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経営課題:変化し続ける「ファッションセンターしまむら」

■マーケティングの世界で唯一変わらない原則、それは、「変化こそ不変の原則」(E.B.ワイズ)と言われてきました。時代はめまぐるしく変化し、それとともに、顧客のライフスタイルと欲望、欲求も激しく変化しています。ディリーファッションストアは、これらの変化に素早く対応していかねばなりません。それができなければ、「生き残る」ことが難しい時代になってきているからです。「それは当たり前のことだ」と考えている人が多いとは思います。しかし、一方で、これら、時代の変化、顧客の変化に、とても鈍感と言いますか、無関心でいる人も決して少なくありません。これと同じことが、多くの小型量販衣料品店、そして、ディリーファッションストアにも言えるのではないかと思うのですが、これは悲観的見方すぎるでしょうか。

変化し続けること」、それができなければ、時代の変化と流れに「取り残され」、わずかな時間で消滅の道をたどることになるだろうとも言われています。米国大統領選挙のキーワードも「チェンジ・Change」のように思いますが、「変化すること」、そして、「変化しないと、これから先、生き抜いていけないこと」、これは間違いないようです。果たして、多くの小型量販衣料品店、そしてディリーファッションストアは「変化している」のでしょうか。そう考えまして、では、ディリーファッションストア業界で最大・最強の企業、「ファッションセンターしまむらは変化しているのか」、その過去からいままでを、いろいろ調べてみました。その結果、「しまむらは、同業他社のどこよりも、もう少し言えば、他のどんな小売業者よりも、変化し続けている」ということが分かってきました。これは、決して、オーバーな表現ではないと思っています。

38_002 ■写真は「ファッションセンターしまむら」の標準店舗の外観です。外装、ショーウインドー、入口の場所など、全て標準化されています。旧い老朽化した店舗も、大改装によってどんどん最新の標準店舗型に変えられています。床、壁、天井、照明など、すべて最新型に変えられているのです。改装した店舗数は200店舗を超える数に及びます。これは、資金が潤沢な「しまむら」だからこそできることかもしれませんが、背景に、全ての店舗を常に最新型にして、売場鮮度、品揃え鮮度を保つのだという強い意志を感じます。

変化し続ける「ファッションセンターしまむら」の店づくり、売場づくり、品揃え

「ファッショントレンドの追求を営業の基本とする」と決めて以降、ファッションセンターしまむらの店づくり、売場づくり、陳列・演出、そして、品揃えは、「短サイクルで小刻みな変化」をし続けているように思います。「変化」するために、「変化し続けるために」、そして、店づくり、売場づくり、品揃えを「常に時代に合った新鮮なものに保つ」ために、彼らが、いままでにどんなことをやってきたのか、それらを具体的にあげると次のようなことではないだろうかと思います。

壁面陳列の高度化→壁面における陳列・演出、ビジュアルプレゼンテーションは、10年前と比べれば、すごく「様変りした」といいますか、昔と比べようもないくらいレベルアップされました。

コーディネイト提案のできる売場づくり→陳列什器・システム什器エンド(主通路側)にコーディネイト提案ができる仕掛けをつくった。また、壁面陳列でもコーディネイト提案型の陳列・演出ができる仕掛けをつくっている。同時平行で、コーディネイト提案の陳列・演出力の向上を進めてきた。

高年齢店舗、老朽化した店舗をすでに200店舗以上も大改装→最新型の標準店舗形式にし、見栄えも、見た目も、とてもファッショナブルな店舗建物設備にした。

新店舗だけでなく、旧い店舗も大改装し、全ての店にショーウインドーを設置

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■店舗建物形態も、出店場所、敷地面積などによって、いくつかのタイプをつくっている。これは、「戸田南店」の外観ですが、1階に駐車場、2階を売場とし、店の1、2階店舗前面をショーウィンドー化している。このようなビジュアルプレゼンテーションもするようになった。専門店と比べても見劣りがしないレベルになってきている。

既存店の建て替え→旧い店舗をつぶし、最新型標準店舗と同じ、全く新しい店舗につくり変えた。

床を石張り(御影石)にし、店入口を変え、新しいサービスカウンターを設置し、レジも増設した。照明設備も新しいものに変え、ファッションストアとしての形をつくった。

バイヤーを定期的にヨーロッパへ派遣し、彼らの「感性、感覚を磨き」、また、ファッショントレンドと情報の収集分析を積極的に進めてきた。ファッショントレンド情報収集のためのネットワークづくりも進めた。

全部門でファッショントレンド商品の早期・積極的品揃えを進めた。はじめは、婦人衣料、紳士、子供衣料などのアウターウェア部門から進め、さらに、肌着・靴下、ランファン、ナイテイなどのインナーウエア、寝具・インテリアまでにわたって積極的に押し進めた。

目に付くところはこんなところ(①~⑧)ではないかと思います。おそらく、この他にも見えないところでいろいろ手を打っていることでしょう。いずれにしても、ファッションセンターしまむらは、このようなことを、怠ることなくやり続け、その店づくり、売場づくり、品揃えなどを、常に新鮮なものに変化させ続けているわけです。

ファッションセンターしまむら(単体)は、もうすぐ、その店舗数が1100店舗になると思われますが、そのような巨大な組織、多くの店舗数を、「常に新鮮なものに保つこと」、「そのためには変化し続けること」、これを、しまむらはやり遂げようと努力しているわけです。その背景には、それをやり続けなければ、「今の時代にも、これから先の時代にも生きていけない」という強い危機感があるのではないかと思います。変化し続ける「ファッションセンターしまむら」を見ながら、こんなことを考えているのですが、あなたはどう思いますか。そして、あなたのお店は「変化」していますか・・・・・・。

  変化し続ける「ファッションセンターしまむら」  完

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業界動向:ディリーファッションストア業界は「強者・しまむら」を中心に動く

ファッションセンターしまむらは「ディリーファッションストア界で最大最強の企業」

ディリーファッションストア業界で生きていくには、「圧倒的な強者・しまむら」の動きを一瞬たりとも見落としてはなりません。というのも、この業界は「強者・しまむら」を中心にして動いていると言っても過言ではないからです。このことは、すでに、多くの人が分かっていることだとは思いますが、ここで、あらためて、強調するわけは、、「あのくらいの品揃え、店づくりなら簡単にできるさ」と考えている人、そう思っている人が、まだまだ沢山いると思われるからです。しまむらの「うわべ」だけを見ているだけで、「しまむらの本当の姿、その強さ、恐さ」が見えていない、理解できていない人々が意外に多くいるのです。

「強者しまむら」と競争競合するディリーファッションストアが「常に考えておかねばらねばならないこと」

しまむらより安い価格で売れるか。それで利益を出せるか。

しまむらよりローコスト経営をやれるか。

しまむらより低いコストでモノ(商品)を動かすことが出来るか。物流コストが低いか。

しまむらよりIT・リティルテクノロジーを駆使した経営情報システムを構築できるか。

強者しまむらと競争競合するディリーファッションストアは、常に、これら、①~④のことを考え、それらのことが可能となるよう努力し続けなければならないと思われます。それを怠れば、きっと、後悔し、涙する時がくるだろうと思います。其のときは、「もう遅い。後悔先立たず」ということになるかもしれません。

ディリーファッションストアの雄・しまむらは、

合理的なローコスト経営(同業他社よりはるかに低い経費コスト)

優れた機動力とスピード、そして、低コストで動かせる強力な物流システム

多品種多アイテム1型少量投入の品揃えを管理・コントロールできる力

優れた経営情報システムとその高度な活用(同業他社のどこよりも多いIT投資額)

徹底した標準化(立地、店舗規模、売場構成、品揃え、店舗経営、各種作業など)

●(安さ+良い品質+ファッショントレンド品の早期積極的投入+若い感性・感覚)品揃え

しまむらは、このような「強さ」を持っています。競争相手として、これほど手強い相手というか、恐い相手は、ディリーファッションストア業界には他にいないでしょう。というよりも、「ちょっとでも油断をしていると喰われてしまう」ような、恐るべき怖い競争相手だと言ったほうがいいかもしれません。そういう表現がオーバーでないくらい、ディリーファッションストア業界で、しまむらは絶対的ともいえる強者であるわけです。ですから、この強者の動き、その行動を常に注意深く、決して見逃すことなく、よく見守っておく必要があると思います。

ディリーファッションストア大手5社の売上高と店舗数

第一位は、ファッションセンターしまむらで、()売上高は約3329億円(単体・2007/2)、()店舗数1019店舗(2007/2)、第二位は、サンキ、売上高約443.4億円(2007/2)、店舗数94店舗(2007/2)、第三位が、パシオス(タワラヤ)で、売上高約399億円、(2007/3)、店舗数116店舗(2007/3)、そして、第四位、あかのれん、売上高約166億円(2007/2)、店舗数38店舗、第五位に、サミットコルモ、売上高約137億円(2006/3)、店舗数32店舗、という順番になっています。

しまむらを除く第二位以下の企業は、それぞれ強いものを持った優秀なディリーファッションストアチェーン企業ではありますが、No.1の「ファッションセンターしまむら」との戦い・競争に勝てるほどの「強い武器、強力な決め手」はまだ持ち合わせていない、それが現実ではないかと思います。

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■数ヶ月前、しまむらが、「業界第三位のパシオスの株を12.7%取得し、資本提携、資本参加した」と発表しましたが、それはとても「衝撃的な出来事」でした。

■いままでもそうでしたが、この出来事で、ファッションセンターしまむらは、さらに強大な、「ディリーファッションストアの王者、最強のキング」になったわけです。残念ながら、この、王者、最強のキングとの戦い・競争を避けて通ることはできません。しまむらと絶対にぶつからないマーケットにいられるというなら別ですが、そういう場所は、ディリーファッションストア業界にはほとんどありません。逃げ場は無いと言ってもいいでしょう。これは、決して「脅し」で言っているのではありません。

「しまむら+パシオス連合軍」、この巨大で、強力な集団と戦う準備と覚悟をしておく必要がありそうです。「しまむらとの競争で武器にできるもの」、「しまむらとの差別化、差異化をすすめること」、それらをつくりあげること、そうしないと「生きていけない」時代が来ていると言っても言いすぎではないように思います。サンキ、サミットコルモ、あかのれん、彼らはおそらく、そのことを十二分に分かっているからこそ、「しまむら対策」に真剣に取り組んでいるのだと言えるでしょう。「絶対的な強者・しまむらを中心に動いているディリーファッションストア業界」に住んでいる限り、それは避けて通れない道であるからです。彼らの真剣な努力と取り組みを、横目でみているだけで、なにもしないでいれば、その先にあるのは「衰滅死」だけでしよう。そんなことの無いよう、「今」から、遅くとも明日から、「しまむら対策」を考えていかれることを、老婆心ながら「警告しておきたいな」と思ってこの小レポートを書きました。

   ディリーファッションストアは「強者しまむら」を中心に動く  完

  

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業界動向:「食品SMチェーンの直営衣料部門」が消えてゆく

規模縮小、撤退が続く「食品スーパーチェーンの直営衣料部門」

中部、東海地区から北海道までの間では、「食品スーパーチェーンの直営衣料部門」の規模縮小、撤退、閉鎖が、この7、8年間でかなり進んだように思います。この現象は、大阪から九州にかけての地域ではまだあまり見られないようですが、この地域でも、いずれ、同じような現象が起きるものと考えられます。

(a)衣料部門の売上構成比がその食品SM企業全体売上高の7%以下で、かつ、赤字。

(b)衣料部門の1店舗の売場面積が300坪以下で、商品力も、競争力も弱い。

(c)これから先、売場面積1500~2000坪クラスの、食品・衣料・住関連(すべて直営で)一体型の近隣型商業施設・NSCをつくっていくという戦略・政策を持たず、今後は「食品スーパーマーケット」に特化していくという考えを持っている。

(d)経営トップに「もう、衣料を続ける気が無い。やる気が無い」

これら、(a)~(d)に当てはまる食品スーパーチェーンの直営衣料部門は、いずれ数年のうちに、閉鎖・撤退という道をたどるのではないかと思います。衣料部門の先行き不安、「明るい見通しも無い、それに長年、赤字が続いている」、こういった状況が、かれこれもう、9年~10年は続いています。したがって、「衣料をやめる。やめたい。衣料から撤退したい」という食品スーパーチェーンが相当数あると考えられるからです。そして、この傾向(衣料をやめる。衣料は撤退)は今後、増えることはあっても、減ることはないと思われます。

食品スーパーマーケット業界で「最強の食品SM企業」と評価の高い「ヨークベニマル」の直営衣料部門の営業実績を見て考える

ヨークベニマルの直営衣料部門の営業実績数値を調べてみますと、2005年度(2005/3.1~2006/2.28)は、衣料年間売上高200億2500万円、粗利益率36.0%、在庫日数60.3日、仕入値入率46.5%でした。そして、部門別売上構成比では、肌着・靴下(インナーウェア)部門が35.2%と最も高く、第二位は、婦人衣料23.6%でした。この部門別売上構成比は、食品SMチェーンの直営衣料部門によく見られる傾向です。アウターウェアより、肌着・靴下など実用衣料が強いとうわけです。

(注:ヨークベニマル、2006年2月期・決算説明資料では、衣料品の粗利益率35.6%、在庫日数59.3日となっており、先に載せた数値と若干の違いがあります)

の数値から、ヨークベニマルの直営衣料部門の交叉比率は、36×年間商品回転率(365÷60.3)≒218、となります。経験則ですが、「量販衣料の交叉比率が240以上であれば、損益はプラスマイナス・ゼロ以上になる」と言われています。経験則が絶対だとは思いませんが、それを一つの目安として考えますと、「ヨークベニマルの直営衣料部門は、もう一歩。あと少し頑張れば利益が出せる」というところにあるのではないかと思います。(業界通からは、未確認伝聞情報ですが、ヨークベニマルの直営衣料部門は赤字じゃない、1%~3%の税前利益を出している、という話も聞いています)

■しかし、ヨークベニマルは、もう何年も前から、「直営衣料部門の不拡大、不振店の閉鎖、衣料新店舗出店中止」を政策として進めています。おそらく、「直営衣料部門の将来展望は暗く、これから先も、利益部門になるのは難しい」という判断を下したものと思われます。したがって、ヨークベニマルが最近、出店する店には直営衣料部門が無いケースが多く見られます。

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■ヨークベニマルの最新店舗のひとつ、「あしかがハーベストプレイスSC」の内の店です。このヨークベニマルの店にある直営衣料部門は、肌着・靴下、パジャマ・サロン等の実用衣料があるだけです。婦人衣料、紳士衣料などのアウターウエア部門はありません。業界で言うところの、食品の大型店、「スーパースーパーマーケット」という形と言えるでしょうか。

■食品スーパー業界最強、実力No.1と評価の高い「ヨークベニマル」、そして、食品スーパーチェーンでは、直営衣料部門で200億円という極めて大きな売上高を持っている「ヨークベニマル」にして、「直営衣料の縮小、不拡大」を積極的にすすめているわけです。これを、他の食品スーパーチェーンが見て、「ヨークベニマルでさえああなのだから、わが社も、衣料から撤退しょう」と考えるのは自然な流れと言えるかもしれません。

ヨークベニマルの考え方とその企業行動が、他の食品スーパーチェーンに与える影響はとても大きいと思っています。ですから、多くの食品スーパーチンが「右にならえ」、すなわち、直営衣料部門を縮小、または閉鎖・撤退する、今後、そういうケースがますます増えるだろうと考えるわけです。

■食品スーパーチェーンが直営衣料部門を閉鎖・撤退しますと、その店のマーケットの衣料品売上に、少なくとも1億円、そして場合によっては数億円の「穴」があきます。この「穴」を誰が埋めるか、奪い取るかをよく考えておかねばなりません。なにもしなければ、これらの「穴」は、その多くが「ファッションセンターしまむら」に埋められてしまうかもしれません。各地区にある小型量販衣料品店、そしてディリーファッションストアは、そのへんの動きをよーく見ておく必要があるのではないでしょうか・・・・・・。

 「食品SMチェーンの直営衣料部門」が消えてゆく  完

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チラシ販促:「しまむら 1月のチラシ販促比較分析」

チラシ販促回数増やし、ストップ・ザ・「既存店売上前年割れ」

ファッションセンターしまむら(単体)の2007年度3月~2008年1月まで、今期、11ヶ月間の月別既存店売上高前年比(伸率)は、次の通りです。(しまむらHPより)

07/3月99.7%4月100.7%5月101.8%6月99.4%7月91.2%

8月105.6%9月92.9%10月103.0%11月96.0%12月96.5%

07/1月102.5%

「売上前年割れ」の月が6つ、「売上前年100%超」の月が5つ、勝敗で言えば「5勝6敗」というところです。これは推測ですが、この数値は、しまむらに相当の「危機感」を持たせたのではないかと思います。とりわけ、07年11月と12月、2ヶ月連続での「既存店売上前年割れ」は、この月が年間でも「稼ぎ月」であるだけに、その「危機感」は一層強まったのではないかと考えられます。

「しまむらはこの状況(「既存店売上前年割れ」が続いたという状況)に対して、これを打開するためにどんな手を打つのだろう」と、強い関心を持って見ていました。その打開策の一つとして、おそらく、「チラシ販促回数を増やし売上獲得をはかる」ことであろうと考えていましたが、この見方は当ったかなと思います。

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■2007年度1月と、2008年度1月の「チラシ販促セール」実績比較表です。

■ファッションセンターしまむらの、2008年度1月と2007年度1月に打たれたチラシ販促セールを比較分析しますと、次のようなことが言えます。

(1)2008年度1月は7本、前年同月は5本で、前年に比べ、チラシ販促セール回数が2回多い。(2008年1月は、もう1本増えて8本になるかもしれません。1月30日・水、立ち上げのチラシ販促セールをもう1本打つかもしれないからです)

(2)2008年度のチラシ販促セールでは、「冬のラストセール」が1回、「冬物処分」のタイトルが2回あり、冬物処分を強調したチラシ販促セールが3回もありました。一方、前年同月のチラシ販促セールには、このようなタイトルは見当たりません。2008年度1月は、「冬物処分」を強調し、低価格訴求を強く打ち出すことで集客力を高め、売上拡大を図ったのかもしれません。そして、その効果はあったという実績になっているように思います。

(3)2008年度1月は、業界用語で言うところの「追い込みチラシ」を打っています。1月12日のチラシ、19日のチラシ、この2本です。前年同月には、この「追い込みチラシ」はありませんでした。

(4)同業他社、「パシオス」の2008年度1月のチラシ販促セールは5本ですが、それと比べて、ファッションセンターしまむらの1月度のチラシ販促セール回数7回ですから、2回も多いことになります。

■「既存店の売上高前年割れ」を阻止するために、いろいろの手を打っていることでしょうが、やはり、一番効果の大きいものは「チラシ販促セール」回数を増やしたことではなかったかと思います。ファッショントレンド商品の早期積極的投入・品揃え、コーディネイト提案、関連商品の陳列演出を強化し、それで購買点数拡大を図る、ビジュアルプレゼンテーション強化、など等の対策も同時平行で展開されたものと思われますが、「チラシ販促セール」の回数増という対策が最も効き目があったのではということです。

■チラシ販促セール回数を増やせば、当然のことながら、その月の宣伝広告費は増えます。それ(経費コスト増)を嫌って、「既存店前年割れ」を続け、意気消沈、暗い気持ちになるよりも、経費増にはなりますが、チラシ販促セールを増やし、積極的攻撃策で売上を上げ、勢いをつけ元気になる方がベターなのではないかと思います。(とは言っても、とにかくどんなチラシ販促セールでもよいから回数を増やせばいいということではありません。セール企画を十二分に練った上で、「これならイケル」という効果大の企画をつくりあげるねばなりません)

既存店の売上を伸ばし、「既存店売上前年割れ」をストップさせるには、とても厳しい環境が続いていますから、決して容易なことではないでしょう。しかし、「ただじっとしているだけ」では、決して、「良い方向」に変えることはできません。何か手を打たねば「ジリ貧」になるだけです。いろいろの手が考えられるでしょうが、チラシ販促セールを増やし、それで、勢いと元気をつける、これを、最も有効な手立てと考えて、思いっきり攻撃的積極策をとるのも意味ある選択肢の一つであると思います。

     「しまむら  1月のチラシ販促・比較分析」 完

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競争激戦地:「塩釜市に2つのファッションモール」

しまむら、塩釜市(宮城県)に2つのファッションモールを出店

宮城県塩釜市は、人口58939人、21943世帯(平成19年12月現在)の小都市です。その町へ「ファッションセンターしまむら」は2つのファッションモールを出店し、「塩釜市制圧作戦」を展開しています。一つは「塩釜ファッションモール」、もうひとつは「塩釜北ファッションモール」ですが、この2つのモール間の距離は、約3kmと極めて近くにつくられています。これではもう、他のディリーファッションストアが入り込める余地はほとんど無いと言っていいでしょう。無理やり出店してきても、そこで生きていくことは難しいと考えられるからです。

006が「塩釜北ファッションモール」、そして、が「塩釜ファッションモール」です。円は半径1kmですが、2店間の距離は、道路を行くとして、約3kmというところです。図の右側は「海」になっています。しまむらでも、このような至近距離で2つのファッションモールを展開しているところはとても少ないのではないかと思います。

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■図は「塩釜ファッションモール」と「塩釜北ファッションモール」の概要、及び店舗所在地マップです。釜ファッションモールは、「ファッションセンターしまむら塩釜店+アベイル塩釜店の2店構成で、店舗面積は2243㎡。塩釜北ファッションモールは、「ファッションセンターしまむら塩釜北店+バースディ塩釜北店の2店構成で、店舗面積は2041㎡です。

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■写真は「塩釜北ファッションモール」の外観です。最近のしまむらの出店形態を見ていますと、このような形、すなわち、ファッションモールでの出店がかなり多くなったように思います。しまむらグループ、ファッションセンターしまむら、アベイル、バースディ、シャンブル、ディバロ、これらをいくつか組み合わせてモールを構成していますが、しまむらも、「1店より2店、2店より3店で構成。その方が商業施設として、集客力もあり、競争力もある」という考えを持つに至ったのかもしれません。複合型大規模商業施設の開発が増えていますが、しまむらグループも、全体の力を結集して、「しまむら流複合型NSC」をつくっていこうということでしょうか。それにしても、人口6万人にも満たない小都市、塩釜市に2つのファッションモールを出すとは思いませんでしたからちょっと驚いています。

■「塩釜ファッションモール・店舗面積2243㎡」と、「塩釜北ファッションモール・店舗面積2041㎡」を足した店舗面積合計は4284㎡です。塩釜市には、このような大きな売場面積を有するディリーファッションストアは他に見当たりません。したがって、おそらく、この2つのファッションモールは、塩釜市でかなり高い衣料品売上シェアを獲得することになることが考えられます。(注:塩釜市には、大型店舗の「イオン塩釜ショッピングセンター・店舗面積8637㎡」があります。しかし、ディリーファッションゾーンで「しまむらと競争して勝てる力は無い」と言っていいと思います。塩釜市では「しまむらの独走、独占、寡占」という状況になることが容易に想像できます)

■しまむらの宮城県における2007年2月期の営業実績、しまむらの年間坪当り売上高100.8万円と、アベイル70.3万円、バースディ51.5万円(②と③は全店計平均実績)、この3つの数値を基に、2つのファッションモールの初年度売上高を推計(単純計算)しますと次のようになります。

●塩釜ファッションモール

(a)しまむら塩釜店・376坪×年坪売100.8万円≒初年度売上高3億7900万円

(b)アベイル塩釜店・302坪×年坪売70.3万円≒初年度売上高2億1230万円

 2店合計初年度年間売上高5億9130万円

●塩釜北ファッションモール

同様の計算式で、塩釜北ファッションモールの初年度年間売上高推計を行いますと、それは4億8060万円となります。

2つのファッションモール合計の年間売上高推計10億7190万円となります。

単純計算での年間売上高推測値ですが、これは、塩釜市の衣料品及び衣料品関連年間需要額(43億8860万円)に占める売上シェア23.88%となります。おそらく、しまむらはこの2つのモールで23%から25%の売上シェアを奪取するものと考えられます。もしかしたら、この数値は「下限値」で、「上限値」はもっと上の数値になるかもしれません。しまむらはそれがやれる力を持っているからです。

■人口約22000世帯という小都市、塩釜市に2つのファッションモールを出してその「制圧作戦」を展開する、こういう戦略といいますか、攻め方をされると、相手が相手だけに(しまむらという強者が相手だけに)、地元勢はもちろん、塩釜市に進出を考えていた他のディリーファッションストアにも「打つ手」は無いでしょう。あえて、危険を冒してまで出店してくることはないと考えられます。この、塩釜市のようなケースが、これから先、もっと増えていくのではないかと思います。そして、全国各地で「しまむらの一人勝ち、独走態勢」が、まだまだ続くのではないかと考えています。

   「塩釜市に2つのファッションモール」  完

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商品部動向:「バイヤーの平均年齢は何歳?」

小型量販衣料品店チェーンのメイン顧客ターゲット

小型量販衣料品店チェーン、ディリーファッションストアが考えている「メイン顧客ターゲット設定」についてそのホームページを見て調べてみました。

ファッションセンターしまむらが考えている「メイン顧客ターゲット」は、

25歳~50歳までの家庭の主婦が日常生活のたのに使用する衣料品・・・・・これがしまむらの扱う商品のターゲットです。(しまむらホームページより抜粋)

013■ファッションセンターしまむらのショーウインドーのディスプレイ を見ると、「25歳から30歳の女性、主婦」に焦点を当てた陳列・演出をしているように感じます。実際、品揃えの「顔」も、かなり若く、ヤングからヤングミセス、「30歳前後の顔」にしていると思われます。中高年の女性から見れば、「私たちは対象外?」と思われるかもしれないほど、かなり「若い」打ち出しです。また、最先端のファッショントレンドも意識して陳列・演出で打ち出し、品揃えも強化されています。

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■パシオスのショーウインドーを見ても、しまむらと同様、「かなり若い」打ち出しをしています。ファッショントレンド、今、旬の商品を陳列・演出しているのが分かります。顧客ターゲットは、ティーンズ、ヤング、ヤングミセス、ミセス、エルダーと幅広く設定してはいますが、陳列・演出で強く意識している対象は、やはり、ヤングでしょう。

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■ファッション市場サンキのターゲット幅は、しまむらや、パシオスに比べれば、はるかに幅広く、とくに、中高年男女、シニア、エルダー層の吸収力は最も強いと思われます。しかし、そのサンキでも、メインディスプレイステージの陳列・演出の打ち出しはこのように「とても若い」打ち出しです。このように、ファッションセンターしまむら、パシオス、サンキ、ともに、「見た目」だけでなく、その品揃えも、ヤングに強く焦点を当てた品揃えです。3社ともに、25歳から30歳を対象とした「品揃え」、「陳列・演出」、「顔づくり」をやっていると言えます。

■25歳~30歳、ヤングからヤングミセスを強く意識した品揃えが適確に出来るかどうかはバイヤー(商品仕入担当者)の「感性」、「皮膚感覚」で決まる。

25歳から30歳、ヤング~ヤングミセスのライフスタイルと、彼女らが「求ているもの」、要望に、ジャストミートできる品揃え、アイテム揃え、陳列・演出、これができているかどうかで店の盛衰が決まると言ってもいい時代です。そして、それをやりとげるのがバイヤー(商品仕入担当者)の仕事、役目です。

ここで、多少、「気になること」があります。とくに、食品スーパーチェーンの直営衣料部門のバイヤーに見られることですが、その平均年齢の高いことです。かなり多くの店が40歳以上のバイヤーで占められています。40歳以上だから、「ヤングマインド、ヤングコンシャス、ファッションコンシャスに欠けている。感じることも、理解もできない」とは言いません。しかし、今の、25歳から30歳の女性の感性・感覚にジャストミートできる品揃えが、どこまで構築できるか、そこは大いに疑問のあるところです。

商品部のバイヤーだけでなく、その店を構成する全社員平均年齢を「若く」保つ、維持することが大事なのではないかと考えます。それがないと、今の、25歳から30歳、ヤングからヤングミセスのライフスタイル、要望にジャストミートした品揃えはできないのではないかと思います。次代を背負う「若い社員」が全然いない、または、いても、ほんの少数だけ、そういう店の将来は、あまり明るいものではないでしょう。

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■表は、有力衣料品店チェーンと、GMS、それに「元気印」の食品スーパーなどの「社員平均年齢」を調べたものです。短絡的な結論を出すつもりは全くありませんが、「やはり、若い企業が元気がいい、伸びている」と思うのですが、この見方は間違っているでしょうか・・・・・。「社員平均年齢の若い企業しか生きていけない」とまでは言いませんが、生き残りの必要条件ではあると言えるように思うのです。

「バイヤーの平均年齢は何歳?」  完

  

        

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業界動向:「強い食品スーパーとの共存・共生」

■「強い食品スーパーとの共存・共生」をしないと生き残れない時代

小型量販衣料品店・ディリーファッションストアの中で、「個店集客力」とでも言えばいいのでしょうか、「ひとり、単独で(スタンドアローンで)も客を呼び込める力」、すなわち、他者の力を借りなくとも自力の集客力で生きていける、そういう力を持っている店は意外と少ないように思われます。

企業名をあげれば、「ファッションセンターしまむら」、「パシオス」、「ファッション市場サンキ」、おそらく、この3社ぐらいではないでしょうか。こんなことを言うと、「うるさい! 生意気なことを言うな」と叱られそうですが、この3社以外のディリーファッションストア、例えば、「サミットコルモ」、「アイエフキュー」、「ピーエフ」、「オンセンド」などの店の「個店集客力」、「自力集客力」は、先にあげた3社の店と比べれば、「とても弱い」のではないかと思うからです。「独り立ち」といいますか、「他者の力など借りずに、自力の集客力で食っていける」、そういう力というか、強さが個店にあまりないのではないかということです。

これらの店には、「一人ぼっちは危険。誰か強者と一緒に、強者の力も借りて、厳しい競争を戦っていく、生き抜いていくという生き方」が必ず必要になってくるのではないかと思います。具体的に言えば、強力な集客力と競争力を持った「強い食品スーパーとの共存・共生」ということです。そういう「強い食品スーパー」が核店舗となって構成されているNSCや、その食品スーパーの店舗内に出店し、そこで「共存・共生」をはかるという生き方です。好き嫌いは別にして、そういう「生き方」をしていかないと、多くのディリーファッションストアは生きていけない、生き残れない、そういう時代になってきたと考えられるからです。

食品スーパーの店舗内にテナント出店すると、コスト負担で「割り勘負け」すると言われてきました。実際、詳しく調べてみますと、そういうケースが数多くありました。したがって、時間はかかるでしょうが、そこで生じている「不利な条件」は、交渉努力で是正していかねばなりません。しかし、このことがあるから、食品スーパー店舗内へのテナント出店はしない」、また、「食品スーパーが核店舗のNSCにも出ない」というのは、間違った選択と言えます。入居保証金、家賃、共益費などが、自店の力(支払能力)から考えると「ちょっと高いかな」という時でも(力不相応の無理は別として)、強い食品スーパーの店舗への出店、その強い食品スーパーが核店舗のNSCへの出店は、これからは「前向きに」考えるべきではないかと思います。14_034

■そんなことを考えまして、「強い食品スーパーと共存・共生」をしているディリーファッションストアの店を探してみました。そして、かなりの店数があることが分かりました。まず、手始めに、「サミットコルモ」と、「パシオス」の店から調べてみました。その結果、この2社は、それぞれの地域の有力食品スーパーの店舗内、強い食品スーパーが核店舗のNSCへ相当数の店を出していることが分かりました。「サミットコルモ」は、「サミット」、「スーパーアルプス」、「ヤオコー」などの強い食品スーパーの店舗内、または、それらが核店舗のNSCへ、そして、「パシオス」は「サンワ」、「ヤオコー」などの店舗内へ、また、その強い食品スーパーが核店舗のNSCへ、両者ともにかなりの店数を出店しているのです。

17_035■「強い食品スーパーにくっついていく、その隣に店を出す」、そういう戦略を 、生き残り策として考えていかねばならない時代です。「個店集客力」、「自力集客力」に絶対の自信を持っている店は別として、そういう力の無い店、いまひとつ自信が無い店の「生き残り策」はこれしかないと言ってもいいかもしれません。

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■強い食品スーパーが核店舗のNSCへのテナント出店、そういう強い食品スーパーの店舗内へのテナント出店は、入居条件も厳しく(高く)、これでは儲からないと出店を躊躇することもあるかもしれません。しかし、そこで、簡単に諦めずに、粘り強く交渉し、これならなんとかできるというレベルまで下げてもらうという努力が必要です。最近の情勢は、どちらかと言えば、テナントに有利な風が吹いているからです。

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■「どの食品スーパーが強いのか」、「どの食品スーパーにくっついていけばいいのか」、それを見つける選択眼を磨かねばなりません。情報を集めて分析せねばならないでしよう。同業他社を見ていればそれでいいという時代ではありません。どうすれば、この厳しい競争社会で生き抜いていけるか、生き残れるかを、広い視野をもって、見ていかねばならないのではないでしょうか。

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■最近では、「ファッションセンターしまむら」も、強い食品スーパーの店舗内への出店、強力な集客力を持った食品スーパーが核店舗になっているNSCへの出店を増やしているように見えます。「一人でも食っていける力、個店集客力、自力集客力もある」しまむらも、集積力があり、集客力も高い商業施設への出店を、企業拡大、店舗数拡大の「重要な一つの選択肢」として考えているのではないかと思われます。

「強い食品スーパーとの共存・共生」

  完

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業界動向:「適正規模」について

ディリーファッションストアの適正規模(店舗面積)は300坪か?

ディリーファッションストアの適正規模(売場坪数)は300坪であると、ずいぶん長い間、言われてきました。しかし、ディリーファッションストア各社の出店店舗の売場面積を時系列に詳しく調べて見ますと、時間とともに変化していることが見えてきます。また、それぞれの小売企業によって、適正規模に対する考え方もかなり異なることも分かります。

ディリーファッションストア大手、「ファッションセンターしまむら」、「パシオス」、「サンキ」、「サミットコルモ」、この4社が、それぞれ考えている適正規模(売場坪数)は?と問われても、即答するのは難しいでしょう。時系列に見るとかなり変化しているからです。

とは言っても、その店舗数が1000店を超える「ファッションセンターしまむら」が考えている適正規模(店舗面積)は、ディリーファッションストアの「適正規模の目安」になり得るのではないかと思います。そこで、ファッションセンターしまむらの店舗面積を時系列に分析してみました。結果は別表のとおりです。

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■ファッションセンターしまむら(単体)の、各年度別出店店舗1店平均売場面積、各年度期末全店平均1店舗売場面積、この二つを時系列に並べて見た表です。その結果、次のことが分かります。①各年度別出店店舗1店平均売場面積は、下限値が295坪、上限値は379坪です。また、②各年度期末全店平均1店舗売場面積は、下限値288坪、上限値305坪です。この数値データを見ますと、ファッションセンターしまむらは、標準店舗の売場面積規模を、確かに、300坪と考えていたことが見て取れます。しかし、一方、各年度別出店店舗の1店平均売場面積の数値には、かなり凸凹があります。2001年度・330、2002年度・296坪、2003年度・379坪、2004年度・370坪、2005年度・345坪、2006年度・347坪、2007年度・295坪、という数値です。これらの数値から、ファッションセンターしまむらが、今後、出店する標準店舗の売場面積は何坪なのか明確に読み取ることは難しいかもしれませんが、なんとなく(こういう言い方はあまりよくありませんが)、350坪から370坪あたりかなと推測されます。

2007年度の数値が295坪と低下していますが、これは、例えば、高田馬場店などのように、東京都心部への出店では、しまむらが、今、考えている標準店舗面積350坪から370坪の確保がそう簡単ではないという事情が背景にあるからです。しまむらが、東京都心部や、神奈川県大都市部(横浜など)への出店を強化すればするほど、この傾向が続くものと思われます。

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■ファッションセンターしまむら高田馬場店は、食品スーパー・ピーコック高田馬場店の2階に出店しましたが、その売場面積は200坪以下です。しまむらが考えている標準店舗の売場面積と比較すると、100坪から150坪は狭いと考えられますが、東京都心部への出店で、好立地の物件が出た場合、200坪以下でも出店するということでしょう。好立地、好物件なら出店優先という考えかもしれません。しかし、しまむらは、「チェーンストアは標準化が最も大事」という考えを捨てたわけでないことは言うまでもありません。

■ディリーファッションストアの「標準店舗の売場面積は300坪が適正規模である」と考えているところは、しまむらのほかに、もう1社、「サミットコルモ」がそうではないかと思います。かれらが出店した新店舗の売場面積を時系列に調べれば分かりますが、ほとんどの店が売場面積300坪です。ですから、「しまむら」と「サミットコルモ」の店が競争競合する場合は、品揃え力、商品力、MD力の戦いになります。「サミットコルモ」にとっては厳しい戦いを強いられることになるのではないかと推測されます。

■「ファッション市場サンキ」には、標準店舗とか、その適正規模とかいう考えはあまりないように思われます。500坪から1000坪の規模の店が多いかなという見方もできますが、出店店舗の売場面積規模を見てみますと、「なりゆき型」と言った方がよいような気がします。しかし、「競争相手の店より大きな面積の店を出す(2倍から3倍)」という考えは徹底しているように思います。サンキには1000坪の店をまわせる力があり、自信も持っているからです。

■「パシオス」は立地と商圏規模によって、3つの店舗規模パターンを持っていますが、450坪から500坪を適正規模と考えているように思われます。今は、「しまむらグループ」に入ってしまいましたが、それまでは「しまむら」を敵として戦ってきたからでしょうか、しまむらの300坪より大きな面積、450坪から500坪の店を出してきたように思います。これから先のことは、「しまむらとの店舗調整」などがあると思われますので、どう変わるかは分かりません。

商圏人口10000世帯、1世帯当り年間消費支出20万円(ディリーファッションストアが対象にできる支出)、想定商圏内年間需要額→①×②=20億円、初年度確保目標売上シェア15%、初年度売上高目標→③×④=3億円、売場坪当り年間売上高設定100万円、必要売場坪数→⑤÷⑥=300坪、という計算が、いままでは、ディリーファッションストアの標準店舗モデルとされていました。

そして、経験則によれば、出店店舗初期投資額は、「売場坪当り年間粗利益額と同額の初期投資額」、(例えば、粗利益率30%×売場坪当り年間売上高100万円=売場坪当り年間粗利益高30万円、すなわち、売場1坪当り30万円の投資額、売場面積300坪なら総投資額9000万円という出店店舗初期投資額)が「安全主義の投資基準」と考えられていました。あなたのお考えはどうでしたか・・・・・・・。

  「適正規模」について   完

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経営課題:「既存店の活性化」こそ最大の経営課題

■「既存店の活性化」ができねば衰弱死。

「既存店の活性化」は常に最大の経営課題です。これを怠った小売企業は、驚くほど短期間で衰弱死してしまう危険が大いにあります。とりわけ、その店舗数が30店以上のディリーファッションストア・チェーンは、「既存店の活性化がどこまでできるか」、これでその企業の「これから先の寿命」が決まると言っても過言ではないかもしれません。ファッションセンターしまむら、パシオス、サンキ、サミットコルモなど、これらディリーファッションストア大手が、必死になって、「既存店の活性化」に力を注ぐのも、きっと、その恐さを熟知しているからでしょう。

ファッションセンターしまむらの店舗活性化策

ファッションセンターしまむらの「平成20年2月期:第3四半期財務・業績の概況」には、コーディネイト提案を強化し、売場での関連販売に結びつく陳列・演出技術を向上させ、既存店舗の建て替えを行い、店舗年齢の高い店舗の大規模改装を行い最新の標準型店舗と同じにした、このような店舗活性化策を進めたと記載されています。

しかし、それでも、店舗数が1000店を超えたあたりから、既存店の売上高前年比(伸率)の「前年割れ」の月が目立つようになってきました。ディリーファッションストア最大手・最強と言っていい「しまむら」の力をもってしても、「既存店の活性化」はそれほど容易なことではないということかもしれません。(今年度の既存店数は、おそらく、900店舗を超えていると思われます。これだけ多くの数の既存店を、活性化し、その「売上前年割れ」をくいとめることは、大変な仕事というか、最大の経営課題になるのではないかと思います)

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■「ファッションセンターしまむら」でさえも、店舗数が1000店を超えたあたりから、既存店の「売上・前年割れ」の月が目立つようになってきた。既存店の活性化が最大の経営課題になってきた。

既存店の活性化 事例:「ファッション市場サンキ・熊谷店」

ファッション市場サンキの既存店活性化策で目立つのは、対象店舗を「増床・増築」し、それで店舗力の強化拡大をはかると同時に、活性化も行うというやり方です。「小絹店」、「牛久店」などを見れば、このやり方での既存店活性化と店舗力強化に、サンキが相当の自信を持っているのが分かります。さらに、これら2店よりも、もっと旧い店、店舗年齢の高い店でも、そのやり方、「増床・増築」による活性化策をとっています。その一つの事例が「サンキ熊谷店(北関東三喜)」です。

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■図は「サンキ熊谷店」の概況です。昭和62年に開店した、かなり旧い店ですが、「増床・増築」で店舗力の強化拡大をはかり、活性化をおこなうと同時に競合店対策にもなっています。

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■既存店の活性化策は、それぞれの企業によっていろいろです。しかし、「しまむら」や、「サンキ」にみられる、「増床・増築」、「移転・新築」、というダイナミックな活性化策が、一番効果があるように思います。誰もがとれるという活性化策ではありませんが、頭にいれておく必要があるのではないでしようか。300坪の店より500坪の店の方が強くなれる、また、活性化の効果も大きいと考えられます。

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■「サンキ熊谷店」の店舗案内図(売場レイアウト)です。ちょっと見にくいかもしれませんが、写真・左手の「ファッション館」部分が「増床・増築、新築」されています。そして、売場面積を約450坪に拡大し、活性化をはかると同時に、競合店対策、すなわち、「しまむら対策」にもなっています。この影響があったのでしょうか、「しまむら円光店」は、売場坪数が約400坪もあるにも関わらず、年商推計は約3億2000万円と、低い効率にとどまっています。

出店による企業規模拡大、売上高拡大も大事ですが、安定した経営、拡大発展をすすめるためには「既存店の活性化」をおろそかにすることはできないと思います。これを放ったままにして、急速多店舗出店だけで拡大策を進めていくのはとても危険なことではないでしょうか。「既存店の活性化」がますます重要な経営課題になってきているように思いますので、今後、各社の取り組み方をじっくり見てみよう、研究していこうと考えています。

  「既存店の活性化」こそ最大の経営課題   完

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チラシ販促:「端境期のチラシ販促セール」

ファッションセンターしまむら」&「パシオス」の端境期のチラシ

ずいぶん昔のことですが(20年前頃の話になりますか)、端境期には、多くの量販衣料品店が「晩期商法」と称した季節残品の見切り処分セールをやったものでした。近年ではみかけなくなりましたが、なかなかよく売れたものです。問屋・メーカーが残した季節残品を安く買い叩いて集め、低価格訴求型のチラシセールで、一挙に、短期間でその商品を売り切ってしまう、それが「晩期商法」です。現在は、問屋・メーカーの在庫コントロール力が進歩し、強化され、その技術力も極めて高いレベルになっていますから、昔のように、端境期、すなわち、季節の終わりに大量の商品を売れ残してしまったというような失敗はあまり起きなくなりました。したがって、「晩期商法」もなかなか企画することができなくなり、自然と立ち消えてしまったように思います。

しかし、端境期には必ず、前の季節の商品を売りさばかねばなりません。「売れ残り品を絶対に持ち越すな。たとえ、損しても売り切ってしまえ」というのが、今の商品経営の常識ですから、端境期には必ず「見切り処分セール」が展開されます。そこで、「ファッションセンターしまむら」と「パシオス」、この2社が端境期(とくに1月末から2月中旬)に、どんなチラシ販促セールを展開しているのか、2007年2月を調べてみました。

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■「ファッションセンターしまむら」が、07年2月に打った「冬物売り切りのチラシ」、2月10日~12日と、17日~20日、2枚のチラシ(その片面)です。 しまむらはMDの取り組み姿勢を、ファッショントレンド商品の早期積極的投入と展開としていますので、端境期でも、あまり「見切りセール」を打ち出しません。それより、次の季節の商品、次のファッショントレンドを強く打ち出すのを優先しているように思います。

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■しかし、端境期のチラシに載せる商品の売価設定は、とても安く、同業他社もなかなか追いかけられません。「安くて、お値打ち品」のセールを打ってきます。

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■「パシオス」が端境期に展開する売り尽くし、処分セールには、一連の流れといいますか、ストーリーがあります。クリアランスセール→完全処分、→③終了宣言 という流れです。例年、端境期、すなわち、「冬の終わり」の時期と、「夏の終わりの時期」に、このストーリーでの見切り処分セールを展開しています。ちらしのデザイン、レイアウト、コピー文言、掲載商品とその価格、各種「割引」の組み込みなど、とてもよくできたチラシ企画を打ってきます。「さすが、衣料品の商売をよく知っているな」と思わせる出来映えのチラシです。端境期に、必ず、このストーリー、この形のチラシを打ち込んでいますから、きっと、相当な効き目があるのかもしれません。その「パシオスのエキス」を取り込むことを考えてもいいのではないかなと思ったりもしますが、どうお考えですか・・・・・。

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■「パシオス」の冬物見切り処分セールチラシ(これはその表面)です。一連の流れ、ストーリーがあると前述しましたが、客から見ても、「分かりやすくて、納得のいく流れ、ストーリー」になっているのではないかと思います。「絵になるチラシ、絵になるストーリー」ですが、効き目のほども大きいのではと考えています。端境期のチラシは、えてして、ただ単に、「安い、安い、超見切り」絶叫型のものになりがちですが、なんとか、パシオス並みのストーリーをつくりたいものです。

    「端境期のチラシ販促セール」   完

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