」、この両者の戦いは、これから先も多くの場所で見られるように思います。

  「サンキ大田原店 開店」 完

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業界動向:「サンキの出店攻勢」を追う

ここ6ヶ月間における「サンキの出店攻勢と活発な企業行動」に注目

株式会社三喜、店名”ファッション市場サンキ”(以下、サンキと略)は、①年商約443億4200万円(2007/2・東北三喜など4社の子会社を含む連結)、②店舗数94店舗(2007/2・東北三喜を含む)のディリーファッションストア大手企業です。(サンキのHPより抜粋)

さらに、2008年3月の時点では、年商約511億円超、店舗数148店舗の大規模小売企業になっているものと推測されます。(注①:店舗数は2008年3月6日時点の推測値です。また、この3月、サンキの関連子会社化される北海道・札幌の三喜協同衣料(株)の年商と店舗数を入れて計算しています)。これは、ディリーファッションストア業界では第一位の「ファッションセンターしまむら」に次ぐ第二位の規模になります。サンキの、ここ最近の動きと、これから先の動向を注意深く見ていく必要があると考えました。とりあえず、ここ、6~7ヶ月間の動きを以下に簡単にまとめてみました。

出店攻勢

■サンキ郡山店 出店

①福島県郡山市大槻町字前畑、②開店年月、2007年11月、③売場面積2588㎡≒783坪、④駐車場収容台数100台

■サンキ長岡駅東口店 出店

①新潟県長岡市台町・越後交通ビル1階(旧ダイエー長岡店撤退跡)、②07年12月開店

■サンキ南増尾店 出店

①千葉県柏市南増尾7丁目(旧マツモトキヨシ撤退跡)、②2008年2月開店、③売場面積約500坪

■サンキ大田原店 出店

①栃木県大田原市若松町、②2008年3月6日開店、③売場面積2398㎡≒725坪、④駐車場124台、

■サンキ須賀川店 出店予定

①福島県須賀川市古河(ロックタウン内、家電店スーパー・デンコード須賀川店撤退跡・売場面積1906㎡≒576坪)、②2008年3月20日開店予定

企業活動

■三喜協同衣料(株)をサンキの関連子会社化 

①所在地 札幌市白石区栄通り、②2008年3月21日 コープさっぽろの子会社である「コープ衣料(株)」の事業を全面譲渡され、サンキの関連子会社化。

②事業譲渡後、三喜協同衣料(株)は、年商規模約68億円、店舗数38店舗となるものと推測される。これは、北海道地区におけるディリーファッションストアとしては、「ファッションセンターしまむら」に次ぐ第二位の規模になるものと考えられます。また、新生した三喜協同衣料(株)は、今後3年間で年商規模100億円(道内)を目指すと言っています。

■サンキは、次のステップとして「1000億円構想」を持っている?

ディリーファッションストア大手企業、ファッションセンターしまむら、パシオス、サンキ、サミットコルモ、この4社の動向は常にマークしていますが、今回の、「サンキの出店攻勢と企業活動」はとりわけ、注目すべき必要があるのではないかと考えています。パシオスが「しまむらの資本参加・提携」を受け、しまむらグループになったのはつい最近のことですが、「これで、ディリーファッションストア業界は決まり」と思っていました。しかし、ここ6ヶ月間のサンキの動きを見ていますと、この業界には、まだまだ大きな変化が起きるのではないかという気がしてきたからです。

現時点におけるサンキの都道府県別店舗数を見ますと、北海道38店舗(新生・三喜協同衣料(株)の店)、茨城県21店舗、栃木県11店舗、福島県2店舗、群馬県14店舗、埼玉県10店舗、千葉県18店舗、東京都3店舗、新潟県16店舗、長野県1店舗、福岡県6店舗、佐賀県2店舗、熊本県4店舗、大分県1店舗、宮崎県1店舗、合計148店舗と考えられます。また、年商規模も、大雑把な見方ですが、約511億円超になるものと思われます。そして、ここ6ヶ月間の出店攻勢とその企業活動を見ていますと、もしかしたら、サンキは、次のステップとして「1000億円構想」を持っているのではないかと思った次第です。本当のところはどうなのか確かめる術もありませんので、これは全くの推測ですが、果たして、どうなのでしょう。サンキの今後の動きを注意深く追いかけていこうと考えています。

  「サンキの出店攻勢」を追う  完

 

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売場構成:「ディリーファッションストアのVP(ビジュアルプレゼンテーション)」

時系列に見た「ファッションセンターしまむらのVP改善強化の流れ」

このレポートは、衣料スーパーストア研究会・2004年10月・月例会のテーマとしてとりあげた「ディリーファッションストアのVP(ビジュアルプレゼンテーション)」より抜粋、それに若干、補足書き足しし、ダイジェスト版としてまとめたものです。

「ファッションセンターしまむら」におけるビジュアルプレゼンテーション(以下、VPと略)改善強化の流れを時系列に見ていきますと、その始まりは、今から11年も前の、1997年であったことが分かります。なぜ、そんなことを言うのかといいますと、ある時、しまむらでは、毎年、商品部が年度別方針を決め、そして、重点課題というものを発表しているという話を聞きまして、さっそく、それに関する調査をした結果、そのことが分かったからです。まず、しまむらがビジュアルプレゼンテーションの改善強化に本気で取り組み始めた1997年から2006年まで、それぞれ年度別に掲げた重点課題のなかからVPに関するものをピックアップしそれらを時系列に並べてみたものをじっくり御覧下さい。

■ファッションセンターしまむらの「ビジュアルプレゼンテーション改善強化の取り組みの流れ」を年度別に見る。

○1997年度→品揃えの見直しと陳列・演出技術の向上

○1998年度→陳列・演出技術の高度化と安さのアピール

○2000年度→陳列と商品提案の高度化

○2001年度→販売促進とプレゼンテーション技術の改善

○2002年度→陳列・プレゼン技術の高度化

          陳列・プレゼン技術の向上・「いいものが良く見えるテクニック」

○2003年度→陳列・プレゼン技術の深耕

○2004年度→トレンドの提供方法と陳列の改善とスピード化

○2005年度→トレンド化と提供方法のグレードアップ(トレンディな売場提案)

○2006年度→トータルコーディネイト提案の高度化

          コーディネイトを意識した陳列・演出力のレベルアップ

          コーディネイト提案のできる売場作り

          壁面陳列提案の高度化

しまむらのVP改善強化の進展を時系列に見ていきますと、1997年からスタートし、このような流れがあって現在に至っています。いまから11年も前から取り組みをはじめ、その努力と培ってきた技術の蓄積の上に、「今の、しまむらのVP」があるというわけです。このことを忘れてはならないと思います。

ディリーファッションストアで最大・最強の企業「しまむら」における「VPの改善強化の目ざましい進展」を横目でじっと見ていた同業他社、とくに、パシオス、サンキ、サミットコルモは、それに大いに刺激を受け、そして、素早く対応しました。そして、それぞれ真剣な努力を積み重ねた結果、いまでは、パシオス、サンキ、サミットコルモ各社の売場づくり、陳列・演出、ビジュアルプレゼンテーションは、先輩とも言うべき「しまむら」と比べても遜色のないほどレベルアップしたものになっています。「しまむら」の動きに引っ張られた結果とはいえ、業界全体のVP力を一段と向上させることになったと言えるでしよう。業界にとって、とてもよいことだったと思います。

しまむらが「VMD改善強化のためやってきたいくつかのこと」

しまむらが、そのVPアップ、そして、VMD(ビジュアルマーチャンダイジング)アップのために取り組んできたことを調べてみて、彼らがやってきたいくつかのことが分かりました。それらをランダムにあげておきます。なにかのヒントになると思います。

①照明方法の変更、改善→スポットライトの取り付け

②新しい陳列什器の導入設置

③店頭ショーウインドー及びウインドーディスプレイ

④売場天井高の変更、改善→3.5mへ

⑤新しい形の対面カウンター(お勘定場)の導入設置

⑥売場壁面ディスプレイ→壁面照明の強化、陳列小道具導入設置

⑦主通路拡大→「ゆったりした通路で、対面販売」

こういったことをやりながら、しまむらは、「トレンドを提供する専門量販店への脱皮」を目指すと言っています。そのために、陳列・演出方法の大幅な変更を進めてきたわけです。また、経営トップの一人は、「”店に入るとき、全体をビジュアルに見てもらう”、視覚への訴えが消費者の購買動機を刺激する」と言っています。ファッションセンターしまむらの、さらなる「VP力の改善強化、そして、VMD力の改善強化とレベルアップ」は、これから先も、間違いなく、休むことなく続けられていくであろうと思われます。

  「ディリーファッションストアのビジュアルプレゼンテーション」について  完

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経営課題:しまむら野上店は「凄く売る店」

ファッションセンターしまむら・野上店(東京都青梅市)は「凄く売る店」

このレポートは、衣料スーパーストア研究会、2006年10月・月例会の研究テーマ、ディリーファッションストア「凄く売る店の研究」の一部を簡略にまとめたものです。

まず、「凄く売る店の評価基準」を、売場坪数250坪以上、年間売場坪当り売上高200万円以上、店舗段階で営業利益が黒字の店、この3点とし、それをクリアしている店を「凄く売る店」と評定することとしました。そして、ディリーファッションストア大手4社、ファッションセンターしまむら、パシオス、サンキ、サミットコルモ、各社の店を調べてみました。その結果、各社は「凄く売る店」を複数店持っていることが分かりました。そして、その中でもとくに、「凄く良く売る店」、ファッションセンターしまむら・野上店をとりあげて、その「売れている理由」を調査・分析し、研究レポートしています。これは、それを簡潔にまとめたダィジェスト版です。「繁盛店になるには、どのような条件、背景が必要なのか」、そのいくつかが見えてくるのではないかと思います。また、繁盛店づくりのヒントとなるのではないかとも思っています。

ファッションセンターしまむら・野上店は、1987年4月開店、売場坪数262坪、2004年度年商推計約7億9200万円、年間売場坪当り売上高約302万円、という「凄く良く売る店」で、しまむら全店舗の中でもトップクラスの高効率店です。(また、競争相手の店は、同じ、しまむらの青梅新町店・2003年12月開店、売場坪数368坪、2004年度年商推計約7億円)

しまむら野上店が「凄く売る店」になった理由(その1)

青梅市は、世帯数56761世帯(H18.1.1)の都市で、ディリーファッションストアが対象にできる衣料及び衣料関連の年間需要額は約113億5000万円です。これはそれほど大きなマーケットサイズではありませんが、青梅市には「しまむら野上店」にとってめぼしい競争相手が長い間、存在しませんでした。(現在は、しまむら青梅新町店が競争店としてあげられる)。いわば、「無店地帯」であったのです。これが、「凄く売る店」になれた最大の理由であると思います。もちろん、「競争が無ければ、誰がやっても売れる」というわけでなく、しまむらの商品力、競争力の強さあってのことですが、やはり、なんといっても、衣料品年間需要額が113億円あり、かつ、競争が無い無店地帯であったことが、大きな売上と高い売上シェアを獲得できた理由であると言えるのではないでしょうか。しまむらが、ここに店を出せば”必ず売れる”と、誰よりも早く気付き出店したこと、そしてその、先を読んだ出店地選択眼の優秀さを認めざるを得ません。

しまむら野上店が「凄く売る店」になった理由(その2)

2006年2月期における「ファッションセンターしまむら(単体)」の、①買上客1人当り平均買上点数は3.3点、②平均売価単価は716円、③買上客1人当り平均客単価は2362円、この3つの数値をもとに、しまむら野上店の1日の販売点数を(仮説条件を設定して単純計算)計算してみました。

(仮説Ⅰ)月曜日~金曜日 平日の1日平均売上日販を180万円とする。

      土曜日、日曜日の1日平均売上日販を311万円とする。

(仮説Ⅱ)野上店の1日平均販売点数は、

      平日 平均日販180万円÷平均売価単価716円≒2513点

      土日 平均日販311万円÷平均売価単価716円≒4343点

      そうすると、野上店の1週間7日間の販売点数は、

      (2513点×5日)+(4343点×2日)=21251点

大雑把に計算して見ても、これだけ多くの日々販売点数、週間販売点数があるわけですが、それを、しまむらは、欠品、品切れ、売場に穴をあけることなく素早く商品補充できる力を持っているということです。その背景には、リードタイムが極めて短く、スピードある物流システムをしまむらが構築していることがあります。販売チャンスロスが極めて少ないわけです。品揃えさえ良ければ「凄く売る店」になれるというものではありません。品揃えが良いにこしたことはありませんが、それと同時に、素早い商品補充力、それを支える優れた物流システムがあることが「凄く売る店」になれる絶対必要条件でもあるのです。

しまむら野上店が「凄く売る店」になった理由(その3)

しまむら野上店の過去の実績を調べてみましたが、1995年2月期には、「もっと凄く売る店」でした。年間売上高推計は約8億8300万円、粗利益率推計26.4%、店舗総経費率推計売上比10.3%で、店舗段階営業利益率はなんと16.1%(推計値)はあげていただろうと言える、凄い高効率店、高収益店舗であったと考えられます。

店舗面積は約262坪とやや狭い店ですが、年間売上高推計は約7億9200万円と極めて高く、日々の作業、オペレーションは大変忙しいものであろうことが想像できます。限られた数の店舗要員で、作業を効率よく進めるには、店長の指示能力、作業割当能力が必要です。この、能力が欠けていると、品だし、陳列、その他もろもろの店舗作業に支障がでます。しまむら野上店が「凄く売る店」になれたのは、この、店長の作業割当能力と指示能力の高さ、そして、もうひとつ、要員一人一人の作業をより効率的に進めるための優れた作業マニュアル、その二つが背景にあることも言っておかねばなりません。同業他社で、「しまむらに匹敵するこのような力」を持っているところは見当たりません。

  2006年10月・衣料スーパーストア研究会・月例会、「凄く売る店の研究」簡略版

     完

        

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